令和6年新設!「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」補助対象者は?
このコラムで分かること
・「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の活用がおすすめの人
・「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の補助対象者・補助率・補助額などの概要
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概要
「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」は経済産業者が主管する制度です。
地域の雇用を支える中堅・中小企業が人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進し、地方においても持続的な賃上げを実現することを目的としています。
出典:「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」公式サイト
本補助金のポイント
・地域にインパクトのある事業計画が求められる
・近年注目の省力化により労働生産性向上を目指す事業者を支援している
・賃上げをする事業者を支援する既存の補助金・助成金の多くは中小企業者向けだが、本補助金は中堅企業も補助の対象になっている
こんな事業者にオススメ!
・拠点を増やして事業を拡大させたい
・最新の設備を導入してもっと生産性を上げたい
・賃上げをして従業員のモチベーションを高めたい
補助対象者
中堅・中小企業(常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等)
中小企業基本法で「中小企業者」でも2,000人超え企業はNG!
本事業では、資本金の金額によらず常時使用する従業員数が2,000人を超える会社等は対象外です。
例:製造業で資本金1億円・常時使用する従業員数3,000人。中小企業基本法における中小企業者の定義に該当。
個人事業主は対象?
以下の理由より個人事業主も補助対象になる可能性があると推測されます。
・中小企業庁による中小企業の定義に個人も含まれている
・本補助金の資料の「会社・個人以外で補助対象となり得る法人」に「企業組合」も含まれている
※企業組合:4人以上の個人が集まって資本や労働力などを持ち寄り、一つの企業のように活動するもの
補助対象要件
(1) 投資額10億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
(2) 補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員1人当たり給与支給総額の伸び率(年平均成長率)が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均成長率以上
補助対象経費
補助対象経費 | 詳細 |
外注費 | 補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査等の一部を外注(請負・委託)する場合の経費 |
専門家経費 | 補助事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 |
ソフトウェア費 | (1)専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費 (2) (1)と一体で行う、改良・修繕に要する経費 |
建物費(拠点新設・増築等) | 専ら補助事業のために使用される生産施設、加工施設、販売施 設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費 |
機械装置費(器具・備品費含む) | (1) 専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測 定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費 (2) (1)と一体で行う、改良・修繕、据付けまたは運搬に要する経費 |
出典:「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」公式サイト
対象経費に関するポイント
・交付決定より前に契約(発注含む)を行った経費は補助対象外。
・機械装置やソフトウェアに限り、リースやレンタルについて交付決定後に契約したことが確認できるもので、事業期間中に要する経費については対象になる。
・ファイナンス・リース取引に限り、補助事業者がリース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されること等を条件に、リース会社と共同申請をする場合には機械装置やソフトウェアの購入費用について、リース会社を対象に補助金を交付することが可能。
「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」リースも対象?
予算額
総額3,000億円(令和8年度までの国庫債務負担含む)
補助事業のポイント3点
補助事業の項目は次の3点です。
(1)投資額
(2)賃上げ
(3)経営力
補助事業の項目 | ポイント |
(1)投資額 | 10億円以上(外注費・専門家経費を除く補助対象経費分) |
(2)賃上げ | 補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員1人当たり給与支給総額の伸び率(年平均成長率)が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均成長率以上 |
(3)経営力
