弥生会計とIT導入補助金活用法について解説!
弥生会計は中小企業向けの会計ソフトで、IT導入補助金を活用して導入費用を軽減できます。補助金の申請方法や活用事例についても解説します。
この記事を監修した専門家

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
弥生会計って何?

出典:弥生の会計ソフト
弥生会計とは、主に中小企業や個人事業主が使うための会計ソフトです。
会計ソフトは、会社のお金の出入りを管理したり、税金の計算を手助けしたりするためのツールです。
以下に、弥生会計の特徴を子供でも分かるように説明します。
弥生会計の特徴は?
簡単に使える
弥生会計は、特に初心者でも使いやすいように設計されています。
たとえば、画面に出てくる指示に従って進めるだけで、必要な設定が可能です。そのため、難しいことを考える必要はありません。
機能が充実している
弥生会計ソフトを使うと、日々の取引を記録したり、決算書を作ったりすることが可能です。
会社のお金の流れをしっかりと把握できるようになるでしょう。
サポートが充実している
弥生会計を使っていると、困ったときに助けてくれるサポートが充実しています。電話やメールで質問できるので、初めて使う方でも安心です。
クラウド版もある
最近では、インターネットを使ってどこでもアクセスできるクラウド版もあります。これにより、パソコンがなくてもスマートフォンやタブレットからでも会計処理が可能です。
どうして弥生会計が人気なの?
弥生会計は、多くの企業や個人事業主に選ばれており、登録ユーザーは350万人以上います。これは信頼されている証拠でしょう。
歴史が長いのも信頼される理由です。
弥生会計は1987年から販売されているので、長い歴史があります。多くの方に使われてきた実績があるため、安心して使えるでしょう。
このように、弥生会計はお金の管理を簡単にしてくれる便利なツールです。
特に、会計のことがよくわからない方でも使いやすいように工夫されています。
参考:【公式】クラウドで業務をもっと、スムーズに
弥生会計導入にあたってIT導入補助金は活用できるの?
弥生会計を導入するにあたって、IT導入補助金を活用できます。
もう少し詳しく言うと、弥生会計・販売、Misocaの導入はインボイス対応類型がおすすめです。
- 補助率…2/3〜4/5
- 最大補助額…350万円
- ハードウェアも対象で最大20万円補助
弥生会計や弥生販売、Misocaなどを導入する場合にIT導入補助金を活用することで、コストを軽減し、業務の効率化を実現できるでしょう。
弥生サービスの種類や特徴
弥生の提供する各種サービスは、企業の経理業務や販売管理を効率化するための強力なツールです。
それぞれのサービスには、特定の特徴と利便性があります。
以下は、弥生会計や弥生販売の主な特徴です。
弥生会計 24

出典:2023年10月20日弥生24シリーズが発売になりました
弥生会計 24は、会計業務に必要なすべての機能を備えたデスクトップ型の会計ソフトです。
法改正や税制変更に迅速に対応する自動更新機能を搭載しており、特に中小企業にとって税法遵守のリスクを軽減し、安心して業務を進めることができます。
また、インボイス制度に対応した消費税管理機能も搭載しており、最新の税法に基づいた正確な会計処理が可能です。
弥生販売 24は、販売・仕入・在庫管理を効率的に行えるようにしてくれます。
販売管理業務の効率化を目的としており、過剰在庫や欠品の防止、リアルタイムでの在庫管理が可能です。
特に、中小企業の現場で重宝される機能で、販売・仕入れ・在庫の一元管理をサポートしてくれるでしょう。
弥生会計 オンライン
クラウド型の弥生会計 オンラインは、インターネット環境があればどこでも会計業務が行える便利なツールです。
自動仕訳機能やデータのリアルタイム管理が可能で、柔軟な働き方を支援します。
外部の税理士や会計士ともデータを共有できるため、効率的に業務を進められるでしょう。
Misoca

