IT導入補助金の申請代行とは?メリットや支援事業者の選び方

IT導入補助金の申請代行とは何でしょうか。IT導入支援事業者と呼ばれる会社がありますが、それが申請サポートを受け付けているようです。これについて詳しく解説していきます。
菱谷 里沙子

更新日:

IT導入補助金 申請代行

IT導入補助金における申請代行って何?


出典:出典:IT導入補助金の申請代行は可能!サポート範囲や費用相場、注意点など紹介
IT導入補助金における申請代行とは、中小企業小規模事業者がITツールを導入する際に、その経費の一部を補助するための申請手続きを支援してくれるサービスです。

支援であって、完全に申請手続きを代行してくれるわけではありません。

申請代行と申請サポートは違う

申請代行と申請サポートの違いを理解しておきましょう。

IT導入補助金の申請には、外部の事業者にすべてを任せる申請代行と呼ばれる方法は、実は認められていません。これは、申請をする本人(企業など)が、自分で手続きを行うことが大原則だからです。

しかし、申請の過程で困ったことや不安なことがあれば、申請サポートを受けることは可能です。

このサポートは、申請者が行うべき手続きを手助けしてくれるものであり、手続きそのものを他の人に任せてはいけません。

たとえば、申請書類をどのように書けばいいか助言をもらったり、申請手続きの進め方を教えてもらったりすることができます。それでも、申請をすべて代わりにやってもらうことはできません。

申請者は自分で作業を進めなければならないという点に注意しましょう

IT導入補助金は、業務の効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を目的としており、申請には特定の手続きが必要です。

IT導入補助金の概要

IT導入補助金の目的は、中小企業等の労働生産性を向上させるため、ITツールの導入を支援することです。

補助額は最大350万円で、補助率は1/2~2/3です。

申請手続きについてですが、申請者はIT導入支援事業者と呼ばれる登録された事業者を通じて申請を行う必要があります。

とはいえ、支援事業者に申請手続きを丸投げしていいわけではありません。支援事業者は申請手続きを全部最初から最後まで代行してくれるわけではなく、あくまでサポートです。

支援事業者のサポートによって、申請書類の作成や必要な情報の確認がスムーズになるでしょう。
参考:IT導⼊補助⾦のご案内

支援事業者と申請代行者は違うもの?

IT導入補助金 申請代行

支援事業者=支援を代行する者と考えてしまう方がいますが、厳密には異なります。

支援事業者はIT導入補助金に関連する用語ですが、申請代行とは厳密には異なる意味を持ちます。

ここで明確に区別しておきましょう。

支援事業者とは

IT導入支援事業者は、IT導入補助金を利用してITツールを導入する企業を支援する専門業者のことです。

  • ITツールの選定や導入
  • 運用に関するアドバイス

などを提供し、申請手続きのサポートを実施します。

支援事業者の役割は、申請者が補助金を受け取れるように必要な情報を提供し、申請書類の作成や提出に関する助言を行うことです。

あくまでアドバイスの範囲なので、支援事業者自らが申請を代行することはありません。申請者自身が行わなければならない作業(gBizIDの取得など)を代行することまではしません。

申請代行者とは何か

申請代行者は、IT導入補助金の申請手続きを代行する業者の意味です。

しかし、実際には申請代行という形での完全な代行は認められていません。

申請者は、申請手続きの一部を支援事業者にサポートしてもらうことならできますが、申請そのものは申請者本人が行わなければならないからです。

料金を支払っても、第三者に丸投げすることはできません。そういう意味では、申請代行者も完全な代行ではなくサポートに留まるといえます。

申請代行者は、申請書類の作成や必要な手続きの説明を行いますが、申請者が行うべき作業を完全に代行することまではできません。申請代行者は支援事業者の機能の一部を担いますが、申請そのものは代行できない点に注意してください。
参考:IT導入支援事業者とは

申請代行の内容とはどんなもの?

