IT導入補助金の採択結果は発表はいつ?結果の見方と採択のコツは?

IT導入補助金2025の採択結果はいつ分かる?確認方法や交付決定通知の見方、採択率アップのコツを初心者向けに解説します。
梅沢 博香

更新日:

IT導入補助金の採択結果は発表はいつ?結果の見方と採択のコツは?

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

IT導入補助金の「採択発表」と「交付決定通知」との違い

IT導入補助金における「採択発表」とは、申請内容に対する審査の結果、補助金の交付を認めると事務局が判断した事業者を公式に公表するものです。つまり、採択発表は、「この事業者は補助金の対象として選ばれました」というお知らせです。

採択されると、続いて「交付決定通知」という書類が発行されます。交付決定通知は、補助金を使ってITツールの導入を始めてよいという正式な許可を意味するもので、ここから事業をスタートすることができます。交付決定通知を受け取る前に、ITツールの契約や発注、支払いを進めてしまうと、その費用は補助金の対象外になるため注意が必要です。
採択発表と交付決定通知は似たようなに見えますが、役割は異なります。
採択発表:申請内容に対する審査結果が公表されることで、中小機構の公式サイトに掲載される「交付決定事業者一覧(PDF)」や、申請マイページから確認することができます。
交付決定通知:補助事業の実施を正式に認める通知であり、申請マイページにログインして入手します。郵送では届かず、電子データとしてマイページ上でダウンロードする形式です。
両者の違いを正しく理解することが、補助金をスムーズに活用するための重要なポイントです。

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2025年8月以降の各申請枠 公募スケジュール一覧

下表は、2025年8月以降の各申請枠における締切日と交付決定日(採択発表時期)をまとめたものです。申請タイミングの目安としてご活用ください。

枠名申請締切日交付決定日(採択発表日)
通常枠8月20日(水)17:009月30日(火)(予定)
インボイス枠(インボイス対応類型)8月20日(水)17:009月30日(火)(予定)
セキュリティ対策推進枠8月20日(水)17:009月30日(火)(予定)

※ 各枠とも、5次締切は9月22日(月)17:00まで、その交付決定日は10月31日(金)(通常~セキュリティすべて)となります。

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IT導入補助金の採択結果発表はいつ?

IT導入補助金の採択発表と、結果の確認方法を分かりやすく解説します。

IT導入補助金の採択発表はいつ?

IT導入補助金の採択発表(=交付決定通知が出るタイミング)は、公募締切日からおおよそ5〜6週間後が目安とされています。
たとえば、2025年8月20日(水)に締め切られる申請回(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠を含む)の場合、交付決定は2025年9月下旬頃が予定されています。
なお、採択発表日はあくまで「予定」であり、審査の状況によって前後する場合があります。正確なスケジュールは、事務局の公式ページにある「公募スケジュール」セクションをご確認ください。
IT導入補助金 公募スケジュールを確認する!

採択結果の確認方法

採択されたかどうかを確認する方法は、主に以下の2つです。

1. 申請マイページで確認

IT導入補助金の申請時に使用した「申請マイページ」にログインすると、審査結果が反映されています。交付決定された場合は「交付決定通知書」が表示・ダウンロード可能となり、正式に補助事業を開始できる状態となります。
このマイページが、通知や今後の手続きを進めるうえでの中心となるため、採択発表が行われる時期には必ず確認するようにしましょう。

2. 交付決定事業者一覧(公式サイト)で確認

中小機構の公式サイトでは、採択された事業者の「交付決定事業者一覧」がPDFで公開されます。回ごとに分かれており、自社名や申請内容が記載されていれば採択されたことが確認できます。
最新の採択結果はこちらに掲載されます。
IT導入補助金の採択結果を確認する!

審査結果の通知が届いていない場合の対応方法

採択されたかどうかが不明な場合は、以下の点を確認してください。
1. 申請マイページを必ず確認する
メール通知が届かないこともあるため、マイページへのログインが確実です。通知がなくても、交付決定通知書が発行されていれば採択されています。
2. 交付決定事業者一覧に自社名があるか確認する
マイページと併せて、公式サイトに掲載される交付決定事業者一覧にも目を通しましょう。採択された事業者はここに掲載されます。
3. 一覧にも通知にもない場合は事務局へ問い合わせ
一定期間経っても結果が確認できない場合は、IT導入補助金事務局へ問い合わせるのが確実です。
【IT導入補助金事務局】
電話:0570-666-376(ナビダイヤル)
受付時間:9:30〜17:30(土日・祝日除く)

