建設業「省力化補助金」の活用方法は?

「省力化補助金」はこ、人手不足を解消するために、ロボットやIoTなどの省力化製品を導入する際の経費を国が支援する制度です。建設業も「省力化補助金」を活用できます!「省力化補助金」を活用できる建設業の条件や具体的な活用事例等を紹介します。
梅沢 博香

公開日:

更新日:

建設業「省力化補助金」の活用方法は?

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

「省力化補助金」とは?

「省力化補助金」は、人手不足を解消するために、ロボットやIoTなどの省力化製品を導入する際の経費を国が支援する制度です。
簡単かつ効果的な省力化投資を促進し、企業の売上拡大や生産性向上、さらに賃上げにつなげることを目的としています。
補助率は1/2で、補助上限額は従業員数によって異なります。
導入時には、販売事業者がサポートします!申請や手続きも任せられるので安心です。
登録された省力化製品リスト(カタログ)から、自社の課題に合った製品を選ぶことができます。

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対象事業者となる条件

以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. 人材不足であること:客観的な指標(例:残業時間)を用いて、現在の人材不足を証明する必要があります。
  2. 事業計画での付加価値向上:補助事業終了後1~3年以内に、従業員1人あたりの「付加価値額」を年率平均3%以上増加させる見込みの事業計画を策定し、効果報告を行うこと。

要するに、「現状で人手不足に直面しているものの、省力化によって生産性を向上させ、従業員の負担軽減や利益還元が期待できる建設業」が対象となります。

2025年度の申請枠

2025年度、「省力化補助金」は、従来のカタログ注文型に加えて、新たに一般型が新設されます。

カタログ注文型

清掃ロボット、自動券売機、スチームコンベクションオーブン、無人搬送車など、 人手不足解消に効果がある汎用製品 をカタログに掲載。
中小企業がこのカタログから製品を選んで導入できる仕組みです。これにより、 簡易で即効性のある省力化投資 を促進します。

補助上限額補助率
5人以下200万円(300万円)
6~20人500万円(750万円)
21人以上 1000万円(1500万円)
1/2

※カッコ内は大幅賃上げを行う場合

一般型

中小企業の個別ニーズに応じた、より柔軟な省力化投資が可能です。具体的には以下のような設備導入やシステム構築を支援し、 事業内容や現場に合わせた投資 をサポートします。

  • 業務プロセスの自動化・高度化
  • ロボット生産プロセスの改善
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)
補助上限額補助率
5人以下 750万円(1,000万円)
6~20人1,500万円(2,000万円)
21~50人 3,000万円(4,000万円)
51~100人 5,000万円(6,500万円)
101人以上 8,000万円(1億円)
1/2、小規模・再生2/3
※補助金額1,500万円までは 1/2or2/3、1,500万円 を超える部分は1/3 ※最低賃金引上げ特例: 補助率を2/3に引上げ(小規 模・再生事業者は除く。)

※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
※補助金額1,500万円までは 1/2または2/3、1,500万円 を超える部分は1/3。
※最低賃金引上げ特例: 補助率を2/3に引上げ(小規 模・再生事業者は除く。)
参考:中小企業庁

建設業が「省力化補助金」を活用する方法は?

建設業では、「省力化補助金」(正式名称「中小企業省力化投資補助事業」)を活用して、高機能トータルステーション(自動視準・自動追尾機能付き測量機)等を導入することが可能です。
例えば、この補助金を利用して100万円の測量機を導入する場合、自己負担額50万円以下に抑えられます。

補助額・補助率

最大補助額:1,500万円
補助率:1/2
補助上限額は、従業員数や賃上げの有無によって変わります。

従業員数補助上限額
従業員数5名以下上限200万円(300万円)
従業員数6~20名上限500万円(750万円)
従業員数21名以上上限1,000万円(1,500万円)

※賃上げの要件を達成することで、( )内の値に上限額が引き上がります。

「省力化補助金」を活用できる建設業の条件

人手不足の状態にある個人事業主を含む中小企業等の建設業です。
以下条件に該当する必要があります。
資本金:3億円以下
従業員数(常勤):300人以下

「省力化補助金」カタログ型は個人事業主も対象?

補助対象製品

「省力化補助金」の補助対象製品は、製品カタログに登録された販売事業者が販売するものに限ります。
IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品です。

製品カタログは10以上のカテゴリに分類されており、それぞれに対応する製品が紹介されています。
製品カテゴリや対象製品は随時追加されおり、今後増える可能性があります。

「省力化補助金」の製品カタログとは?

製品カタログをチェックする!