申請代行も完全に手続きを代行するわけではないものの、次のような支援をしてくれます。

書類を作成してくれる

申請に必要な書類の作成や確認をしてくれます。そのため申請者は手間を省きながらも正確な書類を提出できるでしょう。

アドバイスとサポートをしてくれる

IT導入支援事業者は、申請者が必要な手続きを理解しやすくするための助言を提供します。

具体的には、申請要件の確認や、必要な情報の入力方法についての指導が含まれます。

作業補助をしてくれる

申請者自身が行わなければならない作業(gBizIDの取得やSECURITY ACTIONの実施など)については代行が認められていません。

しかし、これらの作業を進めるためのサポートを受けることが可能です。

申請代行の注意点

申請代行には制限がある

IT導入補助金の申請代行は、事務局に登録された企業のみができます。無登録の業者に依頼すると、違法となる可能性があるので注意が必要です

申請者にも責任がある

申請者は、申請に必要な情報を正確に提供し、最終的な申請書の内容を確認する責任があります。

完全に代行してもらうことはできず、申請者も責任を持って手続きする必要があります。

このように、IT導入補助金の申請代行は、申請者が補助金を受けるための支援をしてくれるものの、申請者自身の関与も不可欠です。

また、無登録の業者に申請代行を依頼してしまうと違法になる恐れがあるので、必ず登録されている申請代行業者に依頼しましょう。

支援事業者から受けられる支援サポートとは?

IT導入補助金に申請する際、支援事業者から受けられる申請サポートには、どのような内容が提供されるか確認しておきましょう。これを理解しておけば、どんなサポートを受けられるのか事前に確認しておくことが可能です。

以下に、サポートが可能な内容と不可能な内容を分けて見てみましょう。

支援事業者から受けられるサポート内容


出典:あなたの会社で使える補助金がわかる

補助金の概要や申請方法の説明を受ける

→どのような補助金がもらえるのか、申請方法はどうすればよいかといった基本的な説明を受けられます。

申請画面の操作方法を教えてもらう

→申請の際に使うオンラインの申請画面をどう操作すればよいか、不明点を教えてもらえます。

事業計画書への助言を受ける

→申請書の中で、事業計画書という重要な部分を作成する際に、どのように書けばよいか助言がもらえます。

提出書類の内容を確認してもらう

→提出する書類が正しく作成されているか、内容をチェックしてもらえます。

入力した内容の確認をしてもらう

→申請者で入力した内容に誤りがないか確認してもらえます。

受けられないサポートには何がある?

支援事業者は申請をサポートしてくれるものの、対応できないこともあります。

申請手続きをすべて代行すること

→支援事業者に全部任せて最初から最後まで申請を代行してもらうことはできません。

どんなに登録されている正規の支援事業者だとしても、すべてを代行することまでは認められていません。申請者は自分でしなければなりません。

代わりに入力作業を行うこと

申請に必要な情報を代わりに入力してもらうことはできません。自分で行う必要があります。

一部のステップ代行してもらうこと

すべてを代行してもらうことはできないと前述しましたが、一部だけ代行してもらうことも不可です。

たとえば、申請に必要なgBizIDの取得などを、代わりに支援事業者にしてもらうことはできません。申請者本人がしなければなりません。

申請者とIT導入支援事業者が協力することが大事


出典:利用者の総合的なマネジメントを行います
IT導入支援事業者に申請代行をしてもらえないなら、あまり依頼する意味がないと考えるかもしれません。

しかし、IT導入支援事業者に依頼することは多いに役立つことです。申請サポートを受けられるだけでも、かなり申請者の手間暇は削減されるでしょう。

それに加え、形式通りで不備のない、より正確な申請書類を作成可能です。専門家のチェックや助言を受けられるため、誤った書類や不利な文面を申請してしまうことはないでしょう。

IT導入補助金の申請では、申請者とIT導入支援事業者が一緒に手続きを進めることで成功率が高まります。

申請者が入力する内容とIT導入支援事業者が入力する内容は、きっちりとわかれています。したがって、互いに協力しながら進めることになります。

もっと具体的に言うと、申請者はまず申請マイページを開設して、事業者情報や補助事業情報を入力する必要があります。

また、必要な書類を準備して添付し、SMS認証を受けて提出します。

その後、IT導入支援事業者が申請者に必要な情報を提供し、ITツール情報を入力し、事業計画書を一緒に作成するという流れです。

このように、申請者とIT導入支援事業者は、互いに必要な情報をやり取りしながら申請手続きを共同で進めていきます。そのため、どちらか一方だけが無理に頑張るのではなく、お互い協力しながら作業することが前提です。

協力して行えば、負担がどちらか一方に極端に偏ることはないでしょう。
参考:ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む)