IT導入補助金の採択率は?2025年の傾向と枠別の違い

今年度と昨年度の主要申請枠の採択率と、採択率を上げる4つのコツ紹介いたします。
2025年度の主要申請枠の採択率
IT導入補助金2025の採択率は、申請枠や公募回によって大きく異なるのが特徴です。以下は、主要3枠(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠)の第1回および第2回公募の採択率です。

申請枠公募回採択率
通常枠第1回約51%
第2回約41%
インボイス枠(対応類型)第1回約58%
第2回約47%
セキュリティ対策推進枠第1回100%
第2回約54%

2025年度の現時点(第2回まで)では、通常枠とインボイス枠の採択率が低下傾向にあることがわかります。たとえば、通常枠は第1回で約51%、第2回で約41%と10ポイントの下落。インボイス枠も第1回の約58%から、第2回では約47%まで低下しています。
一方で、セキュリティ対策推進枠は第2回でも約54%と比較的高い水準を維持しており、他の枠と比べて採択されやすい傾向があります。

2024年度の主要申請枠の採択率

通常枠の採択率
インボイス枠(対応類型)の採択率.
セキュリティ対策推進枠の採択率参考:IT導入補助金2025公式サイト

よくある不採択理由と対策まとめ

以下の表に、不採択の主な原因とその対策をまとめました。

不採択の理由詳細と対策
事業計画の不明瞭さ「業務効率化のため」など抽象的な表現では不十分。具体的な時間・コスト削減目標を記載すべきで。
導入効果の根拠不足効果予測にはデータや他社事例、自社の過去実績を根拠として明記しましょう。
書類不備や内容の矛盾添付漏れ、表記ミス、本文との整合性などにも注意。第三者によるチェックが効果的です。
申請要件や対象の誤解公募要領を読み込まず、対象外のツールや経費を含めると失格になります。事前確認を徹底しましょう。
書類の信頼性不足確定申告書・納税証明などは内容に不備がないか、専門家に確認を依頼するのがおすすめです。

採択率アップのコツ

IT導入補助金では、申請の方法や選ぶ枠によって、採択率が大きく変わることがあります。採択される可能性を少しでも高めたい方は、以下の3つの工夫を意識しましょう。

  1. 加点要素を活用する
  2. 採択率の高い申請枠を選ぶ
  3. 評価を上げる「加点要素」を準備する
  4. 採択されやすくなる「早めの申請」を心がける
  5. 補助金申請のプロにサポートを依頼する

1.加点要素を活用する

加点要素を活用して採択の可能性を高めるには、申請時に所定の加点項目を満たすことが重要です。加点項目とは、申請内容にプラスの評価を加える要素のことで、これらをクリアしていると、同じ申請内容でも審査で有利になります。IT導入補助金2025では、以下のような項目が加点対象として設定されています。
• 地域未来投資促進法による「地域経済牽引事業計画」の承認を受けていること
• 賃上げの実施・表明・計画を行っていること(例:「来年度までに基本給を3%引き上げる」など)
• 「SECURITY ACTION(二つ星)」を宣言済みであること(※中小企業の情報セキュリティ対策への自己宣言制度)
• 経済産業省が提供する「IT戦略ナビwith」を活用し、自社に合ったIT導入計画を策定していること
• 「健康経営優良法人」や「くるみん」「えるぼし」といった認定制度の認定を受けていること
これらの加点項目は、申請時にチェックボックス形式で該当を選択できるようになっていますが、形式的な選択だけでなく、実際に証拠書類を提示できることが求められます。

たとえば、賃上げ加点を申請する場合には、「基本給を何%上げるか」「実施時期はいつか」などを明記した社内通知や経営会議の議事録など、裏付けとなる資料があることで信頼性が高まり、加点として確実に反映されやすくなります。このように、加点要素は少し手間はかかるものの、他の申請者との差別化につながる重要なポイントです。採択率を少しでも上げたい場合は、事前にどの加点が活用できるかを確認し、取得や準備を進めておくことをおすすめします。

2. 採択率の高い申請枠を選ぶ

同じ内容の申請でも、枠の選び方によって採択されやすさが変わります。たとえば、導入するITツールがセキュリティ対策に関するものであれば、「セキュリティ対策推進枠」で申請することで、通常枠よりも高い採択率が期待できます。申請内容に合った枠を選ぶことは、無理に内容を変えるよりも現実的で効果的な戦略です。

