現在事項全部証明書のオンライン取得方法|法務局で手軽に申請

現在事項全部証明書のオンライン取得方法は、他の登記簿関連の書類と同様、法務局の登記ねっとを使って取得します。 今回は、現在事項全部証明書のオンライン取得方法を中心に解説します。
井上 雅也

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現在事項全部証明書 オンライン

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

現在事項全部証明書をオンラインで取得するには?

現在事項全部証明書は、法務省が提供する登記ねっとを使用すれば、パソコンやスマートフォンから簡単に申請が可能です。

申請には事前に利用者登録が必要ですが、一度登録を済ませれば以後の手続きがスムーズになります。

オンラインの取得手順を下記にまとめました。

  1. 登記ねっとのシステムにログインし「かんたん証明書請求」をクリック
  2. 「商業・法人」の欄から、登記事項証明書(商業・法人)にアクセス
  3. 会社情報か法人番号を入力し、自社の検索をする
  4. 申請書作成画面で、必要書類・書類の枚数等を入力
  5. 取得方法(法務局で直接受け取るか、郵送で受け取るか)の選択をする
  6. 手数料を納付して、自身の選択した受け取り方法に従う

オンラインでの取得は、申請から受け取りまでが非対面で完結するため、忙しい人にとって非常に便利です。

特に法人で複数の証明書が必要な場合、オンライン手続きは短時間で対応できます。

窓口に足を運ぶ必要がなく、必要な書類をインターネット上で申請し、短時間で取得できる利便性が大きな魅力です。

また、取得した証明書を電子データで利用することも可能なため、デジタル化を進めている企業には特に有用です。

注意点として、登記ねっとのオンライン受付時間は平日の8時30分から21時までなので、受付時間を把握しておきましょう。

オンライン申請を活用して、迅速かつ正確に現在事項全部証明書を取得してください。

現在事項証明書についてのコラムも参考にしてください。

現在事項全部証明書とは?履歴事項全部証明書との違いと取得方法を解説!

参考:登記・供託オンライン申請システム|登記ねっと 供託ねっと

現在事項全部証明書とは?

現在事項全部証明書は、法人登記情報を確認する際に用いられる公的な書類です。

この証明書には、法人の基本情報や現在の状態が網羅的に記載されており、企業の信頼性や現状を示す証拠資料として利用されています。

この証明書が重要とされる理由は、法人に関する正確な情報を第三者に提示できる点です。

具体的には、会社設立時の登記情報や現在の役員構成、本店所在地、資本金の額などが含まれており、取引先や金融機関との信頼構築に役立ちます。

また、不動産取引や法的手続きにおいても必須の書類とされています。

不動産契約の際には、売主や買主が法人である場合に、この証明書を提出することで、契約者が実在する法人であることを証明できます。

同様に、銀行口座の開設時や融資申請の際にも、法人の情報を証明するために提出を求められるケースが多いです。

このように現在事項全部証明書は、法人の現状を客観的に示す役割を果たしています。

取引や手続きを円滑に進めるためにも、この証明書の内容を把握し、必要に応じて取得の準備をしておくことが大切です。

現在事項全部証明書の申請に必要なもの

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現在事項全部証明書を申請する際には、いくつかの書類や情報が必要です。

まず、最も重要なのは法人の基本情報です。

具体的には、法人名法人番号本店所在地などの情報を正確に準備する必要があります。

これらは申請内容の正確性を確保するために必要不可欠であり、書類の発行に直接影響します。

次に、申請者の本人確認書類も必要です。

窓口申請の場合は運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの公的な本人確認書類を提示する必要があります。

一方、オンラインで申請する場合には、登記ねっとへの利用者登録と、電子証明書を用いた本人確認が必要です。

この電子証明書は、マイナンバーカードを使用することで取得することも可能です。

さらに、手数料の支払い手段も準備が必要です。

窓口での支払いには現金が主に使われますが、オンライン申請ではクレジットカードや電子マネーが利用できる場合もあります。

必要な手数料の額や支払い方法は、申請方法によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

以上を準備することで、現在事項全部証明書の申請手続きはスムーズに進められます。
参考:会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ

