小規模事業者持続化補助金の災害支援枠とは?

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠は、能登半島地震により被害を受けた小規模事業者を助けるために設立された枠です。 本コラムでは、災害支援枠の被災の定義や、通常枠と比べてどのようなメリットや注意点があるのか分かりやすく解説していきます。
梅沢 博香

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小規模事業者持続化補助金の災害支援枠とは?

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>とは?

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠とは、令和6年能登半島地震で被害を受けた石川県、富山県、福井県、新潟県の小規模事業者を支援する補助制度です。
国が指定する支援機関の助言を受けながら事業再建計画を作成し、その実施にかかる費用の一部を補助します。

災害支援枠は、通常枠よりもさらに幅広い用途に用いることができます。
もちろんその分考えるべきこと、あるいは集めるべき書類は増えてしまいますが、場合によっては定額(満額)補助というかなり強力な支援をしてくれる補助金となっています。
災害から立ち直るのは大変かもしれませんが、この制度を活用して、ぜひとも事業を復活させ、さらに発展させてみてください。

小規模事業者持続化補助金の概要はこちら!

災害支援枠の対象となる事業者

  • 石川・富山・新潟・福井のいずれかに事業所がある
  • 令和6年能登半島地震などで事業用資産に被害を受けた
  • または、売上が20%以上落ち込むなど間接的な被害を受けた

「小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉」の対象になるのは、単に被災地に事業所があるだけではありません。主に以下の2つのケースが対象です。

対象となる被害の種類

直接的な被害を受けた事業者間接的な被害を受けた事業者
例:
店舗の壁が崩れた、機材が使えなくなった
必要書類:罹災証明書(市町村が発行)
例:
観光地の客足が激減し、売上が2割以上落ちた
必要書類:セーフティネット保証4号の認定書など

たとえば次のようなケースも対象になり得ます。
たとえば次のようなケースも対象になり得ます。

  • 地震の影響でお客さんが激減し、1月の売上が前年同月比で25%落ちた飲食店
  • 地震被害は免れたが、主要取引先が被災し受注が激減した建設業者
  • イベント中止で売上がなくなり、収益が半減した地域密着型のサービス業者

このように、「被害の見え方」は一様ではありません。少しでも対象の可能性があると感じたら、まずは商工会に相談しましょう。被害の証明方法や申請に必要な書類も丁寧に案内してくれます。

災害支援枠の上限額・補助率

被害の種類補助上限額補助率備考
直接的な被害最大200万円2/3(最大で10/10)建物や設備の損壊等。罹災証明書が必要。
間接的な被害最大100万円2/3(最大で10/10)売上20%以上減少など。認定書等が必要。

支給される金額は、受けた被害の種類によって異なります。
事業用の建物や設備が損壊した「直接被害」の場合は、最大200万円まで。売上の大幅減少などの「間接被害」の場合は、最大100万円までの補助が出ます。

補助率は原則2/3ですが、過去の災害からの復興が続いている場合など、要件を満たせば10/10(定額)補助となるケースもあります。これは自己負担なしで全額補助が受けられる可能性があるという、非常に心強い仕組みです。

ただし、補助金は後払いです。まずは事業者自身が経費を立て替える必要があります。補助を活用するには、事前の計画と予算の見通しが大切です。

災害支援枠の対象経費

  • 地震で壊れた厨房機器や什器の修繕・入れ替え費用
  • 仮設営業のためのWebサイトやECサイトの構築費
  • 被災で使えなくなった営業用車両の買い替え費用

この災害支援枠で認められている経費の範囲はとても広く、一般枠では対象外となるような内容も補助対象に含まれます。
たとえば、店舗の壁が崩れたために改装が必要になった場合、建築費や設備導入費が対象になります。また、営業再開に向けて新しい看板を作ったり、SNSやWeb広告に力を入れたりするための広報費も対象です。

さらに、オンラインでの販売強化に向けたECサイトの構築や、仮店舗の立ち上げに伴うWebサイトの改修費用なども対象となります。
車両購入費が認められている点が特長です。被災により配送や移動に使っていた車が壊れてしまった場合、その買い替え費用も補助の対象となります。

一方で、日常的な消耗品や、明確な目的が説明できない経費は対象になりません。
申請時には、「なぜこの経費が事業再建に必要か」を明確に示す必要があります。計画書の内容が採択を左右するので、準備はしっかり行いましょう。必要に応じて、商工会の支援を活用するのも有効です。

対象地域でも“対象外”になること!

