会計ソフトに使える補助金は?【2026年版】

会計ソフト導入に補助金が活用できます。本コラムでは会計ソフト導入に使える国と自治体の補助金を分かりやすく紹介いたします。
梅沢 博香

更新日:

会計ソフトに使える補助金は?【2026年版】.

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

ポイント

  • 会計ソフト導入には、国と自治体の補助金が使える
  • 会計ソフトに使える代表的な補助金はIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)
  • IT導入補助金のインボイス枠(インボイス対応類型)ならパソコンと会計ソフトが一緒に補助される

会計ソフト導入に使える補助金は?

会計ソフトの導入には、国の補助金と自治体の補助金を活用できる可能性があります。

比較項目国の補助金自治体の補助金
使える人全国の事業者原則として、その自治体内の事業者
主な目的業務効率化・インボイス対応・DX推進地域事業者のIT化・生産性向上
採択の難易度比較的高い比較的低い
補助額数十万円〜数百万円規模数万円〜数十万円規模

国の補助金は、制度設計が体系化されているため、初めて補助金を検討する事業者でも情報を整理しやすい傾向があります。一方、自治体の補助金は、補助額が比較的小さいものの、条件が合えば採択されやすい場合もあります。

国と自治体の補助金、どちらを選べばいい?

どちらを選ぶべきかは、会計ソフトを導入する目的などによって判断します。

会計ソフト導入を、インボイス対応や経理業務の効率化そのものを目的として進める場合は、国の補助金を優先的に検討するのが現実的です。国の補助金は、会計ソフト導入を想定した制度設計になっており、補助率や補助額も比較的大きく設定されています。

一方で、地域で事業を営んでおり、自治体が実施するIT導入支援やDX支援の補助金がある場合には、自治体の制度を確認する価値があります。特に、国の補助金に申請が間に合わない場合や、補助額は小さくても早く導入したい場合には、有力な選択肢になります。

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会計ソフト導入に使える国の補助金とは?

会計ソフトの導入には、国の補助金としては、IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金の2つがあります。どちらも個人事業主を含む中小事業者が対象となっており、会計ソフトの導入目的に応じて使い分けることが重要です。

IT導入補助金

業務効率化やインボイス対応を目的としたITツール導入を支援する補助金。会計ソフトや受発注ソフトなどが補助対象になり、小規模事業者は補助率が優遇されます。

クラウド型会計ソフトの場合、クラウド利用料(最大2年分)も補助対象です。

2026年度(令和8年度)IT導入補助金からデジタル化・AI導入補助金に!内容の変更点は?

参考:IT導入補助金

小規模事業者持続化補助金

販路開拓や生産性向上を目的とした取り組みを支援する補助金。会計ソフトそのものが主目的ではありませんが、経営改善や業務効率化の一環として導入する場合に対象となることがあります。

免税事業者がインボイス発行事業者になった場合は、インボイス特例による上乗せが受けられます。

令和8年度(2026年度)の小規模事業者持続化補助金はどうなる?

参考:小規模事業者持続化補助金

個人事業主でも活用できる!

IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金は、法人だけでなく個人事業主も対象です。特にIT導入補助金は、従業員数が少ない事業者ほど補助率が高く設定されています。

具体的には、会計ソフトが補助対象になるインボイス枠インボイス対応類型では、小規模事業者の補助率は4/5と高くなっています。

どちらの補助金を選べばいい?

IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金、どちらに活用するか迷う場合は、会計ソフトの導入目的によって選択しましょう。

会計業務の効率化やインボイス対応を重視する場合は、IT導入補助金。事業全体の改善の一環として導入する場合は小規模事業者持続化補助金を検討するとよいでしょう。

比較項目IT導入補助金小規模事業者持続化補助金
主な目的業務効率化・インボイス対応販路開拓・経営改善
クラウド利用料補助対象(最大2年分)補助対象外
優遇措置(補助率upまたは補助上限引き上げ)小規模事業者・インボイス発行事業者の登録を受けた事業者
・事業場内最低賃金を+50円以上とした事業者

IT導入補助金で会計ソフトを導入する場合

IT導入補助金で会計ソフトを導入する場合の申請枠は、通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)の2つです。

会計ソフト導入に関して、主に対象となる経費は次のとおりです。

  • ソフトウェア購入費
  • クラウド利用料(最大2年分)
  • 導入関連費(保守サポート、マニュアル作成、導入後の活用支援など)

クラウド型会計ソフトの場合、初期費用だけでなく利用料まで補助対象になる点が大きな特徴です。

通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)どちらを選べばいい?

