2024年最新!スマート農業導入に使える補助金は?
スマート農業導入に使える補助金を紹介します。スマート農業を導入したい農業者や、農業者に対してスマート農業を使ったサービスを提供したい事業者方はぜひご覧ください。
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この記事を監修した専門家
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
スマート農業の導入に使える補助金は?
スマート農業の導入に使える補助金は、国の補助金と地方自治体の補助金の2種類があります。
本コラムでは、以下4つの国の補助金を紹介します。
- ものづくり補助金
- 農業支援サービス事業育成対策
- 強い農業づくり総合支援交付金(農業支援サービス事業支援タイプ)
- 農業支援サービス事業緊急拡大支援対策(スマート農業機械等導入支援)
本コラムはこんな方におすすめ!
- スマート農業を導入したい農業者
- 農業者に対してスマート農業を使ったサービスを提供したい事業者
スマート農業とは?
スマート農業とは、ロボット、AI、IoTなど先端技術を活用する農業のことです。
スマート農業の活用により、生産現場の課題を先端技術で解決することができます。
スマート農業の効果
スマート農業を活用することによる主な効果は以下3つです。
- 作業が自動化できる
- 高度な農業経営ができる
- 熟練者でなくても質の高い農業ができる
作業が自動化できる
ロボットトラクターやスマホ操作の水管理システムを使うことで、作業が自動化され、労働力不足を解消できます。
高度な農業経営ができる
ドローンや衛星のデータをAIで解析し、農作物の成長や病害虫の予測を行うことで、精密な農業経営が実現します。
熟練者でなくても質の高い農業ができる
経営管理アプリで作業記録をデジタル化し、自動的に共有できるため、誰でも効率的に作業が行えます。
2024年、スマート農業導入に使える国の補助金4選
スマート農業に使える国の補助金には、農林水産省と中小企業庁のものがあります。それぞれ対象者が異なるのでご注意ください。
中小企業庁の制度【農業者向け】
中小企業庁のものづくり補助金が活用できます。
農林水産省の制度【農業者に対してサービスを提供する事業者向け】
農業の担い手不足や高齢化が進む中、地域での農作業の受委託が難しくなっています。
一方、ドローンやICTを活用した新たな農業支援サービスが登場し、政府もこれらの育成を推進しています。
農林水産省では、このような農業支援サービスに取り組む事業者向けの支援を行っています。
本コラムでは以下3つの支援制度を紹介します。
- 農業支援サービス事業育成対策
- 強い農業づくり総合支援交付金(農業支援サービス事業支援タイプ)
- 農業支援サービス事業緊急拡大支援対策(スマート農業機械等導入支援)
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が革新的サービス開発・試作品開発や生産プロセスの改善等を行うための設備投資を支援する制度です。
農業を営む事業者が生産性を上げる機械設備やシステムの導入にかかる費用が支援されます。
たとえば、以下のような費用が補助されます。
- 土壌診断サービス
- 防除作業用農業ロボット
- 農作物の温度管理のためのプラットフォーム利用料
- スマート農業を構築するための作業を一部外注するための費用
ものづくり補助金の概要はこちら!
対象・要件
以下3つの要件を満たす3~5 年の事業計画を策定及び実施する中小企業など。
- 付加価値額:+3%以上/年
- 給与支給総額:+1.5%以上/年
- 事業場内最低賃金 : 地域別最低賃金+30円以上
付加価値額とは、企業が生み出した利益の指標の一つです。
具体的には「営業利益 + 人件費 + 減価償却費(機械などの設備を使って減る価値)」を足したものです。
この金額が、企業がどれだけ価値を生み出したかを表しています。
給与支給総額とは、企業が従業員に支払った全ての給料やボーナスを指します。
役員に対する報酬も含まれますが、福利厚生費や退職金などは含まれません。
支援内容
補助上限額 | 補助率 |
最大2,000 万円 | 中小企業:1/2 以内 小規模企業者・小規模事業者: 2/3以内 |
活用事例
【きのこ農園の事例】脱水装置導入で廃菌床をバイオマス燃料に再生
通年収穫する菌床しいたけ栽培により生産量が増加。それに伴い廃棄される菌床ブロックも多くなっていました。
そこでものづくり補助金を活用し、使用済みの菌床ブロックを脱水する装置を導入。
脱水した廃菌床ブロックをバイオマスボイラーの燃料として再利用し、循環型農業のモデルケースに取り組みました。
公募期間
ものづくり補助金は18次締切で募集は終了しており、次回締切については未発表です。
19次締切があるとすれば新しい補正予算をもとにした公募になります。(2024年9月6日現在)
ものづくり補助金の公式サイト
ものづくり補助金の活用をご検討の農業者の方はこちら!
「ものづくり補助金を活用してスマート農業に挑戦したい!でも、申請が難しそう……」
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自治体の補助金の活用も検討しよう!