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉の実行前チェックポイント

  • 石川・富山・新潟・福井の4県内に事業所がなければ対象外
  • 常時使用する従業員数が上限(5人または20人)を超えると対象外
  • 売上減少が20%未満だと「間接被害」扱いにならない可能性がある
  • 本店所在地は他県でも可。ただし事業実施場所は4県内である必要がある
  • 個人・法人・NPO等で必要書類が異なるため準備段階で要確認

「小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉」は、石川・富山・新潟・福井のいずれかに事業所を構える小規模事業者を支援する制度です。
ただし、4県に物理的な拠点がない場合や、従業員数が要件を超えている場合は対象外となるため注意が必要です。
小規模事業者の定義は、業種によって以下のように異なります。

小売業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)宿泊業・娯楽業・製造業・建設業・運輸業・その他
従業員数 5人以下従業員数 20人以下

ここで言う「常時使用する従業員」とは、正社員だけでなく、パート・アルバイトを含めた実質的な雇用人数とされることもあります。
曖昧な場合は、事前に商工会や認定支援機関に確認するのが安心です。

たとえば、本社が東京都にあっても、実際に補助事業を行う場所が石川・富山・新潟・福井のいずれかにある場合は申請可能です。ただし、活動実績のない仮設的な拠点では対象と見なされにくいため注意が必要です。

また、売上減少が要件に達しているかも重要なポイントです。前年同月との比較で20%以上の減少があることが「間接被害」の条件となっており、該当を証明するための書類(セーフティネット認定書など)を忘れず準備しましょう。

申請者の属性によって、必要な書類も異なります。法人であれば登記簿謄本、個人事業主であれば確定申告書などが必要になります。
提出期限に余裕を持って、チェックリストを活用しながら不備のない準備を心がけてください。商工会のサポートを受けることで、申請成功の可能性がぐっと高まります。

災害支援枠の上限額は被害の種類で変動

被害の種類によって補助額が変わる!

注意点内容
直接被害なら最大200万円まで申請可能店舗の損壊や設備の破損が対象。罹災証明が必要
間接被害は最大100万円まで補助売上が20%以上減少していることが条件
補助率は原則2/3。要件を満たせば10/10も可低所得者や災害支援型特例が条件になる場合も
実際に使った金額のうち対象分が補助される全額が出るとは限らないので注意が必要
補助金は後払い。自己資金の準備が必須一時的に全額を立て替える必要がある

補助額と補助率は条件で変わる!

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉では、「直接被害」と「間接被害」によって補助金額が大きく異なります。具体的には以下のように区分されます。

直接被害

店舗の倒壊、設備の破損、機材の損壊など、物理的な被害が確認できるもの
補助上限:最大200万円(原則補助率2/3、要件次第で10/10)

間接被害

売上が前年比20%以上減少した、来客数が大幅に減った、主要取引先の被災など
補助上限:最大100万円(原則補助率2/3、要件次第で10/10)
この補助金の特徴は、補助率が原則2/3である一方、特例条件に該当する事業者は10/10(全額補助)になる場合があることです。たとえば、過去に同様の災害支援枠で適用された例では、特定被災区域に所在する低所得者向け事業、社会的弱者を支援する福祉事業などが該当していました。自社が対象かどうかは、かならず公募要領を確認してください。

また、補助金は「後払い方式」です。つまり、補助が決まってもいったん全額を自己負担し、事業を実施してから報告・精算という流れになります。
たとえば、150万円の復旧経費に対して100万円の補助が決定しても、まず150万円を立て替える必要があります。資金繰りに不安がある事業者は、金融機関や支援機関と早めに相談しておくと安心です。
さらに、「使ったお金がすべて対象になる」とは限りません。補助対象になる経費には条件があります。たとえば、次のようなものは補助の対象になった実績があります。

  • 地震で破損した厨房機器や冷蔵庫の買い替え
  • 仮設店舗の設営に伴う内装工事費用
  • オンライン販売強化のためのECサイト構築費
  • 営業車両の買い替え(被災による破損が条件)

一方で、日常的に使う文房具、交際費、税金などは対象外です。採択されるには、事業再建に直結する費用であることを、申請書や計画書でしっかりと説明する必要があります。
補助金は単なる「お金の支援」ではなく、事業再建の一歩を後押しする制度です。手間はかかりますが、商工会や支援機関を頼りながら準備を進めれば、確実に前進できます。焦らず、着実に計画を立てていきましょう。