通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)のどちらを選ぶかは、会計ソフトを導入する目的によって判断します。

通常枠は、会計業務全体の効率化やバックオフィス業務の改善を目的とする場合に適しています。経理処理の自動化や勤怠管理との連携など、業務全体の生産性向上を図りたい事業者に向いています。

一方、インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度への対応を主目的とする場合に適した申請枠です。会計ソフトに加えて、PCやタブレット、レジなどのハードウェア導入も補助対象になります。小規模事業者の場合は、補助率が最大4/5まで引き上げられ、補助下限額が設けられていない点も特徴です。

比較項目通常枠インボイス枠(インボイス対応類型)
主な目的業務効率化・DX推進インボイス制度対応
補助率最大2/3最大4/5
補助上限額最大450万円最大350万円

※通常枠では、最低賃金近傍の事業者は補助率が2/3に引き上げられます。
※インボイス枠では、小規模事業者が特に優遇されます。

IT導入補助金を活用した会計ソフト導入事例

事例①:通常枠を活用したケース
従業員5名の製造業では、勤怠管理と経理業務を手作業で行っており、経理担当者の負担が大きいことが課題でした。

そこで、IT導入補助金の通常枠を活用し、勤怠・労務管理ツールとクラウド会計ソフトを導入しました。

導入前は、出社・帰社を前提とした打刻や手入力による出納管理が必要でしたが、導入後は出先からの打刻や自動仕訳が可能になりました。その結果、残業時間が約3割削減され、経理業務の作業時間も大幅に短縮されています。


事例②:会計ツール導入によるインボイス対応
従業員3名のサービス業では、インボイス発行に伴う事務負担の増加が課題でした。

通常枠を活用してクラウド会計ソフトを導入したことで、請求書発行から出納管理までを一元管理できるようになりました。

手作業で行っていた経理処理が自動化され、インボイス対応にかかる作業時間が削減されたことで、バックオフィス全体の生産性が向上しています。

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小規模事業者持続化補助金で会計ソフトを導入する場合

経営管理や業務効率化を目的とした取り組みの一環として会計ソフトを導入する場合には小規模事業者持続化補助金の通常枠が使えます。

小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けながら作成した経営計画に基づき、事業の持続的な発展につながる取り組みを支援する制度です。

会計ソフト単体の導入を目的とする補助金ではありませんが、業務改善や生産性向上の手段として必要性が明確な場合には、補助対象として認められるケースがあります。

項目内容
補助率2/3
補助上限額50万円
対象事業者小規模事業者(個人事業主含む)

小規模事業者持続化補助金には、一定の要件を満たすことで補助上限額が上乗せされる特例制度があります。会計ソフト導入を検討する際にも、次の2つの特例は重要な判断材料になります。

  • インボイス特例:免税事業者のうち、インボイス発行事業者の登録を受けた事業者が対象です。この要件を満たす場合、通常枠の補助上限額に50万円が上乗せされます。
  • 賃金引上げ特例:事業場内最低賃金を50円以上引き上げた事業者が対象です。この要件を満たす場合、補助上限額が最大150万円上乗せされます。

これらの特例を組み合わせることで、通常枠でも最大200万円超の補助上限が設定されるケースがあります。

小規模事業者持続化補助金を活用した会計ソフト導入事例

※通常枠を活用したケース
従業員3名の小売業では、売上管理や経費精算をエクセルで行っており、月次の収支把握に時間がかかることが課題でした。

そこで、小規模事業者持続化補助金の通常枠を活用し、導入費用15万円のクラウド会計ソフトを導入しました。

会計ソフト導入を、経営状況を見える化する業務改善の取り組みとして事業計画に位置づけたことで、補助対象として認められています。補助率2/3が適用され、自己負担は約5万円に抑えられました。

導入後は、日々の売上や経費が自動で集計され、月次決算にかかる時間が大幅に短縮されています。経営数値を早期に把握できるようになったことで、仕入れ判断や資金繰りの改善にもつながりました。

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会計ソフト導入に使える自治体の補助金は?

