トイレリフォームに補助金は使える?2025年最新制度と注意点を解説

「古くなったトイレを節水型に替えたいけど、費用が心配…」「親のために介護用トイレにリフォームしたいけど、補助金ってあるの?」そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。 実は、トイレのリフォームには国の補助金や自治体の助成制度を活用できる場合があり、リフォーム費用が数万円以上戻ってくるケースもあります。
梅沢 博香

更新日:

トイレリフォームに補助金は使える?2025年最新制度と注意点を解説

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

トイレリフォームに補助金は使えるの?

トイレリフォームの検討 図
国の補助金や自治体の助成制度を活用すれば、トイレのリフォーム費用が数万円以上補助される可能性があります。
たとえば、国の「住宅省エネ2025キャンペーン」では、節水型トイレの設置に対して1台あたり2万円以上の補助金が支給されるケースも。

また、要介護者のいる家庭では、介護保険による住宅改修助成など、自治体ごとの支援制度も充実しています。
本記事では、2025年の最新情報をもとに、

  • 誰が対象になるのか
  • どんな制度が使えるのか
  • どのように申請するのか

を初心者にもわかりやすく解説します。
リフォーム費用を少しでも抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。

【国の制度】トイレリフォームに使える補助金

トイレリフォームに使える国の補助金などの制度は、以下の3つです。

  1. 住宅省エネ2025キャンペーン(子育てエコホーム支援事業)
  2. 所得税の控除(リフォーム減税)
  3. 固定資産税の減額

1.住宅省エネ2025キャンペーン(子育てエコホーム支援事業)

トイレの節水性能や清掃性の向上を目的としたリフォームに対して、国から補助金が支給される制度です。2025年時点で最も活用しやすい支援策のひとつです。

対象設備補助金額(目安)
節水型トイレ(掃除しやすいタイプ含む)21,000円/台
トイレ内の手すり設置6,000円/戸

※この制度は、トイレ単体では申請できず、他のエコ住宅設備(例:高断熱窓や高効率給湯器など)との同時導入が条件となる場合があります。申請前に登録事業者への確認をおすすめします。
参考:子育てエコホーム支援事業

2.所得税の控除(リフォーム減税)

一定の条件を満たした省エネ・バリアフリーリフォームであれば、所得税の控除が受けられる制度もあります。

控除率対象例
リフォーム費用の10%相当(上限あり)段差解消、手すり設置、節水設備の導入 など

※所得税控除を受けるには、確定申告が必要です。

3.固定資産税の減額

リフォームを行った住宅に対して、翌年度の固定資産税が最大1/3軽減される場合があります。

対象減税期間
省エネやバリアフリー改修を行った住宅最大1年間(市区町村によって異なる)

※こちらも事前申請や完了報告が必要となるため、お住まいの自治体に確認を。

【地方自治体の制度】市区町村の補助金・助成金(例)

国の制度に加えて、各市区町村でも独自の補助金や助成制度が用意されています。対象者や条件は自治体ごとに異なりますが、高齢者や要介護者を対象としたトイレ改修に使えるケースが多くあります。

自治体対象上限金額補足
横浜市介護保険による住宅改修(トイレ含む)保険給付18万円(実費上限20万円)要支援・要介護認定が必要。住民負担1〜3割。
横浜市(住環境整備事業)高齢者・障がい者の住宅改造最大120万円介護保険適用が優先される。事前相談必須。
東京都江戸川区高齢者・障がい者向け住宅改造最大200万円所得に応じて助成率が変動。段差解消・洋式化・手すり設置など対象。
その他自治体高齢者・障がい者向けバリアフリー改修~20万円前後多くが介護保険制度と連動。自治体によって金額や条件に差あり。

※実際の支給額は個人の状況や世帯年収、工事内容により異なります。
参考:横浜市
参考:横浜市
参考:江戸川区

トイレリフォーム補助金の対象者

トイレリフォームで補助金を受けるためには、制度ごとに一定の条件を満たしている必要があります。以下のいずれかに当てはまる方は、補助金の対象となる可能性が高いです。

補助金対象となる主なケース

節水型トイレを設置する人:国の「住宅省エネ2025キャンペーン」では、節水型トイレ+他のエコ設備(例:断熱窓・給湯器など)との併用が必須になることがあります。
介護保険で住宅改修が必要な人:要介護または要支援認定を受けている方で、手すりの設置や段差解消などのバリアフリー工事を行う場合は、介護保険から支給される改修費用が適用されます(自己負担1~3割)。
所得制限を満たす高齢者世帯・障がい者世帯:自治体独自の助成制度では、世帯年収や生活保護受給の有無などによる制限が設けられていることが多いため、要確認です。
工事を登録業者・指定施工業者に依頼する人:国の補助金制度では「登録された支援事業者」が施工・申請を担当する必要があり、自治体でも指定業者でないと対象外となる場合があります。

