小規模事業者持続化補助金の採択事例集|成功の秘訣を徹底解説!
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が商工会・商工会議所の支援を受けながら販路開拓を行う際に活用できる補助金です。補助金を初めて使う方でも使いやすい、小規模事業者に適した補助金です。本記事では、サービス業や製造業など複数の業種の採択事例をもとに、採択されるためのポイントを紹介します。
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この記事を監修した専門家

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
小規模事業者持続化補助金の採択事例
小規模事業者持続化補助金を活用する際、実際にどのような事例が採択されているのかが気になる方も多いのではないでしょうか。
本補助金の目的である「販路拡大」や「生産性向上」の観点から、具体的な採択事例を業種ごとにご紹介します。
また、補助金の申請においては業種の判定も重要です。小規模事業者持続化補助金では、以下のように業種が分類されています。
小規模事業者持続化補助金の概要はこちら!
小規模事業者持続化補助金の業種分類
1. 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)
他社が生産した商品をそのまま販売する事業(例:小売業、卸売業など)、または、個人の技能を活かしたサービスを提供する事業(例:美容室、整体院など)が該当します。
【採択事例】
- ECサイトの構築:実店舗のみで販売していた事業者が、オンライン販売を開始し販路拡大
- 宅配・出張サービスの導入:クリーニング店が宅配サービスを導入し、新規顧客を獲得
2. サービス業(宿泊業・娯楽業)
宿泊サービスを提供する事業(例:ホテル、旅館、民宿など)、または、映画館や劇場、観光関連施設などの娯楽サービスを提供する事業(例:映画館、劇場、アミューズメント施設など)が該当します。
【採択事例】
- 外国人観光客向けの多言語対応チラシ作成:民宿が外国人向けにPRし、集客力を強化
- バリアフリー改修:温泉旅館が高齢者向けに洋室を改修し、受け入れを強化
3. 製造業その他
自社で有形・無形の商品を生産する事業(例:食品製造業、アパレル製造業、ソフトウェア開発など)、または、他社が生産した商品に加工を施し、新たな価値を付与する事業(例:食品加工業、クラフト製造など)が該当します。
【採択事例】
- 海外向けECサイトの開設:伝統工芸品をオンライン販売し、新たな販路を開拓
- 生産効率向上のための設備導入:食品加工会社が新設備を導入し、生産性を向上
業種判定の具体例
業種 | 事業内容 | 判定 |
飲食店 | 店内で調理した料理を提供 | 商業・サービス業 |
飲食店 | 弁当や総菜を製造・販売 | 製造業 |
本屋 | 出版社から仕入れた本を販売 | 商業・サービス業 |
本屋 | 自社編集のガイドブックを制作・販売 | 製造業 |
参考:小規模事業者持続化補助金〈一般型〉 参考資料
商業・サービス業における採択事例
商業・サービス業において、小規模事業者持続化補助金を活用し、事業拡大や売上向上を実現した事例を紹介します。
採択事例1:出張理容サービスの展開
従来は店舗でのみ営業していた理髪店が、高齢者や在宅介護者向けに出張理容サービスを導入した事例です。
取り組み内容
- 移動式リクライニングチェアと移動式シャンプーユニットを導入し、自宅でも理容サービスを受けられる環境を整備
- サービスの認知拡大のためにパンフレットを作成・配布
- 外出が困難な高齢者に対応し、介護分野にも貢献
この施策により、新規顧客の獲得が進み、売上が向上しました。
採択事例2:和食料理教室の魅力を世界へ発信
外国人向けに家庭料理としての和食を教える料理教室が、インターネットを活用して販路を拡大した事例です。
取り組み内容
- ホームページに動画を掲載し、料理教室の魅力を視覚的に伝える
- 予約システムを導入し、利便性を向上
- SNSや外国の観光ガイドサイトに広告を掲載し、グローバルにPR
この結果、認知度の向上に加えて、メディア取材の機会が増え、ブランド価値が向上。売上の増加につながりました。
採択事例3:顧客の好みに合わせた設備とメニューを導入した寿司店
地域の寿司店が、顧客の利便性を高める設備を導入し、ランチタイムメニューの拡充により売上増加を実現した事例です。
取り組み内容
- テーブルに昇降機能を追加し、顧客が好みの高さに調整できるように
- 座卓を椅子席へ変更可能にし、正座が苦手な若者や高齢者にも対応
- ランチタイムにサイドメニューや女性向けデザート・コーヒーセットを導入
- チラシ広告を活用し、リピーター獲得を促進
これにより、多様な顧客層の獲得に成功し、売上向上につながりました。
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採択事例4:女性向けプランの開発で顧客層を拡大した焼肉店
焼肉店が女性向けプランを開発し、店舗PRを強化することで売上増加を実現した事例です。
取り組み内容
- 脂身の少ないロースやスネ肉を中心とした女性向け飲み放題プランを開発
- 宴会プランの広告を掲載し、女子会対応をアピール
- スタンド看板を大型化し、「焼肉」の文字を目立たせ、視認性を向上
- 店内にブラインドを設置し、店外からの視線や受動喫煙を防ぎ、女性にも優しい空間を演出
この結果、女性客の増加につながり、新たな顧客層を獲得することに成功しました。
宿泊・娯楽業における採択事例
宿泊・娯楽業の分野から、実際に小規模事業者持続化補助金を活用して事業を成長させた事例を紹介します。
採択事例1:3カ国語でのチラシを作成した農家民泊
外国人観光客向けに、日本の農業体験を提供する民泊事業者が補助金を活用し、集客力を向上させた事例です。
取り組み内容
- 民泊体験の魅力を伝える3カ国語対応のチラシを作成した農家民泊