申請サポートを依頼するとこんなメリットが得られる

IT導入補助金の申請にあたっては、支援事業者と協力して申請することがほぼ必須です。

申請サポートを受けると、以下のようなメリットが期待できます。

不安が軽減される

申請手続きは、初心者には難しく感じることがあるでしょう。

しかし、支援事業者によるプロのサポートを受ければ、どこでつまずいているか、どう進めばいいかが明確になります。これにより、申請に係る不安を軽減できます。

作業がスムーズになる

申請の過程で不明点をその場で解決できるため、無駄な時間を省き、スムーズに手続きを進められるでしょう。

ミスを減らせる

提出する書類や内容にミスがあれば、申請が通らなくなる可能性があります。サポートを受けながら進めることで、ミスを減らし、正確な申請ができるでしょう。
参考:登録申請・手続きフロー

申請サポートを活用する際はここに注意!

申請サポートを受ける際には、いくつかの点に注意してください。

サポート内容を確認しておく

申請サポートを依頼する前に、どんなサポートを受けられるのか具体的に確認しておきましょう。事前に確認しておけば、無駄な心配を減らせるはずです。

サポートを受けながらも自分で作業する

IT導入補助金の申請においては、申請サポートを受けることは認められています。

それでも、完全な代行までは許可されていないことからも、あくまでも自分で手続きを進める必要があります。そのため、支援事業者はあくまで手助けです。

ほかの人にすべてを任せるのではなく、サポートを受けながら自分で進めようとする意識を持ちましょう。

良質なIT導入支援事業者を選ぶにはどうすればいい?



出典:パートナーのイラスト素材透過
信頼できるIT導入支援事業者を選ぶことが大切です。

登録されているIT導入支援事業者すべてが、自社に合う支援事業者とは限りません。数多いIT導入支援事業者の中でも、自社の状況に合ったところを選びましょう。

ふさわしいIT導入支援事業者、信頼できるIT導入支援事業者を選ぶのは難しいですが、おすすめのIT導入支援事業者があります。
信頼できる支援事業者の選択肢なので、支援事業者選びで迷った時はぜひ検討してみてください。

株式会社リアリゼイション



出典:世界一優しい行政手続きに
良質なIT導入支援事業者を選ぶ上で、実績と補助金活用への専門性は欠かせません。

株式会社リアリゼイションは、特にこの分野で高い信頼性を証明している事業者です。

特に、ITツールの導入支援と、それと密接に関わる公的補助金の活用サポートに強みを持っています。

信頼できるポイント(実績と専門性)

  • 圧倒的な補助金申請サポート実績

リアリゼイションは、IT導入の費用負担を軽減する補助金の活用支援に特化した高い実績を持っています。

総サポート件数1,300件以上、申請総額50億円以上(事業再構築補助金等を含む)のサポート実績があり、そのノウハウは非常に豊富です。

特に大型補助金である事業再構築補助金においては100社以上のサポート実績があり、難易度の高い申請にも対応できる専門性があります。

IT導入補助金についてもIT導入補助金2024の採択結果をコラムで公開するなど、最新の制度に合わせた適切なサポートを提供しています。

独自のAIツールによる効率的な情報提供

同社は、中小企業の補助金のもらい損ねゼロを目指し、補助金AIレコメンドという独自のツールを開発・提供しています。

導入企業は450社を突破(2025年9月時点)しており、多くの企業がその有用性を認めています。

このAIツールは、自社に合った補助金情報のみを自動でレコメンドすることで、経営者や担当者が調べる時間を大幅に削減し、補助金を活用した設備投資やIT導入の実現を後押しします。

「行政手続きの複雑さ解消」をミッションとする顧客志向

世界一優しい行政手続きにをキャッチコピーに掲げ、複雑な行政手続きやDX化をしたいが担当者がおらず実現できないという中小企業の課題解決を使命としています。

補助金申請のプロである中小企業診断士行政書士がサポートを監督。

申請の確度を高めるだけでなく、事前の準備から実績報告までをワンストップで代行することで、導入企業の負担を約90%削減(同社実績)することを目指しています。

IT導入に際し、費用面の不安を解消し、確実に補助金を活用したい企業にとって、株式会社リアリゼイションは信頼できるパートナーとなるでしょう。

株式会社SoLabo



出典:2025年1月より事務所を移転いたします
株式会社SoLaboは、IT導入支援事業者として、まさにIT導入補助金の申請サポートを行っている会社です。

実際に、IT導入補助金の採択率は約90%という実績を誇るため、信頼できるでしょう。

これまでの経験をもとに、申請したいツールが補助金の対象になるかどうか無料で診断してくれるサービスも提供しています。これから申請を検討している方は、無料診断を利用してみてください。
参考:【公式】株式会社SoLabo