出典:Misoca
Misocaはクラウドベースの請求書作成・管理ソフトで、どこからでも請求書の作成や送信が可能です。
自動リマインダー機能も搭載しており、未払いリスクを減らし、キャッシュフローの安定に貢献してくれます。
IT導入補助金の申請枠
弥生サービス導入に活用できるIT導入補助金の申請枠は、以下の3つに分類されます。
通常枠
通常枠は、一般的な業務効率化のためのITツール導入に対して支給される補助金枠です。
申請枠はA類型とB類型に分かれており、それぞれ補助額や申請条件が異なります。
参考:通常枠について
インボイス対応類型(おすすめ)
インボイス制度に対応した業務システムの導入を対象にした枠です。
弥生会計や弥生販売など、インボイス制度に準拠したツールの導入に特におすすめです。
最大補助額は350万円で、補助率は2/3〜4/5となります。
ハードウェアの購入も対象となり、最大20万円の補助が受けられます。
参考:インボイス制度について
複数社連携IT導入枠
複数の企業が連携してITツールを導入する場合に適用される補助金枠です。
複数社間でのデータ共有や協力による業務効率化を目的とした申請です。
弥生導入にIT導入補助金を活用した事例
IT導入補助金を活用して弥生サービスを導入した事例を紹介します。
飲食業
ある飲食店では、弥生会計と弥生販売を導入し、業務効率化を実現しました。
特に在庫管理の精度が向上し、販売管理の一元化により、経営者はリアルタイムで業績を把握可能に。
小売業
小売業では、弥生販売 24を導入し、販売・仕入れ・在庫管理を効率的に行えるようになりました。
これにより、在庫過多や欠品を防止し、顧客へのサービス向上が実現しました。
サービス業
サービス業の企業では、弥生会計オンラインを導入し、クラウド環境で経理業務に柔軟に対応。
リモートワークが進み、外部の税理士とのデータ共有もスムーズに実施でき、業務効率化を達成しました。
弥生会計オンラインとは何か?
弥生会計オンラインは、クラウドベースの会計ソフトです。企業の経理業務を効率化し、精度を向上させるために設計されています。
特に中小企業や個人事業主にとっては、会計処理を簡便かつ迅速に行えるツールで、日々の経理業務の負担を大幅に軽減することが可能です。
また、弥生会計オンラインは、特別な会計の知識がない方でも使いやすく、業務効率を改善してくれます。
より迅速に経営判断を行うために役立つでしょう。
弥生会計オンラインの主な特徴と機能
自動化された仕訳機能
弥生会計オンラインでは、取引内容を入力すると自動で仕訳を行うため、手入力の手間がかかりません。
銀行口座やクレジットカードのデータも自動で取り込まれ、仕訳が自動で処理されるため、経理担当者の負担が大幅に減少します。
月次決算・年次決算の迅速化
決算書や財務諸表の作成が簡単にできるため、月次や年次の報告が素早く行えます。
経営者は、リアルタイムで業績を把握し、迅速な経営判断を下すことが可能です。
クラウドベースでのデータ管理
インターネット環境があれば、パソコンやスマートフォン、タブレットから会計データにアクセス可能。
複数拠点で業務を行っている場合でも、どこからでもデータ確認が可能となり、業務の効率が向上するでしょう。
安全性・セキュリティを強化できる
弥生会計オンラインはデータの暗号化や多段階認証など、厳重なセキュリティ対策が施されています。
会計データを安全に保管でき、万が一のトラブルにも備えられるでしょう。
また、税制改正や法改正に迅速に対応するため、常に最新の法的要件に基づいた会計処理が行えます。
弥生会計オンライン導入支援サービスについて
弥生導入支援サービスでは、最初に、企業の会計業務の現状を把握し、どの機能を導入するのが最適かを無料でコンサルティングしてくれます。
どの業務を効率化したいのか、どの程度のサポートが必要なのかを理解し、最適な導入プランを提案してもらえるでしょう。
弥生導入のIT導入補助金申請手順
IT導入補助金を活用して弥生サービスを導入するには、以下の手順を踏む必要があります。
申請枠を確認する
自社の導入目的に合った申請枠(通常枠、インボイス対応類型、複数社連携IT導入枠)を選んでください。
必要書類を準備する
申請に必要な書類を準備します。
具体的には、申請書類、見積書、事業計画書などが求められます。
申請書を提出する
準備が整ったら、申請書をオンラインで提出します。
審査・交付決定
提出された申請内容をもとに審査が行われ、交付決定が下されます。
補助金を利用する
補助金が交付された後、弥生サービスの導入を進めましょう。
参考:申請を行う前に必要な手続き
弥生導入に関するQ&A
弥生無償特典は併用可能?
無償特典(キャンペーンやサポートプログラム)とIT導入補助金は併用可能です。
ただし、無償特典の対象や条件を確認することをおすすめします。
パソコンはIT導入補助金の対象?
パソコンや関連機器は、IT導入補助金の対象として申請できることがあります。詳細は申請ガイドラインを確認してください。
産休/育休中の従業員も含める?
産休や育休中の従業員についても、一定条件を満たせば補助金の対象となる場合があります。
まとめ
IT導入補助金を活用することで、弥生会計、弥生販売、Misocaなどの導入がより手軽に進められるでしょう。
特にインボイス対応類型を利用すると、大きな補助額を受けることが可能です。業務の効率化や税務対応の負担軽減が実現できるでしょう。
弥生サービスを導入することで、経理業務や販売管理が大幅に効率化され、企業の成長を支援するツールとなります。
IT導入補助金2025の申請サポートについて

