事業再構築補助金の交付申請から入金までの流れは?

第13回公募で終了する事業再構築補助金。本コラムでは、交付申請から入金までの流れを、「交付申請から採択までの流れ」と「採択後から入金までの流れ」に2つに分けてわかりやすく解説します!第13回公募の申請を検討中の方はぜひお役立てください。
梅沢 博香

更新日:

事業再構築補助金の申請から入金までの流れは?

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

交付申請とは、採択後に必ず必要な“本申請”のこと

事業再構築補助金に採択されても、それだけで補助金が受け取れるわけではありません。
実際に補助金を活用して事業をスタートさせるには、「交付申請」という本申請の手続きを行い、「交付決定通知」を受ける必要があります。

採択は“仮決定”にすぎない

採択されたということは、「提出した計画は補助対象としてふさわしい」という評価を受けた段階です。
しかし、補助金の支給にあたっては、実際の経費内容やスケジュール、調達先などを明示した正式な申請(=交付申請)が必要となります。

交付申請で審査されるポイント

交付申請では以下のような点がチェックされます。

  • スケジュールの実現性
  • 賃上げ要件の達成見込み
  • 見積書の取得方法(2者以上の相見積が原則)
  • 経費の妥当性(過大ではないか、対象経費として適切か)など

交付決定が出るまで、事業は始められない

注意すべきなのは、「交付決定通知が届く前に着手した経費は補助の対象外になる」という点です。
たとえば、設備を先に発注したり、工事を始めてしまった場合、その費用は自己負担となる可能性があります。

採択後こそ、慎重な対応が必要

交付申請は、補助金を確実に受け取るための重要な手続きです。書類不備や提出遅れがあると、補助金そのものを受け取れなくなるリスクもあります。「採択=ゴール」ではなく、「交付決定=スタート」という意識で、確実な対応を心がけましょう。

事業再構築補助金の交付申請の流れ

事業再構築補助金に採択された後に必ず行う重要ステップを解説します。
採択後にすぐに補助金が振り込まれるわけではありません。補助事業をスタートさせるには、「交付申請」と「交付決定」が必要になります。
以下は、補助金の受給までの主な流れです。

事業再構築補助金の交付申請の流れ【STEP1】採択通知を受け取る

事務局から採択通知が届いたら、まずは採択結果を確認します。
※この時点では補助金を受け取る権利を得ただけで、まだ事業を始めてはいけません。

【STEP2】交付申請の準備・提出

採択通知後、原則30日以内に交付申請を行う必要があります。
必要な主な書類は以下のとおりです。

  • 事業計画書(再提出の必要がある場合も)
  • 補助事業の経費明細表
  • すべての経費の見積書(原則2社以上の相見積)
  • スケジュール表
  • 賃金引上げ計画表
  • 建物図面や仕様書などの証拠資料
  • 誓約書や役員一覧など(法人の場合)

交付申請は電子申請システム「jGrants」から提出します。
jGrantsの公式サイトをチェックする!

【STEP3】交付決定通知を受け取る

提出書類に不備がなければ、交付申請から1〜2か月後に「交付決定通知書」が発行されます。※この通知が届いてはじめて、補助事業を開始できます。
通知前に支払い・契約・発注などをすると、補助対象外になる可能性があります。

【STEP4】補助事業の実施

交付決定通知に基づき、計画通りに事業を進めます。
進捗の記録(写真・契約書・納品書など)をこまめに保管しておきましょう。
スケジュール変更や経費変更がある場合は、事前に「変更申請」が必要です。

【STEP5】実績報告の提出

事業完了後、実際にかかった経費や成果物をまとめて報告します。
納品書・領収書・振込明細書などを用意します。補助対象経費として認められるか、厳しく審査されます

【STEP6】補助金の精算・入金

実績報告が審査を通過すると、確定した補助金額が指定口座に振り込まれます。
補助金の入金までには、実績報告からさらに1~2か月程度かかることもあります。


このように、補助金を受け取るまでには「交付申請」が必須です。
多くの事業者が「採択=補助金がもらえる」と誤解しがちですが、実際にはこの「交付申請」をクリアしなければ、事業も始められません。
書類の不備や提出遅れがあると、交付決定が下りずに補助金を失うリスクもあります。正確かつスムーズに交付申請を行うことが、補助金活用成功の第一歩です。

