「IT導入補助金2024」を活用してインボイス制度に対応する方法は?

ざっくり言うと… ・インボイス制度のためのシステム改修費に「IT導入補助金2024」の「インボイス枠」が使える ・「インボイス枠」の対象ツールはインボイス対応の会計・受注・決算ソフト、ポスレジやPCなどのハードウェア
梅沢 博香

公開日:

更新日:

「IT導入補助金2024」を活用してインボイス制度に対応する方法は?

インボイス制度に対応するには、請求書や領収書などの様式を変更する必要があり、それにともない会計ソフトや受発注ソフト、請求書ソフトの導入などが必須になります。
インボイス制度によるシステム改修・導入は、「IT導入補助金2024」を活用することで負担軽減できます。
本コラムでは、「IT導入補助金2024」を活用してインボイス制度に対応する方法を解説します。

インボイス制度のシステム改修費が補助されるのはインボイス枠!

「IT導入補助金2024」でインボイス制度のシステム改修費が補助されるのは「インボイス枠」です。
「インボイス枠」は「デジタル化基盤導入枠」の後継となる新枠で、「電子取引類型」と「インボイス対応類型」があります。
補助対象ツールや、対象者に違いがあるので申請の際は注意しましょう。

💡公式サイトより分かりやすい!「IT導入補助金2024」の詳細はコチラ!

大企業も申請可能!「電子取引類型」

取引関係における発注者(大企業を含む)が費用を負担してインボイス対応済の受発注ソフトを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者等が無償で利用できるケースを支援。

申請対象者:中小企業・小規模事業者等、大企業等
対象ツール:インボイス制度に対応した受発注ソフト
最大補助率:2/3
補助額:~350万円

小規模事業者優遇!ハードウェアも補助対象「インボイス対応類型」

・インボイス制度への対応に特化した支援枠で、会計・受発注・決済ソフトに加え、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウェア導入費用も支援。
・小規模事業者は最大4/5補助し、補助下限はなく安価なITツール導入も支援。

申請対象者:中小企業・小規模事業者等
対象ツール:インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト、PC・タブレット等、レジ・券売機等
最大補助率:4/5(小規模事業者以外は3/4)
補助額:~350万円

補助金の計算方法

「電子取引類型」の場合

(1) 導入したいITツールの値段の申請する類型の補助率をかける
(2) (1)が「補助額」内に収まればOK

例:大企業が800万円のITツールを「電子取引類型」に申請する場合。
800万円×1/2=400万円。
最大補助額は350万円までなので補助されるのは400万円ではなく350万円です。

インボイス対応に使えるIT導入補助金2024出典:「IT導入補助金2024」チラシ

「インボイス対応類型」の場合

「インボイス対応類型」の場合、補助率が2段階あるので注意しましょう。
「IT導入補助金2024」を活用してインボイス制度に対応する方法出典:「IT導入補助金2024」チラシ
ソフトウェアに関わる購入費用が、666,667円を境に補助率が変わり、
・666,667円以下の場合は補助率3/4(小規模事業者の場合は4/5)
・666,667円を超えたら補助率2/3
となります。

例:中小企業が100万のITツールを導入する場合
(1) 補助対象経費666,667 円×補助率 3/4 = 500,000円
(2) 補助対象経費33,3333円 ×補助率 2/3 = 222,222円
 合計722,222円
交付申請できる金額は約72万円となります

「IT導入補助金2024」のチラシはこちら!

【IT導入補助金2024】「インボイス枠」の補助対象となる事業者

「IT導入補助金2024」の補助対象者は、中小企業、小規模事業者、個人事業主です。
業種によって申請できる条件が異なります。

中小企業等の補助対象者

「資本金の額または出資の総額」か「常勤の数」のどちらかの条件を満たす必要があります。

業種・組織形態資本金の額または出資の総額常勤の数
製造業
建設業
運輸業
3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業
(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業
(自動車・航空機用タイヤ・チューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く)
3億円900人
ソフトウエア業
情報処理サービス業
3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種
(上記以外)
3億円300人
医療法人
社会福祉法人
学校法人
---300人
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体---主たる業種に記載の従業員規模
特別の法律によって設立された組合またはその連合会---主たる業種に記載の従業員規模
財団法人(一般・公益)
社団法人(一般・公益)
主たる業種に記載の従業員規模
特定非営利活動法人主たる業種に記載の従業員規模

小規模事業者の補助対象者

業種分類常勤の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

注意!
補助金申請のタイミングで日本国内に登録されている個人または法人であり、日本国内で事業を行っている事業者が対象です。

「IT導入補助金2024」は個人事業主も申請できる補助金。
「「IT導入補助金2024」を使ってインボイス対応のシステム導入・改修をしたい!」とお考え個人事業主の方は、以下のコラムもご覧ください!

申請前にチェック!個人事業主が「IT導入補助金2024」を使うには?