出典:【IT導入補助金2025】バックオフィス向け申請枠|補助額・対象ツール・スケジュールを徹底解説!
申請サポートを依頼するのもおすすめです。IT導入補助金2025を活用するための申請手続きをサポートしてくれます。必要な書類の準備や手順を丁寧に案内し、申請がスムーズに進むようにお手伝いしてくれるでしょう。
補助金の申請から受給まで、専門スタッフがしっかりとサポートしてくれます。
弥生会計オンラインの初期設定とデータ移行
申請が完了後、補助金の交付を受けて、実際に弥生会計オンラインの導入作業を開始します。
専門スタッフが初期設定を行い、既存の会計データの移行もサポート。これにより、スムーズに新しいシステムへ移行し、業務を効率化できます。
IT導入補助金の実施報告
補助金を活用した導入後、IT導入補助金の実施報告が必要です。その報告書作成をサポートします。
どのように業務改善に貢献したのか、具体的な成果を示すレポートを作成し、補助金の適正利用を証明してくれるでしょう。
運用開始後のサポート
弥生会計オンラインを導入後も、運用に関してサポートを提供してもらえます。
操作方法に関する質問やトラブル解決に対応し、継続的にシステムの運用がスムーズに進むよう支援してもらえるでしょう。
必要に応じて、追加のサポートにも応じてくれます。
IT導入補助金を利用して弥生会計を導入する際のポイント
IT導入補助金は、事業者の生産性向上や業務効率化をサポートするための大切な制度です。
幅広い経理業務をサポートする業務ソフトで、導入に際してはこの補助金を活用することで、最大で導入費用の8割を補助してもらえるでしょう。
以下のポイントを押さえることで、弥生会計導入の際にスムーズにIT導入補助金を利用可能です。
申請できる弥生会計の種類を確認する
IT導入補助金の申請対象となるITツールは、事務局に登録されたものに限られます。
弥生会計には複数の製品があり、その中で補助金を利用できる製品を確認することが第一歩です。
たとえば、以下の3つの弥生会計製品が補助対象です。
弥生会計24(スタンダード・プロフェッショナル)

出典:商品情報
デスクトップ版の弥生会計で、幅広い経理業務に対応。
従来の弥生会計(バージョン22や23)を扱っている事業者もあるため、利用しているバージョンが補助対象かを確認しましょう。
弥生会計ネットワーク

