2024年、POSレジ導入に使える補助金は?
2024年、POSレジ導入に使える国の補助金として以下3つが挙げられます。
本コラムでは各補助金の概要と注意点を分かりやすくお伝えします。
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
POSレジ導入に補助金が活用できます!本コラムではPOSレジ導入に使える国の補助金を3つ紹介します。補助金の概要や導入事例について詳しく解説するので、自社にぴったりの補助金が見つかります!
カミーユ行政書士事務所代表・行政書士
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
2024年、POSレジ導入に使える国の補助金として以下3つが挙げられます。
本コラムでは各補助金の概要と注意点を分かりやすくお伝えします。
「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
生産性向上や業務効率化を目的とし、ソフトウェアやクラウドサービスの導入費用を一部支援します。
これにより、IT導入の負担を軽減し、ビジネスの成長をサポートします。
IT導入補助金にはいくつか枠がありますが、POSレジ導入に活用できるのは、ソフトウェアインボイス枠(インボイス対応類型)です。
IT導入補助金の概要の詳細はこちら!
ソフトウェアインボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、POSレジ等のハードウェア等を導入し労働生産性の向上をサポートする枠です。
POSレジ導入のみの導入は補助対象外になるので、必ずソフトウェアをセットで導入します。
POSレジとソフトウェアの補助上限額や補助率は異なるのでご注意ください。
補助対象者
中小企業等の一例
業種分類 | 定義 |
製造業、建設業、運輸業 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主 |
卸売業 | 資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人事業主 |
サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く) | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人事業主 |
小売業 | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人事業主 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ、チューブ製造業、工場用ベルト製造業を除く) | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が900人以下の会社および個人事業主 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主 |
旅館業 | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または常時使用する従業員の数が200人以下の会社および個人事業主 |
その他業種(上記以外) | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主 |
小規模事業者
業種分類 | 定義 |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く | 常時使用する従業員の数が5人以下の会社および個人事業主 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数が20人以下の会社および個人事業主 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数が20人以下の会社および個人事業主 |
補助率・補助額
補助率・補助額】
補助率 | 補助額 | |
インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト | 3/4以内 ※ | 350万円のうち50万円以下 |
2/3以内 | 350万円のうち50万円超〜350万円以下 | |
PC・タブレット等 | 1/2以内 | 10万円以下 |
POSレジ・券売機等 | 20万円以下 |
※中小企業は3/4、小規模事業者は4/5
IT導入補助金の対象となるPOSレジは、公式サイトの「ITツール検索」より検索できます。
100種類以上のPOSレジが補助対象になっており、一例として以下のものがあります(2024年10月25日現在)。
POSレジの種類 | 価格 | 特徴 |
ビジコムPOSレジ「BCPOS」買取 | 270,000円 | レジ機能に加え、販売・在庫・顧客・ポイント管理ができるPOSシステムです。クレジットカードやスマホ決済にも対応し、キャッシュレス化が可能です。 |
セミセルフ対対応POSレジ「ハヤレジ」 | 1,225,000円 | クリニック・薬局向けのセミセルフ対応POSレジシステムです。大手スーパーやコンビニで採用されているグローリー社製の自動釣銭機を使用し、患者様とスタッフのどちらの精算方法にも対応。電子カルテやレセプトコンピュータの約80%以上と連携可能で、会計トラブルやストレスを軽減します。 |
SquareリテールPOSレジPlus | 72,000円 | どんな環境・業態にもマッチする小売ビジネスに最適なPOSシステムです。 |
例:POSレジの本体としてタブレットを10万円で購入した場合
POSレジや付属品等のハードウェアに対して、1/2以内の補助率が設定されており、最大で20万円が補助されます。
POSレジの本体としてタブレットを10万円で購入した場合、
10万×補助率1/2=補助額5万円になります。
補助額20万円を超えた部分は自己負担になります。
IT導入補助金を活用してPOSレジを導入する時の注意点は以下3点です。
1.IT導入支援事業者からPOSレジを購入する
POSレジとソフトウェアは必ずIT導入支援事業者から購入します。
家電量販店やフリマアプリ等のIT導入支援事業者以外から購入すると、例え採択されていたとしても補助金を活用できなくなります。
「IT導入支援事業者」とは?
