システム開発に小規模事業者持続化補助金を活用する方法は? | みんなの補助金コンシェルジュ

システム開発に小規模事業者持続化補助金を活用する方法は?

小規模事業者持続化補助金はホームページ作成などのシステム開発にも使えます。本コラムでは、システム開発費が該当する小規模事業者持続化補助金の経費区分や申請の際の注意点などを解説します。

執筆: 梅沢 博香公開日: 2025-03-17
システム開発に小規模事業者持続化補助金を活用する方法は?.p
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

ポイント

  • システム開発費は補助対象で、ウェブサイト関連費として申請できる

  • 単独申請は不可で、補助額は全体の1/4まで(最大50万円)などの制限がある

  • 販路開拓や業務効率化につながる内容でないと補助対象にならない

システム開発費は小規模事業者持続化補助金の補助対象になる?

小規模事業者持続化補助金において、システム開発費は補助金の対象となります。

本補助金にはいくつかの経費区分がありますが、システム開発費は以下2つの経費区分に該当します。

  • ウェブサイト関連費

  • 機械装置等費(ソフトウェアも導入できるため)

直近公募である第17回の公募要領の機械装置等費のページ(P12)では「ウェブサイト、システム開発等に関連するソフトウェアは、ウェブサイト関連費で計上してください」 と記載されています。

つまり、システム開発費は、小規模事業者持続化補助金においてはウェブサイト関連費で申請する、ということになります。

本コラムでは、「システム開発費=ウェブサイト関連費」として、ウェブサイト関連費について説明します。

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ウェブサイト関連費について

ウェブサイト関連費には、販路開拓や業務効率化につながる自社ホームページの作成にかかる費用、ウェブマーケティング全般にかかる費用が含まれます。

小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費は、販路開拓や業務効率化を目的としたウェブサイト制作に関わる費用が対象です。

自社ホームページの作成にかかる費用、ウェブマーケティング全般にかかる費用、インターネットを活用したDMやウェブ広告の費用がウェブサイト関連費に含まれます。

ただし、企業の営業活動を目的とするウェブサイトや、コンサルティング費用は補助対象外となるため注意が必要です。

補助対象となるウェブサイト関連費の例

経費

具体例

ロゴデザイン費

ホームページ、YouTube動画に用いるロゴ作成

メルマガ・DM作成費

メルマガフォーマット制作、ダイレクトメール送付費

ホームページや動画の翻訳

外国市場向けのホームページ翻訳、ウェブサービス紹介ページの翻訳

インターネット広告運用代行

SNS広告・インターネット広告の運用代行費

オンライン利用の費用

SNS公式アカウント作成、バナー広告・SEO対策費(作業内容が明確なもの)

ECモール関連費

ECモール出店にかかる初期費用

電子看板コンテンツ制作

映像制作・広報動画の編集・制作

ウェブアプリ導入

業務効率化に関わるウェブアプリ開発・導入

ウェブサイト関連費を申請する際の注意点

小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費を申請する際には、以下5点に注意が必要です。条件を満たさない場合、補助対象外となる可能性があるため、事前にしっかり確認しましょう。

  1. ウェブサイト関連費は単独で申請できない

  2. ウェブサイト関連費の上限額

  3. 高額なウェブサイト作成時の制限

  4. 販路開拓や業務効率化の明確な目的

  5. コンサルティング費用は対象外

1. ウェブサイト関連費は単独で申請できない

ウェブサイト関連費のみで申請することは認められておらず、他の補助対象経費(機械装置費、広報費、展示会出展費など)と組み合わせる必要があります。

たとえば、ECサイトを新たに構築する場合でも、単独での申請は不可であり、広告費や機器購入費とセットで申請することが求められます。

また、ウェブサイトの運営費やドメイン・サーバー費用などの維持費も補助対象外となるため注意が必要です。

2. ウェブサイト関連費の上限額

ウェブサイト関連費は、補助対象経費全体の最大1/4までと決められています。また、補助金の上限額は50万円なので、それを超える補助は受けられません。

たとえば、事業全体で200万円の補助対象経費を申請した場合、ウェブサイト関連費として認められるのは最大50万円までです。

そのため、事業計画を作成する際は、ウェブサイト関連費以外の項目もバランスよく配分することが重要です。

飲食店がInstagramを活用するケース(通常枠50万円の場合)

取り組み

費用

新メニュー開発のための設備導入

45万円

Instagramの有料広告を活用

30万円

合計

75万円

ここで、Instagram広告はウェブサイト関連費に該当し、広報費ではなく上限1/4の制限があります。

項目

計算式

補助金額

設備導入費

45万円 × 2/3

30万円

Instagram広告費

補助金総額(40万円)の1/4まで

10万円

合計

40万円

このように、75万円の費用をかけたものの、補助金は40万円しか受け取れないため、上限50万円をフル活用できません。

ウェブサイト関連費の上限が補助金額の1/4に制限されるため、計画的に申請することが重要です。

特に、広告費やSNS運用費を活用する場合は、補助対象額を事前に試算し、無駄なく活用できるようにしましょう。

3. 高額なウェブサイト作成時の制限

50万円以上のウェブサイトを作成する場合、補助金の規定により補助対象期間内はサイトを処分(閉鎖・譲渡・売却など)できません。

万が一、何らかの理由でウェブサイトを運営できなくなり、閉鎖や譲渡を検討する場合は、事前に補助金事務局の承認を得る必要があります。

また、補助金を受けた後に短期間でサイトを閉鎖すると、不適切な使用と判断され、補助金の返還を求められるケースもあるため、事業継続の見込みを十分に考慮して申請しましょう。