建設業が「省力化補助金」に申請できる製品

建築業が対象となるのは、製品カテゴリ「測量機」の製品です。
建設業少量化補助金出典:製品カタログ

製品カテゴリ「測量機(自動視準・自動追尾機能付き 高機能トータルステーション)」

【活用シーン】
本製品は測量業務において、 作業効率の大幅な向上 が期待できます。

  • 省力化を実現:遠隔操作や内蔵センサーによる追尾・視準が自動化され、ノンプリズム機能(ターゲットにプリズム不要)が備わっているため、作業負担が軽減されます。
  • 作業者の削減が可能:従来2名以上で行っていた測量業務を、 1名で完結 できるようになります。製品の自動追尾・視準機能により、作業工数の削減が見込まれます。

製品カテゴリ「バランサ装置」

【活用シーン】
本機器は、 重量物の搬送業務が多い現場 でも活用可能です。
ロボット搬送が困難な環境下での作業効率化を実現し、 人手不足の解消作業員の負担軽減 に貢献します。
さらに、以下の特徴があります。

  • 省スペース設置が可能:クレーンやフォークリフトが使えない現場でも設置・使用できます。
  • 多様な作業に対応:容器の傾斜作業や袋詰め品の搬送、加工機械へのワーク取付など、さまざまな作業で 高い省力化効果 を発揮します。

製品カテゴリ「GNSS測量機(RTK)」

【活用シーン】
本機器は、 視通が困難な現場でも効率的な測量を可能にする装置 です。

  • 活用例:広範囲の測量を必要とする建設現場や、視通が確保しづらい複雑な地形の山間部での測量作業に適しています。
  • 作業効率の向上:本機器を活用することで、移動局の位置を即時に測定可能です。従来のトータルステーション(TS)と比較して、作業時間を大幅に短縮できます。
  • 省力化と生産性向上:1名の作業員が測量機を次々に移動させながら効率よく作業を進められるため、 人手不足の解消作業負担の軽減 に貢献します。これにより、 生産性向上 および 省力化効果 が期待できます。

製品カテゴリ「地上型3Dレーザー スキャナー」

【活用シーン】
本機器を使用することで、 視通可能な範囲全周の地物や構造物の形状を、一度に詳細な点群データとして取得 できます。従来のトータルステーション(TS)と比較して、 作業効率の大幅な向上 を実現します。

  • 幅広い適用性:複雑な地形や視界が限られた都市部の狭い空間でも、正確なデータを取得可能です。
  • 省力化と迅速化:建設現場や災害復旧現場での計測作業において、本機器を活用することで、効率的かつ迅速な作業が可能となり、 大幅な省力化 が期待できます。

製品カテゴリ「マシンコントロール・マシン ガイダンス機能付ショベル」

【活用シーン】
広範囲の掘削が必要な土木工事や、複雑な地形で正確な作業が求められる施工現場で活用できます。

  • 少人数での効率的な作業:測量作業の負担が軽減されるため、少人数でも迅速に作業を進めることが可能です。
  • 高精度な半自動制御:設計データに基づいて半自動制御で掘削を行うことで、 高精度な作業 を実現します。

これにより、 施工時間の短縮作業効率の向上 が期待されます。

建設業の「省力化補助金」活用事例

企業概要

業種:建設業
従業員数:50人
課題:人手不足

導入機器

機器

測量機(自動視準・自動追尾機能付き高機能トータルステーション)

導入理由

人手不足を解消し、測量作業の効率化を図るため

導入効果

効率化

自動視準・自動追尾機能により、測量作業のスピードが大幅に向上。
従来の人力による作業よりも迅速かつ正確な測量が可能になった。

コスト削減

人手不足の解消により、外部業者への依頼頻度が減少。
結果的にコスト削減が実現した。

品質向上

高精度な測量が可能になり、施工の品質が向上した。

「省力化補助金」申請の流れ

「省力化補助金」の申請の流れは以下の通りです。

  1. 補助金の理解
  2. gBizID取得
  3. 製品カタログから製品選定
  4. 販売事業者と共同申請

1. 補助金の理解

「公募要領」で制度の概要、対象経費、スケジュール、補助対象事業者に該当するか等を確認します。

2.gBizID取得

補助金申請は電子申請となるため、gBizIDプライムアカウントを取得します。
gBizIDをお持ちでない方、プライムアカウントではない方は「gBizID」より取得します。
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3.製品カタログから製品選定

製品カタログから導入したい対象製品を選びます。
対象製品の詳細ページに記載されている「販売事業者一覧」より販売事業者を選定し、掲載されているサポート窓口電話番号もしくはサポート窓口メールアドレス宛にご連絡ください。

4.販売事業者と共同申請

補助金申請は製品の販売事業者と共同で事業計画の策定が必要になります。
販売事業者とは、共同事業実施者として共同で申請受付システムで申請を行います。

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