| 企業全体における成長ビジョン(長期経営計画)を含めた事業計画の策定 |
賃上げ要件の基準値は自治体ごとに異なります。
詳細はこちらをご覧ください。
事業計画・審査のポイント
採択は下記5点を中心に事業計画書と申請者(経営者等)によるプレゼンの2段階で審査されます。
(1)経営力
(2)実現可能性
(3)先進性・成長性
(4)地域への波及効果
(5)大規模投資・費用対効果
申請者は上記5点を踏まえた事業計画書を作成します。
審査ポイント | 内容の一例 |
(1)経営力 | 経営戦略上の補助事業の位置付けを踏まえ、補助事業を通じて企業自身の持続的な成長につながることが見込まれるか。 |
(2)実現可能性 | 補助事業のスケジュール、資金等を踏まえて実現可能か。 |
(3) 先進性・成長性 | 補助事業で取得した設備により作られた製品等は他社と差別化されたものか。 補助事業による取り組みで生産性が上がり、人手不足が改善されるか。 |
(4) 地域への波及効果 | 補助事業により従業員1人当たり給与支給総額、雇用、取引額の増加等、地域への波及効果が見込まれる取組か。 |
(5) 大規模投資・費用対効果 | 付加価値額や売上高・賃金の増加分が大きいか。 大規模成長投資であるか。 |
さらに(4)の 「地域への波及効果」が高い事業者には加点を行われる予定です。
具体的には「地域未来牽引企業」や「パートナーシップ構築宣言登録企業」になった場合に加点されます。
「地域未来牽引企業」は「経産省に認定された地域経済の担い手になる企業」のことです。
例:地元色あふれる新しいご当地スイーツを開発したお菓子メーカーや、伝統食をアレンジしてインバウンド向けの食品を提供する食品加工メーカー等
補助事業の内容の制限
補助対象とする事業の内容が、農作物の生産自体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合は対象外です。
ただし、1次産業を営む事業者であっても、補助対象とする事業の内容が2次・3次産業に関する事業である場合は対象となり得ます。
例:農業(1次産業)を営む事業者の補助対象とする事業内容が、建築業(2次産業)に関する事業の場合。
審査の流れ
計画書(書類)とプレゼンの2段階で審査が行われます。
(1) 申請のあった事業計画に基づく1次審査を行う
(2) 1次審査を通過した申請者は2次審査として経営支援等を行う外部有識者に対するプレゼン 審査(対話形式)を行う
(3) 2次審査を通じて、政策目的に沿った優れた提案を行った事業者を採択する
2024年申請スケジュール
「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」は、1次公募の終了後に2次公募を行われる予定です。
令和6年3月6日(水):公募開始
令和6年4月30日(火):1次公募締切
令和6年5~6月頃 :審査(プレゼン含む)
令和6年6下旬 :採択発表(以降順次、交付決定)
≪最長令和8年12月まで補助事業期間、補助事業終了後の3年間は賃上げのフォロワーアップ≫
令和6年8月以降? :2次公募開始
「省力化投資補助金」との違いは?
2024年3月下旬に公募が始まる「省力化投資補助金」との違いをまとめてみました。
同じ「省力化」を行う事業者を支援する補助金でも違いが見られます。
| 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 | 省力化投資補助金 |
目的 | 人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進して地方の持続的な賃上げを実現する | 人手不足の課題に対する省力化投資を支援し、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげること |
補助対象者 | 中堅・中小企業(常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等) | 人手不足で付加価値額の増加を目指す中小企業・小規模事業者等 |
補助対象経費 | 建物費(拠点新設・増築等)、機械装置費(器具・備品費含む)、ソフトウェア費、外注費、専門家経費 | loT、ロボット等 |
補助額 | 50億円 | 1,500万円 |
補助率 | 1/3 | 1/2 |
その他 | 大企業(常時使用する従業員数が2,000人超の会社)は申請不可。 補助対象とする事業の内容が農作物の生産自体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合は対象外※ | ベンダーが登録した「カタログ」に掲載された商品が補助対象になり、ベンダーと協力して申請 |
違いのまとめ
・中堅企業も申請対象になる
・「省力化投資補助金」よりも補助対象経費の幅が広い
・「省力化投資補助金」より補助額が大きく、大規模投資する場合に活用される
・地方の持続的な賃上げを実現するという「地域へのインパクト」がある事業計画が求められる
「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」公式サイトはこちら!
分かりやすいパンフレットはこちら!
「省力化投資補助金」の申請は初回が有利!
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予算が潤沢にある初回の申請は、採択される可能性がグッと高くなります!
逆に最終に近づくほど予算も少なくなるので採択率は低下。
例えば最終回間近の第11回公募「事業再構築補助金」では、採択率が20%近く下がってしまいました。
「省力化投資補助金」の申請は、早い方が断然有利です!
プロの手を借りればさらに採択率アップを見込めます。
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