設備投資に使える補助金・助成金は？
設備投資に使える主な補助金、助成金には、IT導入補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、業務改善助成金などがあります。
本コラムでは、これらの設備投資に使える補助金・助成金の概要と申請のコツについて分かりやすく解説します！
2024年最新！設備投資に使える補助金・助成金4選と申請のコツ
設備投資に使える補助金と助成金を4つご紹介します。活用事例を交えて分かりやすく解説するので自社にぴったりの補助金・助成金が見つかります！設備投資をご検討中の事業者様はぜひお役立てください。
この記事を監修した専門家
井上 卓也
カミーユ行政書士事務所代表・行政書士
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
設備投資に補助金を活用するメリット
1.返済が不要
補助金は基本的に返済が不要です。
補助金は国や地方自治体から申請者へ、補助金事務局を通じて提供されます。
借り入れとは異なり、条件を満たせば返済のリスクがないため、資金調達の一つとして有効です。
ただし、補助事業で利益が出た場合は返済を求められることもあります。詳しくは以下のコラムをご覧ください！
利益が出たら返済？損益納付の仕組みとは？
2.資金負担の軽減
設備投資には多額の初期費用がかかることが多いですが、補助金を利用することでその一部を賄うことができます。
これにより、自己資金の負担が減り、資金繰りの改善につながります。
特に大規模な設備投資を行いたい場合は、ぜひ補助金を活用しましょう。
たとえば、本コラムで紹介するものづくり補助金では、最大8,000万円まで補助されます。
もちろん「個人経営の食堂に厨房機器を導入する」など比較的少額な設備投資に適した補助金もあります。
自社のスタイルに合った補助金を選びましょう！
3.キャッシュフローの安定化
設備投資を補助金で一部カバーすることで、手元資金を事業運営や人材育成など、他の成長戦略に活用できる余裕が生まれます。
新しい製造機械を補助金で導入した場合、通常はその費用全額を自己資金や借入金で賄う必要がありますが、補助金を利用することで数百万円の負担が軽減されます。
その分を新商品のマーケティングや従業員の研修に充てることで、事業の成長を加速できます。
弊社では生成AIの活用方法を学ぶ研修も提供しており、これから導入を考えている事業者さまに大変ご好評いただいています！
なんと国の助成金を使えば、1/4の費用で受講可能です。
設備投資も研修も、国の制度を活用してお得に導入してみませんか？
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設備投資に使える補助金・助成金4選
設備投資に使える補助金・助成金4つご紹介します。
制度ごとに補助対象となる設備や導入の目的が異なります。
DX化を加速させるITツールの導入を支援！IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や個人事業主がソフトウェアやPCやタブレット端末のようなハードウェアなどのITツールを導入する際に活用できる補助金です。
| 補助額 | 補助率 |
| 最大450万円 | 3/4～4/5 |
IT導入補助金の概要はこちら！
こんな方におすすめ！
- 手書きやExcelでの在庫管理を、クラウド型の管理システムに切り替えたい
- リモートワークやオンライン商談など、非対面での業務環境を整備したい
- 従業員の業務効率を上げるために、クラウドサービスや業務管理システムを導入したい など
補助対象となる設備
| 枠 | 補助対象となる設備 | |
| 通常枠 | ・業務効率化・売上アップをサポートするソフトウェアやサービス | |
| インボイス枠 | インボイス対応類型 | ・インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト ・PCやレジなどのハードウェア |
| 電子取引類型 | ・インボイス制度に対応した受発注ソフト | |
| 複数社連携IT導入枠 | ・ソフトウェア ・ハードウェア | |
| セキュリティ対策推進枠 | ・サイバーセキュリティサービス | |
IT導入補助金を活用した設備投資の具体例
【通常枠】
タイムカードによる勤怠管理のため、本社出勤後の現場移動があった。
勤怠・労務管理ツールを導入し、出先からの打刻が可能に。
これにより残業時間が3時間削減し、人事担当者の作業効率が大幅にアップした。
インボイス発行の手間を効率化するため、会計ツールを導入。
経理担当が手作業で行っていた出納管理が自動化され、バックオフィスの効率が全体的に向上した。
IT導入補助金の公式サイト
生産性向上と賃上げを目指す設備投資を支援！ものづくり補助金
ものづくり補助金は、革新的なサービス開発や生産プロセスの改善を目指す中小企業や個人事業主の設備投資を支援する制度です。
機械・システムの導入費用だけでなく、専門家への支払い、運搬費、クラウドサービス利用料なども補助対象です。
| 補助額 | 補助率 |
| 最大8,000万円 | 2/3 |
ものづくり補助金の概要はこちら！
こんな方におすすめ！
- 比較的高額な設備投資を行いたい
- 革新的な商品・サービスを開発するための設備を導入したい
- 人手不足解消のため、ロボットを活用して組み立て作業を自動化し、生産性向上を目指したい など
補助対象となる設備
| 枠 | 補助対象となる設備 | |
| 省力化 （オーダーメイド）枠 | ・機械装置・システム構築費（必須） ・運搬費 ・技術導入費 ・外注費 ・専門家経費 ・原材料費 ・クラウドサービス利用料 ・知的財産権等関連経費 | |
| 製品・サービス高付加価値化枠 | 通常類型 | ・機械装置・システム構築費（必須） ・運搬費 ・技術導入費 ・外注費 ・専門家経費 ・原材料費 ・クラウドサービス利用料 ・知的財産権等関連経費 |
| 成長分野進出類型 （DX・GX） | ||
| グローバル枠 | ・機械装置・システム構築費（必須） ・運搬費 ・技術導入費 ・外注費 ・専門家経費 ・原材料費 ・クラウドサービス利用料 ・知的財産権等関連経費 ・海外旅費 ・通訳・翻訳費 ・広告宣伝・販売促進費 | |
ものづくり補助金を活用した設備投資の具体例
ドローンを導入し、広範囲の農地の状況を自動でモニタリングできるシステムを構築。