「インボイス枠」の補助対象となるITツール

「電子取引類型」インボイス対応の受発注ソフトのみ!

対象ツール:インボイス制度に対応した受発注ソフト
インボイス制度に対応した受発注ソフトを導入する場合はこちらの類型を使います。
受発注ソフトは「インボイス対応類型」でも申請できますが、大企業は申請不可なのでご注意ください。

「インボイス対応類型」インボイス対応POSレジも補助!

対象ツール:インボイス制度に対応した会計・受発注・決済の機能が搭載されたソフト、PC・タブレット等、レジ・券売機等
インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトとハードウェアをいっしょに購入したい中小企業・小規模事業者・個人事業主はこの類型を使います。
インボイス対応のPOSレジの購入を検討中の方も使えます。
ハードウェアのみの購入は申請対象外なので、必ず「ハードウェア+上記のソフトウェア」のセットで購入しましょう。

IT導入補助金の申請に必要な書類

IT導入補助金の申請に必要な書類は以下のとおりです。
【法人の場合】

実在証明書履歴事項全部証明書(発行から3ヶ月以内)
事業継続確認書類税務署の窓口で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」または「その2」)

PC・スマホで「履歴事項全部証明書」を取得する!
【個人事業主の場合】

本人確認書類運転免許証(有効期限内のもの)、運転経歴証明書若しくは住民票(発行から3ヶ月以内のもの)
事業実態確認書類1税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
事業実態確認書類2税務署が受領した直近分の確定申告書の控え

「IT導入補助金2024」の申請から交付までの流れ

(1)IT導入支援事業者とITツールを選ぶ

まず、自社の業種や事業規模・経営課題に沿って、IT導入支援事業者と購入するITツールを決めましょう。
IT導入支援事業者とITツールの検索は「IT導入補助金」の公式サイトから検索できます。
※「IT導入補助金」の公式サイトは現在まだ公開されていません。(2024年1月17日)
「IT導入補助金2023」でIT導入支援事業者・ITツールの検索してみる!

(2)gBizIDプライムのアカウントを取得

「gBizID」は1つのID・パスワードでさまざまな行政サービスや補助金のマイページにログインできるサービスで、「gBizIDプライム」と「gBizIDエントリー」の2種類があります。
「IT導入補助金2024」の申請には「gBizIDプライム」が必要です。
個人事業主に限り「gBizIDプライム」がオンラインで取得できるようになりました!詳細は以下のコラムをご覧ください。

【gBizIDプライム】個人事業主だけ!オンラインで即時取得◎

(3)交付申請

IT導入支援事業者と協力して申請します。
事業計画書の作成完了後は、以下の流れで申請を行います。

交付申請の流れ

(1) IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受ける
(2) 申請マイページに代表者の氏名などを含む申請者基本情報を入力する
(3) 交付申請に必要となる情報を入力し、書類を添付する
(※IT導入支援事業者が導入するITツールの情報や事業計画値を入力する)
(4) 申請者は申請マイページ上で入力内容の最終確認を行った後に、申請に対する宣誓を行って事務局へ提出する


「IT導入補助金2024」を活用してインボイス制度に対応する方法出典:「IT導入補助金2023」公式サイト

(4)ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)

「IT導入補助金 2024」の申請を行い、事務局から交付決定の通知を受けた後にITツールの発注と契約、支払いなどを行います。
必ず「申請→ITツールの発注・契約・支払い」です。この順序が逆の場合は補助金の交付を受けられなくなるので注意しましょう。

(5)事業実績報告

補助事業が完了後は、ITツールの発注・契約・納品・支払いなどを行ったことが分かる証憑を事務局に提出します。

事業実績報告の証憑の提出の流れ

(1) 中小企業・小規模事業者が、申請マイページから事業実績報告に必要な情報および商標の添付を行い、事業実績報告を作成する
(2) IT導入支援事業者が内容の確認と必要情報の入力を行う
(3) 中小企業・小規模事業者が、事務局に事業実績報告を提出する

(6)補助金交付手続き

事業実績報告が完了して補助金額が確定すると、申請マイページで補助額が確認できます。
その内容を確認した後に補助金が交付されます。

(7)事業実施効果報告

補助金を受給した後も事業実施で得られた効果の報告が必要です。
事業実施効果報告は定められた期限内にマイページに必要情報を入力後、IT導入支援事業者の確認をしてもらい提出をします。

「インボイス枠」の申請はいつからいつまで?

