事業承継・M&A補助金は個人事業主も活用可能!採択のコツと採択事例を紹介

事業承継・M&A補助金は個人事業主でも申請でき、売買の相手が個人事業主であっても対象となります。ただし、すべての個人事業主が申請できるわけではなく、一定の要件があります。本コラムでは、個人事業主が申請できる補助金額や補助率、申請時の注意点について解説します。2025年度、事業承継・M&A補助金の活用を検討されている個人事業主さまはぜひ本コラムをお役立てください。
梅沢 博香

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事業承継・M&A補助金は個人事業主も活用可能!採択のコツと採択事例を紹介

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

事業承継・M&A補助金とは?

事業承継・M&A補助金(旧:事業承継・引継ぎ補助金)とは、中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、事業承継に際しての設備投資や、M&AやPMIの専門家活用費用等を支援する補助金です。
以下4つの申請枠で実施されます。

  • 事業承継促進枠
  • 専門家活用枠
  • PMI推進枠
  • 廃業・再チャレンジ枠
2025年最新版事業承継・M&A補助金の概要は?

個人事業主が事業承継・M&A補助金を申請できる条件

個人事業主が事業承継・M&A補助金を申請するには、青色申告者であることが必須です。
白色申告の事業主や、個人事業主ではない個人は対象外となります。
また、専門家活用枠を申請する場合は、青色申告歴が5年以上必要です。

申請要件

  • 青色申告を行っていること
  • 青色申告は、複式簿記による記帳や貸借対照表の作成が求められる一方、節税メリットもあります。補助金の申請を機に、白色申告からの切り替えを検討するのも一案です。
  • 必要書類の提出
  • 申請には、以下の書類の写しが必要です(税務署の受領印または受付確認メールの添付が必須)。
    • 確定申告書B(事業収入や所得を記載)
    • 所得税青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書を含む)

申請を検討している場合は、要件を満たしているか事前に確認しましょう。

個人事業主が事業承継・M&A補助金を申請する方法

個人事業主が事業承継・M&A補助金を申請するには、補助対象事業の確認、認定経営革新等支援機関への相談、電子申請システムの利用など、いくつかの手順を踏む必要があります。

申請の流れ

  1. 補助対象事業を確認
  2. 認定経営革新等支援機関へ相談
  3. gBizIDプライムアカウントの取得
  4. 事業承継・M&A補助金の交付申請
  5. 交付決定通知の受領
  6. 補助対象事業の実施と実績報告
  7. 確定検査後、補助金の受領

1.補助対象事業を確認

まず、申請する事業が「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」のいずれに該当するかを確認。各枠で対象事業や補助対象経費が異なるため、補助金額や補助率もチェックしましょう。

2.認定経営革新等支援機関へ相談

事業承継計画の作成や申請手続きをスムーズに進めるために、商工会議所や税理士などの認定経営革新等支援機関に相談します。「経営革新枠」「廃業・再チャレンジ枠」では、支援機関が発行する確認書が必要です。

3.gBizIDプライムアカウントの取得

申請には、政府の電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を利用するためのgBizIDプライムアカウントが必要です。発行には1~2週間かかるため、早めの取得をおすすめします。

4.事業承継・M&A補助金の交付申請

認定支援機関と事業承継計画を作成し、gBizIDプライムを取得したら、jGrantsを通じて交付申請を行います。申請には事業計画や収支計画、必要書類の提出が求められるため、内容を正確に記入し、締め切りに注意しましょう。

5.交付決定通知の受領

申請後、審査が行われ、jGrantsで結果が通知されます。不備があれば修正・再提出が必要です。補助金の交付を取り下げる場合は、決定通知の10日以内に事務局へ連絡しましょう。

