2025年最新版、老人ホーム建設に使える補助金・助成金は?
老人ホーム建設には、3~4億円ほどの費用がかかると言われています。コストを抑えながら老人ホームの建設を目指すなら、補助金や助成金の活用がおすすめ!補助金は基本的に返済不要なので、資金負担を大幅に軽減でき、経営の安定化に繋げることができます。本コラムでは、老人ホーム建設に使える補助金・助成金、融資について分かりやすく解説します!ホーム建設を検討中の方、または既に運営されている方はぜひご覧ください。
この記事を監修した専門家

井上 卓也
カミーユ行政書士事務所代表・行政書士
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の建設費用の相場
有料老人ホームの設立には、3~4億円ほどの費用がかかるとされています。以下は、実際の事例を基にした投資額の内訳です。
【事例】住宅型有料老人ホーム(20室、デイサービス定員18名)
費用項目 | 費用 | 備考 |
土地購入費 | 1億円 | 坪40万円 × 250坪 |
建設費 | 2億1,000万円 | 坪70万円 × 300坪 |
設備・備品費 | 1,500万円 | 家具・医療機器など |
営業・販促費 | 200万円 | パンフレット、広告、ホームページ制作 |
求人費 | 300万円 | スタッフ採用費 |
合計 | 約3億3,000万円 |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の建設費
サ高住の建設費は、一般マンションよりも高額になる傾向があります。以下に費用の目安を比較しました。
施設タイプ | 坪単価の目安 |
一般マンション | 30~40万円 |
サ高住 | 平均80万円 |
追加で必要な費用
サ高住を安定運営するためには、以下の費用も考慮する必要があります。
費用項目 | 内容 |
人件費 | 開業初期の数ヵ月~1年分の給与 |
設備管理費 | 設備維持や修繕費 |
有料老人ホームやサ高住の設立には大規模な資金が必要です。しっかりとした事業計画と資金計画を立てて進めることが重要です。
参考:2ndLabo
参考:みんなの介護
老人ホームの建設費は増加傾向
老人ホームをはじめとする建物の建設費用は、現在も増加傾向にあります。特に以下の3つの要因が大きく影響しています。
1. 建設資材の価格上昇
世界的な需要増加や供給不足により、建設資材の価格が高騰しています。この影響は鉄鋼やコンクリートなど主要な建材に及び、全体のコストを押し上げています。
2. 人手不足による人件費の上昇
建設業界では深刻な労働力不足が続いており、技能労働者の確保が難しくなっています。その結果、人件費が上昇し、建設費全体の負担が増加しています。
3. 建設需要の高まり
国内外での都市再開発や社会インフラ整備の進行により、建設需要が増加。これがさらなる費用の上昇を招いています。
コスト管理が重要!
老人ホームの建設計画を進める際は、早期の計画立案と信頼できる業者選びが鍵となります。最新の市場動向を把握し、慎重にコスト管理を行うことで、建設費の負担を抑える工夫が求められます。
老人ホーム建設に使える補助金・助成金とは?
高齢化が進む中、高齢者向け施設の需要は増加しています。国はこうした施設の開設を支援するため、補助金や助成金を交付しています。ただし、支援の対象には条件があります。
補助金・助成金の対象となる施設
- 対象外:介護付き有料老人ホームなど“施設”扱いの住居
- 対象:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- 国は、2030年までにサ高住の総戸数を60万戸まで拡大する計画を掲げています。この政策に基づき、サ高住の新築や併設に対して補助が行われています。
主な補助内容
- サ高住新築の場合
- 工事費の1/10以内(上限:135万円/戸)
- 併設・合築の場合
- 既存のデイサービスや診療所などに併設する場合、上限1,000万円の助成金が交付されます。
税制優遇措置
サ高住に関しては、以下の税制優遇措置も活用可能です。
- 所得税
- 固定資産税
- 不動産取得税
これらの制度を有効に活用することで、設立コストの負担を軽減できます。
サービス付き高齢者向け住宅の設立には、補助金や税制優遇措置など、さまざまな支援制度があります。これらを積極的に利用し、効率的な運営を目指しましょう。
補助金を受けるにはサービス付き高齢者向け住宅としての登録が必要
補助金や助成金を受けるためには、施設が**サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)**として登録されていることが前提です。登録には以下の基準を満たす必要があります。
登録基準
- 住宅面の基準
- 居室の床面積が一定以上であること。
- サービス面の基準
- 高齢者の安否確認や生活相談を行うサービスを提供すること。
- 運用・契約面の基準
- 高齢者の生活の安定を確保する契約内容であること。
税制優遇と融資の助成
税制優遇措置の適用期限:国土交通省の資料によれば、サ高住に対する税制優遇措置の適用期限は令和7年(2025年)3月31日まで延長されています。
