省力化補助金のスケジュールは?【カタログ登録者向け】
省力化補助金は、人手不足に悩む中小企業を支援するための制度です。業務の効率化や省力化に貢献する製品の導入を補助し、企業の生産性向上を後押しします。
本コラムでは、省力化補助金の概要やスケジュール、申請の流れについて、分かりやすく解説します。

この記事を監修した専門家

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
メーカーが省力化補助金のスケジュールを確認する意味は?
メーカー(省力化製品の製造事業者)が省力化補助金に自社の省力化製品をカタログ登録する場合、公募スケジュールを確認する必要があります。カタログ登録のタイミングなどを分かりやすく解説します。
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自社製品を登録するのは「カタログ注文型」
省力化補助金には「カタログ注文型」と「一般型」の2種類があります。このうち、自社の省力化製品を補助対象として登録したい事業者が対象となるのは「カタログ注文型」です。カタログ注文型は、申請者(中小企業等)があらかじめ登録・公開された「製品カタログ」の中から導入製品を選んで申請する方式であり、カタログに登録されていない製品は、補助対象となりません。
一方、一般型では、製品カタログへの登録は不要です。中小企業が個別の課題に応じて機器を選定できる方式であり、製品登録事業者の立場から見れば、補助対象として採用される確実性は低くなります。したがって、機器提供事業者が販路拡大を目的に補助金制度を活用したい場合は、「カタログ注文型」を前提として動く必要があるのです。
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省力化製品の登録は公募期間終了の半年前まで!
カタログ注文型の公募要領によれば、補助金の申請受付は【令和8年9月末頃まで】とされており、製品のカタログ登録はその半年前程度までに済ませておく必要があると明記されています。
登録は、公募受付期間終了の半年前程度まで随時行われるものとする。
引用:カタログ注文型公募要領
この「随時登録可」という表現に油断してはいけません。登録申請は、工業会や事務局による審査を経て承認されるため、登録からカタログ掲載までに数週間〜1ヵ月以上かかるのが一般的です。タイミングが遅れると、その公募回には反映されず、中小企業が自社製品を選べなくなる=販売機会を逃す可能性があります。
省力化補助金に登録されているカタログ製品とは?
登録スケジュールを把握すれば機会損失を防げる
スケジュールを把握しておくことで、以下のようなメリットがあります。
- 製品が補助対象になるタイミングを逃さない
- 登録審査に必要な準備を余裕を持って進められる
- 補助金公募に合わせて営業・販促計画を立てられる
補助金の公募スケジュールと連動して、自社製品が「補助対象」として市場に認知されるタイミングが決まるため、登録時期の見極めは極めて重要です。
カタログ登録型で製品を補助対象として展開したいなら、スケジュールを正しく把握することが事業チャンスを左右します。登録はいつでもできるものの、「いつ登録すれば次の公募に間に合うのか」という視点がなければ、せっかくの販路拡大の機会を逃すことにもなりかねません。まずは補助金の公募時期を把握し、それに間に合うよう逆算してカタログ登録の準備を進めることが成功の第一歩です。
省力化補助金(カタログ注文型)のスケジュールとカタログ登録の流れ
製造事業者がカタログ注文型に自社の省力化製品を登録する際の流れと注意点を分かりやすく解説します。
登録は随時受付、ただし公募回ごとの締切に注意!
省力化補助金(カタログ注文型)では、製品や販売事業者のカタログ登録は随時受付されています。ただし、「いつ登録してもいい」というわけではありません。補助金の申請者(中小企業等)は、あらかじめ登録・公開された「製品カタログ」の中から対象製品を選び、導入計画を立てて申請します。そのため、カタログに掲載されていない製品は補助対象になりません。
補助金の申請は「公募回」と呼ばれる単位で募集されており、それぞれの回に申請期間・締切日・採択日が決まっています。つまり、製品が掲載されるタイミングを逃すと、その公募回では補助対象として利用されないということです。
登録完了からカタログ掲載までは2〜4週間が目安
製品のカタログ掲載までは、次のようなステップが必要です。
- 製品製造事業者または販売事業者が登録申請を提出
- 所属する工業会などによる一次審査
- 事務局による内容確認・承認
- カタログへの正式掲載
このプロセスには、通常2〜4週間程度かかります。加えて、不備による差し戻し対応や繁忙期の審査遅延も想定されるため、できるだけ早めの登録が推奨されます。
公募回ごとに補助対象製品が更新されるスケジュール
製品が補助対象として申請可能になるのは、公募回ごとに更新される「掲載カタログ」に反映された後です。以下は、2025年度(令和6年度)のスケジュールをもとに作成した目安表です。
公募回 | 申請受付期間 | 登録締切の目安 | 補助対象となるタイミング |