事業再構築補助金の交付申請の申請期限

事業再構築補助金では、「採択された=補助金がもらえる」ではありません。
採択後、交付申請を一定期間内に提出し、事務局から交付決定を受けてはじめて、補助事業をスタートできます。
この交付申請の提出期限には注意が必要です。

提出期限は「採択通知日から原則30日以内」

交付申請の提出期限は、採択結果通知日から原則30日以内とされています。
この期間を過ぎると、交付申請が無効となる場合があるため、早めの準備が必須です。
ただし、採択通知の正確な日付や締切日は、公募回によって異なるため、最新の事務局発表を必ず確認するようにしましょう。

13回公募事業再構築補助金の交付申請スケジュール(予定)

13回公募の具体的なスケジュールは以下のとおりです。

項目スケジュール(予定)
公募期間2025年1月10日(金)~3月26日(水)18:00
採択発表2025年6月下旬~7月上旬頃
交付申請の提出期限採択結果通知日から30日以内(例:7月上旬通知 → 8月上旬頃まで)
交付決定時期2025年7月中(予定)

※採択結果や交付決定の正確な日程は事務局からの通知に基づいて対応してください。

交付申請の準備は“採択前”から始めるのが理想!

交付申請では、見積書・事業スケジュール・経費明細など、準備すべき書類が多数あります。
採択後に一から準備を始めると、期限内に間に合わないリスクも。
そのため、採択発表を待たずに、あらかじめ書類を整えておくことが成功のカギです。

事業再構築補助金の交付申の必要書類

事業再構築補助金の交付申請を行う際には、事業者の種類や補助対象経費の内容によって提出すべき書類が異なります。書類の不備は交付申請の承認に大きな影響を与えるため、正確に揃えて提出することが重要です。

全事業者共通の必要書類

すべての事業者が交付申請時に提出する必要がある書類は以下の通りです。

書類名説明
交付申請書別紙1事業計画の詳細を記載したエクセルファイル。
見積依頼書および見積書補助対象経費が50万円以上(税抜き)の場合、2社以上から同条件で取得する必要がある。

交付申請書別紙1は事業計画の具体的な内容や経費の内訳を詳細に記載するためのエクセルファイルです。
見積依頼書および見積書は、50万円以上の経費については「2社以上から同条件で取得する必要がある」ため注意してください。特に内訳項目が一致しないと申請が不備とされる可能性が高いです。

法人の場合の必要書類

法人として申請を行う場合には、以下の書類を追加で提出する必要があります。

書類名説明
直近の決算書申請時に提出済みでない場合、最新のものを提出する。
履歴事項全部証明書3ヶ月以内に発行されたものを提出する必要がある。

直近の決算書は、企業の財務状況を確認するために必要です。申請時に最新のものを用意しましょう。履歴事項全部証明書は、法務局で発行される会社の登記事項証明書です。提出時に発行日から3ヶ月以内のものを用意する必要があります。

個人事業主の場合の必要書類

個人事業主として申請を行う場合には、以下の書類が必要です。

書類名説明
確定申告書第一表過去2期分の確定申告書(第一表)を提出する必要がある。
青色申告決算書または白色申告書青色申告者は青色申告決算書、白色申告者は白色申告書を提出する。

確定申告書第一表は、所得税の申告内容を確認するために提出する書類です。2期分の提出が必要です。青色申告決算書または白色申告書は、それぞれの申告方法に応じた書類を提出します。

補助対象経費ごとの追加書類

補助対象経費の内容によって、さらに追加の書類が必要になります。特に建物費に関する申請は、改修と建設で必要書類が異なります。

補助対象経費の種類必要書類
建物費(改修)の場合見積書、見積依頼書、建物の見取図、宣誓・同意書
建物費(建設)の場合見積書、見積依頼書、設計書、宣誓・同意書

建物費(改修)の場合は、特に建物の見取図が必要。建物費(建設)の場合は設計書を提出することが求められます。必要書類は申請者の状況によって異なるため、必ず自分に該当します。書類を確認する見積書の取得条件(2社以上)を満たしていないと申請が不備になる可能性があるため注意しましょう。法人と個人事業主で必要な書類が異なるため、事前に確認して準備を整えます。

原則2社以上の相見積が必要

交付申請では、経費の妥当性を証明するために「見積書の提出」が求められます。
とくに50万円以上の経費には、原則2社以上の相見積が必要です。
<見積取得に関する基本ルール>

