長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、数世代にわたって良好な環境を維持し、暮らすことのできる住宅のことです。一戸建てと共同住宅のどちらも基準を満たせば「長期優良住宅」と認定されます。
長期優良住宅の基準(戸建て住宅の場合)は、以下の8つです。これらすべてを満たす必要があります。共同住宅の場合はこれらの基準に加えて可変性とバリアフリー性が必要になります。
- 耐震性
- 居住環境
- 災害配慮
- 住戸面積
- 劣化対策
- 維持保全計画
- 省エネルギー性
- 維持管理・更新の容易性
長期優良住宅には、税制優遇や補助金、住宅ローン金利の優遇など、多くのメリットがあります。ただし、申請手続きや建築コストの増加といったデメリットも存在します。本コラムでは、長期優良住宅に活用できる補助金のもらい方や活用できる補助金制度について分かりやすく解説します。2025年度、住宅の新築やリフォームを検討される方はぜひ参考にしてください。
長期優良住宅とは、数世代にわたって良好な環境を維持し、暮らすことのできる住宅のことです。一戸建てと共同住宅のどちらも基準を満たせば「長期優良住宅」と認定されます。
長期優良住宅の基準(戸建て住宅の場合)は、以下の8つです。これらすべてを満たす必要があります。共同住宅の場合はこれらの基準に加えて可変性とバリアフリー性が必要になります。
長期優良住宅に活用できる補助金は以下の3つです。
DR補助金(デマンドレスポンス補助金)**は、電力の安定供給と再生可能エネルギーの普及を目的として、家庭用の蓄電池を導入する方を対象に支給される国の補助金制度です。
この補助金では、「デマンドレスポンス(DR)」と呼ばれる仕組みへの参加が条件になります。これは、電力の使用が多くなる時間帯に、蓄電池を使って電気の使用量を減らす取り組みのことで、節電や電力の効率的な活用につながります。
次のすべてに当てはまる方が対象です。
補助金の対象となる蓄電池には、次の2つの条件があります。
※不明な場合は、販売店やメーカーに「この蓄電池はSIIに登録されたDR対応製品ですか?」と確認してみましょう。
蓄電池の容量1kWhあたり | 補助率 | 補助金の上限 |
3万7,000円 | 設備費・工事費の合計の3分の1以内 | 60万円 |
さらに、蓄電池が一定の安全性・耐久性基準(火災時の延焼防止、災害時の稼働継続など)を満たすと、補助金が上乗せされる場合もあります。この補助金を活用することで、災害時の備えや電気代の削減につながる蓄電池を、お得に導入できるチャンスとなります。
子育てグリーン住宅支援事業は、国が2050年のカーボンニュートラル達成を目指して行っている補助制度です。特に子育て世帯や若い夫婦世帯を対象に、省エネ性能の高い住宅の新築や、既存住宅の省エネリフォームを支援しています。
以下の2つを満たす住宅が対象です。
住宅の種類 | 内容 |
GX志向型住宅 | ZEH基準を超える、より高性能な省エネ住宅 |
長期優良住宅 | 長く快適に住めるよう設計された、国の認定住宅 |
ZEH水準住宅 | 一定の省エネ性能を持つ、基本的なZEH住宅 |
以下、補助額(新築)補助額です。
住宅の種類 | 補助額 |
GX志向型住宅 | 160万円/戸 |
長期優良住宅 | 80万円/戸(※既存の古家を解体する場合は+20万円) |
ZEH水準住宅 | 40万円/戸 |
以下のどちらかに該当する世帯が対象です。
次の必須工事のうち、2種類以上を実施することが条件です。
補助額の上限(リフォーム)は以下のとおりです。
必須工事の実施数 | 補助額の上限 |
3種類すべて実施 | 60万円/戸 |
2種類実施 | 40万円/戸 |
家主自身が申請手続きを行う必要はありません。補助金の申請や手続きはすべて、登録された建築会社(支援事業者)が代行します。補助金は、最終的に建築費用の割引などの形で家主に還元されます。
「長期優良住宅を建てたい」「ZEH住宅に興味がある」という方は、早めに子育てグリーン住宅支援事業に対応している建築会社に相談しましょう。
補助金をうまく活用すれば、高性能な住宅をよりお得に建てることができます。
【2025年最新!】子育てグリーン住宅支援事業とは?
