インバウンド対策に使える補助金は?【2026年版】
インバウンド対策に補助金が活用できます。 本コラムでは、2026年最新のインバウンド対策に使える国と自治体の補助金を紹介します。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
インバウンド対策に使える補助金には、国の制度と地方自治体の制度がある
国の制度としては、代表的なものに観光庁の補助金がある
例えば、案内板やウェブサイトやパンフレット等の多言語対応などの取り組みに使える
インバウンド対策に使える補助金は?
インバウンド対策に使える補助金には、国の制度と自治体の制度の2種類があります。
どちらも訪日外国人旅行者の受入環境を整備することを目的としており、外国人観光客の利便性向上につながる取り組みが対象になります。
例えば、次のような取り組みが補助対象になるケースがあります。
多言語案内板の設置
外国語対応ウェブサイトの制作
外国語パンフレットの作成
キャッシュレス決済の導入
無料Wi-Fiの整備
観光庁によると、2025年12月の訪日外国人旅行者数は約362万人で、前年同月より3.7%増加しました。
このようにインバウンド需要は急速に回復しており、観光施設や飲食店、小売店などでは受入環境の整備が重要になっています。
その際に活用できるのが、国や自治体のインバウンド補助金です。
国と自治体、どちらの補助金を使えばいい?
インバウンド補助金を検討する場合は、まず国の補助金を確認し、その後に自治体の制度を探す方法が一般的です。
国の補助金は補助額が大きい制度が多く、自治体の補助金は地域に合わせた制度が多い特徴があります。
観光庁では、訪日外国人の受入環境整備を目的とした補助事業を実施しています。
一方、自治体でも地域の観光振興を目的として、多言語化や外国人向けサービス整備の補助制度を実施しています。
例えば、商店街の多言語化や外国人向けサービス整備など、地域の観光促進に直結する取り組みが支援されるケースが多くなっています。
区分 | 特徴 | 補助額の目安 |
国(観光庁など) | 全国の観光地や宿泊施設を対象とした制度が多い | 数十万〜数百万円 |
自治体 | 地域の観光振興や店舗支援が中心 | 数万〜100万円程度 |
そのため、次のように考えると選びやすくなります。
大きな設備投資や広域の観光事業 → 国の補助金を確認する
地域の店舗や観光施設の改善 → 自治体の補助金を確認する
インバウンド対策に使える国の補助金
観光庁や国土交通省では、訪日外国人旅行者の受入環境を整備するための補助金を複数実施しています。
宿泊施設や観光施設、飲食店などが外国人旅行者に対応できる環境を整える際に活用できる制度です。
外国人観光客の増加に伴い、観光地では多言語対応やキャッシュレス対応などの整備が重要になっており、その支援策として、国は観光庁では次のような補助事業を実施しています。
インバウンド受入環境整備高度化事業
多様な食習慣や文化的慣習を持つ訪日外国人旅行者の受入環境整備に向けたモデル事業
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業
観光MaaS推進事業 ※
※国土交通省の補助金です。
観光庁の補助金を中心にそれぞれの特徴を解説します。
インバウンド受入環境整備高度化事業
インバウンド受入環境整備高度化事業は、宿泊施設や観光施設などが訪日外国人旅行者の受入環境を整備する際に活用できる補助金です。
外国人旅行者の利便性や満足度を高める設備整備やシステム導入が対象になります。
観光庁はこの制度を通じて、地方への訪日外国人旅行者の誘客と観光消費の拡大を目指しています。
対象となる取り組みの例は次のとおりです。
館内案内や施設案内の多言語化
無料Wi-Fiの整備
キャッシュレス決済の導入
外国人向け案内表示の設置
このような整備を行うことで、外国人旅行者が安心して施設を利用できる環境を整えることができます。
結果として、宿泊施設や観光施設の集客力や満足度の向上につながります。
項目 | 内容 |
補助率 | 1/2など(要件により加算あり) |
対象事業 | ユニバーサル対応、多言語案内の設備、ワーケーション環境の整備など |
補助対象者 | ・市区町村 ・都道府県 ・観光地域づくり法人(DMO) ・民間事業者 |
多様な食習慣や文化的慣習を持つ訪日外国人旅行者の受入環境整備に向けたモデル事業
多様な食習慣・文化的習慣への対応支援事業は、飲食店や宿泊施設などが外国人旅行者の食文化や宗教的背景に対応する環境を整備する際に活用できる補助金です。