項目内容
相見積の原則50万円以上の経費は2社以上からの見積が必要
例外50万円未満の場合は1社でも可(保存は必要)
記載内容発行日・社名・担当者・内訳・有効期限など
注意点同一条件で依頼/PDFや写しでも可だが要確認

<相見積が困難な場合の対応>

状況認められる理由の例必要書類
専用品・独自技術他社で取り扱いがない相見積困難理由書+証拠資料(調査履歴など)
製造元直接購入メーカー直販のみ同上
地域的・商習慣的制約地元に業者が少ないなど同上

経費区分ごとの注意点、建物費・機械装置・外注費の扱いに注意

交付申請では、経費ごとに分類・証明方法・注意点が異なります。
<主要な経費区分と申請上の注意点>

経費区分内容・対象注意点
建物費建物の新築・改修・内装・空調等賃貸物件は所有者の同意書が必要/建築確認など要添付
機械装置・システム構築費設備導入、ソフト・アプリ開発など中古は原則NG/リースやレンタルも対象外(例外あり)
外注費システム開発、広告制作、設計、調査等の委託費業務委託契約書が必須/成果物や納品物の証拠資料も提出
広告宣伝費・研修費・クラウド費など販促、教育、システム運用内容により対象外となる場合もあるため要精査

事業再構築補助金の交付申請の審査ポイント

交付申請では、以下の3つの観点から審査が行われます。
それぞれのポイントを明確に押さえておきましょう。
<交付申請の主な審査ポイント>

審査項目審査の観点チェックされる内容の例
経費の妥当性金額や内容が適切か見積書の取得状況、内訳の明確さ、補助対象との整合性
事業実施体制計画通り実行できるか社内の役割分担、外注先との連携、実施場所の確保など
スケジュールの実現性過不足ない期間設定か無理のない工程か/変更時の対応体制があるかどうか

事業再構築補助金の交付申請の主な差し戻し理由

交付申請では、記載ミスや書類の不足があると審査に通らず、差し戻し(修正依頼)を受けることがあります。
場合によっては、交付決定までの時間が大幅に延び、事業スケジュールに支障をきたす可能性もあります。
以下は、実際によくある不備の代表例です。
<交付申請でよくある不備の例>

不備内容説明
相見積が1社のみ原則2社以上の見積が必要。1社の場合は相見積が困難な理由書が必要
添付書類の漏れ設備仕様書・同意書・契約書・図面など、必要資料の提出漏れに注意
根拠資料の不足スケジュールや経費の積算根拠が曖昧で、事業実現性に疑問が持たれるケース
経費区分の誤り建物費・外注費などの計上区分が誤っていると修正指示が入る
誓約書や署名欄の未記入署名・押印漏れや、誓約内容の記載ミスにも注意

不備の多くは「確認不足」に起因します。提出前に第三者の目でチェックしてもらうのも有効です。

交付申請後の変更・修正|経費やスケジュールを変えるには?

交付決定を受けたあとであっても、やむを得ず内容を変更しなければならないことがあります。
しかし、経費やスケジュールの変更は自己判断で進めてはいけません。

変更時は「変更承認申請」が必要

補助事業の内容を変更する際は、必ず事前に変更承認申請を提出し、事務局の承認を得る必要があります。
<変更承認が必要な主なケース>

変更内容対応方法
設備のメーカー・型番の変更見積書・仕様書を再提出し、変更理由を記載
経費の配分の変更経費内訳や金額が変わる場合も申請が必要
スケジュールの変更実施完了時期が遅れる場合なども承認が必要
補助事業の実施場所の変更所在地が変わる場合は、再審査対象になる可能性あり

承認を受けずに変更を進めると、補助金の返還対象になるリスクがあります。変更が生じた場合は、必ず速やかに事務局に相談し、申請書類を整えましょう。

事業再構築補助金の交付申請に関するよくある質問

Q:事業再構築補助金の交付申請が差し戻しされた場合の対処法を教えてください。

A:対応手順はいかの通りです。

  1. 差し戻しメール(またはjGrants上の指摘事項)をよく読む
  2. 指摘内容ごとに必要な修正を行う
  3. 修正済みの申請データや添付書類を再アップロードし、再提出ボタンを押す

差し戻されたからといって不採択になるわけではありません。丁寧に対応することで交付決定につながりますので、焦らず確実に修正を行いましょう。

Q:交付決定通知書はどこからダウンロードしますか?