6.補助対象事業の実施と実績報告

交付決定後、計画に沿って事業を実施し、完了後に実績報告書を提出。事業の成果や支出内容を記載し、補助金の適正な利用を報告します。

7.確定検査後、補助金の受領

実績報告後、事務局による検査が行われ、補助対象経費が正しく使われているか確認されます。問題がなければ補助金額が確定し、指定口座へ振り込まれます。
補助金の受給には、申請だけでなく報告や検査の手続きも必要なため、スケジュールを把握し、計画的に進めることが重要です。

個人事業主が事業承継・M&A補助金を申請する際の注意点

個人事業主が事業承継・M&A補助金を申請する際には、募集期間と審査の加点ポイントに注意が必要です。

1. 最新の申請スケジュールを確認する

事業承継・M&A補助金は、常時募集ではなく、公募期間が設定されています。申請を検討している場合は、中小企業庁の公式サイトで最新のスケジュールを確認しましょう。
公募期間には、

  • 申請受付期間
  • 交付決定時期
  • 事業実施期間

が明確に定められています。準備を始める前に必ずチェックし、締め切りに間に合うよう計画を立てましょう。

2. 加点ポイントを確認する

補助金の審査では、事業計画の内容や取り組みに応じて加点されるポイントがあります。公募要項を確認し、加点条件を満たすことで採択されやすくなります。

加点ポイントの例

  • 会計基準の遵守:「中小企業の会計に関する基本要領」や「中小企業の会計に関する指針」を適用していること
  • 経営計画の認定:「経営力向上計画」や「経営革新計画」の認定を受けていること
  • 地域経済への貢献:「地域未来牽引企業」に指定されていること
  • 事業継続力の強化:「(連携)事業継続力強化計画」の認定を受けていること
  • ワーク・ライフ・バランスの推進:働きやすい環境づくりに取り組んでいること
  • サイバーセキュリティ対策:「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を利用していること
  • 賃上げの実施:従業員の賃上げを予定し、公表していること

事業承継・M&A補助金の採択率

事業承継・引継ぎ補助金(令和5年度補正予算)の採択率は以下の通りです。

採択率一覧

事業区分申請件数採択件数採択率
経営革新事業313件190件60.7%
専門家活用事業498件299件60.0%
廃業・再チャレンジ事業28件(単独2件、併用26件)10件35.7%

※「経営革新事業」については、採択者一覧が公開されています。
採択率は事業区分ごとに異なり、経営革新事業・専門家活用事業は60%前後と比較的高い水準ですが、廃業・再チャレンジ事業は35.7%とやや低めです。

令和7年度の採択率予測

令和7年度の事業承継・引継ぎ補助金は、「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI推進枠」「廃業・再チャレンジ枠」に分かれると予想されます。それぞれの採択率について、過去の実績を踏まえた予測を行います。

事業承継促進枠

昨年度の経営革新事業に相当する枠と考えられます。令和5年度の採択率は60.7%だったことから、令和7年度も55%〜65%の範囲に収まる可能性が高いでしょう。
特に、事業承継支援が強化される場合は、採択率がやや上昇する可能性もあります。

専門家活用枠

昨年度の専門家活用事業の採択率が60.0%だったため、同程度の水準となることが予測されます。
55%〜65%の範囲で推移すると考えられ、事業者のニーズに応じて若干の変動があるかもしれません。

PMI推進枠

M&Aの後継支援を目的とした枠として新設されると予想されます。
過去に類似の枠がないため正確な比較はできませんが、経営革新事業の採択率を参考にすると、50%〜60%の範囲になる可能性が高いでしょう。
PMIはM&Aの成功を左右する重要なプロセスであり、支援の必要性も高いため、比較的高めの採択率が期待できます。

廃業・再チャレンジ枠

令和5年度の廃業・再チャレンジ事業の採択率が35.7%だったため、30%〜40%の範囲に収まると考えられます。
この枠は事業承継促進よりも優先順位が低くなりやすいため、他の枠と比べて採択率が低めに設定される傾向が続くと考えられます。
これらの予測を踏まえると、令和7年度の補助金申請に向けて、採択率が高い枠を選ぶ戦略も重要になってくるでしょう。正式な公募情報が発表され次第、最新の採択率を確認することをおすすめします。

