デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の変更点は?
2026年度のIT導入補助金の概要を予測しました。2026年度、IT導入補助金はデジタル化・AI導入補助金に名称が変更され、内容はおおむね現行のものを引き継がれると予想されます。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
2026年1月23日に「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更した
従来のセキュリティ、DX推進などに加え、対象ソフトウェアに生成AIも加わった
2026年度(令和8年度)の4月頃から公募開始し年6〜7回ペースで公募があると予想
IT導入補助金からの変更点は?
2026年度(令和8年度)から、これまでの「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更され、生成AIの導入支援を強化した内容に変わりました。
1. 名称の変更
「IT導入補助金」は、2026年1月23日に「デジタル化・AI導入補助金」へと名称が変更しました。
現在、公募要領は公式サイトより確認できます。
2. 生成AIも補助対象に
補助対象となるソフトウェアに生成AIも含まれるようになりました。
ベンダー向けのページでは、以下のような記載が見られます。
保有する機能がITツール登録要領で定義するプロセス(業務プロセスまたは汎用プロセス)の中からいずれか1つ以上に該当するソフトウェアが通常枠、インボイス対応類型において対象となります。上記プロセスを有する、「生成AI」又は「生成AI以外のAI技術」の機能を搭載したソフトウェアも登録が可能です。
引用:登録可能なITツールとは
「生成AI」「生成AI以外のAI技術」の定義は以下のとおりです。
生成AI:文章、画像、プログラム等を生成できるAIモデルに基づくAI
生成AI以外のAI技術:上記以外のAIモデル(分類・分析・判断・予測等を行うAIモデル)に基づくAI
たとえば、前者では、以下のようなツールや機能が該当します。
営業メール、提案書、報告書、議事録などの下書きを作成するAI
商品説明文、Webサイト用コンテンツ、SNS投稿文を生成するAI
画像やイラストを自動生成する画像生成AI
業務システムと連携し、プログラムコードを自動生成・補助するAI
問い合わせ対応文やチャット返信文を自動で作成する文章生成AI
3.AI機能を有するITツールに加点か
AI機能を有するITツールについては、ホームページ上でその旨が表示されることになりました。
本補助金には、該当すると加点されて採択に有利になる「加点項目」があります。(現行ではクラウド利用のITツールや賃上げを行った事業者には加点が課される)

出典:デジタル化・AI導入補助金
今後はAI機能を有するツールに加点がつく可能性があります。
そのため、AI機能のあるツールの導入を検討している方にとっては、より使いやすい制度になります。
4.申請枠の変更
「複数社連携IT導入枠」(商店街など、複数の中小・小規模事業者で連携してITツール等を導入する申請枠)が「複数社連携デジタル化・AI導入枠」に名称が変更になりました。
大きな内容の変更は、現時点では確認できませんが、交付規定の補助対象経費には「AIカメラ・ビーコ ン・デジタルサイネージ等」の記載が見られます。
これらの記載から、単なるITツール導入にとどまらず、リアルな場のデータ取得や情報発信を含めたデジタル化・AI活用がより重視されていることが読み取れます。
今後は、商店街全体での集客分析や回遊性向上、複数店舗をまたいだデータ活用といった取り組みが、より申請しやすくなる可能性があります。
デジタル化・AI導入補助金の申請回数は?
通常枠・インボイス枠は年6〜7回、複数社連携デジタル化・AI導入枠は年3回程度と想定
申請期間は2026年3月31日~2027年1月7日と予想
4次締切分までのスケジュールが公開されていおり、初回締め切りは2026年5月12日
デジタル化・AI導入補助金は、従来と同様、年間を通じて複数回の公募が行われる見込みです。
通常枠
【1回締切分】
・申請締切日:2026年5月12日(火)17:00
・交付決定日:2026年6月18日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2026年12月25日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2026年12月25日(金)17:00(予定)
【2回締切分】
・申請締切日:2026年6月15日(月)17:00
・交付決定日:2026年7月23日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年1月29日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年1月29日(金)17:00(予定)
【3回締切分】
・申請締切日:2026年7月21日(火)17:00
・交付決定日:2026年9月2日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年2月26日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年2月26日(金)17:00(予定)
【4回締切分】
・申請締切日:2026年8月25日(火)17:00
・交付決定日:2026年10月7日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年3月31日(水)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年3月31日(水)17:00(予定)
インボイス枠(インボイス対応類型)
【1回締切分】
・申請締切日:2026年5月12日(火)17:00
・交付決定日:2026年6月18日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2026年12月25日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2026年12月25日(金)17:00(予定)
【2回締切分】
・申請締切日:2026年6月15日(月)17:00
・交付決定日:2026年7月23日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年1月29日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年1月29日(金)17:00(予定)
【3回締切分】
・申請締切日:2026年7月21日(火)17:00
・交付決定日:2026年9月2日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年2月26日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年2月26日(金)17:00(予定)
【4回締切分】
・申請締切日:2026年8月25日(火)17:00
・交付決定日:2026年10月7日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年3月31日(水)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年3月31日(水)17:00(予定)
インボイス枠(電子取引類型)
【1回締切分】
・申請締切日:2026年5月12日(火)17:00
・交付決定日:2026年6月18日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2026年12月25日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2026年12月25日(金)17:00(予定)
【2回締切分】
・申請締切日:2026年6月15日(月)17:00
・交付決定日:2026年7月23日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年1月29日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年1月29日(金)17:00(予定)
【3回締切分】
・申請締切日:2026年7月21日(火)17:00
・交付決定日:2026年9月2日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年2月26日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年2月26日(金)17:00(予定)
【4回締切分】
・申請締切日:2026年8月25日(火)17:00
・交付決定日:2026年10月7日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年3月31日(水)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年3月31日(水)17:00(予定)
セキュリティ対策申請枠
【1回締切分】
・申請締切日:2026年5月12日(火)17:00
・交付決定日:2026年6月18日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2026年12月25日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2026年12月25日(金)17:00(予定)
【2回締切分】
・申請締切日:2026年6月15日(月)17:00
・交付決定日:2026年7月23日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年1月29日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年1月29日(金)17:00(予定)
【3回締切分】
・申請締切日:2026年7月21日(火)17:00
・交付決定日:2026年9月2日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年2月26日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年2月26日(金)17:00(予定)
【4回締切分】
・申請締切日:2026年8月25日(火)17:00
・交付決定日:2026年10月7日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年3月31日(水)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年3月31日(水)17:00(予定)
複数社連携デジタル化・AI導入枠
【1回締切分】
・申請締切日:2026年6月15日(月)17:00
・交付決定日:2026年7月23日(木)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年1月29日(金)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年1月29日(金)17:00(予定)
【2回締切分】
・申請締切日:2026年8月25日(火)17:00
・交付決定日:2026年10月7日(水)(予定)
・事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年3月31日(水)17:00(予定)
・事業実績報告期限:2027年3月31日(水)17:00(予定)
参考:デジタル化・AI導入補助金|事業スケジュール
デジタル化・AI導入補助金の活用のポイントは?