4. 販路開拓や業務効率化の明確な目的

ウェブサイト関連費は、販路開拓や業務効率化(生産性向上)につながる取り組みに対してのみ適用されます。

例えば、次のような用途であれば補助対象になりやすいです。

  • 販路開拓のためのECサイト構築

  • 多言語対応を目的としたサイト翻訳費用

  • 業務効率化のためのオンライン予約システム導入

一方で、単なる企業紹介ページの作成や、名刺代わりのホームページ作成は「営業活動」と判断され、補助対象外となる可能性が高いです。

申請時には、補助事業計画書の中で「どのように販路開拓や業務効率化に貢献するか」を明確に示すことが求められます。

5. コンサルティング費用は対象外

ウェブサイトの制作・運用に関するコンサルティング費用は補助対象外となるため、業務の範囲を明確にした上で契約を結ぶことが重要です。

特に以下のような費用は補助の対象になりません。

  • マーケティング戦略の立案・アドバイス

  • ウェブサイト運営に関する指導や研修費用

  • SEO対策のコンサルティングのみ(具体的な施策を伴わないもの)

補助金の対象となるのは「具体的な制作や実装に関する費用」であるため、コンサルティングを含む契約を行う場合は、制作作業と明確に区別した契約書を作成することが推奨されます。

ポイント整理

小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費を申請する際は、以下のポイントに注意しましょう。

  1. ウェブサイト関連費は単独で申請不可(他の補助対象経費と組み合わせが必要)

  2. ウェブサイト関連費の上限は補助対象経費の1/4まで(最大50万円)

  3. 高額なウェブサイト作成時は補助対象期間中の処分が制限される

  4. 販路開拓や業務効率化が目的でないと補助対象外になる

  5. コンサルティング費用は補助対象外(契約時に制作作業と区別する)

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小規模事業者持続化補助金のシステム開発活用事例

小規模事業者持続化補助金を活用し、システム開発を行い、新たな事業展開へと発展させた事例があります。

灯油の残量管理補充システム開発による給油配達サービス

地域のガソリンスタンドが抱えていた課題

地域で営業するガソリンスタンドが以下の課題に直面していました。

  • 少子高齢化により来店する顧客が減少

  • 高齢者は車に乗らなくなったが、ストーブ用の灯油の需要は継続

  • 農業・工業向けの燃料も定期的な供給が必要

  • 燃料自体の差別化が難しく、新たな付加価値の提供が求められた

取り組んだ施策

このガソリンスタンドは、新たな営業方法を考案しました。

  • 灯油や燃料のデリバリーサービスを開始

  • ピンポイントな配送を実現するため、独自の残量管理補充システムを開発

  • 新サービスをPRするため、チラシ、看板、DMを作成

  • サービスの象徴として、灯油補充用タンクを軒先に設置

この燃料残量管理補充システムの開発が、小規模事業者持続化補助金を活用したシステム開発の好例といえます。

単なるシステム開発ではなく、新たな事業展開の核となる仕組みとして機能しました。

事業の成果

この取り組みにより、以下の成果が得られました。

  • PR効果の向上:看板やチラシ、そして灯油補充用タンクの設置により認知度が向上し、問い合わせが増加

  • 売上の増加:業界全体が売上2〜3%減の中、このガソリンスタンドは売上が約5%上昇

  • 地域貢献による評価向上:高齢者の生活の利便性が向上し、地域内での評価も高まった

この事例の成功要因は、以下の3点にまとめられます。

  1. 地域の特性と自社の強み・弱みを正確に分析:需要のある市場を見極め、サービスを最適化

  2. 画期的な営業戦略を立案し、実行:単なる配送ではなく、システムと組み合わせた独自サービスを確立

  3. 地域への貢献度が高い事業設計:顧客ニーズを満たすだけでなく、地域社会の利便性向上に貢献

この事業は当初、第三者の意見では成功が難しいとみなされていました。

しかし、粘り強く実現の可能性を模索し、アイデアを具体的な施策に落とし込んだことで成功に至りました。

新規事業に挑戦する際の熱意と実行力も、大きな成功要因の一つといえます。

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システム開発に活用できる他の補助金

項目

概要

考慮するポイント

デジタル化・AI導入補助金

ITツールの導入による業務効率化を支援

指定されたITツールの導入が必須で、開発の自由度が低い

ものづくり補助金

革新的な事業展開にかかる費用を支援

独自のシステム開発が可能

新事業進出補助金

新分野展開や業態転換など、大規模な事業再編を支援

独自のシステム開発が可能

小規模事業者持続化補助金も、事例のように独自システム開発が可能な補助金の一つです。

ただし、デジタル化・AI導入補助金は、指定されたITツールの導入が前提であるため、自由なシステム開発をしたい場合は注意が必要です。

また、ものづくり補助金と新事業進出補助金は、2026年に統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」になります。詳細は以下のコラムからご確認ください。

補助金ごとに目的、補助率、補助上限額、採択率、申請の負担が異なるため、自社の事業計画に最も適した補助金を選ぶことが成功の鍵となります。

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監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費は人気が高く、経費計上を予定されているケースが多いです。記事にあります通り、ウェブサイト関連費は上限金額や経費内での割合で制限を受けるため必要な物を厳選して計上するようにしましょう。