災害支援枠の具体的な対象経費

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉で対象となる主な経費

  • 被災して壊れた店舗や機器の修繕・買い替え費用
  • 車両の買い替えなど移動手段の確保にかかる費用
  • ECサイトやWebサイトなど販路拡大に関する制作費用
  • 看板・広告・チラシなどの広報にかかる費用
  • 被災した設備の処分や撤去にかかる費用

「小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉」では、事業の再建や売上の回復を目的とする経費であれば、幅広く補助対象となる可能性があります。
たとえば、地震で壊れた厨房機器の修理費や、冷蔵庫の買い替え費用は典型的な対象です。外壁のひび割れや店内の損傷を直す建物の修繕費も該当します。また、被災により営業車が使用不能になった場合には、その代替車両の購入費も補助対象となるという特例も設けられています。

さらに、販路の見直しとしてECサイトや仮設店舗のWebサイト制作を行う場合や、営業再開の案内を目的とした看板・チラシ・広告の制作費も対象です。倒壊した什器の撤去・処分費も、事業再開に不可欠であれば認められます。

ただし、どの出費も「必要性」を説明できることが大前提です。
たとえば、新しい空調機を導入したい場合でも、それが「集客のために快適な空間を提供する目的」であれば対象となる可能性がありますが、「古くなったから買い替えたい」だけでは通りません。

意外な例としては、仮設営業に必要なタブレット端末の購入や、集客強化のために開設したLINE公式アカウントの初期制作費が対象になったケースもあります。
こうした支出も、「事業再建に直結している」と判断されれば認められるのです。
「これって通るかな?」と思ったら、迷わず商工会に相談しましょう。
無理に自己判断せず、早い段階で確認しておくことが、スムーズな申請への近道になります。

災害支援枠の申請手順

  1. 商工会または商工会議所に相談:自社の状況が補助金の対象になるかどうかを確認。相談予約は早めに。
  2. 申請計画書の作成:事業再建の内容や補助金の使途を明記した「経営計画書」などを作成。
  3. 支援機関確認書の発行:商工会等が計画内容を確認し、支援機関確認書を発行してくれる。
  4. 必要書類をそろえて申請:様式1〜5、証明書類(罹災証明書、売上台帳等)をそろえて郵送 or 電子申請。
  5. 審査・採択結果の通知:審査後、採択の可否が通知される。交付決定後に事業スタート。

災害支援枠申請のカギは事前相談と段取り

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉を申請するには、最寄りの商工会または商工会議所への相談が第一歩です。
原則として、所在地が「市町村部」の事業者は商工会、「政令指定都市・中核市など都市部」の事業者は商工会議所が窓口になります。
どちらに該当するか分からない場合は、全国商工会連合会または日本商工会議所の検索ページで調べられます。
【商工会(市町村部)】全国商工会連合会「地域の商工会を探す」
【商工会議所(都市部)】日本商工会議所「各地商工会議所一覧」

相談の場では、自社の被災状況が補助対象に該当するかを確認し、「直接被害」か「間接被害」か、どちらで申請すべきかを明確にします。
被災証明や売上減少の数値データを事前に用意しておくと、スムーズに判定が進みます。

その後は「経営計画書」と「補助事業計画書」の作成に入ります。
この段階では、補助金の使い道が事業再建とどうつながるかを、読み手に分かりやすく、簡潔に記述することが大切です。
「どの経費が何に役立つのか」「どれだけ売上が改善されそうか」など、数値を交えて根拠を示しましょう。
計画書が完成したら、商工会が「支援機関確認書」を発行してくれます。
この書類がなければ申請は受け付けられないため、発行締切(2025年7月18日予定)までに必ず取得してください。

その後は、様式1〜5や必要書類(罹災証明、売上台帳、確定申告書など)をそろえ、指定の方法(郵送または電子申請)で提出します。
審査が通ると、採択通知が届き、そこから実際の補助対象となる「事業」—たとえば店舗の修繕や設備の購入、Webサイト構築など—**をスタートできます。
ここで注意したいのが、補助金は原則「後払い」であるということです。

たとえば、100万円の補助が決定していても、まずは事業者自身がその費用をすべて支払う必要があります。
150万円分の修繕を行うなら、補助金が支払われるまでの間は、150万円を一時的に自己負担しなければなりません。

