小規模事業者持続化補助金の条件は?個人事業主も申請できるか解説!

小規模事業者持続化補助金の利用できる条件は、主に中小企業法で定められた「小規模事業者」との記載があります。 しかし、具体的な定義は細かく、どこまでが対象となるのかが分かりづらいですよね。 今回は小規模事業者持続化補助金を利用するにあたっての条件について解説します。
井上 雅也

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小規模事業者持続化補助金 条件

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

小規模事業者持続化補助金の条件は?

対象者の条件

小規模事業者持続化補助金の対象者は原則として中小企業基本法で定義された小規模事業者です。

この補助金の目的は、事業の持続や発展を図るために、販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を支援することです。

したがって、補助金を受けられるのは一定規模以下の事業者に限られています。

具体的には、業種ごとに定められた従業員数の上限を満たす必要があります。

商業やサービス業(宿泊業や娯楽業を除く)は5人以下、製造業や建設業などの場合は20人以下が基準となります。

たとえば、地方で5名以下の従業員を抱える小売店は補助金の対象となる可能性があります。

この場合、補助金を活用して広告宣伝を行い、新規顧客を獲得するなどの施策を展開できます。

自社が対象者に該当するかどうかを判断するには、従業員数だけでなく業種分類も重要です。詳細な要件を必ず公的資料や支援機関で確認することが必要です。

対象事業の条件

補助金の対象となる事業は、主に販路開拓や業務効率化を目的とした取り組みが中心です。

これには新商品やサービスの開発、市場調査、広告宣伝、ウェブサイトの作成、業務プロセスの改善を含む幅広い活動が含まれます。

ただし、補助金の趣旨に沿わない取り組みは対象外とされるため、計画の作成段階で注意が必要です。

具体例として、地元産品を販売する事業者が、ウェブサイトを新たに構築し、EC機能を追加する場合は対象事業に該当します。

一方で、単なる備品購入や運転資金に充てる用途は対象外となります。

また、対象事業には一定の要件があり、事業計画書の作成や効果の見込みを示すことが求められます。

補助金申請を検討する際は、自社の取り組みが「販路拡大」や「業務効率化」に該当するかを確認し、必要に応じて専門家に相談することが成功の鍵となります。
小規模事業者持続化補助金 条件

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参考:小規模事業者持続化補助金ガイドブック

個人事業主も小規模事業者持続化補助金の対象なの?

個人事業主も一定の条件を満たせば、小規模事業者持続化補助金の対象になります。

これは、個人事業主が小規模事業者に該当する場合に限られるため、自身の事業が該当するかどうかを確認することが必要です。

具体的には、業種ごとの従業員数の上限を守っていることが重要なポイントになります。

たとえば、商業やサービス業(宿泊業、娯楽業を除く)では常時雇用する従業員が5人以下製造業や建設業では20人以下であれば対象となります。

この基準は法人と個人事業主で変わらないため、個人で事業を行う方でも同じ条件が適用されます。

個人事業主が対象となるケースとして、たとえば地方で飲食店を営む個人が店舗改装を伴う販路開拓計画を作成し、補助金を申請した例が挙げられます。

この場合、補助金を活用して店内を改装し、観光客向けの新メニューを開発するなどの取り組みが可能です。

一方で、事業計画書の作成や計画の実現可能性の提示が求められるため、計画をしっかり練ることが必要です。

最終的に、自身の事業が補助金の趣旨に合致しているかを確認し、不明点があれば商工会議所などの支援機関に相談することが、重要となります。

個人事業主だからといって補助金の対象外と決めつけず、自分の事業形態をよく見直すことが重要です。

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小規模事業者持続化補助金の補助金額

小規模事業者持続化補助金の補助金額は、申請する事業内容や条件に応じて異なります。

この補助金は、主に販路開拓や業務効率化を目的とした事業に対して支援され、事業計画書に基づく具体的な取り組みに必要な費用の一部を補助する仕組みです。

一般的な補助金額の上限は50万円とされており、補助率は対象経費の3分の2までが基本です。

ただし、条件によっては上限が引き上げられるケースもあります。たとえば、特定の条件を満たす場合には100万円以上の補助を受けられることもあります。

具体的な条件には、コロナ禍に対応するための取り組みや、特定の地域振興策と連携した事業が含まれることがあります。

たとえば、地方で食品加工を行う事業者が新たに設備を導入し、商品パッケージを改良する計画を立てた場合、その費用の一部が補助金でカバーされます。

このような場合、対象となる経費には、設備費や広告宣伝費が含まれるため、事業者にとって資金負担の軽減につながります。

補助金を最大限に活用するには、補助金額の条件や対象経費を正確に把握し、適切に事業計画を立てることが重要です。

詳細は公的な募集要項や支援機関を通じて確認することをお勧めします。
参考:小規模事業者持続化補助金ガイドブック(2ページ目)