「IT導入補助金2024」の「インボイス枠」のすでに確定している申請スケジュールは以下の通りです。
第1回締切分の申請は2024年2月中旬に開始されます。

「インボイス枠」(電子取引類型)のスケジュール

■第1回締切分
締切日:2024年3月15日
採択発表:2024年4月下旬

■第2回締切分
締切日:2024年4月15日
採択発表:2024年5月下旬

■第3回締切分
締切日:2024年5月20日
採択発表:2024年7月上旬

「インボイス枠」(インボイス対応類型)のスケジュール

■第1回締切分
締切日:2024年3月15日
採択発表:2024年4月下旬

■第2回締切分
締切日:2024年3月29日
採択発表:2024年5月中旬

■第3回締切分
締切日:2024年4月15日
採択発表:2024年5月下旬

■第4回公募
締切日:2024年4月30日
採択発表:2024年6月上旬

■第5回公募
締切日:2024年5月20日
採択発表:2024年7月上旬


補助金サイトが「IT導入補助金2024」のスケジュールを予想してみた!

インボイス制度に対応した「IT導入補助金2024」以外の補助金

インボイス制度に関連する国の補助金は「IT導入補助金2024」以外にもあります。

・ものづくり補助金……インボイス対応のツールを導入したときに使える
・事業継承・引継ぎ補助金……インボイス制度導入によって休業・廃業したときに使える
・小規模事業者持続化補助金……免税事業者からインボイス発行事業者(課税事業者)に転換したときに使える

ものづくり補助金

最大補助額:4,000万円
最大補助率:2/3

公式サイトはコチラ!
「ものづくり補助金」は、中小企業などの生産性向上を支援する補助金で、働き方改革や賃上げ、インボイス制度導入など今後発生し得る制度変更に対応するための費用を支援する補助金です。
インボイス制度に特化した補助金ではありませんが、インボイス制度導入に向けて新しいシステムを導入したり機器を購入したりする場合、「デジタル枠」が使える可能性があります。

「ものづくり補助金」に新枠の「省力化枠」が登場しました!
「省力化枠」は人手不足の解消のためデジタル技術を活用した設備を導入して効率化・生産性アップを目指す取り組みを支援する枠です。
詳しくは以下のコラムでご覧いただけます!

もの補助の新枠「省力化枠」って何?申請要件は?

事業継承・引継ぎ補助金

「事業継承・引継ぎ補助金」は、事業承継を行って経営革新などを行う中小企業や、M&Aによる経営資源の引き継ぎを行う中小企業に対して、その取り組みの一部を補助する制度です。
「経営革新」「専門家活用」「廃業・再チャレンジ」の3つの枠があります。
「事業継承・引継ぎ補助金」はインボイス制度に特化した補助金ではありませんが、インボイス制度導入によって休業・廃業した場合に、補助金を受け取れる可能性があります。
実際、去年「インボイス制度について検討する会合事業活動」で発表されたアンケート調査の結果によると、見通しに不安を感じる事業者は半数以上。
「廃業を検討している」と回答した事業者は約7.1%でした。

最大補助額:800万円
最大補助率:2/3

公式サイトはコチラ!

小規模事業者持続化補助金

最大補助額:200万円
最大補助率:2/3

公式サイトはコチラ!
免税事業者がインボイス発行事業者(課税事業者)に登録した場合、補助上限額に50万円が加算されます。
以下のコラムで、イラスト付きで分かりやすく解説しています!

インボイス対応ツールの導入・改修に使える補助金はこれだ!

👉あなたにおすすめのコラム

「IT導入補助金2024」でPCが買える!Macは…?
インボイス対応のPOSレジ導入にも「IT導入補助金2024」が使える!

事業の課題、「補助金」でお得に解決!

ビジネスには使える「知ってる人だけが得をする」制度がたくさんあります!
たとえば、「設備投資」や「新規事業への参入」の費用。
これらの費用に国の補助金が使える場合があります!

個人事業主も申請OK!国の補助金の一例

■IT導入補助金
最大450万円
・業務効率化のために会計ソフトを導入したい
・ソフトと一緒にPCやタブレットを購入したい
■ものづくり補助金
・最大4,000万円
・新商品や新サービスを開発したい
■事業再構築補助金
・最大7,000万円~3億円
・他業種に転換したい
・新規事業にチャレンジしたい
■小規模事業者持続化補助金
最大200万円
・新市場へ参入を目指すために販売戦略を立てたい
・新たな顧客層を獲得するために商品の改良・開発を行いたい


「自社はどんな補助金が使える?」
「設備投資に使える補助金が知りたい!」……など
少しでも気になることがあれば弊社にご相談ください!
ささいな疑問・ご相談でも無料でお受けします。
➤【無料】リアリゼイションに相談する!👍

個人事業主の方注目!その費用、補助金が使えます!

知ってる人だけが得をする補助金や給付金。
活用しない手はありませんよね!
国の補助金の中にも個人事業主が使えるものもたくさんあります!
たとえば、広告費や設備投資にも補助金が使える場合も。
あなたの事業のその課題、補助金でコストを抑えながら解決できるかも!
5つの質問に回答するだけ!
\\簡単10秒⏱あなたが使える補助金をチェック!//