ZEH支援事業は、エネルギー効率の高い住宅の普及を目的とした国の補助金制度です。住宅の省エネ性能を高めることに加えて、太陽光発電などの再生可能エネルギーを取り入れ、家庭で使うエネルギーを実質ゼロに近づける家づくりをサポートします。この制度を利用すれば、光熱費の削減や快適な住環境の実現だけでなく、環境負荷の低減にも貢献できます。
以下のいずれかの基準を満たす住宅が対象です。
基本補助額は1戸あたり 55万円です。追加の補助金(対象設備を導入した場合)は以下のとおりです。
設備の種類 | 補助金額 |
蓄電システム | 上限20万円 |
CLT(直交集成板) | 定額90万円 |
地中熱ヒートポンプ | 定額90万円 |
PVTシステム(太陽光発電+給湯) | 65万円〜90万円(方式・面積により変動) |
液体集熱式太陽熱システム | 12万円 or 15万円(パネル面積による) |
さらに高い省エネ性能を持つ住宅(ZEH+)であれば、
ZEH支援事業を利用するためには、以下のステップで申請を進めます。
ZEHポータルはこちら!
ZEH支援事業は、将来的な光熱費の削減と快適で健康的な生活を同時に実現できる制度です。補助金をうまく活用すれば、初期費用の負担を減らしながら、長く安心して暮らせる住宅を建てることができます。まずは、ZEHビルダーに相談し、自分の希望に合った家づくりにこの制度を活かしてみましょう。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業の公式サイトはこちら!
長期優良住宅に適用される減税制度以下5つです。
投資型減税は、住宅ローンを使わずに、自己資金だけで認定長期優良住宅などの高性能な住宅を建てたり購入したりする方が利用できる制度です。性能向上にかかった標準的な費用の10%(上限65万円)が、所得税から控除されます。
ローンの利用 | 通常の住宅 | 長期優良住宅などの認定住宅 |
住宅ローンあり | 住宅ローン減税が利用可 | 住宅ローン減税が利用可(優遇あり) |
住宅ローンなし | 原則、利用不可 | 投資型減税が利用可 |
※ 投資型減税と住宅ローン減税は併用できません。
この制度を利用するには、入居した翌年の確定申告で手続きが必要です。申告期限は翌年の3月15日まで。住民票のある住所を管轄する税務署で申告を行います。
この制度は、住宅ローンを使わずにマイホームを取得した場合でも、所定の条件を満たしていれば最大65万円の所得税控除が受けられるというメリットがあります。ただし、住宅ローン減税とは併用できず、どちらか一方を選ぶ必要がある点には注意が必要です。
また、制度の適用を受けるには確定申告が必須であり、自ら手続きを行わなければ控除は受けられません。
さらに、リフォームでの適用を検討する場合は、国が定めた性能向上要件を満たす必要があるため、事前に施工業者などと十分に確認しておくことが大切です。
登録免許税とは、土地や建物を取得した際に、その所有権を登記するために法務局に支払う税金です。この税金は、新築住宅や中古住宅の購入時だけでなく、相続や贈与などによって不動産の名義を変更する場合にも発生します。住宅を新築で取得した場合には「保存登記」、中古住宅を購入した場合には「移転登記」という登記手続きが必要となります。長期優良住宅を取得した場合には、これらの登録免許税の税率が通常よりも軽減される優遇措置が設けられています。
登記の種類 | 通常の住宅 | 長期優良住宅 |
新築(保存登記) | 0.15% | 0.1% |
中古(移転登記) | 0.3% | 0.2% |
※ 登録免許税は、登記対象となる建物の「固定資産評価額」に対して課されます。
以下の条件をすべて満たす必要があります。
軽減措置を受けるためには、登記の際に以下の書類を法務局へ提出する必要があります。
住宅用家屋証明書は、住宅が所在する市区町村の窓口で取得できます。申請には、住宅の登記事項証明書や請負契約書、認定通知書などが必要になる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
登録免許税は、原則として収入印紙で納付します。登記申請書類に必要額の印紙を貼付し、法務局に提出することで納付が完了します。個人の住宅取得において、税務署で納付書を作成したり、銀行や郵便局で支払ったりする手続きは通常不要です。
登録免許税の税率は、住宅が新築か中古かによって、登記の種類が異なります。新築住宅では「保存登記」、中古住宅では「移転登記」が必要となります。どちらの場合でも、住宅が長期優良住宅として認定されていれば、通常よりも低い税率が適用されます。この軽減措置を受けるためには、住宅用家屋証明書の取得と提出が必須となるため、登記手続きを始める前に忘れずに準備しましょう。
