【補助金】DX化って何!?中小企業のDX化に使える補助金3選!

デジタル技術を活用してビジネスを変革していくDX化。 政府のあと押しもあり、近年DXの推進に力を入れる企業も増えてきました。 DX化に取り組まない場合、「労働力と競争力の低下」や「IoT化の波に乗り遅れる」等、企業にとって重大な損失が起るとされています。 とはいえ、「大企業のようにDX化のために費用をかけるわけには……」という中小企業も多いでしょう。 そんなときこそ補助金を活用しましょう! 本コラムでは中小企業のDX化に使える補助金を紹介します。
梅沢 博香

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デジタル技術を活用してビジネスを変革していくDX化。
政府のあと押しもあり、近年DXの推進に力を入れる企業も増えてきました。
DX化に取り組まない場合、「労働力と競争力の低下」や「IoT化の波に乗り遅れる」等、企業にとって重大な損失が起るとされています。
とはいえ、「大企業のようにDX化のために費用をかけるわけには……」という中小企業も多いでしょう。
そんなときこそ補助金を活用しましょう!
本コラムでは中小企業のDX化に使える補助金を紹介します。

DXとは?

DXとは「デジタル化による社会・ビジネスの変革」という意味です。
経済産業省の「DXリテラシー標準」ではDXを次のように定義しています。

『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』

経済産業省の「DXリテラシー標準

DX化の事例:アナログだった業務をデジタルに移行

紙と電話に頼る業務スタイルで出社が必須の木材会社。
営業データが残っていない、目標数値やKPIがない、新規開拓営業がほとんどできていない等の課題を抱えていた。
従業員全員にパソコンとiPhoneを配付し、顧客情報や商材を全てデータ化。
それらを個人端末で確認できるようにした。
また、商材にバーコードをつけてデータ化し、商談内容もデータ化し、MA(マーケティングオートメーション)ツールも導入。
取り組みの結果、テレワーク、ペーパーレス化、MAによる新規顧客確保の仕組みを構築できた。

DX化とIT化の違いは?

DX化とIT化は混同されがちですが、この2つの意味は異なります。
IT化は、「アナログで行っていた作業や業務をデジタルに置き換えていく作業のこと」です。
たとえば、紙と電話が中心の業務スタイルからEメールやチャットツールに置き換えることはIT化です。
一方、DX化は「データやデジタル技術を活用し、製品・サービス・ビジネスの在り方・風土等を変革すること」。
DX化の意味合いはIT化より広いイメージです。
「IT化はDX化の手段」とも言えます。

中小企業がDXを行うメリットは?

政府が企業のDX化を推進する流れは、大企業はもちろん中小企業にも影響を及ぼしています。
今、DX化を図らないと競争に取り残されてしまう恐れがあります。

  • 業務プロセスの自動化によって効率化を実現できる
  • 災害等のイレギュラーでも事業を継続しやすい
  • 変化する消費者ニーズに対応できる
  • 市場競争力を高められる 等

中小企業のDX化に使える補助金(1)「IT導入補助金」

「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者等がITツールを導入する際に活用できる補助金です。
「IT導入補助金」は、申請者がIT導入支援事業者/ベンダーというシステム業者等と協力して申請する必要があります。
補助対象となるITツールは、原則としてIT導入支援事業者/ベンダーが提供し、かつ本事業において登録されたもののみです。
「IT導入補助金」では、2023年10月からの「インボイス制度」の開始をふまえ、クラウド利用料を最大2年分補助する等、前回の「IT導入補助金」よりも企業間取引のデジタル化が強化されました。