オンライン取得以外の方法

現在事項全部証明書を、オンライン以外で取得する方法をご紹介します。

郵送で取得する場合

郵送で現在事項全部証明書を取得する方法は、法務局に直接行けない場合に利用されます。

まず、請求書や申請書を法務局のウェブサイトからダウンロードし、必要事項を記入します。

その際、法人名や本店所在地などの基本情報を正確に記載することが重要です。

次に、手数料分の収入印紙を購入し、申請書に添付します。収入印紙は郵便局や法務局の窓口で購入可能です。

また、返信用封筒に切手を貼り、自分の住所を記載して同封する必要があります。

返信用封筒が不足している場合、証明書を受け取れない可能性があるため注意が必要です。

郵送での手続きは時間がかかる場合があるため、早めに申請を行うことをお勧めします。

通常、申請から証明書が届くまでには数日から1週間程度かかります。
参考:会社・法人の登記事項証明書の郵送請求PDF

法務局の窓口で取得する場合

法務局の窓口で直接申請する方法は、急ぎで証明書が必要な場合手続きの詳細を確認しながら進めたい方に適しています。

窓口では、申請書を記入して提出するだけで手続きが完了します。

申請書は法務局に備え付けられているほか、事前にウェブサイトからダウンロードして記入することも可能です。

手続きに必要なものは、法人名や所在地の情報が記載された申請書、そして手数料分の収入印紙です。

手数料は証明書の部数に応じて異なるため、申請前に確認しておくとスムーズです。

窓口での申請の場合、その場で証明書を受け取れるため、郵送やオンライン申請に比べて即時性が高いのが利点です。

郵送申請でも窓口申請でも、必要書類や手数料を事前に確認し、準備を整えておくことが重要です。

現在事項全部証明書の取得にかかる手数料

現在事項全部証明書を取得する際には、手数料の支払いが必要です。

この手数料は申請方法によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

まず、オンラインで申請する場合の手数料は、窓口申請に比べて安い傾向があります。

登記ねっとを利用する場合、電子証明書として取得する方法では手数料がやや割安になります。

オンライン請求で法務局の窓口で受け取る場合は480円オンライン請求で郵送受け取りの場合は500円です。

これにより、コストを抑えつつ迅速に証明書を取得できるでしょう。

次に、法務局の窓口で取得する場合の手数料は、1通あたり600円です。

窓口申請は即時性がある一方で、オンライン申請に比べて手数料が高く設定されている点が特徴です。

郵送で申請する場合の手数料も窓口申請と同様に600円です。

さらに、返信用封筒に貼る切手代が別途必要になるため、全体的なコストがやや高くなる傾向があります。

この方法を利用する際には、収入印紙や切手を事前に準備しておくことが重要です。

手数料の支払い方法は、オンライン申請ではクレジットカードや電子マネーが使える場合があり、窓口や郵送では収入印紙での支払いが一般的です。

申請の際に必要な手数料を正確に確認すると、無駄な手間や遅延を防ぐことできます。ご自身で最適な方法を選びましょう。

現在事項全部証明書の記載内容

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現在事項全部証明書には、法人の登記事項に関する全ての現在情報が記載されています。

この証明書は、法人の実態を正確に把握するための重要な資料となるため、その内容を理解しておくことが重要です。

まず、基本情報として法人の商号が記載されます。商号とは法人の名称を指し、登記された正式名称が明記されています。

また、本店所在地も記載されており、法人の拠点がどこにあるのかが明確になります。これらの情報は法人の識別において基本となる項目です。

次に、設立年月日や目的が記載されます。設立年月日は法人が設立された日を示し、歴史や信用性を判断する材料となります。

目的は法人がどのような事業活動を行うために設立されたかを示すもので、具体的な事業内容が記載されています。

さらに、役員に関する情報も重要な内容の一つです。

取締役や代表取締役の氏名、役職、就任日などが記載されており、法人の経営体制を把握することができます。

また、現在の資本金の額や株式に関する情報も記載されており、法人の財務状況や出資構成を確認することが可能です。

ちなみに、変更履歴については記載されていないので、過去の履歴を確認したい場合は履歴事項全部証明書を別途取得する必要があります。

このように、現在事項全部証明書には法人の現状を示す詳細な情報が含まれています。

取引先や金融機関との信頼関係を構築する上で重要な資料となるため、取得した際は内容を正確に確認し、必要に応じて活用してください。

履歴事項全部証明書については、以下のコラムで確認できます。

履歴事項全部証明書とは?取得方法や手数料について分かりやすく解説!