このため、資金繰りの見通しは非常に重要です。
計画段階から無理のないスケジュールを組み、必要であれば金融機関との連携も検討しましょう。

また、商工会とのやり取りは一度きりではありません。
書類の記入や内容確認、添削支援など、複数回にわたって相談できる体制が整っています。
せっかくの支援制度を最大限活かすためにも、不安や疑問は抱え込まず、積極的に相談する姿勢が成功への近道です。

災害支援枠の書類提出と注意点

提出方法概要主な利用ケース注意点

郵送
必要書類一式を所定の宛先に郵送する従来から使われている一般的な方法配達日数に余裕を持ち、控えを必ずコピーして保管
電子申請(Jグランツ)電子申請システム「Jグランツ」を使って申請近年利用が増加。オンラインで完結したい人向けgBizIDプライムアカウントの事前取得が必須
商工会への持参商工会等で最終確認を受け、その場で提出書類不備を防ぎたい人や相談しながら進めたい人向け事前に予約が必要。混雑時は余裕をもって訪問

災害支援枠の3つの申請方法とメリット・デメリット

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉の3つの提出方法のメリット・デメリットをまとめました。

郵送での提出

メリットデメリット

・書類をまとめて送るだけで簡単
・インターネット環境が不要
・多くの人が慣れていて安心感がある
・配達遅延や紛失のリスクあり
・控えの保管や追跡管理が必要
・切手代や封筒など多少の費用がかかる


必要書類をそろえて所定の宛先に送付する、従来からある基本の方法。
この方法は長年利用されているため安心感があります。
ただし、控えのコピーを必ず手元に残しておきましょう。配達の遅延や紛失リスクにも備える必要があります。

電子申請(Jグランツ)

メリットデメリット

・オンラインで完結できる
・申請履歴が自動で残る
・郵送よりも手間と時間が省ける
・gBizIDプライムの取得が必要
・ネット環境がないと不可
・操作に慣れていない人にはやや難易度あり

国のオンライン申請システムを使って提出。ネット上で完結できる新しいスタイルです。
郵送の手間が省け、申請履歴も自動で管理できます。
一方で、gBizIDプライムの事前取得が必要となり、取得には2週間ほどかかることがあります。初めての方は余裕を持って準備しましょう。

商工会への持参

メリットデメリット

・その場で記入ミスを確認してもらえる
・申請前に直接アドバイスを受けられる
・不安を減らして申請できる
・訪問の手間がかかる
・混雑時は時間がかかる可能性あり
・事前予約が必要な場合もある

商工会で内容を確認してもらいながら、その場で書類を提出できる安心型の方法。
記載ミスや抜け漏れを防ぎたい方におすすめです。
ただし、窓口が混み合うこともあるため、事前に連絡・予約をしておくのが安心です。

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉申請の流れ

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉申請の流れ

  1. 商工会・商工会議所に相談:被災状況や申請要件を確認。直接・間接被害の区分もここで明確にします。
  2. 必要書類・証明書の取得:罹災証明書や売上減少を証明する帳簿類、セーフティネット認定書などを準備。
  3. 経営計画書・補助事業計画書の作成:補助金の使い道や再建プランを数字と共に整理して記入します。
  4. 商工会から支援機関確認書を取得:作成した計画を商工会で確認してもらい、確認書を発行してもらいます。
  5. 必要書類をまとめて提出:提出方法は郵送・電子申請・商工会持参のいずれか。締切を厳守しましょう。
  6. 審査・採択結果の通知:採択後に交付決定が下りたら、そこから実際の補助事業がスタートします。

申請は順序立てて進めよう!

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉を活用するには、まず申請の全体像を把握することが大切です。
最初のステップは、商工会や商工会議所への相談です。
この段階で、自社が「直接被害」なのか「間接被害」なのか、どちらで申請すべきかを明確にします。
被害の状況や業種、所在地によって対応が異なるため、相談によって「申請できるかどうか」がはっきりします。
次に必要になるのが、証明書類の収集です。

たとえば店舗や設備が壊れた場合は「罹災証明書」が必要です。
これは被災地の市区町村役場の窓口で取得できます。
申請時には、身分証明書・印鑑・被災状況が分かる写真などを求められる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