個人事業主が事業承継・M&A補助金に採択されるコツ

事業承継・M&A補助金に採択されるためには、ただ申請するだけでは不十分です。競争率の高い補助金であるため、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

1. 明確な事業計画書を作成する

採択されるためには、補助金の活用目的や具体的な事業計画を明確に示す必要があります。特に「事業承継後の成長戦略」や「M&A後の経営統合計画(PMI)」を具体的に記載しましょう。

2. 採択基準に合致することを意識する

審査では、補助金の目的に合致しているかが重視されます。特に「地域経済への貢献」や「賃上げを含めた成長戦略」など、公式に示されている採択基準を意識した申請書作成が重要です。

3. 専門家のサポートを活用する

M&Aや事業承継に精通した専門家のアドバイスを受けることで、申請書の精度を高めることができます。また、専門家活用枠を利用することで、申請費用を補助してもらうことも可能です。

4. 前年度の変更点を把握しておく

2025年度の変更点を把握し、それに対応した申請書を作成することが重要です。特に補助金額や補助率、対象経費の変更点を確認し、それに合わせた計画を立てましょう。

5. 不備なく申請書を提出する

申請書類の不備や記載漏れは致命的です。提出前に再確認し、提出期限を守ることも大切です。
これらのコツを押さえて申請を行うことで、事業承継・M&A補助金に採択される可能性を高めることができます。

個人事業主が事業承継・M&A補助金を活用した事例

個人事業主でも「事業承継・M&A補助金」を活用することで、事業の成長や再チャレンジを実現することができます。ここでは、2025年度の各申請枠ごとに具体的な採択事例を紹介します。

1. 事業承継促進枠の採択事例

事例:老舗和菓子店の事業承継による販路拡大
Aさんは、60年以上続く老舗和菓子店の経営者である父から事業を引き継ぐことになりました。承継後、販路拡大と生産効率の向上を目指して、新しい製造設備を導入することを決意。
補助金を活用し、最新の和菓子製造機器を導入することで、製造コストを20%削減。また、オンライン販売システムも構築し、売上を大幅に伸ばすことに成功しました。
結果: 売上が前年対比150%に増加し、地域の特産品としてのブランド力も強化。

2. 専門家活用枠の採択事例

事例:美容サロンのM&Aによる経営拡大
Bさんは、個人で経営していた美容サロンを拡大するため、近隣で評判の良い別の美容サロンをM&Aで譲り受けることを決定。
この際、フィナンシャルアドバイザー(FA)とデューデリジェンス(DD)の専門家を活用するための費用を補助金で賄うことができました。
結果: M&A後の店舗統合に成功し、サービス品質を維持しながら新規顧客を30%増加させることに成功。

3. PMI推進枠の採択事例

事例:製造業のM&A後の経営統合(PMI)支援
C社は、製造業において競合他社をM&Aで買収しました。しかし、異なる社風や経営システムの統合に苦労していました。
PMI推進枠を利用して、経営統合のためのコンサルティングや新しいITシステムの導入に取り組みました。
結果: ITシステムの統合と経営方針の見直しにより、生産効率が25%向上し、コスト削減にも成功。

4. 廃業・再チャレンジ枠の採択事例

事例:飲食店経営からの業態転換と再挑戦
Dさんは、個人で経営していた飲食店を廃業する決意をしました。しかし、長年の飲食業で得たノウハウを活かし、新たにケータリング事業を立ち上げることを決意。
廃業にかかる在庫廃棄費や店舗の解体費用を補助金で支援され、再チャレンジのための資金を確保できました。
結果: ケータリング事業は軌道に乗り、地域のイベントや企業向けサービスとして広く支持されるようになりました。

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事業承継・M&A補助金(旧:事業承継引継ぎ補助金)の全枠の平均採択率は約57%です(9次公募まで採択率)。
採択率は申請する枠によって異なりますが、過去には枠によっては40%を切る公募回もありました。
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