令和8年度「業務改善助成金」はいつから?変更点も分かりやすく解説!
本コラムでは、業務改善助成金の概要や公募スケジュールなどをわかりやすく解説します。令和8年度、業務改善助成金に申請する方はぜひご覧ください。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
業務改善助成金は、最低賃金の引き上げと設備投資を支援する制度
令和8年度の業務改善助成金は、2026年9月1日頃から申請受付が開始する
令和8年度の業務改善助成金は、4つの変更点がある
業務改善助成金とは?

業務改善助成金とは、中小企業や小規模事業者が生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内最低賃金を引き上げた場合に費用の一部を助成する制度です。
例えば、機械設備の導入や業務システムの導入、人材育成などを行い、その結果として従業員の賃金を引き上げる場合に助成を受けられます。
制度の目的は、中小企業の生産性向上と賃上げの両立です。そのため、設備投資だけではなく、賃金引き上げが必須条件となっています。
制度の概要は次の通りです。
項目 | 内容 |
対象事業者 | 中小企業・小規模事業者 |
助成上限額 | 最大600万円 |
助成率 | 3/4~4/5 |
賃金引き上げ額は50円・70円・90円のコースがあり、引き上げ額や対象人数によって助成上限が変わります。
令和8年度の業務改善助成金はいつから?
令和8年度の業務改善助成金は、令和8年9月1日頃から申請受付が始まる予定です。
申請期間と合わせて、賃金引上げを行うべき期間は以下の通りです。
申請期間:令和8年9月1日から
締切日: 申請事業所の都道府県における地域別最低賃金の発効日の前日、または令和8年11月30日のいずれか早い日まで。
賃金引上げ期間:令和8年9月1日から、申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日までに行う必要。
地域別最低賃金の発効に対応して引き上げる場合、必ずその発効日の前日までに引き上げを完了させ、就業規則等に改定後の賃金額を定める必要があります。
発効日当日の引き上げは対象外となるため、注意が必要です。
地域別最低賃金は例年10月頃に改定されます。そのため、申請期限は多くの地域で9月下旬〜10月頃になる可能性があります。
参考:労働基準局賃金課
申請の準備ポイント
令和8年度は予算が増額される予定ですが、対象事業場の条件も緩和されるため、申請件数の増加が予想されます。
申請を検討している場合は、夏頃までに次の内容を整理しておくとスムーズです。
導入する設備(機械・システムなど)
賃金引き上げ額(50円・70円・90円コース)
賃上げ対象となる従業員数
特に重要なのは、設備の購入は必ず交付決定後に行う必要がある点です。
申請前に設備を注文した場合、助成対象外になるため注意してください。
令和8年度の業務改善助成金の変更点は?
令和8年度の業務改善助成金の変更点は以下3点です。
自動車は原則対象外に(※特殊用途自動車のみ対象)
賃上げの対象は「雇用保険に加入している従業員」に限定
物価高騰の判定方法が「直近6か月の平均」に変更
1.自動車は原則対象外に(例外あり)
これまで特例で対象となるケースもあった自動車ですが、令和8年度からは原則対象外となりました。
ただし、業務に特化した「特殊用途自動車」は引き続き対象です。
対象になる例:リフト付き福祉車両など(送迎時間の短縮につながるもの)
対象外の例:一般的な乗用車、貨物車、社用車など
「業務効率化に直結するかどうか」が判断ポイントです。
2.対象となる従業員の条件が厳格化
賃上げの対象となる従業員は、雇用保険に加入している人に限定されました。
目安としては、週20時間以上働く従業員が対象になります。
アルバイトやパートでも、条件を満たしていれば対象に含めることが可能です。
3.物価高騰の判定方法が変更
利益が下がっているかどうかを判断する「物価高騰等要件」の計算方法も変わりました。
変更前:直近3か月のうち任意の1か月
変更後:直近6か月の平均
より長い期間で判断されるため、一時的な変動ではなく継続的な影響が重視される形になっています。
この要件を満たすと、パソコンやタブレットの導入も対象になる「特例事業者」として認められる可能性があります。
申請の際の注意点
申請時に押さえておきたいポイントは、主に以下の6つです。
交付決定前に契約・購入はNG:審査中や申請前に設備を発注・購入すると対象外になります
賃上げは期限内に実施:最低賃金の発効に合わせる場合は、前日までに引き上げが必要です
就業規則に必ず反映:引き上げ後の賃金は書面(就業規則など)に明記します
対象従業員の条件を確認:週20時間以上で雇用保険に加入している従業員が対象です
申請は年1回まで:同一事業場での申請は年度内1回に限られます
早めの申請が重要:予算上限に達すると、期間内でも受付終了になります
おすすめの人気コラム

監修者からのワンポイントアドバイス
令和8年度は対象事業者の枠が広がる一方、最低賃上げ額のハードルが「50円」に引き上げられます。募集時期も最低賃金改定に合わせて春から秋に変更されることとなります。そのため申請を予定されている方は注意しましょう。尚、本年度の予算は増額となっています。