また、「間接被害」として申請する場合は「セーフティネット保証4号の認定書」が必要です。
これは売上高が前年同月比で20%以上減少していることを証明するための公的書類で、地元の市区町村に申請します。
売上台帳や決算書、試算表などを添えて申請することになります。

次に、補助金の使い道や再建の方向性をまとめた「経営計画書・補助事業計画書」を作成します。
これらの様式は、全国商工会連合会の公式サイトなどからダウンロード可能です。

作成の際は、「集客力を高めるためにWebサイトを再構築し、月間問い合わせ数を20件から30件に増やす」など、目的→手段→数値目標をセットで書くのが理想です。
書類が完成したら、商工会に印刷した紙の状態で提出します。メール送付やデータ提出ではなく、原則として紙の書類での確認が必要です。
そこで内容をチェックしてもらい、「支援機関確認書」を発行してもらいます。
この確認書がないと申請ができないため、締切(例:2025年7月18日)までの取得を最優先しましょう。

すべての書類がそろったら、いよいよ申請です。提出方法は以下の3通りから選べます。

  • 郵送提出:必要書類を封筒にまとめて指定の宛先に郵送
  • 電子申請(Jグランツ):gBizIDを用いてオンラインで申請
  • 商工会への持参:その場で最終確認を受けながら提出

締切当日は郵便事故やネットの不具合など思わぬトラブルもあるため、最低でも3日前には提出するのが安全策です。
このように、申請の流れは「相談→証明書取得→計画作成→確認書発行→提出」という5ステップで進みます。
一つひとつの手順を丁寧に進めることで、初めての方でも無理なく申請できます。
迷ったらすぐに商工会へ。専門家のサポートを活用するのが、採択へのいちばんの近道です。

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉の公募スケジュール

公募回公募開始日申請書類提出期限支援機関確認書発行期限交付決定(予定)

第7回(災害支援枠)
2024年4月25日2025年7月29日(火)
17:00必着
2025年7月18日(金)2025年9月頃(予定)

逆算して申請準備をしよう!

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉は、申請締切日から逆算してスケジュールを立てることが成功のカギです。
現在募集中の第7回公募では、申請締切が2025年7月29日(火)17:00必着となっています。

それに先立ち、商工会からの「支援機関確認書」発行は2025年7月18日(金)までが期限です。
補助金の準備には、罹災証明・売上台帳・収支計画書・経営計画書などの書類作成が必要です。

これらは短期間で揃うものではないため、6月上旬には準備を開始し、7月初旬には計画書のたたき台を完成させておくのが理想です。
最近では、国が提供する電子申請システム「Jグランツ」を活用する事業者も増えています。
オンライン上で提出が完結できるので、郵送と比べて締切ギリギリまで対応できるというメリットがあります。
ただし、gBizIDプライムの取得が事前に必要で、取得には1〜2週間かかることもあるため注意が必要です。
Jグランツ公式サイトはこちら!

早めに申請を進めておけば、採択後の交付決定(2025年9月予定)からスムーズに事業をスタートできます。
たとえば、秋口に店舗の改修や新サービスの導入を考えている場合は、9月以降の需要に間に合わせるためにも、今のうちから申請を動かす価値があります。

災害支援枠の申請でよくあるミス

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉注意点

  1. Webサイト作成だけでは「販路開拓」として認められない場合がある
  2. 現金払いの経費は原則として補助対象にならない
  3. 支払証憑や納品書などの証拠書類を必ず保管しておく必要がある
  4. 事前着手(交付決定前の契約・支払い)は補助対象外になる
  5. 経費の内容や使途があいまいだと、審査で不利になる可能性がある

申請でよくある“うっかり”ミス5点

1.Webサイト作成だけでは「販路開拓」として認められない場合がある

  • Web制作単体では目的が不明確と判断されやすい
  • 「誰に・どうやって売るか」の販路拡大戦略を明記する必要あり
  • 例:ECサイト制作+広告出稿、SNS連携、外部販売先との連携など

ポイント:単なる制作ではなく「販売戦略の一部」として示すことが重要です

2.現金払いの経費は原則として補助対象にならない

  • 現金支払いは記録が残りにくく、審査で除外される可能性あり
  • 銀行振込・クレジットカード・振替伝票などが原則
  • 記録が証拠として提出できる支払い方法を選びましょう

ポイント:領収書だけでは不十分。通帳や明細もセットで残しておきましょう

3.支払証憑や納品書などの証拠書類を必ず保管しておく必要がある

  • 経費の裏付けとなる書類がないと、補助金の支給対象から除外される可能性あり
  • 領収書・請求書・納品書・通帳コピーなどを整理して保管すること
  • 原本提出を求められることもあるため、常に控えも残しておきましょう

ポイント:書類は日付・事業内容ごとに分類してファイル保存が安心です

4.事前着手(交付決定前の契約・支払い)は補助対象外になる

  • 補助対象は交付決定後に契約・発注・支払いをしたものに限られる
  • 見積取得や計画準備まではOK、契約・購入はNG
  • うっかり着手すると、全額補助対象外になるので注意!