出典:弥生ネットワーク
ネットワーク対応のデスクトップ版で、複数人で同時に使用可能(最大20台)。複数の社員が業務を効率的に行うために有効です。
弥生会計オンライン
先ほども出てきたクラウド版の弥生会計です。
初心者でも使いやすいシンプルな設計が特徴。Mac端末やスマートフォンアプリでも利用でき、より柔軟な環境を提供します。
これらの製品はすべてIT導入補助金2024年度の対象となるため、自分のビジネスに最適な製品を選択しましょう。
また、導入を希望する製品がIT導入補助金対象ツールとして登録されていることを確認してください。
申請要件を満たす
IT導入補助金を申請するためには、特定の要件を満たさなければなりません。
これらの要件は、
にわかれています。
すべての条件を満たしていなければなりません。
具体的には以下のような要件があるので、確認しておきましょう。
申請者の要件
- 日本国内で事業を営んでいる
- 中小企業や小規模事業者である
- 所定の手続きや報告、書類提出ができる
- 事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上
補助事業の要件
- 労働生産性向上のための具体的な計画を決めて実行する
- ITツールを導入することによって、生産性向上や業務効率化を実現する
経費の要件
- IT導入支援事業者を通じて購入する
- 事務局に登録されたITツールを購入する
これらの要件を満たしていない場合は、補助金を受けられません。自分の事業が補助金申請に適しているかどうかを確認しておきましょう。
弥生会計が補助対象となる申請枠を確認しよう
IT導入補助金には複数の申請枠があり、それぞれの枠で補助対象となるITツールが異なります。
それぞれの申請枠に応じた条件があるため、自分の事業に合った申請枠を選択し、申請を行うことが求められます。
受給できる金額を確認しよう
IT導入補助金では、受給できる金額が異なる場合があります。
基本的に補助金は、ITツールの導入費用の最大80%を補助する形となり、事業規模や申請内容によって金額が決まります。
たとえば、弥生会計の場合、デスクトップ版やクラウド版など、製品ごとに補助金額が異なる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
IT導入補助金を利用する時の流れ
IT導入補助金を利用するためには、以下の流れで手続きを進める必要があります。
申請に必要な3つの手続きを行う
申請を行う前に、事業者は必要な登録を完了しておいてください。
必要書類を準備する
申請に必要な書類を整え、準備しましょう。これには事業計画書などが含まれます。
IT導入支援事業者を選ぶ
IT導入支援事業者がポイントです。
弥生会計を取り扱う支援事業者を選び、その事業者と連携して申請を進めましょう。
交付申請を行う
必要な書類とともに、交付申請を行います。
交付決定後にITツールを導入し、補助事業を実施する
補助金交付決定後、弥生会計を導入し、業務改善を実施してください。
事業実績報告が完了したら補助金が入金される
実績報告を行った後、補助金が支給されるでしょう。
補助金の入金後も効果報告が必要
補助金が支給された後も、実施したITツールの効果報告を行う必要があります。これにより、導入したツールの効果を確認し、補助金の正当性を証明します。
まとめ
IT導入補助金を利用して弥生会計を導入する際のポイントを押さえることは、補助金を最大限に活用し、業務効率化を実現するために大切です。
弥生会計が補助対象となるかどうか、申請要件を満たしているか、申請枠の選定、受給金額などをしっかりと確認し、スムーズな申請を行いましょう。
また、申請後の手続きや報告についても忘れずに対応してください。
おわりに
近年、政府は中小企業のデジタル化を支援するため、ITツール導入にかかる費用の一部を補助するIT導入支援事業を実施しています。
この制度は、業務効率化や生産性向上を目的としたITツールの導入を促進し、企業のデジタル化を後押しすることが狙いです。
弥生会計や販売管理をIT導入補助金で導入すれば、業務効率化が進み、税務負担も軽減できるでしょう。
補助金を上手に活用し、企業の成長を支援するツールとして役立ててください。
監修者からのワンポイントアドバイス
IT導入補助金のインボイス対応類型はインボイス制度に対応した業務システムの導入を対象にした枠です。弥生会計や弥生販売など、インボイス制度に準拠したツールの導入に活用できます。補助額や補助率も高くなっております。PCなどのハードウェアの購入も対象となりますので検討されると良いでしょう。