デジタル化・AI導入補助金を最大限に活用するためには、「何のために導入するのか」を明確にすることが最も重要です。
補助金の目的は、単にツールを導入することではなく、自社の生産性や業務効率を高めることにあります。
そのため、採択のポイントは以下3点です。
AI・DX導入は“業務課題の明確化”がカギ
ツール選定は登録ITベンダー経由が原則
他の補助金との併用に注意
デジタル化・AI導入補助金の活用のポイントは?
デジタル化・AI導入補助金をうまく活用するためには、単に「新しいツールを入れる」だけでなく、制度の考え方に沿った導入目的と申請設計が重要です。
現行の交付規定や、これまでのIT導入補助金の運用実績を踏まえると、特に次のポイントが重要になります。
業務プロセスとの関係を明確にする
AI機能の有無だけでなく、実務での活用度が重要
IT導入支援事業者(ベンダー)選びが成否を分ける
公募回数が多いため、無理に急がず準備する
業務プロセスとの関係を明確にする
本補助金では、ITツールが「どの業務プロセスを、どのように効率化・高度化するのか」が一貫して重視されています。生成AIを導入する場合も、
営業資料作成の時間短縮
問い合わせ対応の自動化
コンテンツ制作の内製化
など、既存業務のどこに使い、どんな改善効果があるのかを具体的に整理することが重要です。
単なる「話題性のあるAI導入」ではなく、業務改善につながる位置づけが求められます。
AI機能の有無だけでなく、実務での活用度が重要
AI機能を有するITツールは、今後加点対象になる可能性が示唆されていますが、重要なのは「AIが入っているかどうか」ではなく、実際に業務で使われる設計になっているかです。
たとえば、
日常業務の中で継続的に使われるか
属人化の解消や生産性向上につながるか
導入後の運用イメージが明確か
といった点が、申請内容の説得力を左右します。
IT導入支援事業者(ベンダー)選びが成否を分ける
デジタル化・AI導入補助金は、IT導入支援事業者と共同で申請する仕組みです。
そのため、補助金制度への理解が浅いベンダーを選んでしまうと、申請内容が制度に合わなくなるリスクがあります。
特に生成AIやAI機能を含むツールの場合、
どの申請枠に該当するか
業務プロセスとの整理方法
補助対象経費の切り分け
といった点で、支援事業者の経験値が重要になります。
公募回数が多いため、無理に急がず準備する
2026年度は年6〜7回程度の公募が予定されており、申請チャンスは比較的多い制度です。
そのため、準備不足のまま慌てて申請するよりも、
業務課題の整理
導入目的の明確化
適切なツール選定
を行った上で、タイミングを選んで申請する方が採択されやすいと考えられます。
デジタル化・AI導入補助金のQ&A
Q1. これまでのIT導入補助金の申請書はそのまま使えますか?
いいえ。デジタル化・AI導入補助金は、2025年度以前の制度とは別扱いのため、改めて申請が必要です。
Q2. AI導入支援ではどんな取組が対象になりますか?
デジタル化・AI導入補助金では、生成AIを使った文書作成・顧客対応・業務自動化など、AI機能を活用した業務効率化が中心になる見込みです。
Q3. 個人事業主でも申請できますか?
デジタル化・AI導入補助金では個人事業主も補助対象になると想定されます。
また、IT導入補助金では小規模事業者は、補助率の優遇措置が取られていました。後継のデジタル化・AI導入補助金でも同様の可能性が高いです。
Q4. 申請はいつ始まりますか?
2026年春頃(3〜4月)の公募開始が予想される予想です。詳細は予算成立後に中小企業庁の公式サイトで発表されます。
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監修者からのワンポイントアドバイス
現在、各省庁から来年度予算の概算要求が提出され、今後国会での審議を経て予算が成立していきます。来年度の補助金は今年度以上の金額で要求が出されています。本記事にあるように来年度の動向を踏まえて今から備えて置かれると良いでしょう。