ポイント:「交付決定通知」が届くまで、発注・支払いは一切しないようにしましょう

5.経費の内容や使途があいまいだと、審査で不利になる可能性がある

  • 「地域活性化のために」など抽象的な表現は避ける
  • 具体的な成果目標(例:売上○%増・新規顧客○人獲得)を明記する
  • 数字と具体的な手段で、経費の妥当性を伝えることが重要

ポイント:「誰に・何を・どう届けるか」を数値と具体例で示しましょう

災害支援枠に採択されないNGパターン

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉で採択されないNGパターン3選

  1. 数字や根拠がなく、計画としての説得力に欠けている
  2. 外部コンサルに丸投げして、内容が自社の実情に合っていない
  3. 「地域貢献」「売上アップ」など抽象的な表現ばかりで中身が薄い

1. 数字や根拠がなく、計画としての説得力に欠けている

「広告費100万円」と記載しても、根拠や目標がないと妥当性が示せません。
費用の理由と成果の見込みをセットで説明しましょう。

2. 外部コンサルに丸投げして、内容が自社の実情に合っていない

コンサル任せで作成した申請書は、自社の言葉や現場感がなく、熱意が伝わりません。
申請者本人が内容を把握し、現実に即した計画にする必要があります。

3. 「地域貢献」「売上アップ」など抽象的な表現ばかりで中身が薄い

「地域活性化」や「売上向上」などの抽象的な表現だけでは説得力がありません。
「誰に・何を・どう売るか」を明確に示すことが求められます。

災害支援枠と他の補助金と併用は可能?

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉と他補助金の関係

  • 同じ経費で、他の補助金と併用(重複)申請はできない
  • 通常の「持続化補助金〈一般型〉」との同時申請は不可
  • 「IT導入補助金」など、他制度と内容が似ていても併願NGの場合あり
  • 申請時に他補助金との関係を記載する必要がある
  • 別補助金と異なる経費なら活用できる可能性もある

補助金の“使い分け”には注意が必要です

小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉は、他の補助金と同じ経費での併用や同時申請はできません。
「一般型」や「IT導入補助金」との併願も、内容が重なれば不正受給と判断される可能性があります。
申請時に、他の補助金を使っている場合は必ず申請書に記載する必要があります。
隠して申請すると、採択後に取り消されるリスクもあります。

ただし、経費の用途が明確に異なれば併用できる場合もあります。
たとえば、「設備導入は災害支援枠」「会計ソフト導入はIT導入補助金」のように分けて申請することは可能です。
補助金は正しく使えば大きな支援になりますが、無理な併用はリスクです。
不安な場合は、早めに商工会や支援機関へ相談し、どの補助金をどう使うかを事前に整理しておきましょう。

災害支援枠のよくある質問

Q1. 補助金申請から支払いまでの流れを教えてください。

A1. 補助金を申請し、支払いを受けるまでの基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 被災証明の取得:各自治体で「罹災(被災)証明書」または「セーフティネット保証4号の認定書」などを発行してもらいます。
  2. 事業計画書の作成:補助金の申請に必要な事業計画書を作成します。
  3. 商工会・商工会議所での確認:商工会または商工会議所に事業計画を確認してもらい、確認書を発行してもらいます。
  4. 補助金事務局へ申請:必要書類を揃え、補助金事務局に申請します。
  5. 採択・交付決定:申請が採択されると、補助金の交付が決定されます。その後、事業を実施します。
  6. 実績報告の提出:事業が完了したら、補助金事務局へ実績報告書と証憑(領収書や請求書など)を提出します。
  7. 補助金の支払い:事務局の確認後、認められた経費に対して補助金が支払われます。

Q2. 事業の実施期間はいつまでですか?

