省力化補助金のカタログ登録のやり方は?
省力化補助金のカタログ登録をする場合、省力化製品を扱うメーカー等は工業会への製品申請とカタログ登録の申請を行います。
本コラムでは詳しい登録の流れや登録するものなどを解説します。
省力化補助金は、中小企業が業務効率化に役立つ製品を導入する際に、費用の一部を補助する制度です。 申請者は「製品カタログ」から製品を選択して申請。導入対象製品は「製品カタログ」に登録されたものに限定されています。省力化製品を製造・販売する事業者は、自社製品をカタログに登録すれば、導入機会を増やすことができます。カタログ登録には所定の申請手続きが必要です。本記事では、登録要件と申請手順を詳しく解説します!
カミーユ行政書士事務所代表・行政書士
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
省力化補助金のカタログ登録をする場合、省力化製品を扱うメーカー等は工業会への製品申請とカタログ登録の申請を行います。
本コラムでは詳しい登録の流れや登録するものなどを解説します。
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業の生産性向上や付加価値額の向上を支援し、賃上げにつなげることを目的としています。この目的を実現するため、省力化を図るための投資を補助します。
中小企業が自社の省力化に役立つ製品を導入する場合、申請・採択されれば、以下の最大額の補助金を受け取ることが可能です。
省力化補助金の概要はこちら!
従来、省力化補助金は「カタログ注文型」のみの提供でしたが、2025年度からは新たに「一般型」が追加されます。
この変更により、より多様なニーズに対応できる補助金となります。
【カタログ注文型】
清掃ロボット、自動券売機、スチームコンベクションオーブン、無人搬送車等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進します。
【一般型】※2025年度新設
業務プロセスの自動化・高度化やロボット生産プロセスの改善、デジタルトランスフォーメーション(DX)等、中小企業等の個別の現場の設備や事業内容等に合わせた設備導入・システム構築等の多様な省力化投資を促進。
カタログ以外から現場に必要な設備を自由に選び導入できるようになります。
この柔軟性により、多様な事業者が利用しやすくなります。
一般型では申請者が検討すべき事項が増えるため、専門家のサポートを受けながら計画的に進めることをおすすめします。
【カタログ注文型】
補助上限額 | 補助率 |
5人以下200万円(300万円) 6~20人500万円(750万円) 21人以上 1000万円(1500万円) | 1/2 |
※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
【一般型】※2025年度新設
補助上限額 | 補助率 |
5人以下 750万円(1,000万円) 6~20人1,500万円(2,000万円) 21~50人 3,000万円(4,000万円) 51~100人 5,000万円(6,500万円) 101人以上 8,000万円(1億円) | 1/2、小規模・再生2/3 ※補助金額1,500万円までは 1/2or2/3、1,500万円 を超える部分は1/3 ※最低賃金引上げ特例: 補助率を2/3に引上げ(小規 模・再生事業者は除く。) |
※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
※補助金額1,500万円までは 1/2または2/3、1,500万円 を超える部分は1/3。
※最低賃金引上げ特例: 補助率を2/3に引上げ(小規 模・再生事業者は除く。)
省力化補助金は、2025年現在、随時公募となっており、中小企業が自社の都合に合わせて申請できる制度です。
第1回公募では期間が区切られていましたが、申請の利便性向上と早期の省力化を促進するため、2024年8月9日より随時申請が可能になりました。
また、「製品カタログ」への登録申請も随時受け付けています。カタログ登録を希望される事業者様は、以下お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
カタログ登録を希望される事業者様はこちら!
省力化補助金のカタログ登録とは、製造事業者が自社製品を省力化補助金の製品カタログに登録することです。
省力化補助金の申請者は製品カタログに掲載された製品の中から、導入する製品を選びます。
省力化製品を取り扱う製造事業者は、カタログ登録をすることで、自社製品の販売機会を増やす等のメリットがあります。
製造事者がカタログ登録をするメリットとして、以下2点が挙げられます。
「省力化補助金」では、申請者は製品カタログから製品を選び、自己負担を抑えて導入できます。
これにより、金銭的な負担が減り、販売機会が増えます。
製造事業者にとって、失注の大きな理由はコストですが、補助金があることでその不安が軽減され、失注を防ぎやすくなります。
結果として、契約獲得の可能性が高まります。
製品カタログに自社製品を掲載すると、顧客に見てもらえる機会が増え、製品や会社の知名度が上がります。
省力化製品を扱うメーカー(製造事業者)がカタログに登録されるまでの手順を、関係機関ごとに分かりやすく整理しました。
製造事業者は、自社の省力化製品を 製品カテゴリごとに指定された工業会 に対して申請を行います。
工業会は、省力化基準に基づいて製品審査を実施 し、その結果をまとめて事務局に提出します。
事務局は、工業会から提出された製品について確認を行い、外部有識者委員会の意見を求めた上で、中小企業庁へ報告 します。
中小企業庁は、関係省庁と協議を行った上で製品と製造事業者の承認を決定 します。承認された場合、事務局を通じて工業会へ通知され、製造事業者にも正式な登録通知 が送られます。