第1回 | 2025年1月30日〜3月31日 | 2025年2月上旬までに登録完了 | 第1回の申請に反映 |
第2回 | 2025年4月15日〜5月30日 | 2025年4月初旬まで | 第2回の申請に反映 |
第3回 | 2025年6月27日〜8月下旬(予定) | 2025年6月上旬まで | 第3回の申請に反映 |
第4回以降 | 年内に数回予定(随時更新) | 各回の締切約1ヵ月前まで | 各回に合わせて反映 |
補足:カタログ登録から掲載までには、審査や登録手続きが必要となるため、公募締切日の約1ヵ月前には申請・完了しておくのが安全です。
スケジュールを正しく把握しておくことで、以下のようなメリットがあります。
- 余裕を持って審査対応や不備修正に臨める
- 申請者に選ばれるチャンスを逃さず製品を補助対象化できる
- 公募スケジュールに合わせて営業・販促を展開しやすくなる
特に販路拡大を狙う製品提供事業者にとって、補助金の「申請タイミング」に合わせて製品が掲載されているかどうかは極めて重要です。
です。
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省力化補助金のスケジュールに合わせた登録準備
カタログ登録に向けた準備は、単なる書類提出ではなく、事前の社内調整や確認事項も含めて取り組むべき実務です。以下では、登録申請前に確認・準備すべきポイントをわかりやすく整理します。
登録に必要な提出書類
省力化製品の登録申請には、以下の書類が必要です(製造事業者としての登録を行う場合)。
書類名 | 内容 | 補足 |
製造事業者登録申請書 | 自社情報の基本データを記載 | 様式1 |
省力化製品登録申請書 | 登録を希望する製品情報を記載 | 様式2 |
製品仕様書 | 製品の仕様・構造・性能などを説明 | カタログなどを添付可 |
取扱説明書 | 利用者が操作方法を理解できる文書 | PDF形式が基本 |
価格証明書類 | 製品の価格が確認できる資料 | 販売価格の証明として見積書等 |
製造業の許認可を証明する書類 | 例:製造業許可証、登記簿謄本など | 省略不可 |
安全性を証明する資料 | 製品が法令に準拠していることを証明 | 該当法令の適合証など |
実績確認資料 | 納入実績、導入事例、評価データなど | 審査において重要視される |
工業会等の推薦書 | 所属する団体による推薦 | 所属が必要な場合あり |
※提出書類は電子申請(ポータルサイト)でアップロードします。
省力化補助金のカタログ登録方法は?(製造事業者向け)
審査基準と注意点
登録審査では、以下の観点が確認されます。提出内容に不備があると差し戻しになる可能性があるため、各項目について丁寧な準備が求められます。以下、審査基準の主なポイントです。
審査項目 | チェックされるポイント |
1. 省力化効果 | ・実際に人手作業を代替・削減できる構造か・定量的な根拠(稼働率・削減工数など)が示されているか |
2. 安全性・適法性 | ・電気用品安全法、労働安全衛生法、JIS規格などに準拠しているか・リスク回避のための安全機能が整っているか |
3. 導入実績や信頼性 | ・すでに導入実績があり、運用実態が明確か・製造・販売元の信頼性(企業の信用、製品の安定供給体制など) |
4. わかりやすさ(導入しやすさ) | ・使用方法が直感的であること・保守対応やサポート体制が明確であること |
カタログ登録の審査は、「形式審査」と「内容審査」の2段階に分かれており、どちらも通過する必要があります。登録にあたっては、専門用語や独自の表現に偏らず、中小企業の現場担当者でも理解できるような平易でわかりやすい説明が求められます。実際の審査では、「省力化効果が不明確」「価格設定が曖昧」「安全基準の裏付けがない」といった理由で差し戻されるケースも多く、実務レベルで丁寧に対応することが重要です。
このように、スケジュールに合わせた登録準備を進める際は、製品仕様や価格、安全性、導入実績など、多岐にわたる書類を網羅的に整えることが求められます。単に書類をそろえるだけでなく、審査基準を意識した説明や資料構成を工夫することが、登録審査を通過するための重要なポイントです。カタログ登録を確実に成功させるためには、スケジュールの把握だけでなく、提出内容の“中身の精度”にまで配慮した事前準備を徹底することが不可欠です。
省力化補助金の申請要件わかりやすく解説!
まとめ
カタログ登録を検討する製造事業者にとって、スケジュール把握は「補助対象になる確率を高める」「審査に余裕を持って対応できる」「販促計画と連動できる」といった大きなメリットがあります。登録は随時受付ですが、公募回ごとの締切に合わせた逆算が重要です。早めの準備と計画的な提出で、チャンスを逃さず確実に登録を進めましょう。
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監修者からのワンポイントアドバイス
省力化投資補助金カタログ型ではカタログに掲載されている製品が補助対象となります。カタログに掲載されることにより販売機会の拡大に繋げて行くことが出来るようになります。申請してすぐに販売事業者として登録される訳ではないので準備をしっかりして行くことが大切です。