小規模事業者持続化補助金の申請手順

小規模事業者持続化補助金 申請手順
小規模事業者持続化補助金を申請するには、いくつかのステップを踏む必要があります。

この手順を正確に把握し、計画的に進めることが補助金採択への第一歩となります。

まず、申請を始める前に、自社の事業が補助金の対象条件を満たしているかを確認します。

この確認には、自社が「小規模事業者」の定義に合致していること、また補助金の対象となる事業かを確認することが含まれます。

条件をクリアしていることがわかったら、事業計画書の作成に進みます。

次に、事業計画書を作成します。計画書には、具体的な事業内容、達成したい目標、事業にかかる予算、期待される成果などを記載する必要があります。

商工会議所や商工会が提出先となるため、事前に相談をしてアドバイスを受けることをおすすめします。

このプロセスを通じて、事業計画書がより精度の高いものになるだけでなく、必要書類の不備を防ぐことができます。

その後、必要な書類をそろえ、申請を行います。提出先は、地域の商工会議所や商工会になります。

また、申請には締切があるため、余裕を持って準備を進めることが大切です。書類の提出後は、審査が行われ、結果が通知されます。

最後に、採択された場合は事業を実施し、実績報告書を提出します。

この報告書には、実施した事業の内容や成果、補助金の使途について詳しく記載します。

報告書が承認されると、補助金が支払われる流れになります。

申請手順のひとつひとつを丁寧に進めることが成功の鍵です。特に事業計画書の作成に十分な時間を割くことで、採択の可能性を高めることができます。

疑問点がある場合は、商工会や専門の支援機関に相談することをおすすめします。
参考:小規模事業者持続化補助金(申請方法)

小規模事業者持続化補助金の審査基準

小規模事業者持続化補助金の審査は、事業計画の内容や提出書類に基づいて行われます。

審査基準は、主に補助金の趣旨である事業の持続や発展への貢献度と、計画の実現可能性に焦点を当てて評価されます。

そのため、事業計画書を充実させることが非常に重要です。

具体的な審査ポイントの1つ目は、計画の明確さと具体性です。

審査員は、事業の目的が具体的であり、計画が適切な手段を用いて目標達成を目指しているかを重視します。

たとえば、新たな販路開拓や地域特産品の活用など、明確な目的が記載されていると高評価を得やすくなります。

2つ目は、事業の継続性と地域経済への波及効果です。審査では、補助金を受けた事業がどのように成長し、持続的に地域経済に貢献するかが問われます。

たとえば、補助金を活用して新しい商品ラインを開発し、地域内での雇用を創出するような取り組みは、審査で好意的に評価される可能性が高いです。

3つ目は、費用対効果と実現可能性です。計画が適切な予算で実現可能であることや、実施によってどれだけの成果が見込めるかが重要なポイントとなります。

計画に無理があると判断されると、審査で不利になる場合があります。

補助金の審査を通過するには、計画の整合性や現実性を意識しながら作成することが重要です。

事業計画書では、事業の目的や意義、期待される成果を具体的に説明し、補助金の使用目的を明確に記載する必要があります。

さらに、商工会や専門家に相談して計画の改善点を見つけることで、採択の可能性を高めることができます。

審査基準を十分に理解し、計画書をしっかりと練ることで、補助金採択の成功率を高めることができます。準備段階での丁寧な対応が、結果を大きく左右します。

小規模事業者持続化補助金はどのくらい採択されている?