「IT導入補助金」の補助率と補助金額

補助率補助額
3/430万円~450万円

「IT導入補助金」の公式サイト

「IT導入補助金」の補助対象となるツール

「通常枠」と「デジタル化基盤導入枠」(デジタル化基盤導入類型)では補助対象となるITツールが異なります。
別々のITツールを申請する場合は両方の枠を使えます。

通常枠デジタル化基盤導入類枠
1つ以上の業務プロセスを保有するITツールの導入会計、受発注、決済の機能をもつITツールの導入

上記に加え、2022年8月にはセキュリティ対策に特化した「セキュリティ対策推進枠」が新設されました。
「セキュリティ対策推進枠」

「IT導入補助金」を使ったDX化の活用例

従来DX導入後
【林業】 森林調査は林内を実際に歩いてすべての木を調査。 その後、事務所で調査結果の集計をエクセルで行っていた。3D地理情報システムとドローン導入。 ドローンで空撮し、その結果を点群データ化、解析もITツールで行うようになった。 森林調査人員が約8割減され、調査コスト削減された。

中小企業のDX化に使える補助金(2)「事業再構築補助金」

「事業再構築補助金」は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対応するために、中小企業等の新分野展開、業態転換、業種転換等の思い切った「事業再構築」の挑戦を支援する補助金です。
「事業再構築補助金」は、「コロナ禍の影響で売り上げが減少している」ことが申請の条件です。
その他主な条件は次のとおりです。

  • 新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、指針に示す「事業再構築」を行うこと
  • 認定経営革新等支援機関(国の認定を受けた中小企業診断士、金融機関等)と事業計画を策定すること

「事業再構築補助金」は原則として、補助金は後払い(精算払い)です。
補助事業の実施期間中は申請する事業者が全ての経費を立て替える必要があります。
そのため、金融機関からのつなぎ融資をうけるケースもあります。
まず事業者は事業計画書を提出し、事務局はそれにもとづいて採択・不採択を決定します。
採択後は事務局で補助事業の対象経費等の妥当性について確認を行った上で、「交付決定」を行います。
事業者は交付決定後に事業を実施。
事業終了後に事務局は補助金額の「確定検査」を行い、補助事業に要した経費として認められた経費が実際に補助金の対象となります。
「事業再構築補助金」の公式サイト

「事業再構築補助金」の補助率と補助金額

補助率補助額
2/3(6,000万円超は1/2) ※中堅企業の場合は、1/2(4,000万円を超える部分は1/3)100万円~8,000万円(「通常枠」の場合)

※補助額は従業員数によって変動します。

「事業再構築補助金」の補助対象となるツール

機械装置・システム構築費、技術導入費等の10項目が補助の対象になります。
詳しくは「事業再構築補助金」の公募要領24~27ページでご確認ください。
「事業再構築補助金」の補助対象となる経費は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。
対象経費は必要性や金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認できるものです。

「事業再構築補助金」を使ったDX化の活用例

従来DX導入後
【イベント運営会社】 コロナの影響によりイベントの中止が続出。コロナの感染リスクを抑えつつイベントを開催するために、ライブや展示会をバーチャル上で再現するサービスの提供を開始した。

中小企業のDX化に使える補助金(3)「ものづくり補助金」

「ものづくり補助金」は、中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。
「ものづくり補助金」公式サイト

「ものづくり補助金」の補助率と補助金額

補助率補助額
中小1/2、小規模2/3100万円~1,000万円

「ものづくり補助金」の補助対象となるツール

革新的製品・サービスの開発、または生産プロセス等の改善に必要な設備投資等が「ものづくり補助金」の補助対象費用です。

「ものづくり補助金」を使ったDX化の活用例

従来DX導入後
【農業】 販売する果実を新鮮なまま遠方でも販売したい。地域特産品の果実を密閉冷凍するための「急速冷凍機」を導入。 生とほぼ同じ品質・鮮度を保ったまま長期保存が可能になり、全国・海外に販路を拡大することができた。

「ものづくり補助金」の申請には事業計画書が必要です。
計画書には「技術面」、「事業化面」、「政策面」等の審査項目があり、これら全てを意識しながら作成しなければなりません。
「自分で計画書を作るのはハードルが高い……」という方は、補助金申請のプロに依頼してみませんか?
株式会社リアリゼイションは「ものづくり補助金」の申請サポートを行っています!
どうぞお気軽にご相談ください。