自治体補助金は、地域事業者の生産性向上や業務効率化を目的とした制度が多く、条件が合えば会計ソフトや関連IT機器が補助対象になるケースもあります。ここでは、会計ソフト導入に使える自治体補助金を3つ紹介します。

東京都躍進的な事業推進のための設備投資支援事業

東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、都内中小企業が生産性向上やDX推進を通じて競争力を高めるための設備投資を支援する補助金です。

会計ソフトや業務管理システムも、事業の高度化に資する設備として位置づけられれば補助対象となる場合があります。

最大で2億円規模の助成が受けられる一方、申請には事前予約が必要で、事業計画や投資効果が厳しく審査される点が特徴です。

補助率補助上限額
1/2〜4/5(事業区分により異なる最大2億円

制度の詳細や最新の公募状況は、東京都中小企業振興公社の公式情報を必ず確認してください。
参考:東京都中小企業興進公社

大阪府東大阪市:共同施設(情報機器)設置事業補助金

大阪府東大阪市の「共同施設(情報機器)設置事業補助金」は、商店街や小売市場などの団体が共同で利用する情報機器の導入を支援する制度です。会計ソフトやPOSレジ、ポイントカードシステムなども、共同利用を前提とする場合に補助対象となります。

対象は、事業協同組合や商店街振興組合、一定の要件を満たす任意団体で、構成員の過半数が市内に事業拠点を有し、継続的に活動していることが求められます。
ソフトウェアのみの導入やリース契約は対象外です。

補助率補助上限額
補助対象経費の20%以内300万円

参考:大阪府東大阪市

兵庫県丹波市:「丹波市設備投資支援事業補助金」

兵庫県丹波市の「丹波市設備投資支援事業補助金」は、市内中小企業者が行う販売促進、事業規模拡大、生産性向上、業務効率化につながる設備投資を支援する制度です。会計ソフトは「合理化設備の導入事業」として位置づけることで、補助対象となる可能性があります。

事業区分ごとに補助率・補助上限額が異なり、内容は次のとおりです。

区分補助率補助上限額
一般型補助対象経費の10%上限30万円(条件により50万円)
市内取引循環型補助対象経費の20%上限50万円(条件により70万円)
事業承継型補助対象経費の20%上限50万円(条件により70万円)

※「経営革新計画」や「経営力向上計画」の認定を受けている場合でも、補助対象経費に応じて上限額が超える場合のみ上乗せされます。
※計画書は交付申請時点で取得している必要があり、後からの追加・変更では補助額は増額されません。
参考:兵庫県丹波市

自治体補助金の探し方・相談先

会計ソフトの購入費用が補助される自治体補助金は、地域によって内容が大きく異なります。全国の自治体補助金をまとめて確認したい場合は、以下のページが参考になります。

会計ソフトが補助される自治体の補助金を探す

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会計ソフトと一緒にパソコンも導入するときに使える補助金は?

会計ソフトとあわせてパソコンを導入したい場合、IT導入補助金のインボイス枠(インボイス対応類型)が使えます。ただし、インボイス制度への対応を目的とした会計ソフト導入のみが補助対象になる点にご注意ください。

項目内容
補助対象会計・受発注・決済ソフト+パソコン等
補助率最大4/5(小規模事業者)
パソコン補助額1台あたり最大10万円

会計ソフト+パソコン導入の補助額のシミュレーション

ここでは、会計ソフト20万円とパソコン15万円を導入するケースを例に、インボイス枠(インボイス対応類型)の補助額を整理します。
※事業者区分は「中小企業」を想定します。

ソフトウェア(20万円)の補助額

会計ソフトなどのソフトウェアは、インボイス枠では補助率3/4が適用されます。

  • 導入費用:20万円
  • 補助率:4分の3
  • 補助額:15万円
  • 自己負担額:5万円

パソコン(15万円)の補助額

パソコンは、ソフトウェアとは別に補助率1/2、補助上限10万円が設定されています。

  • 導入費用:15万円
  • 補助率:1/2
  • 補助額:7万5,000円
  • 自己負担額:7万5,000円

※パソコンの補助額は最大10万円までのため、このケースでは上限に引っかかりません。

合計の補助額と自己負担額

項目金額
導入費用の合計35万円
補助額の合計22万5,000円
自己負担額12万5,000円
IT導入補助金で会計ソフト+パソコンを導入する方法は?

よくある質問

Q:IT導入補助金で補助対象になる会計ソフトは何ですか?

IT導入補助金で補助対象となる会計ソフトは、IT導入補助金の公式サイトに登録されているITツールのみです。対象ソフトは「ITツール・IT導入支援事業者検索」から確認できます。
参考:ITツール・IT導入支援事業者検索

Q:個人事業主でも会計ソフト導入に補助金は使えますか?

個人事業主でも、要件を満たせばIT導入補助金を活用できます。 会計ソフト導入による業務効率化やインボイス対応が目的であれば、法人と同様に申請が可能です。

Q:自治体の補助金とIT導入補助金は併用できますか?

自治体の補助金とIT導入補助金は同じ経費に対する併用はできませんただし、目的や対象経費が異なる場合は、自治体の補助金とIT導入補助金を併用できるケースもあります。申請前に必ず各制度の公募要領を確認してください。

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