A2. 事業の実施期間は、交付決定日(今回は特例として、令和6年1月1日の能登半島地震発災以降)から、令和7年1月4日まで です。
なお、事業完了には補助対象経費の支払い完了も含まれます のでご注意ください。

Q3. 申請できる事業者の所在地に制限はありますか?

A3. 申請できるのは、令和6年能登半島地震により災害救助法が適用された地域(石川県、富山県、福井県、新潟県)の事業者 に限られます。

Q4. すでに実施した取り組みも補助対象になりますか?

A4. すでに実施済みの取り組みでも、交付決定を受けた経営計画書に含まれており、令和6年1月1日以降に発注・契約したことが証明できる書類(エビデンス)がある場合 は、補助の対象となる可能性があります。

Q5. これまでの業態を変更した場合でも補助の対象になりますか?

A5. 事業再建に向けた取り組みであり、補助対象経費の範囲内であれば補助の対象となります。

Q6. 機械設備の補助対象は、損壊などの被害を受けた場合の取替えや買い替えのみですか?

A6. 事業再建に必要な経費であり、経営計画に記載があれば補助対象となります。
そのため、損壊や被害を受けた場合に限らず、新たな設備投資も対象になり得ます(ただし車両購入は対象外 です。詳細はQ7をご覧ください)。
なお、在庫や棚卸資産の損害、販売・レンタル目的の商品や賃貸物件の修繕費などは補助対象外 となりますのでご注意ください。

Q7. 車両を購入する際の条件はありますか?

A7. 以下の条件を満たす場合、車両の購入は補助対象となります。

  • 申請者名義の自動車が被災していること
  • 事業の遂行に必要不可欠であること
  • 補助事業で取り組む特定の業務のみに使用する申請者名義の車両であること

なお、新規購入(被災していない場合)は補助対象外です。
また、付属品や自賠責保険などの諸手続きにかかる費用は補助対象になりません。

Q8. 中古車両の補助対象経費の上限はありますか?

A8. 中古車両の補助対象経費に上限金額は設定されていません。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。

事業の遂行に必要不可欠であること
補助事業で取り組む特定の業務のみに使用する申請者名義の車両であること
なお、付属品や自賠責保険などの諸手続き費用は補助対象外 となるため、ご注意ください。

Q9. 車をローンで購入し、令和7年1月4日までに支払いが完了しない場合はどうなりますか?

A9. 補助事業の実施期間(令和7年1月4日まで)内に全額支払いが完了していない場合、補助対象にはなりません。
そのため、補助を受けるには補助事業の実施期間内に全額支払いを完了させる必要があります。

ただし、金融機関からの融資を活用し、補助事業の実施期間内に全額支払っている場合は補助対象となります。
融資の「返済期間」は関係ありませんので、資金調達の際は注意してください。

Q10. 車両購入費を計上する際に求められる「車両が事業用以外に使用されていないことが確認できる資料」とはどのようなものですか?

A10. 「車両が事業用以外に使用されていないこと」とは、事業用として資産計上され、業務上の使用が明確であること を指します。
この点を証明するため、以下のような資料が該当します。

  • 企業名や屋号が印刷された車両の写真
  • 自動車保険の加入証明書(使用目的が「事業使用」となっているもの)の写し
  • 車両が計上されている固定資産台帳の写し
  • 運行記録や業務日報など、業務利用の記録が確認できる書類

これらの資料は、様式5(車両購入の理由書)およびその添付書類と併せて審査されます。
補助金申請時には、事業用としての利用が明確に証明できるよう準備をお願いします。

まとめ

地震や豪雨などの自然災害で事業が止まった際に活用できるのが、「小規模事業者持続化補助金〈災害支援枠〉」です。
これは、災害によって営業が困難になった小規模事業者を対象に、事業再建や販路回復の費用を支援する制度です。
補助対象は、店舗や設備の修繕、車両購入、Webサイト制作など幅広く、補助額は最大200万円。
被害の状況に応じて「直接被害」「間接被害」の2枠に分かれており、それぞれで要件が異なります。

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監修者からのワンポイントアドバイス

災害支援枠には早期の事業再建という目的があり、手厚い支援が用意されています。被災した設備の復旧目的での購入や事業用車両の買い替えも対象となっており、通常の補助金の対象経費の考え方とは大きく異なっています。本年度も災害支援枠での公募は予定されています。被害を受けられた方は大変お辛いと思いますが、是非、事業再建へのご活用をご検討下さい。