ものづくり補助金は上限4,000万円で2025年度も実施!19次公募はいつスタート?

2025年度のものづくり補助金は上限4,000万円、収益納付なしで実施されます。 本コラムでは2025年度のものづくり補助金の概要と前年度との変更点を分かりやすく解説!また、過去のデータから19次公募のスケジュールを予想いたしました。 2025年度、ものづくり補助金の活用を検討中の方はぜひご覧ください!
梅沢 博香

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ものづくり補助金2025年も実施される?

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

ものづくり補助金2025年度の主要な変更点

2025年度のものづくり補助金では、以下の3つの主要な変更点が発表されました。

  1. 補助率の引き上げ
  2. 補助上限額の見直し
  3. 収益納付の廃止

それぞれの変更点について詳しく解説します。

1. 補助率の引き上げ

最低賃金の引き上げに取り組む事業者に対し、補助率が1/2から2/3に引き上げられました。
【対象条件】

  • 従業員のうち地域別最低賃金+50円以上の者が30%以上を占めること。
  • 条件を満たすことで、補助金額が大幅に増額されます。

この変更により、賃上げを積極的に推進する企業にとって、より有利な補助金制度となります。

2. 補助上限額の見直し

補助金の上限額が従業員数に応じて改定されました。
特に従業員数21人以上の事業者にとっては、大きなメリットがあります。
【補助上限額(従業員規模別)】

従業員数通常時の補助上限額賃上げ特例適用時
5人以下750万円850万円
6~20人1,000万円1,250万円
21~50人1,500万円2,500万円
51人以上2,500万円3,500万円

この改定により、従業員数の多い企業ほど、高額な補助金を受けられるようになりました。

3. 収益納付の廃止

2025年度の公募要領では、「収益納付を求めない」という方針が明確に示されました。
これにより、中小企業の成長促進がよりスムーズに行えるようになります。

収益納付とは?

これまで、補助金を活用して事業化し、収益が生じた場合、補助金交付額を上限にその収益の一部または全部を国庫に返納する義務がありました。
この仕組みは、補助金が適切に活用されることを目的として設けられていましたが、事業者の負担が大きいという声も多くありました。今回の変更により、補助金の使い勝手が向上し、より自由な事業展開が可能になります。

2025年度版「事業再構築補助金」の収益納付とは?

19次公募ものづくり補助金はいつスタート?

2025年2月14日、ものづくり補助金の第19次公募の一部が発表されました。

19次公募スケジュール

公募開始:2025年2月14日
申請開始:2025年4月11日
申請締切日:2025年4月25日
採択結果発表:2025年6月(予想)
事業開始:2025年7月~(予想)

実績報告・補助金交付

事業完了期限:2025年12月~2026年3月(予想)
補助金交付:2026年4月~(予想)
※正式な日程は未定ですので、最新の情報はものづくり補助金の公式サイトでご確認ください。

2025年度ものづくり補助金の公募スケジュール

過去の公募スケジュールから、2024年度最後の公募となる可能性がある19次公募と2025年度の公募スケジュールを予想しました。

年度公募回公募締切日採択発表日
2024年度19次2025年4月25日2025年6月頃
2025年度20次2025年6月頃2025年8月頃
21次2025年9月頃2025年11月頃
22次2025年12月頃2026年2月頃
23次2026年3月頃2026年5月頃

2025年度のものづくり補助金の概要

ものづくり補助金は、「革新的なアイデア」や「効率化」を実現する設備やシステムへの投資をサポートする制度です。

基本要件

次の要件すべてを満たす「3~5年の事業計画書」を作成し、実行する必要があります。

  1. 付加価値額の成長
  2. 給与の成長
  3. 最低賃金の水準
  4. 従業員21人以上の事業者向け要件

1.付加価値額の成長

年間の付加価値額が平均で3%以上増加すること

「付加価値額」とは、簡単に言うと、会社が生み出した「新しい価値」のことです。
具体的には、売上から外部に支払った費用(材料費や外注費など)を引いたものを指します。
会社が生み出した「新しい価値」には、次のようなものが含まれます。

  • 利益(会社が稼いだお金)
  • 従業員の給料
  • 会社が払う税金

つまり、付加価値額が大きいほど、会社は「利益を出し」、従業員に「たくさんの給料を払える」ということになります。

2.給与の成長

1人あたりの給与の年平均成長率が次のどちらかを満たすこと

  • 事業を行う都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率と同等以上
  • または、給与支給総額が年平均で2%以上増加すること

3.最低賃金の水準

事業を行う都道府県の最低賃金より30円以上高い賃金を支払うこと。

4.従業員21人以上の事業者向け要件

次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」を公表すること。
「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」とは、企業が従業員の子育てをサポートするための具体的な計画のことです。例えば、「男性従業員の育児休業取得率を30%以上にする」などの目標があります。

「最低賃金引上げ特例」の適用を受ける事業者は、1、2、4の要件のみで構いません。
参考:令和6年度補正予算案「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要

申請枠

ものづくり補助金の申請枠は、以下2枠です。

  • 製品・サービス高付加価値化枠
  • グローバル枠
製品・サービス高付加価値化枠グローバル枠
要件革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化海外事業の実施による国内の生産性向上
活用事例最新複合加工機を導入し、これまではできなかった精密加工が可能になり、より付加価値の高い新製品を開発海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新 製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展
補助上限750万円~2,500万円3,000万円
補助率中小企業1/2
小規模・再生2/3
中小企業1/2
小規模2/3
補助対象経費機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、 クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
<グローバル枠のみ>海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
その他収益納付は求めません。

※大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助上限額を100~1,000万円上乗せします。
また、最低賃金の引き上げに取り組む事業者には、補助率を2/3に引き上げます。

申請手続の流れ

1.補助金の対象になるか確認

まずは、「公募要領」というガイドを読んで、自分が対象かどうか、申請に必要な条件、使える経費、そして申請のスケジュールをチェックしましょう。

2.GビズIDを取得して申請を準備

補助金の申請には、「GビズID」というアカウントが必要です。これを使って電子申請を行います。
※GビズIDの取得には時間がかかることがあるので、早めの手続きをおすすめします!