中小企業・小規模事業者等に対してIT導入補助金を活用したITツールの導入をサポートするパートナーのことです。
どのようなITツールを導入するとよいかといった提案をはじめ、補助に関する問合せへの対応や申請手続きもサポートします。
IT導入支援事業者は、事務局および外部審査委員会による審査の結果、認定されたいわば「国のお墨付きの事業者」でもあります。
IT導入補助金の公式サイトでPOSレジやソフトウェア等のツールを販売しているIT導入支援事業者を検索できます。
「ツール名から探す」の検索窓に「POSレジ」やPOSレジの商品名を入力してIT導入支援事業者を検索し、該当した事業者に連絡を取りましょう。
POSレジを扱うIT導入支援事業者を探す!
2. 補助金の交付決定後にPOSレジの契約・購入を行う
POSレジを購入するのは必ず補助金の交付決定した後です。
ソフトウェアも含め、交付決定前に契約、購入を行なうと採択されても補助金の活用ができません。
交付決定前にPOSレジやソフトの購入をしないようにご注意ください。
3.POSレジ導入のみの導入は補助対象外になるので、必ずソフトウェアをセットで導入
POSレジを購入する場合は必ずソフトウェアと一緒に購入します。
ハードウェアとソフトウェアの補助率は違うのでそれぞれ計算しましょう。
【例:会計ソフトを利用するためにPOSレジを購入する場合】
POSレジ:150,000円
会計ソフト:50,000円
【POSレジ】
150,000円×1/2=7,500円
【会計ソフト】
50,000円×3/4=37,500円
※中小企業の場合
7,500円+37,500円=112,500円
となり、POSレジ+会計ソフトの補助申請可能額は112,500円になります。
IT導入補助金の申請方法は以下のとおりです。
IT導入補助金、IT導入による業務効率化を支援する制度ですが、汎用的なプロセスや単体のハードウェアは対象外です。
また、カスタマイズされたPOSレジやリースも対象外なので注意が必要です。
カフェの活用事例:POSレジ導入で業務効率化とサービス向上!
企業情報:従業員10名のカフェを運営。こだわりの紅茶を提供するカフェ業務に加え、テイクアウトや地域のイベントに参加するなど幅広い顧客層をターゲットにしている。
課題:
IT導入補助金を活用し、売上管理や顧客情報管理を効率化できるPOSレジを導入。
結果:POSレジ導入により、注文や売上データが自動で集約され、顧客の購入履歴も一元管理できるようになった。
具体的に以下の成果が得られた。
ものづくり補助金は、中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、 新製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な 設備投資等を支援する補助金です。
最大で1億円まで支給される可能性があり、事業の競争力強化を目指す企業にとって強力な支援策です。申請には、事業計画の提出が必要で、採択されると費用の一部が補助されます。
ものづくり補助金にはいくつかの枠がありますが、POSレジの導入による店舗全体の売上や生産性の向上を目指す場合、製品・サービス高付加価値化枠が適切な申請枠となります。(単純にPOSレジを導入する場合は対象外です)
この枠は、革新的な製品・サービスの開発に必要な設備やシステム投資を支援するものであり、POSレジの導入によって売上や生産性を高める計画はこの枠に該当します。
ものづくり補助金の概要の詳細はこちら!
製品・サービス高付加価値化枠は、中小企業が革新的な製品やサービスの開発に取り組む際に必要な設備・システム投資を支援するものです。
目的が異なる以下2つの類型があります。
通常類型:革新的な製品やサービス開発のための設備・システム投資を支援します。
成長分野進出(DX・GX)類型:DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーン成長)に資する革新的な製品・サービス開発に必要な投資を支援します。
POSレジの導入がDXやGXの推進を伴うものであれば、成長分野進出(DX・GX)類型に申請する方が適切ですが、単に業務効率の向上や新サービス提供を目指すのであれば、通常類型に申請するのが適切です。
補助対象者
ものづくり補助金の補助対象者は、日本国内に本社と補助事業の実施場所があり、決められた条件のいずれかを満たす者に限られます。
中小企業者(組合関連以外)
業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
製造業、建設業、運輸業、旅行業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
小規模企業者・小規模事業者
業種 | 常勤従業員数 |
製造業その他 | 20人以下の会社および個人事業主 |
商業・サービス業 | 5人以下の会社および個人事業主 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下の会社および個人事業主 |
補助額・補助率※通常類型の場合
