【2024年度継続】小規模事業者持続化補助金の「創業枠」をわかりやすく解説します!

直近3年間のうちに新しい事業を始めた個人や企業が対象となる小規模事業者持続化補助金の「創業枠」。 中小企業庁が公表した情報によると、2024年度も「創業枠」は継続される予定です。 今回は具体的な対象者や活用方法をご紹介します!
中本 明日香

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創業枠

【2024年・令和5年公募】小規模事業者持続化補助金とは

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者が持続的な経営を図るため、政府や地方自治体により実施される支援策です。

この補助金制度は、小規模事業者が自ら作成した経営計画に基づき、販路開拓や商品改良・開発などに取り組む際に支援を行います。

「販路開拓のための」という要件はありますが、個人事業主や小規模事業者にとっては、比較的使いやすく、はじめて補助金を使うという方にもオススメの補助金です。

具体的には、新たな市場への参入を目指すために販売戦略を工夫したり、新たな顧客層を獲得するために商品の改良や開発を行ったりすることが支援の対象となります。

補助金は、補助事業に必要となる経費を一部補助する形で支給されます。
2024年度の小規模事業者持続化補助金について、くわしい変更点や内容などは以下のコラムをご覧ください!


創業枠とは?

「創業枠」は、小規模事業者持続化補助金の特別枠の1つで、特別枠の場合、最大200万円(インボイス特例事業者は250万円)の補助が受けられます。

「創業枠」は、新しく事業を始めた人や会社が特別な支援を受けるための仕組みです。
この制度では、直近3年間に新しく事業を始めた人や企業に対して、支援が行われます。

対象となるのは、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した 「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受けている事業者です。

「認定特定創業支援等事業」とは、自治体が民間の創業支援機関と協力し、創業者に向けた支援事業を実施し、国がこれを認定する仕組みです。
この事業に参加すると、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」が交付され、これを持つ創業者は様々なメリットがあります。
具体的な要件は、自治体主催の創業セミナーへの参加や商工相談員・アドバイザーの支援を受けて創業計画書を作成することです。
この計画書には、事業内容や動機、販売先・仕入れ先、資金計画などが含まれます。対象期間は自治体により異なり、1年から5年未満ほどです。

「証明書」の交付にはたとえば次のようなメリットがあります:
1.法人設立時の登録免許税の軽減
2.信用保証協会による早期保証受け取り可能
3.日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の要件の緩和
4.「創業助成金」や本補助金「創業枠」の申請が可能となる
これにより、創業者はスムーズな経営スタートや資金調達が可能となります。ただし、メリットの内容は自治体によって異なるため、詳細な情報は事前に確認が必要です。


創業枠の対象経費は?活用例もご紹介!

小規模事業者持続化補助金では、販路開拓や生産性向上に取り組むために必要な経費が補助の対象となります。

たとえば、「創業枠」では、創業時に必要な設備の購入や、広告やチラシ作成などの広報費用、WEBサイトの開設や運用に係る費用、新商品開発に必要な費用など、創業前後に必要となる経費が幅広く対象となりますのでおすすめです。

具体的な補助対象経費は以下の表の通りです。

補助対象経費活用例
(1)機械装置等費補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等
(2)広報費新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等
(3)ウェブサイト関連費ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費
(4)展示会等出展費展示会・商談会の出展料等
(5)旅費 販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
(6)新商品開発費新商品の試作品開発等に伴う経費
(7)資料購入費補助事業に関連する資料・図書の購入費用等
(8)雑役務費 補助事業のために臨時的に雇用したアルバイト・派遣社員に係る費用
(9)借料機器・設備等のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
(10)設備処分費新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等
(11)委託・外注費舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須)


創業枠の活用例
古民家をカフェとして営業するため、厨房を設置
加えて、地元飲食店とのコラボ メニュー開発や、地域住民の協力を得て様々なイベントをカフェで開催。

創業枠の対象要件

産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ、過去3か年の間に開業した事業者であること。

また、「認定特定創業支援事業」の支援を受ける人の要件として、法人、個人それぞれ以下の条件があります。

法人の場合
法人の代表者(①~③)が、特定創業支援等事業による支援を受けた者であることが要件(代表者以外の役員や従業員等が直接支援を受けた場合は対象外)
①会社設立の場合 ⇒ 代表取締役又は代表社員
②企業組合・協業組合の場合 ⇒ 代表役員
③士業法人の場合 ⇒ 代表社員

個人事業主の場合
個人事業主本人が、特定創業支援等事業による支援を受けた者であることが要件(個人事業主本人以外の者(家族専従者や後継予定者等)が直接支援を受けた場合は対象外)。

創業枠の補助額・補助率

小規模事業者持続化補助金の補助上限額は、通常枠で50万円、特別枠の場合は200万円までです。
「創業枠」は、特別枠ですので、以下の補助額・補助率となります。

補助上限額:200万円
補助率:2/3

こちらに加え、インボイス特例事業者に当てはまる場合はさらに50万円上乗せされます。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック

インボイス特例事業者とは
2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者で あったまたは免税事業者であることが見込まれる事業者および2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録が確認できた事業者であること


創業枠の申請の必要書類は?

小規模事業者持続化補助金の「創業枠」に申請する際には、全枠共通の「経営計画書」(様式2) 、 補助事業計画②(様式3)に「創業枠」欄にチェックをし、以下の書類をすべてそろえて提出します。

(1)産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携 した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」によ る支援を受けたことの証明書の写し。(法人・個人共通)

<法人の場合>
(2)現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(原本)
※申請書の提出日から3か月以内の日付のものに限ります。
<個人事業主の場合>
(2)開業届(税務署受付印のあるもの)の写しを申請書に添付
※電子申告した方は、「受付結果(受信通知)」を印刷したものを受付印の代用として添付。


創業枠の採択率は?

小規模事業者持続化補助金は、枠ごとの採択結果を発表していないため創業枠のみの採択率は確認できません。
ただし、小規模事業者持続化補助金<一般型>の全枠の採択結果は発表されており、直近(13)だと採択率約57%です。

これまでの採択率を比較すると、比較的高い採択率だった小規模事業者持続化補助金は、コロナ禍初期に創設された「コロナ特別対応型」で、申請者が急増し、採択率が第4次あたりで厳しい結果に。その後徐々に持ち直しましたが、11回以降、採択率60%を下回っている状況です。
小規模の採択率推移のグラフ

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さらに採択されるための「精度の高い事業計画書」を作成する必要があり、自信も時間もなく申請自体あきらめてしまう事業者さまが多いのが現状です。

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