ものづくり補助金でECサイトを構築!採択事例と注意点を徹底解説

ものづくり補助金を使ってECサイトを構築しませんか?2025年の補助金の概要、対象経費、事例、申請のコツをわかりやすく解説!最新情報で、補助金を活用したECサイトの成功事例も紹介します。
中本 明日香

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ものづくり補助金でECサイトを構築!

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。


ものづくり補助金でECサイト構築ができる!

ECサイト構築には高額な費用がかかりますが、「ものづくり補助金」を活用することで、初期投資を大幅に抑えながら高機能なECサイトを構築することが可能です。
本コラムでは、ものづくり補助金の概要や対象経費、具体的な活用事例をご紹介します。

これを読めば、補助金を活用して効率的にECサイトを立ち上げる方法がわかります!

ECサイト補助金の種類

ECサイトの制作に利用できる補助金には、以下のような種類があります。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金
  • 事業再構築補助金

ECサイトに使える補助金一覧

補助金名補助対象補助対象経費例最大補助額備考
小規模事業者持続化補助金小規模事業者が行う販路開拓ECサイトの構築・更新・改修200万円ウェブサイト関連費の申請上限は交付申請額の1/4まで
ものづくり補助金中小企業の生産性向上ECサイト構築に必要な経費3,000万円革新的な新サービス開発を支援
事業再構築補助金中小企業の事業再構築ECサイト構築、設備投資、改装費用1.5億円ポストコロナに対応した事業再構築を支援

今回は、ECサイト制作をする際にものづくり補助金を活用するメリットや、相場、おすすめの補助金を事例付きで具体的に解説していきます!
小規模事業者持続化補助金でECサイトやホームページ構築を申請したい場合は、以下のコラムをぜひ参考に!

ホームページ制作で小規模事業者持続化補助金は申請できる?注意点を解説!

ものづくり補助金でECサイト構築!

ものづくり補助金は、“ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金”の略称です。
中小企業が生産性向上を目標に革新的な新商品や新サービスの開発、新しい生産方式などを行う際に、その事業に必要な設備投資を支援してもらえる補助金です。

2025年補助額・補助率

製品・サービス高付加価値化枠グローバル枠
要件革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化海外事業の実施による国内の生産性向上
補助上限750万円~2,500万円3,000万円
補助率中小企業1/2、小規模・再生2/3中小企業1/2、小規模2/3
補助対象経費<共通> 機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
グローバル枠のみ対象:海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費

各枠の具体的な内容や補助額等は、以下のコラムをご覧ください!

2025年ものづくり補助金の内容やスケジュールを解説!

ものづくり補助金の公式ページはこちら!

補助対象経費

ものづくり補助金の補助対象経費は以下の通りです。

  1. 機械装置・システム構築費: 機械装置やシステムの購入、設置、改修にかかる費用。
  2. 運搬費: 補助事業に関連する設備や製品の運搬にかかる費用。
  3. 技術導入費: 技術導入に伴う費用(特許使用料、設計費など)。
  4. 知的財産権等関連経費: 特許権や商標権の取得にかかる費用。
  5. 専門家経費: 事業の遂行に必要な専門家に支払う費用。
  6. クラウドサービス利用費: 補助事業に必要なクラウドサービスの利用費。
  7. 広告宣伝・販売促進費: パンフレット、ウェブ広告、展示会出展など、販促にかかる費用。
  8. 外注費: 加工や検査、設計など、外部業者に委託する費用。
POINT
ECサイト構築にかかる費用は、 「システム構築費」 として補助対象となります。
具体的には、ECサイトの開発、構築、運用に必要なシステムの導入や設定、改修などの費用が該当します。

ものづくり補助金でECサイト構築!

ものづくり補助金 ECサイト構築
ものづくり補助金を活用したECサイト制作の活用イメージとして、以下のような事例が考えられます。
1. 新規市場への進出
概要
海外展開を視野に入れた自社製品のECサイトを新たに構築し、オンライン販売を通じて新たな市場を開拓する。
具体例
海外に向けた多言語対応のECサイトを構築し、既存の販路に加えて新しい販路を開拓。商品ページや注文管理システムを多言語対応にし、物流や決済システムも海外向けに最適化。
補助対象経費
システム構築費、広告宣伝費、クラウドサービス利用費など​

2. 既存サービスのデジタル化
概要
店舗のみで提供していたサービスをECサイトに移行することで、非対面型ビジネスへの転換を図る。
具体例
既存顧客に対して、オンラインで注文・決済が完了する仕組みを構築。商品情報のデジタル化やオンライン決済機能を導入し、リピーターを増やすことを目指す。
補助対象経費
ウェブサイト構築費、システム構築費、運搬費、外注費​

3. 効率化とコスト削減のためのシステム連携
概要
業務の効率化を目的に、既存の業務システムと連携したECサイトを構築し、販売から在庫管理までの一連のプロセスを自動化する。
具体例
自動で在庫管理が行えるECサイトを構築し、売上データがリアルタイムで集計される仕組みを導入。これにより、手動作業を減らし、人的コストを削減する。
補助対象経費
システム構築費、クラウドサービス利用費、外注費​
では、実際にECサイト構築で採択された事例をご紹介いたします。

ECサイト構築で採択された事例

事業計画名地域特性を生かしたECサイト「地域掘り出しサイト」の開発を行う
業種印刷・同関連業

第一印刷株式会社(静岡県)は、地域特産品の販路拡大を目指し「地域掘り出しサイト」というECサイトを構築しました。
補助金を活用し、地域特有の商品を取り扱うことで、地元産業の活性化と新たな収益源の創出を図る事業です。