スマート農業導入を支援する自治体もあります。
自治体の補助金はものづくり補助金と比べると補助額が低いですが、申請要件のハードルが低く利用しやすいものが多いです。
スマート農業機械そのものの導入だけでなく、スマート農業機械の免許取得の補助などもあります。
ぜひお住まいの自治体の補助金の活用も検討してみましょう。
スマート農業導入を支援する自治体の補助金を検索する!
農業支援サービス事業育成対策
農業支援サービス事業育成対策は、農業者に対してサービスを提供する事業者が対象の制度です。
農作業代行や農業用機械のレンタル、技術支援などを行う事業者が、農業者のサポートを目的として新規事業を立ち上げる、または既存事業を拡大する際に利用できます。
対象・要件
- 農業支援サービスを新たに開始すること(新サービスや新地域展開など)
- 次のいずれかの目標を設定すること
- サービスを利用する経営体数
- サービスを利用する農地面積
- 事業実施主体の提供するサービスの売上げ
支援内容
以下の3つの取組を定額で支援します。
- ビジネス確立のためのニーズ調査やサービスの試行・改善
- デモ実演に必要な機械・システムの改修やデータ収集
- サービス提供に必要な専門人材の育成(研修費など)
活用事例
専門人材の育成による農業支援サービスの強化
本制度を活用しサービス提供に必要なドローン操作やデータ分析の専門知識を持つ人材を育成し、研修を実施。
より高度な農業支援サービスを提供できる体制を整えました。
公募期間
2024年の1次公募はすでに終了しており、次回の公募予定は未定です。
来年の公募期間は未発表ですが、今年の公募時期を参考にご準備ください。
【2024年の公募期間】
2024年1月25日~2024年2月21日
参考:農林水産省/
強い農業づくり総合支援交付金(農業支援サービス事業支援タイプ)
強い農業づくり総合支援交付金(農業支援サービス事業支援タイプ)は、農業者に対してサービスを提供する事業者が農薬散布用ドローンなどの農業機械のリースや購入を支援する制度です。
交付金を得られるのは農業者ではなく、農業者に対してサービスを提供する事業者です。
すでにサービスを提供している事業者の他、新たにサービスの提供を始める方も利用できます。
対象・要件
- 新たに農業支援サービスを開始すること(新サービスや新地域展開など)
- 次のいずれかの成果目標を設定すること
- サービスの売上
- サービスを利用する経営体数
- サービスを利用する農地面積
支援内容
活用事例
農業用ドローンによる農薬散布サービス
農業支援サービス事業者が、本制度を活用して農業用ドローンを導入し、農業者に対して農薬散布の代行サービスを提供。
このサービスにより、効率的な農薬散布が可能になり、農業者の負担を軽減しました。
公募期間
2024年の1次公募はすでに終了しており、次回の公募予定は未定です。
来年の公募期間は未発表ですが、今年の公募時期を参考にご準備ください。
【2024年の公募期間】
2024年年1月26日~2024年2月20日
参考:農林水産省/
農業支援サービス事業緊急拡大支援対策(スマート農業機械等導入支援)
農業支援サービス事業緊急拡大支援対策(スマート農業機械等導入支援)は、農家に対してサービスを提供する事業者が対象となる制度です。
農作業の代行や農業機械のレンタルなど、農業者を支援するサービスを提供する事業者が利用できます。
支援対象となる農業用機械は、スマート農業機械に限定されません。
本制度は、以下2つタイプに分かれます。2つの違いは「農業支援サービスの利用者または提供地域の範囲」です。
出典:農林水産省
出典:農林水産省
広域型サービス支援タイプでは、収穫ロボットや施肥用ドローンなどのスマート農業機械を導入すると加算ポイントが得られ、採択に有利になります。
対象・要件
- 農業支援サービス事業体であること
- 提供するサービスの利用者数に係る成果目標を設定し達成すること
支援内容
【地域型サービス支援タイプ】
【広域型サービス支援タイプ】
農業支援サービスの提供を目的としたスマート農業機械等の購入・リース導入
補助上限額 | 補助率 |
上限5,000万円、下限原則500 万円 | 1/2以内 |
農業支援サービスの広域展開に必要な取組、機械導入に伴い必要となる技術向上等の取組にかかる経費
補助上限額 |
1に対する補助額を 上限とし、1と2に対する補助額の合計額は5,000万円以内 |
活用事例
野菜収穫のシェアリングサービスを提供
本制度を活用して、野菜収穫のシェアリングサービスを提供するため野菜収穫ロボットを取得。
野菜収穫ロボットの取得に係る経費の1/2を支援されまました。
公募期間
広域型の2024年の公募は2次まで行われ、次回の公募予定は未定です。
来年の公募期間は未発表ですが、今年の公募時期を参考にご準備ください。
【2024年の公募期間】
1次公募:2023年12月8日~2024年1月12日
2次公募:2024年3月15日~2024年4月19日
地域型については、都道府県でそれぞれスケジュールが異なるため、申請予定の都道府県にお問い合わせください。
参考:農林水産省/
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