工業会は、承認された省力化製品について証明書を発行 します。
カタログへの掲載を希望する製造事業者は、事務局へ省力化製品のカタログ登録申請 を行います。
事務局は申請書類を確認し、製造事業者にカタログ登録の通知 を行います。
登録された製品は、省力化製品の公式カタログに掲載 されます。
製造事業者が行う手続きは、以下2つです。
項目数だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、審査機関とのやり取りや、適切なタイミングでの申請が求められるため、決して簡単な手続きではありません。
スムーズな登録のためには、全体の流れを理解し、必要な書類を事前に準備 しておくことが重要です。
省力化製品をカタログに登録する際には、以下の情報が必要となります。
カタログに登録する情報は、中小企業が製品を購入したくなるような内容にすることが重要です。
特に以下の点を意識すると、製品の魅力が伝わりやすくなります。
「製品の対象業種」の項目で、どの業種に向いているかを明確に設定した上で、他の項目もその設定に沿って記載すると、一貫性のある説明になります。
省力化製品として登録されるためには、以下の4つの要件を満たす必要があります。
それぞれ詳細な基準が設けられているため、申請の際は公式の登録要領を必ず確認してください。
省力化製品登録要領(公式PDF)
この項目では、製品が省力化製品として適切かどうかが判断されます。
詳細な基準があるため、申請前に登録要領を確認し、要件を満たしているかチェックしましょう。
本事業は中小企業の人手不足解消を目的としています。
そのため省力化の効果を明確に示すことが重要です。
また、価格についても補助金の上限を超えて不当に高額にならないよう確認しましょう。
本補助金は事業の実施期間内に製品を納品し、実績報告が必要 です。
そのため量産体制や在庫確保ができているかを確認しスケジュール通りに納品できる体制を整えましょう。
導入企業が省力化製品を最大限活用できるよう、サポート体制を整えることが求められます。
具体的には、故障対応・操作説明・定期点検 などの アフターサポートが含まれます。
省力化製品として登録するには、製品の性能・価格・供給体制・サポート体制のすべてにおいて厳格な基準 が設けられています。
特に「省力化効果の数値化」「安定供給」「アフターサポート」の3点が重要です。
申請前に登録要領を確認し、要件をクリアしているかを慎重にチェックしましょう!
製造事業者として登録するためには、以下の4つの要件を満たす必要があります。
それぞれ詳細な基準が設けられているため、申請の際は公式の登録要領を必ず確認してください。
製造事業者として登録するには、日本国内で正式に法人として登記されていること が必須です。
また、過去に補助金不正受給などの問題がないことも条件となるため、申請前に確認しましょう。
補助対象となる省力化製品は、継続的に供給できることが求められます。
「一時的な生産」や「試験販売中の製品」は対象外となるため、長期的な供給が可能な体制を整えていることが重要です。
導入企業が安心して製品を利用できるよう、安定した供給とアフターサポートの体制 が必要です。
供給が難しくなった場合、カタログから掲載が一時停止されるため、供給体制の維持が重要となります。
事業実施にあたっては、公募要領のルールを守ることが前提となります。
また、申請時に提出した情報は、関係機関と共有されるため、正確なデータを提出することが求められます。
製造事業者は、自社製品を 直接販売 するだけでなく、販売代理店などを通じて販売することも可能です。
その際、販売代理店も一定の基準を満たす必要があります。
販売代理店を介して販売する場合、事前に登録要領を確認し、販売形態を明確に決めておくことが重要です。
また、製造事業者と販売代理店間で合意を取り、契約内容をしっかり取り決めることも求められます。
製造事業者として登録するためには、法人としての信頼性・継続的な経営基盤・安定した供給体制 を確保することが求められます。
また、販売代理店を利用する場合も、一定の要件を満たしているか確認が必要です。
省力化投資補助金のカタログ登録申請には「製造事業者の書類」と「製品に関連する書類」の2種類の書類が必要です。
それぞれ、以下の書類を準備する必要があります。
項目 | 概要 |
① 法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書) | 日本国内の法人であることを証明するために必要 |
② 財務諸表(直近の決算書一式) | 経営基盤の安定性を示すために必要 |
③ 供給・サポート体制の説明書 | 製品の安定供給・サポート対応を行えることを示す資料 |
④ 誓約書 | 公募要領に従うことを誓約する書類 |
項目 | 概要 |
⑤ 製品カタログまたは仕様書 | 製品の詳細情報やスペックを示す資料 |
⑥ 省力化指標の算出結果 | 製品の省力化効果を数値で証明するデータ |
⑦ 製品の導入実績資料 | 既に導入された企業やその活用事例を示す資料 |
省力化投資補助金のカタログ登録申請では、製造事業者が法人として信頼できるか、そして製品が補助金の要件を満たしているかを証明する書類が必要です。
2025年2月28日(金)から、「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」の仕組みが一部改定されます。
省力化補助金は、2025年度も引き続き実施されます!
「製品カタログ」への登録申請も随時受け付けています。カタログ登録を希望される事業者様は、以下お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。