印刷業のノウハウを活かしたデザインやプロモーションで、地域外の顧客にもアプローチできる仕組みを構築しました。

その他にも以下のような事業計画が採択されています。

  • 道の駅を核とした新しい発想の通販サイトの開発
  • すべての方にやさしい「ユニバーサルデザインWEBサイト」の構築

具体的な内容や他の事例はものづくり補助金の事例紹介のページで紹介されています!
成果事例検索|ものづくり補助事業公式ホームページ

ECサイトに補助金を活用するメリット

ECサイトの制作には、システム開発費やデザイン費用など、多額の費用がかかることがあります。
このような初期投資を少しでも抑えたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで活用したいのが、補助金です。

国や地方自治体から支給される補助金を利用することで、ECサイトの制作費用を大幅に削減することができます。

ものづくり補助金を使うメリット

ECサイトに補助金を使うメリット
ものづくり補助金を利用するメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

  1. 初期投資の負担軽減
    • ECサイトの立ち上げには、多額の費用がかかります。補助金を利用することで、この初期投資の負担を大幅に軽減することができます。
    • 資金繰りが厳しく、自力でECサイトを立ち上げるのが難しい場合でも、補助金を利用することで実現できる可能性が高まります。
  2. 高機能なECサイトの構築
    • 補助金を利用することで、より高機能なECサイトを構築することができます。
    • 例えば、多言語対応や決済システムの導入、SEO対策など、売上アップに繋がる機能を充実させることができます。
    • これにより、競合との差別化を図り、より多くの顧客を獲得できる可能性が高まります。
  3. 事業拡大のチャンス
    • ECサイトの開設は、新たな販路の開拓につながります。
    • 補助金を利用することで、より積極的にEC事業に取り組むことができ、事業拡大のチャンスを広げることができます。

ECサイト構築の相場

ECサイトの構築費用は、サイトのタイプや機能によって異なります。以下に、各タイプごとの相場や特徴をまとめました。

サイトタイプ特徴構築費用相場月額費用相場
モール型複数店舗が集まるECモールに出店Amazon、楽天市場など10~50万円モールにより異なる
自社サイト型自社専用サーバでのオリジナルECサイトユニクロ、ZARAなど100万円~500万円以上サイト仕様による

ECサイトの構築方法

ECサイト構築方法の費用比較
ECサイトの構築方法によっても費用は異なります。主要な構築方法と相場を以下にまとめました。

構築方法説明初期費用相場月額費用相場
無料ASP無料で簡単に構築可能BASE、STORE.jp無料無料
有料ASP高機能・充実したサポートMakeShop1~20万円~10万円
クラウド型クラウド環境で運用、カスタマイズ可能Shopify、KARTE300万円~10万円~
パッケージパッケージ化されたシステムでカスタマイズも可能EC-CUBE、Magento500万円~10万円~
オープンソース低コストで本格的な構築が可能だが技術力が必要WordPress WooCommerce、PrestaShop0円~(開発費用別途)10万円~
フルスクラッチゼロからの完全オリジナル構築独自開発数千万円~数十万円~

このように、構築費用の幅は広いため、予算や目的に応じた最適な方法を選ぶことが大切です。

本格的なECサイト構築には高額投資が必要

上の相場を見ていただくとわかるように、無料ASPや安価な有料ASPで簡単なECサイト構築をするのは比較的低コストで立ち上げが可能ですが、自社オリジナルの自由度の高いECサイトを構築しようとすると、どんどんコストはあがっていきます。

補助金申請の流れとポイント

申請の手順

対象となる補助金を選ぶ

事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金など、自社の状況に合った補助金を選びます。
各補助金には、対象となる事業内容や業種、企業規模などの条件が異なります。

公募要項を確認

申請期間、対象経費、補助率、申請方法など、詳細な内容を確認します。
公募要項は、各補助金のホームページや、経済産業省などのウェブサイトで公開されています。

申請書類の作成

申請書、事業計画書、収支予算書など、必要な書類を揃えます。
申請書作成のコツは後述します。

関係機関への相談

不明な点があれば、商工会議所や専門家へ相談しましょう。

申請書の提出

期限までに、必要書類を揃えて提出します。
提出方法は、郵送やオンラインなど、各補助金によって異なります。

申請書作成のコツ

事業計画の具体性

ECサイト構築の目的、目標、具体的な施策を明確に記述します。
数字を用いて、効果を具体的に示すことが重要です。

必要経費の合理性

申請経費が事業内容と合致していることを説明します。
各経費の内訳を詳細に記載し、根拠となる資料を添付します。

採択後のスケジュール

事業実施期間、各工程のスケジュールを具体的に示します。

自己資金の用意

補助金は全額を賄えるわけではありません。
自己資金の用意状況についても明記します。

審査を通過するためのチェックリスト

審査を通過するための確認事項として、たとえば以下のようなことをクリアしているかどうか確認しておきましょう。

  • 公募要項の要件を全て満たしているか
  • 事業計画が具体的で実現可能か
  • 必要経費が適切で根拠が示されているか
  • 自己資金の用意は十分か
  • 申請書類に誤字脱字はないか
  • 提出期限を守っているか

注意点

補助金を申請する際には以下のことに注意しておきましょう。

  • 申請は競争率が高い
  • 審査期間は数ヶ月かかる場合がある
  • 補助金は事業完了後に交付される場合が多い
  • 不正が発覚した場合、補助金の返還を求められることがある

【補足】
補助金申請についての知識に自信がない場合、闇雲に挑戦するのではなく、専門家や商工会議所の支援を受けることをおすすめします。
また、各補助金制度は頻繁に改訂されるため、最新の情報を必ず確認してください。

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