3. 評価を上げる「加点要素」を準備する

申請時に加点対象を満たしておくと、同じ申請内容でも評価が高くなります。代表的な加点要素として「SECURITY ACTION(セキュリティアクション)」の取得があります。これは、情報セキュリティへの取り組みを自己宣言する制度で、無料かつ短時間で取得が可能です。こうした加点項目をあらかじめ準備しておくことで、審査で有利になる可能性が高まります。

4. 採択されやすくなる「早めの申請」を心がける

採択率を高めるには、できるだけ早い公募回(第1回〜第3回)で申請するのが有利です。なぜなら、初回や前半の公募回は、まだ応募が集中しておらず、予算にも余裕があるため、採択件数が多くなる傾向にあるからです。一方、年度後半や最終公募になると、予算消化の進行や駆け込み申請の増加によって、審査が厳しくなり、採択率も下がる傾向があります。

5.補助金申請のプロにサポートを依頼する

申請書の完成度を高めるには、補助金に精通した専門家のサポートを受けることが非常に効果的です。採択実績のあるプロに依頼することで、事業計画の精度や加点対策、必要書類の整備など、審査で評価されやすい内容に仕上げることができます。

弊社では、IT導入補助金をはじめとする補助金申請のサポート実績が多数ございます。「できるだけ確実に採択されたい」「申請の負担を減らしたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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採択されやすい事業計画とは?

採択されやすい事業計画とは、ITツールの導入によって得られる効果が数値で明確に示されており、課題から解決までの流れがストーリーとして整理されている計画です。
審査で高評価を得ている申請書の多くには、以下のような特徴があります。

• 工数削減や売上増加などの成果目標が定量的に記載されている(例:「年間300時間の作業時間を削減」など)
• 現状の課題と導入するITツールの効果が論理的につながっている
• 導入後の運用体制や定着支援の方法まで具体的に説明されている
• 自社の業種や従業員規模に見合った、無理のない導入計画になっている
• 必要に応じて図表やフローチャートを使い、視覚的に理解しやすく構成されている
このように、「何のために、何を、どう使うか」が明快な事業計画は、審査員にとって評価しやすく、採択されやすい傾向にあります。

よくある質問

IT導入補助金に関するよくある質問を分かりやすく解説します。

1. IT導入補助金の結果はいつわかりますか?

公募締切から約5〜6週間後に、採択結果(交付決定)が通知されます。通知方法は「申請マイページ」への掲載と、場合によってはメール連絡です。また、公式サイトには採択された事業者一覧(PDF)が掲載されます。例:2025年8月20日締切分の採択発表は、同年9月下旬(予定)です。

2. IT導入補助金の採択率はどのくらいですか?

IT導入補助金の採択率は、申請枠によって異なります。2024年度の実績では、いずれの枠も比較的高い採択率となっていました。

申請枠採択率(2024年度実績)
通常枠約74%
インボイス枠(インボイス対応類型)約87%
セキュリティ対策推進枠約91%

ただし、採択率は年度や公募回ごとに変動があります。2025年度はすでに第1回・第2回ともに採択率がやや下がっており、年度後半や駆け込み申請では競争が激化する可能性があります。

3. 不採択だった場合、次回応募は可能ですか?

可能です。同じ年度内であれば、申請内容を見直して再チャレンジできます。改善ポイントとしては、事業計画の明確化、定量的な効果の提示、加点要素の追加などが挙げられます。

4. 採択発表後、いつから導入が始められますか?

交付決定通知を受け取った後から、ITツールの契約・発注・納品・支払いが可能になります。採択されたとしても、交付決定前に発注や購入したものは補助対象外となるため、必ず通知を確認してから導入を進めてください。

5. IT導入補助金2025はいくらもらえますか?

補助金の上限額や補助率は申請枠によって異なりますが、主に以下の通りです(2025年時点)

申請枠補助上限額補助率
通常枠最大450万円1/2または2/3
インボイス枠(対応類型)最大350万円2/3
セキュリティ対策推進枠最大100万円2/3

参考:IT導入補助金2025公式サイト

まとめ

IT導入補助金の採択発表は、公募締切から約5〜6週間後が目安で、申請マイページや公式サイトの交付決定事業者一覧から確認できます。交付決定通知を受け取るまでは、ITツールの発注や導入を行わないよう注意が必要です。採択率は申請枠や時期によって変動し、特に早期の公募回や加点要素を活用した申請が有利となる傾向があります。審査で重視されるのは、導入効果の明確さや事業計画の一貫性であり、事前にしっかり準備をしておくことが採択への近道です。仮に不採択となっても、内容を見直して再申請することは可能です。早めの準備と適切な対策を講じることで、次回の採択につながる可能性は十分にあります。継続的なチャレンジが成功への鍵となります。

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