融資に関する助成の適用期限:融資に関する助成制度については、最新の適用期限に関する具体的な情報が見つかりませんでした。詳細な情報を得るためには、国土交通省や関連機関の公式発表を直接確認することをおすすめします。
参考:国土交通省
サービス付き高齢者向け住宅の設立に関する補助金・助成金を受けるには、登録基準を満たすことが必須です。また、税制優遇措置の活用や融資の助成を受けるためには、最新情報をもとに早期の準備が重要です。効率的な資金運用を目指し、制度を最大限活用しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅の登録基準
項目 | 基準内容 |
住宅 | 床面積(原則25㎡以上) 便所・洗面設備などの設置 バリアフリー |
サービス | サービスを提供すること (少なくとも安否確認・生活相談サービスを含む) |
契約 | 高齢者の居住の安定が図られた契約であること 前払家賃などの返還ルールおよび保全措置が講じられていること |
サービス付き高齢者向け住宅の設立に必要な4つの要件
サービス付き高齢者向け住宅を新規設立する際には、以下の要件を満たす必要があります。
- 10年以上登録すること:サービス付き高齢者向け住宅として、10年以上登録する必要があります。
- 家賃が周辺の住宅と均衡していること:入居者の家賃は、近隣の同種住宅と比較して不当に高くないことが求められます。
- 柔軟な徴収方法であること:入居者からの家賃徴収は、前払いに限定されないように設定する必要があります。
- 確実な資金調達があること:事業に必要な資金の調達が確実であることが条件です。
サービス付き高齢者向け住宅開設の手続きの流れ
サービス付き高齢者向け住宅を開設し、補助金を受け取るまでの手続きは以下の通りです。
- 事業計画の立案:開設計画を作成し、詳細を明確にします。
- 市町村への意見聴取:市町村に計画を提出し、意見を聴取します。(2016年度以降必須。ただし、一部市区町村では不要な場合あり)
- 建築確認申請:施設が基準を満たしているか確認するための申請を行います。
- サ高住としての登録:サービス付き高齢者向け住宅としての登録手続きを行います。
- 事前審査と交付申請:事前審査を受け、補助金の交付申請を提出します。
- 交付決定通知の受領:補助金の交付が決定し、通知を受け取ります。
- 工事の開始と完了:工事を進め、施設を完成させます。
- 補助金額の審査と支給:工事完了後に審査が行われ、最終的な補助金額が決定し、支給されます。
サ高住は有料老人ホームにはない税制優遇が受けられる!
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)では、補助金や助成金だけでなく、税金面でも優遇措置が受けられます。
これらの優遇措置は、高齢者が安心して住まえるよう、サ高住の供給を促進するためのものです。結果として、開設時のハードルが大幅に下がり、新規参入がしやすくなっています。
確認すべきポイント
- 税制優遇措置は、サ高住特有の制度です。
- 知識があるかどうかで、事業の初期コストに大きな差が出ます。
老人ホーム建設の際は融資制度も活用しよう
老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を設立・改修する際には、国が提供する融資制度を活用することで、資金調達をスムーズに行うことができます。以下に、新築・リフォームそれぞれの場合の融資制度をご紹介します。
新築の場合
サービス付き高齢者向け住宅を新設する際には、住宅金融支援機構が提供する「サービス付き高齢者向け賃貸住宅建設融資」を利用できます。この融資制度には以下の特徴があります:
- 融資額:事業費の最大100%まで融資可能
- 金利タイプ:
- 35年固定金利(長期安定型)
- 15年固定金利(柔軟な選択可能)
- メリット:
- 将来の金利上昇リスクを回避できる
- 安定した事業運営が可能
さらに、元金据え置き制度が導入されており、運営開始から軌道に乗るまでの返済負担を軽減することもできます。この制度は、初期の経営負担を抑えたい事業者にとって、大きな支援となります。
リフォームの場合
既存の建物を改修してサービス付き高齢者向け住宅を設立する場合には、「賃貸住宅リフォーム融資」を活用できます。この融資制度の特徴は以下の通りです。
- 金利タイプ:最長20年の全期間固定制
- 返済期間が10年以下または11年以上で金利が異なるため、事前確認が必要
- 返済負担軽減:融資後1年間は利息部分のみの支払いで、元本の返済を据え置き可能
- 借地対応:建物が借地に建っている場合でも融資対象
この融資制度は、既存の賃貸住宅を改修してサービス付き高齢者向け住宅として活用する際に、資金負担を抑える有効な手段となります。
新築でもリフォームでも、適切な融資制度を活用することで、資金調達の不安を軽減できます。事業内容や運営計画に合った融資制度を選択し、安定した事業運営を目指しましょう。
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