A:交付決定通知書は、補助金申請システム「jGrants」からダウンロードできます。
【手順】

  1. jGrantsにログイン
  2. マイページの「申請一覧」を開く
  3. 該当する申請を選択し、「交付決定通知書」をダウンロード

交付決定通知書は、交付申請書の提出後、事務局による審査を経て、交付決定が行われた際にjGrants上で発行されます。

【2025年最新】事業再構築補助金のよくある質問に答えます!

Q:事業再構築補助金の交付の流れは?

A:事業再構築補助金の交付は、「採択されたらすぐ補助金がもらえる」わけではありません。以下のようなステップを経て進みます。
<補助金交付の基本的な流れ>

  1. 採択通知を受け取る
  2. 交付申請を行う(採択後30日以内が目安)
  3. 事務局による審査
  4. 交付決定通知を受け取る
  5. 補助事業の実施(契約・発注・支払いなど)
  6. 実績報告を提出
  7. 審査後に補助金の支払い(後払い)

補助事業の開始は「交付決定通知」が出てからでないと認められませんので注意が必要です。

Q: 事業再構築補助金の交付申請の期限はいつですか?

A:交付申請の期限は、採択通知を受け取ってから原則30日以内とされています。
この期間内に必要な書類を揃えて、電子申請(jGrants)を通じて申請する必要があります。
たとえば、2025年7月上旬に採択された場合、交付申請の締切はおおよそ8月上旬までとなります。
※詳細な期限は事務局からの採択通知や交付申請案内に記載されていますので、必ず確認しましょう。

Q: 交付申請から交付決定までの期間は?

A:交付申請を提出してから交付決定通知が届くまでは、約1~2か月程度かかります。
審査では、提出書類の整合性や経費の妥当性、スケジュールの実現可能性などがチェックされます。不備があるとさらに時間がかかるため、書類の精度がスムーズな交付決定のカギです。

Q:補助金の交付申請とは何ですか?

A:交付申請とは、採択された事業計画に対して、「この内容で正式に補助金を申請します」という本申請のことです。
ここでは、実際の経費の内訳や見積書、事業スケジュール、賃上げ計画などの詳細を事務局に提出します。この審査を通過して「交付決定通知」が届いて初めて、補助事業を開始できます。
採択は“仮承認”、交付決定は“本承認”と考えると分かりやすいです。
参考:事業再構築補助金のパンフレット
事業再構築補助金の公式サイトはこちら!

事業再構築補助金の人気コラム

事業再構築補助金の払う税金を先延ばしできる圧縮記帳って何?
事業再構築補助金の収益納付とは?
事業再構築補助金の採択事例と審査通過のポイントは?

事業再構築補助金の後継補助金の申請サポートは弊社まで!

事業再構築補助金は今回の13回で終了します。
本補助金の終了後は、中小企業新事業進出促進事業に引き継がれます。
中小企業新事業進出促進事業の初回公募は2025年5月以降と予想されています。
申請を検討されている方は、弊社までご連絡くださいませ!ワンストップでお客様の申請をサポートいたします。

中小企業新事業進出促進事業の無料相談はこちら!

実は、「補助金は申請すれば受給できる」わけではありません。
厳しい審査をクリアする必要があり、4社に1社しか通過できない難関補助金も多いのです。

審査通過率を飛躍的に上げるには、申請サポート会社の力を借りるのが鉄則!
提出書類の抜け・漏れがないように、弊社が万全のサポートで審査通過を目指します。

弊社がサポートさせていただいた方のお喜びの声

事業再構築補助金は非常に競争率が高く、12回公募では採択率が27%と前回に続き低採択率を記録しました。
さらに、第13回公募が最終となるため応募件数が急増すると予想され、低採択率になる可能性が高いです。
今回は事業再構築補助金に申請できるラストチャンス!
少しでも採択率を上げたい方はプロの手を借りましょう。

弊社は補助金申請のサポートを行っており、これまでに70億円以上の申請総額、2,000件以上の申請実績があります。
専門家による的確なアドバイスとサポートで、御社を採択へ導きます!ぜひお気軽に弊社にご相談ください。

「事業再構築補助金を活用したいけど採択されるか自信がない」
どの補助金が自社で使えるのかわからない」
と言う方は、以下よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
無料でお悩みに回答いたします。