訪日外国人旅行者は国や地域によって食習慣が大きく異なります。
例えば、ムスリム旅行者はハラール対応が必要な場合があり、欧米の旅行者ではベジタリアンやヴィーガンなどの食文化に対応することが求められています。
観光庁は、日本を訪れる外国人旅行者の多様なニーズに対応することで、観光地の満足度向上と観光消費の拡大を目指しています。
対象となる取り組みの例は次のとおりです。
ハラール対応メニューの整備
ベジタリアン・ヴィーガン対応メニューの開発
多言語メニューの作成
食材表示やアレルギー表示の多言語化
このような整備を行うことで、外国人旅行者が安心して食事を楽しめる環境を整えることができます。
結果として、飲食店や宿泊施設の顧客満足度や利用率の向上につながります。
項目 | 内容 |
補助率 | 1/2など(事業内容により異なる) |
対象事業 | ハラール対応、ベジタリアン対応、多言語メニュー整備など |
補助対象者 | ・地方公共団体 ・DMO又はその他の観光関連団体 ※複数市区町村の連携による申請も可 ※市区町村内の一部地域を対象として申請することも可 |
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、観光地や宿泊施設などが災害時の訪日外国人旅行者の安全確保のための環境整備を行う際に活用できる補助金です。
外国人旅行者は、日本の災害情報や医療制度を理解しにくい場合があります。
そのため観光庁は、多言語での防災情報発信や医療体制の整備など、安全対策の強化を支援しています。
対象となる取り組みの例は次のとおりです。
災害時の多言語情報発信
外国人向け防災案内の整備
医療機関との連携体制の構築
観光施設の安全設備の整備
これらの対策を進めることで、外国人旅行者が安心して観光できる環境を整えることができます。
安全対策の充実は、観光地の信頼性を高める重要な取り組みでもあります。
項目 | 内容 |
補助率 | 1/2など(事業内容により異なる) |
対象事業 | 非常用電源装置、災害用ドローン、キャッシュレス決済環境など |
補助対象者 | ・観光案内所・観光施設等を設置し、若しくは管理する者 ・観光地における店舗・事業所等を運営する者 ・病院・診療所等を設置し、又は管理する者 ・地方公共団体 |
観光MaaS推進事業
観光MaaS推進事業は、複数の交通サービスを一つのサービスとして利用できる「MaaS」を活用し、観光地の移動を便利にする取り組みを支援する制度です。
インバウンド観光客の周遊促進や観光消費の拡大、オーバーツーリズム対策などを目的としています。
項目 | 内容 |
補助率 | 2/3など |
対象事業 | インバウンド含む観光客の観光地での周遊や観光消費の増加、オーバーツーリズムの未然防止・抑制対策に資する取組など |
補助対象者 | ・都道府県 ・市町村 ・民間事業者又はこれらを構成員とする協議会 |
参考:観光MaaS推進事業
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インバウンド対策に使える自治体の補助金
インバウンド対策の補助金は、国だけでなく地方自治体でも実施されています。
自治体の制度は地域の観光振興を目的としているため、地域の観光施設や店舗を対象とした制度が多いのが特徴です。
例えば次のような補助金があります。
東京都:インバウンド対応力強化支援事業補助金
大阪府泉大津市:泉大津市インバウンド等受入環境整備補助金
福岡県久留米市:久留米市インバウンド推進事業費補助金
東京都:インバウンド対応力強化支援事業補助金
都内の宿泊施設、飲食店、免税店、体験型コンテンツ提供施設等が、訪都外国人旅行者のニーズに対応した利便性や快適性を向上を目的に実施する、新たな取組を支援しています。
項目 | 内容 |
補助率 | 2/3 |
補助額 | 20万円 |
大阪府泉大津市:泉大津市インバウンド等受入環境整備補助金
事業者におけるインバウンド等の受入体制を強化することにより、市内でのインバウンド等による消費を促進し、更なる地域産業の活性化を図るため、市内事業者等が行うインバウンド受入環境整備事業に対し補助金を交付します。
項目 | 内容 |
補助率 | 1/2 |
補助額 | 1,000万円 |
福岡県久留米市:久留米市インバウンド推進事業費補助金
民間事業者による外国人旅行客の誘客及び受入れ態勢の整備などの取り組みを支援することにより、外国人旅行客の利便性及び消費意欲を高め、地域経済の活性化を図ることを目的とします。
項目 | 内容 |
補助率 | 1/2 |
補助額 | 10万円 |