小規模事業者持続化補助金はどのくらいの企業が採択されているかを見ていきましょう。

2024年8月6日に公募があった、第16回小規模事業者持続化補助金の採択率において、過去最低の37%という結果となりました。

内訳としては、申請者が7,371件採択者数が2,741件となっています。

これまでの小規模事業者持続化補助金の採択率は40%を上回っていましたが、今回初めて40%を切っています。

原因としては、書類の不備や申請条件の把握不足が考えられ、より一層申請に注力する必要があるでしょう。

詳細は第16回小規模事業者持続化補助金の採択率についてのコラムを参考にしてください。

第16回公募「持続化補助金」採択発表!2024.8.8

小規模事業者持続化補助金に関する質問

  • 他の補助金と併用できる?
  • 補助金が支払われるタイミングは?
  • 採択後に補助金の受給が断られることはある?

他の補助金と併用できる?

小規模事業者持続化補助金は、他の補助金と併用できる場合があります。

ただし、全ての補助金が併用可能というわけではなく、それぞれの補助金ごとに規定が異なるため注意が必要です。

同じ事業や経費に対して複数の補助金を重複して受けることは原則として禁止されています。

この点を踏まえて、計画段階で申請予定の補助金を整理し、どのような形で併用できるか確認することが重要です。

地域創生に関連した補助金や特定業種を支援する補助金が併用可能なケースもありますが、それらの経費が他の補助金で既に補填されていないことが条件となります。

また、併用が可能な場合でも、それぞれの補助金について個別に申請を行い、それぞれの要件を満たす必要があります。

補助金を併用したい場合は、事前に補助金の担当窓口や商工会議所に問い合わせを行い、申請要件や併用可能性を確認することが重要です。

適切に進めることで、複数の補助金を有効活用し、事業の資金計画を効率的に進めることができます。

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補助金が支払われるタイミングは?

小規模事業者持続化補助金が支払われるタイミングは、事業を完了し、必要な実績報告書を提出してからとなります。

補助金は、事前に支払われるのではなく、事業が完了して成果が確認された後に支払われる後払い形式が基本です。

そのため、申請者は一時的に全額を自己負担する必要があることに注意が必要です。

具体的な流れとしては、まず事業を計画通りに実施し、終了後に補助金の使途を証明する書類(領収書や請求書など)や実績報告書を作成して提出します。

その後、報告内容が審査され、適正であると判断された場合に補助金が振り込まれる仕組みです。

このプロセスには一定の期間を要するため、補助金が支払われるまでに数か月かかることがあります。

補助金の支払い時期を把握し、自己資金での一時的な負担に備えておくことが、資金計画の重要なポイントとなります。

事業計画を立てる際には、この支払いタイミングを考慮し、キャッシュフローに影響が出ないように工夫することが必要です。

採択後に補助金の受給が断られることはある?

小規模事業者持続化補助金は、採択が決定した後でも、一定の条件を満たしていない場合や手続きに不備があった場合には、補助金の受給が断られることがあります。

採択後の計画実施や報告が適切に行われることが、補助金受給の前提条件となります。

具体的には、以下のようなケースで受給が断られることがあります。

1つ目は、事業計画に沿った取り組みが実施されていない場合です。

たとえば、申請時に提示した計画と異なる使途で補助金を使用した場合や、事業が未完了で終了してしまった場合などが該当します。

2つ目は、必要な報告書や証拠書類が適切に提出されなかった場合です。

補助金の受給には、事業終了後に領収書や請求書、実績報告書などを提出し、補助金の使途が適正であることを証明する必要があります。

これらの書類が不足している、または内容に問題がある場合には、補助金が支払われないことがあります。

3つ目は、不正受給や虚偽申告が発覚した場合です。

故意でなくても、不正とみなされる行為があれば、補助金の支給が取り消される可能性があります。

補助金を用いて事業計画に記載していない設備を購入したり、実際にかかった経費より多く申請した場合は、受給が断られたり返金を求められたりします。

採択後のトラブルを防ぐためには、事前に補助金の要件や条件をよく確認し、計画通りに事業を進めることが重要です。

また、商工会や専門家のサポートを受けて、報告書や必要書類をしっかり準備することが成功への近道となります。

【まとめ】小規模事業者持続化補助金の条件を確認して申請機会を逃さないようにしよう!

今回は小規模事業者持続化補助金の条件について解説しました。

事業の規模や事業を運営している形態によって、対象かそうでないかが決まるため、自分が申請の条件を満たしているかをよく確認しましょう。

今回解説した、小規模事業者持続化補助金の条件や対象となる事業を踏まえて、申請の機会を逃さないようにしてください。

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