トイレリフォーム補助金の申請の流れ

トイレリフォーム補助金の一般的な申請の流れです。

  1. 自治体や支援事業の公式サイトで補助制度を確認
  2. 対象となるトイレ製品・施工業者を選定
  3. 事前申請 or 工事契約前の申請が必要な場合あり
  4. 工事完了後、実績報告を提出 → 補助金交付
  5. 補助金の受け取りには数ヶ月かかることも

1. 自治体や支援事業の公式サイトで補助制度を確認

まずは、お住まいの市区町村や、国の補助制度(例:住宅省エネ2025キャンペーン)の公式情報をチェックしましょう。
対象となるリフォーム内容や条件、申請期限などが掲載されています。

2. 対象となるトイレ製品・施工業者を選定

補助金を受けるには、対象製品・登録業者であることが必須です。
国の制度では「登録支援事業者」、自治体制度では「指定施工業者」などが定められています。
対象外の製品や業者で工事をすると、補助金がもらえなくなるため注意が必要です。

3. 事前申請 or 工事契約前の申請が必要な場合あり

多くの補助金制度では、工事着工前に申請が必要です。
特に自治体制度では「事前承認制」を採用しているところが多く、着工後の申請は対象外になる可能性が高いため、タイミングを必ず確認してください。

4. 工事完了後、実績報告を提出 → 補助金交付

工事が完了したら、補助金申請のための実績報告書類(領収書・工事写真など)を提出します。
審査後に内容が認められれば、補助金が正式に交付されます。

5. 補助金の受け取りには数ヶ月かかることも

補助金の支給までは、申請から1〜3ヶ月程度かかることが一般的です。
制度によってはさらに時間がかかる場合もあるため、資金繰りも含めて余裕をもった計画が必要です。

トイレリフォーム申請時の注意点

補助金を確実に受け取るためには、申請手続きだけでなく細かな条件やルールの確認も重要です。
以下のような点に注意しないと、せっかくの補助制度が使えない可能性もあります。

  1. 工事後の申請は不可なケースあり(特に自治体系)
  2. 非対象製品・対象外工事を選ぶと補助対象外
  3. 税金未納・住民票の住所相違があるとNGになる場合も

1.工事後の申請は不可なケースあり(特に自治体系)

補助制度の多くは「事前申請が必須」です。
特に市区町村の補助金では、工事契約や着工前に申請し、承認を受けることが前提となっています。
知らずに先に工事を始めてしまい、補助が一切受けられなかったというケースも少なくありません。
【対策】リフォーム工事を始める前に、自治体窓口や事業者と相談し、申請時期を必ず確認しましょう。

2.非対象製品・対象外工事を選ぶと補助対象外

補助金の対象となる設備や工事内容は、制度ごとに明確に定められています。
例えば、国の住宅省エネキャンペーンでは「登録済みの節水型トイレ」に限られますし、工事も登録支援事業者による施工であることが条件です。
【対策】制度ごとに「対象製品一覧」や「補助対象条件」が公開されていますので、事前に必ずチェックしましょう。

3.税金未納・住民票の住所相違があるとNGになる場合も

申請時には、住民票や納税証明書などの提出が求められることがあります。
その際、税金の未納がある、住民票の住所と実際の住宅が異なるといった状態では、補助金の審査に通らない可能性があります。
【対策】事前に、住民情報や納税状況を確認し、必要であれば修正・納付を済ませておきましょう。

トイレリフォーム補助金のよくある質問

Q. 高齢者ではないですがトイレリフォーム補助金を使えますか?

A. はい、使えます。
「住宅省エネ2025キャンペーン」(旧・子育てグリーン住宅支援事業)は、年齢や所得に関係なく、全ての世帯が対象で、節水型トイレの設置などのリフォームにも補助が受けられます

Q. トイレリフォーム補助金と減税は併用できますか?

A. はい、基本的には併用可能です。
リフォーム補助金と所得税控除(リフォーム減税)や固定資産税減額は併用可能ですが、控除額の計算時には「補助金額を工事費から除いた額が条件を満たすか」が重要です。ただし、同じ所得税の枠内で住宅ローン減税との併用はできません。

Q. 業者に相談すれば代行してもらえますか?

A. はい、国の補助金制度では業者による代行が可能です。
住宅省エネキャンペーンでは、登録支援事業者が申請手続きを行い、補助金を依頼者に還元する形式になっています。自治体制度についても、多くのリフォーム業者が補助金の相談・申請サポートに対応しており、依頼することで手続きの負担が軽減されます。

まとめ

トイレのリフォームは、国や自治体の補助制度をうまく活用することで、工事費の一部が補助され、数万円の節約につながる可能性があります。
特に、2025年時点では「住宅省エネ2025キャンペーン」や介護保険制度など、目的に応じた補助制度が複数存在しています。

ただし、これらの制度は毎年内容が更新されるため、申請前に最新情報を確認することがとても重要です。
また、制度の適用条件や手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、登録事業者や自治体の窓口では無料相談も可能です。
不安な点があれば、まずは専門家に相談しながら進めるのが安心です。

家のリフォームに関する人気コラム

2025年最新! マンションのリフォームに使える補助金は?
内窓リフォームに使える補助金一覧
【2025年最新!】子育てグリーン住宅支援事業とは?