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、住宅の購入やリフォームのために住宅ローンを利用した人に対し、毎年の所得税や住民税が軽減される制度です。
特に長期優良住宅を取得した場合には、控除期間や借入限度額が通常よりも優遇される仕組みになっています。出典:認定長期優良住宅に対する税の特例
これにより、長期間・高額な控除を受けられる可能性があります。
以下の要件をすべて満たす必要があります。
※ 2023年までに建築確認を受けた新築住宅または未入居住宅を取得し、合計所得金額が1,000万円以下の場合は、床面積40㎡以上でも適用される特例があります。
控除を受けるには、入居した翌年に確定申告を行う必要があります。2年目以降は、会社員であれば年末調整で対応できるケースもあります。
最新の申告手続き・必要書類については、国税庁ホームページで事前に確認することをおすすめします。
住宅ローン減税を受けるためには、初年度に自分で確定申告を行う必要があります。提出書類の不備や期限超過があると控除が受けられなくなるため、入居後のスケジュール管理が重要です。
また、長期優良住宅であれば、控除期間が最長13年に延び、借入限度額も拡大されるため、通常の住宅よりも減税効果が大きくなります。住宅ローン減税は、税負担を大きく軽減できる制度ですので、取得予定の住宅が制度の条件を満たすかどうかを、事前に確認しておきましょう。
不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した際に、都道府県から課される地方税です。購入・贈与・新築・増改築などによって不動産を取得した場合に、取得価格(固定資産税評価額)に応じて課税されます。
通常、新築住宅を取得した場合には、建物の固定資産評価額から1,200万円が控除されます。しかし、長期優良住宅を新築または購入した場合には、控除額が1,300万円に増額されます。
区分 | 控除額(課税標準からの控除) |
通常の新築住宅 | 1,200万円 |
長期優良住宅 | 1,300万円 |
この控除により、不動産取得税の税額を大きく減らすことができます。
不動産取得税の軽減措置を受けるには、次の条件を満たす必要があります。
※申告期限や手続きの詳細は都道府県ごとに異なるため、お住まいの地域の県税(都税)事務所に確認が必要です。
申告の際には、以下の書類を提出します。
不備があると控除が受けられないため、あらかじめ準備を整え、期限内に提出しましょう。
不動産取得税は、国税ではなく地方税であり、納税や申告はお住まいの都道府県の税事務所(県税事務所・都税事務所)で行います。また、軽減措置の申告をしないと、控除は自動的には適用されません。申告は取得から原則60日以内が目安とされている地域が多いため、できるだけ早めの手続きが重要です。長期優良住宅として認定された住宅であれば、課税標準からの控除額が100万円増えるため、税負担を大きく軽減できます。住宅の取得後は早めにお住まいの都道府県の窓口で手続きを確認しましょう。
固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している人に対して、毎年1月1日時点の所有者に課される地方税です。住宅を新築した場合、一定の要件を満たせば、固定資産税の減額措置を受けることができます。この減税制度は、長期優良住宅に認定された場合に減額の適用期間が延長される特例があります。
新築住宅に対する固定資産税の減額措置は、以下のように建物の種類と認定の有無によって異なります。
住宅の種類 | 通常の住宅 | 長期優良住宅 |
戸建て住宅 | 3年間 1/2減額 | 5年間 1/2減額 |
マンション(3階建以上の耐火構造) | 5年間 1/2減額 | 7年間 1/2減額 |
※減額の対象となるのは、建物部分にかかる固定資産税のみです(土地は対象外)。
固定資産税の減額を受けるためには、住宅の所在地を管轄する市区町村の窓口に以下の書類を提出する必要があります。
申請時期や提出方法は自治体ごとに異なるため、事前に必ず確認しましょう。
長期優良住宅を新築した場合、戸建てなら減額期間が5年に、マンションなら7年に延長されます。ただし、減税措置は自動的には適用されないため、認定を受けた後に自ら申告を行う必要があります。
また、固定資産税の申告先は市区町村役所の資産税課などであり、「県税事務所」「都税事務所」は関係ありません。これは不動産取得税などの都道府県税とは異なるため、混同しないようにしましょう。
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