業員数 | 補助額 |
5人以下 | 100万円~750万円 |
6~20人 | 100万円~1,000万円 |
21人以上 | 100万円~1,250万円 |
企業規模 | 補助率 |
中小企業 | 1/2 |
小規模企業者・小規模事業者 再生事業者 | 2/3 |
新型コロナ回復加速化特例 |
対象となるPOSレジは、IT導入補助金のように特定の種類は限定されていませんが、以下の条件に当てはまる必要があります。
成長分野進出(DX・GX)類型 | 通常類型 |
DXやGXの推進を伴う事業の目的で導入するPOSレジ | 業務効率の向上や新サービス提供のために使うPOSレジ |
以下、ものづくり補助金の申請の流れです。
飲食料品小売業の活用事例:法人顧客と個人顧客の連動による新たな業態開発とサービス向上
企業情報:コーヒー豆の焙煎、卸売、喫茶を行うカフェ事業部と、法人顧客にコーヒー豆を配達するオフィスコーヒー事業部を展開している企業。
課題:各事業部が多くの法人・個人の顧客会員を保有していたが、会員情報の連動がなく情報が有効活用できていない。
ものづくり補助金を活用して、顧客情報連動システムを搭載したPOSレジを導入。
結果:顧客情報を一元管理して有効活用できるようになった。具体的には、法人会員である勤務先への注文・配達に併せて、個人会員である従業員への注文・配達も応じられるようになった。
ものづくり補助金を活用してPOSレジを導入する時のポイントは、導入目的が「革新的な製品やサービスの開発に取り組むこと」であることです。
そのため、「今使っているレジが古くなったからPOSレジを導入する」等の目的での導入は対象外になります。
ものづくり補助金の公式サイトはこちら!
小規模事業者持続化補助金は、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とし、持続的な経営に向けた経営計画に基づく 販路開拓の取組を支援する補助金です。
具体的には、販路拡大や業務効率化を目的とした設備投資や広告宣伝費等の費用を補助します。
新たにPOSレジソフトウェアを購入することも、業務効率化(生産性向上)を目的とした費用として補助対象になります。
小規模事業者持続化補助金にはいくつか枠がありますが、本コラムでは最も使いやすい通常枠について紹介します。
小規模事業者持続化補助金の概要の詳細はこちら!
補助対象者
本補助金の補助対象者は、決められた要件を満たす日本国内に所在する小規模事業者(日本国内に居住する個人または日本国内に本店を有する法人)等です。
小規模事業者の条件は以下の通りです。
業種 | 常時使用する従業員 |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
補助率・補助額
補助上限 | 補助率 |
50万円 | 2/3 |
参考:小規模事業者持続化補助金<一般型> 第16回公募
※インボイス特例の要件を満たしている場合は、上記補助上限額に50万円を上乗せします。インボイス特例については、公募要領13ページをご覧ください。
公募要領でインボイス特例について調べる
対象となるPOSレジは、IT導入補助金のように特定の種類は限定されていませんが、業務効率化(生産性向上)に寄与するPOSレジである必要があります。
POSレジ導入による業務効率化(生産性向上)の具体例 | |
売上データの自動集計 | 売上情報が自動的に集計され、会計業務の効率化が図れる。 |
顧客データの管理 | 顧客の購入履歴を記録し、リピーター促進のための戦略に活用できる。 |
ペーパーレスの実現 | デジタル領収書の発行により、紙の領収書管理の手間が減る。 |
小規模事業者持続化補助金の申請方法は以下のとおりです。
電子申請をする場合は補助金申請システムを利用し、gBizIDプライムのアカウントの取得が必要です。
雑貨店の活用事例:POSレジの導入による業務効率化と顧客サービス向上
企業情報:従業員5名の雑貨店を運営。オリジナルのハンドメイド雑貨を中心に、地域の顧客を対象にした販売を行っており、オンラインショップも展開している。
課題:
レジ業務が手動で行われており、売上管理や在庫管理が煩雑化していた。
顧客情報の管理が十分でなく、リピーター向けの施策や販売促進ができていなかった。
ものづくり補助金を活用して、顧客情報連動システムを搭載したPOSレジを導入。
結果:
レジ操作が簡素化し、在庫状況もリアルタイムで把握できるようになった。
顧客情報を登録することで、リピーター向けの特典サービスやキャンペーンを展開できるようになった。
小規模事業者持続化補助金を活用してPOSレジを導入する時のポイントは、パソコンやタブレット端末は補助対象外と言う点です。
そのため、タブレット型POSレジの場合やパソコン型POSレジの場合の導入には本補助金は使えず、POSレジソフトウェアのみ対象になります。
小規模事業者持続化補助金は対象外に該当する製品や事項が多いため、事前にチェックしておきましょう。
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