現在事項全部証明書が必要な場面

現在事項全部証明書は、法人に関する詳細な情報を示す公的な書類であり、特定の手続きや取引において必要とされる場面が多々あります。

まず、不動産取引では、売主または買主が法人である場合に提出を求められることが一般的です。

この証明書により、契約相手が実在する法人であることや、登記情報が最新であることを確認できます。

不動産の所有権移転や賃貸借契約の締結時に必要となるケースが多いです。

次に、銀行口座の開設時にも必要です。

法人名義の口座を開設する際には、法人の正式な登記情報が確認できる書類として、この証明書の提出が求められます。

これにより、銀行は申請者が適切な法人であることを確認し、口座の不正利用を防止しています。

さらに、融資の申し込みや信用取引を行う場合にも必要になる場合があります。

金融機関や取引先が法人の信用性を確認するために、登記情報を示す資料として提出を求めることがあります。

たとえば、代表取締役の名前や資本金の額など、経営状況を判断するための参考資料となります。

そして、官公庁に対する各種申請や許認可の手続きでも、この証明書が必要となることがあります。

特に建設業や飲食業など特定の業種では、営業許可や登録申請時に法人の正当性を証明するために利用されます。

これらの場面では、現在事項全部証明書が法人の現状を示す信頼性の高い資料として機能します。

そのため、必要なタイミングで迅速に取得できるよう、申請手続きの方法や必要書類を事前に確認しておくことが重要です。

この証明書を活用することで、スムーズな取引や手続きを進めることが可能となります。

現在事項一部証明書との違い

現在事項全部証明書と現在事項一部証明書は、どちらも法人の登記内容を証明する書類ですが、記載内容や利用目的に大きな違いがあります。

現在事項全部証明書は、法人の登記事項全てを網羅的に記載した証明書です。

一方、現在事項一部証明書は、登記事項のうち特定の内容のみを記載した証明書です。

たとえば、役員情報だけ、または本店所在地だけを証明したい場合などに利用されます。

一部証明書を取得する際には、必要な項目を指定して申請することが可能です。

そのため、提出先から求められる情報が限定的である場合や、不要な情報を省略したい場合に便利です。

具体例を挙げると、金融機関に法人名義の口座開設を依頼する場合は、現在事項全部証明書を提出することが一般的です。

一方、特定の役員に関する情報のみを確認したい取引先に対しては、一部証明書の提出で十分な場合もあります。

また、取得コストや手続き面にも違いがあります。

一部証明書は記載内容が限定されるため、必要な情報を最小限に絞れる分、発行費用が抑えられるのです。

一方、全部証明書は全ての情報が含まれるため、詳細な確認が必要な場面で選ばれます。

現在事項全部証明書は包括的な情報を提供するものであり、現在事項一部証明書は必要最小限の情報を提供するものです。

それぞれの特徴を理解し、提出先や利用目的に応じて適切に使い分けることが重要です。

現在事項全部証明書の取得に関して困った時は?

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現在事項全部証明書の取得に関して困ったことがあった場合、解決策を知っておくことでスムーズに問題を解消できます。

申請手続きや必要書類に関する疑問、トラブルが発生した際の対応方法について解説します。

まず、申請方法や手続きが分からない場合は、最寄りの法務局に問い合わせるのが有効です。

法務局の窓口では、担当者が手続きの流れや必要書類について丁寧に案内してくれます。

また、法務局の公式ウェブサイトには、申請書の記入例や手続きの詳細が掲載されているため、事前に確認することで疑問を解消できることもあります。

オンライン申請に不慣れで手続きが進められない場合は、登記ねっとのサポートセンターを利用すると良いでしょう。

このシステムには、操作に関するヘルプページや問い合わせ窓口が設置されており、具体的な問題解決に役立ちます。

特に電子証明書の取得やシステムの利用登録で躓きやすいため、サポートを活用することで迅速に解決できます。

必要書類の不足や記載内容の不備が指摘された場合は、速やかに不足分を補い、正確な情報で再申請を行うことが重要です。

特に郵送申請の場合、返信用封筒の不足や切手の貼り忘れなど、基本的なミスが原因で手続きが遅れることがあります。

このような問題を防ぐため、申請前に書類のチェックリストを作成し、不備がないか確認することが効果的です。

手続きが難しい場合や時間が取れない場合には、行政書士や司法書士などの専門家に依頼する方法もあります。

専門家は迅速かつ正確に手続きを代行してくれるため、特に忙しい法人担当者や初めて申請を行う人には心強い選択肢です。

困ったことがあった場合には、法務局やオンラインサポートを活用し、適切に対処することで、現在事項全部証明書の取得を円滑に進めることができます。

また、事前準備を徹底することで、トラブルを未然に防ぐことにもつながるのです。
参考:法務局(よくあるご質問等<商業・法人登記関係>)

【まとめ】現在事項全部証明書をオンライン取得しよう!

今回は、現在事項全部証明書のオンライン申請方法を中心に解説しました。

現在事項証明書は法務局で取得でき、ご自身の都合に合わせて簡単に取得ができます。

ただし、取得方法によって手数料がかかってくることには注意しましょう。

また、現在事項一部証明書の違いを明確にしたうえで、適切に現在事項全部証明書を活用することが重要です。

今回のコラムを参考に、現在事項全部証明書を間違いのないようにオンライン取得をしてください。

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