これにより、現場での人手による確認作業が削減され、作業時間が1日あたり2時間短縮。
さらに、データ分析を通じて収穫時期の予測精度が向上し、生産性が大幅にアップした。
ものづくり補助金の公式サイト
販路開拓に役立つ設備投資を支援！小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小さな会社や個人事業主などの販路開拓、生産性の向上、持続的発展を支援する制度です。
機械装置等費のほか、ウェブサイト関連費や旅費、資料購入費など、設備投資にかかる幅広い費用が対象となります。
| 補助額 | 補助率 |
| 最大200万円 | 2/3 |
小規模事業者持続化補助金の詳細はこちら！
こんな方におすすめ！
- 店舗改装を行い来店客数を増やしたい
- 商品の製造効率を上げるため、小型機械などの新しい設備を導入したい
- オンライン販売を強化するため、ECサイト運営に必要なIT機器やシステムを整備したい など
小規模事業者持続化補助金を活用した設備投資の具体例
一度に大量の揚げ物が作れる最新の厨房機器を導入し、提供スピードを向上。
これにより、ピークタイムでも待ち時間が短縮され、回転率が上がった。結果、来店客数が増加し、売上も改善した。
小規模事業者持続化補助金の公式サイト
職場環境改善に必要な設備投資を支援！業務改善助成金
業務改善助成金は、生産性向上を目指す中小企業や小規模事業者を支援するための制度です。
事業場内最低賃金を一定金額以上引き上げた場合、設備投資などにかかった費用の一部が助成されます。
こんな方におすすめ！
- 最低賃金を引き上げながら、生産性向上のための従業員教育を行いたい
- 最低賃金を引き上げながら、生産性向上のための新しい自動包装機を導入したい
- 最低賃金を引き上げながら、生産性向上のための最新の業務管理ソフトを導入したい など
事業改善助成金を活用した設備投資の具体例
事業場内で最も低い賃金（事業場内最低賃金）を30円以上引き上げ、POSレジシステム導入
その結果、在庫管理の短縮に成功した。
申請成功のコツ
設備投資に使える補助金・助成金に採択される重要なポイントは以下3点です。
- 申請者の要件を満たしている
- 審査の観点を満たしている
- 多くの加点項目を取得している
1.申請者の要件を満たしている
補助金ごとに、申請できる業種や事業規模などの要件が定められています。
これらを満たしていないと、申請は受け付けられません。
要件は公募要領に詳しく書かれているので、申請前に必ず確認しましょう。
2.審査の観点を満たしている
補助金の採択審査は、提出資料について、定められた審査の観点に基づいて行われます。
審査の観点は、各補助金によって異なります。
審査の観点は、必ず満たすべき項目と満たすと採択率が上がる加点項目に分けられます。
前者は満たしていないと不採択になるので、特に注意が必要です。
例：小規模事業者持続化補助金の審査の観点
| 基礎審査 | 計画審査 | 加点審査 |
| 基礎審査にはいくつかの項目があり、これらの要件を全て満たす必要があります。要件を満たさない場合には、その提案は失格になります。 | 経営計画・補助事業計画について、定められた項目に基づき加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順に採択を行います。 | 政策的観点から加点審査を行います。 |
3.多くの加点項目を取得している
加点項目は必須ではありませんが、取得していると採択率を劇的に上げることができます。
加点項目とは、補助金申請において審査時にプラス評価を受ける項目のことです。
たとえば、えるぼし認定や経営革新計画などがあり、取得の難易度は各項目によって異なります。
たとえば、ものづくり補助金の場合、加点項目がゼロの場合の採択率は約34％ですが、加点項目を6つ以上取得すると、採択率が74.3%にまで向上します。
多くの主要な補助金で加点項目が採用されており、今回ご紹介した設備投資に使える補助金にも加点項目が採用されています。
これらの補助金では、加点項目を複数取得することで、採択率が大幅に向上することが確認されています。
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資金面に不安のある方はつなぎ融資を活用しよう！
補助金は一般的に、「申請→設備投資などの補助事業実施→受給」のスケジュールであり後払いです。
そのため、事業者によっては受給までの資金繰りが大きな課題となる場合が多いです。
この課題を解決する手段としてつなぎ融資があります。
つなぎ融資は、補助金受給までの一定期間、資金のつなぎとして借り入れることができる融資のことです。
メガバンクや信用金庫、日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受けます。
特に事業再構築補助金やものづくり補助金などの多額の資金を活用して事業を行う、いわゆる大型補助金の場合は事前に準備する費用も大きくなります。
自己資金が足りず補助事業にかかる費用を用意できない場合につなぎ融資が活用できます。
補助金のつなぎ融資とは？
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個人事業主・法人が使える補助金としてたとえば以下の補助金があります。
IT導入補助金
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ものづくり補助金
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事業再構築補助金
・最大7,000万円～3億円
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小規模事業者持続化補助金
・最大250万円
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省力化投資補助金
・最大1,500万円
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中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
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