3.補助金の交付が決定したら事業をスタート

交付候補者に選ばれた後、正式な交付申請と決定を経て、事業を開始します。

4.決められた期間内に事業を進め、報告書を提出

補助事業の期間内に設備投資などを完了し、「実績報告書」を提出します。

5.事業計画に基づいて進行し、定期的に状況を報告

3~5年の事業計画をもとに事業を進め、毎年「事業化状況報告」を提出します。
※事業の成果が計画に達しない場合、補助金を返還する必要があることもありますので注意しましょう。

対象経費

【全枠・類型共通】
機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用料、原材料費
【グローバル枠のみ】
海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も利用可能

採択率

ものづくり補助金の採択率は枠によって異なります。
18次までの全体の平均採択率は約50%です。
以下、採択率の推移になります。

ものづくり歴代採択率推移グラフ2025年度、ものづくり補助金のスケジュール

ものづくり補助金の過去の公募スケジュールから2025年度の公募回数を予想すると、3回程度になる可能性があります。

年度公募回実施回数
2020年度1次~5次計5回
2021年度6次~9次計4回
2022年度10次~13次計4回
2023年度14次~17次計4回
2024年度18次~19次(未実施)計2回?
2025年度20次~23次(予想)計3回(予想)

ものづくり補助金の申請の流れと注意点

事業再構築補助金を申請する際は、以下のステップに従って手続きを進めましょう。各ステップには注意点もあるので、しっかり確認してください。

1. 対象確認

まずは、公募要領を確認し、自社が補助金の対象になるか確認しましょう。
要件を満たしているかを必ず事前にチェックしてください。
事業内容や規模、業態によっては対象外となる可能性があります。

2. GビズIDの取得

電子申請には「GビズID」が必須です。
GビズIDの取得には時間がかかることがあるため、申請準備の初期段階で取得を始めましょう。
特に初めて取得する場合は、1~2週間以上かかることもあります。

3. 交付決定後に事業開始

補助金申請前に事業を始めると、補助の対象外になります。
必ず「交付決定通知」を受け取ってから事業を開始しましょう。
早まって事業を始めると、補助金を受け取れない可能性があります。

4. 実績報告の提出

事業完了後、必要な書類を提出して補助金受け取りの準備を行います。
実績報告書や領収書、契約書などの提出が必要です。
提出期限を過ぎると補助金が受け取れないこともあるので注意しましょう。

5. 事業計画の遂行

採択後は3~5年にわたる事業計画を遂行し、定期的に報告書を提出する必要があります。
毎年の報告書提出が義務付けられている場合もあるので、忘れないようにしましょう。
継続的な支援を受けるために、計画通りの進行と報告が重要です。

ものづくり補助金の活用事例

「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の具体的な活用事例を紹介します。

「製品・サービス高付加価値化枠」の活用事例

ある金属加工業の事例では、最新の複合加工機を導入することで、これまで対応できなかった微細かつ高精度な加工が可能となりました。
これにより、以下のような成果を実現しています。

活用前の課題

  • 既存の加工機では対応できる精度に限界があり、一部の高精度部品は外注に依存していた。
  • 外注コストが増加し、納期も長期化することで受注機会の損失が発生していた。
  • 海外市場向けの製品は国際基準の精度を満たす必要があり、新規市場開拓の障壁となっていた。

活用後の変化

  • より高精度な部品の内製化が可能となり、外注コストの削減と納期短縮を実現。
  • 新規事業として高付加価値製品の開発に着手し、医療機器や精密機械部品など付加価値の高い市場へ参入。
  • 国際基準に準拠した製品の開発が可能となり、海外展示会への出展を経て海外企業との取引拡大に成功。

このように、「製品・サービス高付加価値化枠」を活用することで、技術力の向上だけでなく、コスト削減、新市場開拓、企業競争力の向上といった多面的な効果が期待できます。特に高精度製品の開発を目指す企業にとって、大きなチャンスとなる制度です。

「グローバル枠」の活用事例

ある精密機械メーカーでは、海外市場の需要拡大を見据え、新たな製造機械を導入し、海外向けの新製品開発に取り組みました。

活用前の課題

  • 海外市場向けの製品開発に対応できる設備が不足していた。
  • 現地企業との競争力を強化するためのブランディングや販促活動の資金が不足していた。
  • 海外展示会への出展経験が少なく、新規顧客開拓の機会が限られていた。

活用後の変化

  • 最新の製造機械を導入し、海外規格に対応した高品質な新製品の開発が可能に。
  • 海外市場向けのブランド戦略を強化し、現地企業との競争力を向上。
  • 海外展示会に出展し、新規顧客獲得や販路拡大に成功。

このように、「グローバル枠」を活用することで、海外市場への展開を加速させるだけでなく、企業の競争力強化やブランド価値向上にも寄与します。特に海外進出を目指す中小企業にとって、大きなビジネスチャンスとなる制度です。
参考:ものづくり補助金公式サイトのスケジュール
ものづくり補助金の公式サイト

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監修者からのワンポイントアドバイス

ものづくり補助金の公募のスケジュールが公表されました。申請開始から締め切りまで2週間ほどしかありませんので申請をご希望される方は入念に準備を行って申請するようにしましょう。収益納付を求められなくなりましたので申請もしやすくなっています。

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