- 訪日外国人向け団体や来店客に配布、DM送付による認知度拡大
- 店舗案内看板の設置と玄関の改修による訪問客の満足度向上
この施策により、リピーターが増え、売上の向上につながりました。
採択事例2:洋式化とバリアフリー化で高齢者顧客の受け入れを強化した旅館
温泉旅館が高齢者向けに施設をリニューアルし、売上の増加と安定化を実現した事例です。
取り組み内容
- 和室の客室をバリアフリー対応の洋室に改装
- 高齢者が利用しやすい設備の導入
高齢者客がすでに売上の30%以上を占めていたため、この施策により顧客満足度の向上と売上の安定化を実現しました。
製造業その他における採択事例
製造業やその他の業種における補助金活用事例を紹介します。
採択事例1:ネットショッピングでウレタンフォームの量り売り
ウレタンフォームの製造会社が、消費者向けにオンライン販売を開始した事例です。
取り組み内容
- ネットショップを開設し、ウレタンフォームの量り売りを開始
- BtoBからBtoCへと販路を拡大
これにより、新しい顧客層を開拓し、経営の安定化を実現しました。
採択事例2:工場見学をPR活動に活用した麹屋
麹屋製造業者が、補助金を活用して工場見学を事業に組み込んだ事例です。
取り組み内容
- 工場を改装し、販売スペースを設置
- 製造過程を開示することでブランド価値を向上
- 工場見学後の購買率が向上し、売上増加に成功
伝統製法を活かしたブランディングにより、信頼性が向上しました。
採択事例3:ファミリー向けの広報活動を強化したリフォーム会社
リフォーム会社が、若いファミリー層に向けたPR活動を行い、売上を拡大した事例です。
取り組み内容
- 会社のロゴをリニューアルし、看板デザインを一新
- ファミリー層向けのイベントを積極開催
- 認知度向上と企業イメージの向上に成功
広報活動の強化により、新規顧客の獲得に成功しました。
建設業が小規模事業者持続化補助金を活用する方法は?
採択事例4:ストレッチャー移送(介護)タクシーのPR
介護タクシー事業者が、補助金を活用して認知度を向上させた事例です。
取り組み内容
- 医療機関や老人ホーム向けにチラシを配布
- 自治体の広報を活用し、地域住民への周知を強化
- 新しい備品を導入し、サービス品質を向上
認知度拡大により医療機関との連携が強まり、売上アップにつながりました。
採択されるためのポイント
小規模事業者持続化補助金の採択を目指すために、以下の6つのポイントを押さえておきましょう。
- 書類不備をなくす
- 地域の市場分析を行う
- 計画の完成度を上げる
- 制度の目的に沿った事業を申請する
- 第三者が理解しやすい内容にする
- 事業内容を補助金の目的に具体的に合致させる
1.書類不備をなくす
申請書類の不備は採択の大きな障害になります。事前にしっかりと確認し、ミスを防ぎましょう。
確認すべきポイント
- 必要書類がすべて揃っているか
- 記入漏れや誤記がないか
- 申請枠ごとの追加書類が必要か(要項を確認)
申請前にチェックリストを作成しておくと安心です。
2.地域の市場分析を行う
採択事例を見ると、高齢者向けや外国人向けの事業が多く見られます。これは、事業者が市場分析を行い、地域で必要とされる商品やサービスを明確に把握しているためです。
採択率を高めるポイント
- 地域の需要に基づいた事業計画を作成する
- 地域社会への貢献性が高い事業を提案する
市場分析をしっかりと行い、地域に求められるサービスを提供することで、採択の可能性が高まります。
3.計画の完成度を上げる
小規模事業者持続化補助金は、事業計画書の完成度が採択を左右します。
高評価につながるポイント
- 計画の整合性(目的・課題・施策が一貫しているか)
- 経費の計上が明確かつ正確か
- 加点項目が活用されているか(要項を確認)
計画書をブラッシュアップし、完成度を高めることで採択の可能性を大きく引き上げましょう。
4.制度の目的に沿った事業を申請する
小規模事業者持続化補助金は、販路拡大や商品開発、業務効率化を支援することが目的です。
採択されにくい例
- 既存事業の単なるリニューアル
- 補助金の目的と関連性が薄い事業
採択されやすい例
- 新規顧客獲得のための広告・マーケティング施策
- 業務効率向上のためのITツール導入
- 新商品開発やサービスのブラッシュアップ
申請前に、事業内容が補助金の目的に適合しているかを再確認しましょう。
5.第三者が理解しやすい内容にする
審査は書類のみで行われるため、専門知識がない第三者でも理解できるように計画書を作成することが重要です。
事業計画書で明確にすべき項目
項目 | 内容 |
事業の目的 | なぜこの事業を行うのか |
現状の課題 | どのような問題を解決するのか |
自社の強み | 経営資源や強みをどう活かすか |
実施方法 | 販路拡大・売上アップの具体策 |
計画書を作成したら、第三者に読んでもらい、わかりやすいかフィードバックを受けることをおすすめします。
自分一人で事業計画書を作成することが不安という方は、行政書士などのプロの手を借りるのも一つの手です!
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6.事業内容を補助金の目的に具体的に合致させる
単に設備を新しくするだけでは、売上アップにつながるかどうかが不明確であり、採択が難しくなります。
採択されにくい例
飲食店が「今の冷蔵庫よりも高品質な冷蔵庫を導入すれば、食品の鮮度が上がり、売上も伸びる」と考えた場合、それだけでは売上向上との関係が不明瞭です。
採択されやすい例
- 新しい設備でしか提供できない新メニューを開発し、PRする
- 既存の良い商品をより多くの人に知ってもらうための販促活動を実施する
「販路拡大」や「生産性向上」に具体的に合致している事業計画を立てることが重要です。
監修者からのワンポイントアドバイス
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