IT導入支援事業者との信頼関係の構築しよう

IT導入支援事業者とスムーズに連携し、効果的に申請を進めるためには、信頼関係をしっかりと築くことが大切です。

申請書の作成や書類の準備を進める中で、支援事業者とのコミュニケーションは不可欠です。よく相談し、意見を交換することで、申請内容がより良いものとなり、採択される可能性は高まるでしょう。

信頼関係を築くためには、まず自社の経営課題や導入したいITツールに関する具体的なビジョンを支援事業者と共有することです。この共有がなければ、連携はうまくいきません。認識が一致しないまま申請手続きを進めることになります。

支援事業者が提供するアドバイスや提案をしっかりと受け入れ、協力しながら作業を進めていくことが、申請成功につながります。

支援事業者がどのようなサポートをしてくれるのか、どれだけ自社のニーズに対応できるのかを確認しながら進めましょう。

IT導入支援事業者と協力する具体的なステップ

IT導入補助金 申請代行何度も伝えているように、IT導入補助金の申請を成功させるためには、信頼できる支援事業者と協力することが大切です。そのための具体的なステップを踏んで進めていきましょう。

以下では、IT導入支援事業者と共に申請を進める際の具体的なステップを紹介します。

事業内容と課題を共有する

最初に、自社の事業内容や抱えている課題をIT導入支援事業者にしっかりと伝えましょう。どのような業務改善を目指しているのか、どの部分に課題があるのかを明確に伝えることで、支援事業者は最適なサポートを提供しやすくなります。

導入するITツールを選ぶ

導入するITツールを選びましょう。この段階で、支援事業者は自社の業務に最も効果的なITツールを提案してくれます。そのアドバイスをしっかりと受け止め、検討してください。

ITツールの選定は事業改善に大きな影響を与えるため、慎重に行いましょう。

協力して申請書類を作成する

申請書類の作成には、細かい情報数字が求められます。支援事業者と密に連携し、申請書を作成しましょう。

二人でチェックしながら進めれば、ミスをなくせます。

計画の具体性や目標値の設定についても、支援事業者からアドバイスをもらいながら進めると、より良い書類ができ上がります。

提出前の最終確認をする

申請書類が完成したら、提出前に支援事業者と一緒にチェックしましょう。不備や抜け漏れがないか、全部の要件が満たされているかを確認してください。

提出とフォローアップ

申請書を提出した後も、支援事業者と連携を取りながら審査結果を待ちましょう。

申請後のフォローアップも欠かせません。

必要に応じて追加書類や修正が求められることがあるので、柔軟に対応しましょう。

おわりに

IT導入補助金に関する申請手続きは、申請代行ではなく、申請サポートを受ける形で進めます。

申請代行というと、申請手続きをすべて外部の事業者に任せられると思いがちですが、そうではありません。実際にはこれに対する規制があり、申請者自身が積極的に手続きを進めることがルールです。

とはいえ、申請代行ではなく申請サポートという形で活用すれば、専門の支援を受けながらスムーズに申請を進められます。申請サポートを受ける場合はルール違反にはなりません。

申請サポートとは、申請者が自分で進めるべき作業を補助してくれるサービスです。

たとえば、事業計画書の作成にアドバイスを受けたり、申請画面の操作方法をサポートしてもらったり、必要書類の確認を手伝ってもらったりできます。これにより、申請の手続きを効率よく進められるでしょう。申請者の負担は大きく軽減されます。

特に初めてIT導入補助金に申請を行う方にとっては、このサポートが大いに役立つはずです。

申請サポートを受ける際には、全部の手続きを他の事業者に任せることはできません。

申請者が入力すべき情報や必要書類の提出、申請に必要な認証を行うなど、あくまで申請者自身で対応する必要があります。これは、IT導入補助金の規定に則ったものであり、申請者が主導で進めなければならないということです。

申請サポートを活用する際には、信頼できるIT導入支援事業者を選び、その支援を受けながら共同で申請手続きを進めましょう。優れたIT導入支援事業者は、申請者と協力しながら、細かな助言やサポートを提供してくれます。申請を円滑に進めるためのパートナーとして頼りになるでしょう。

IT導入補助金の申請において、申請代行は認められていないことを踏まえ、必要なサポートを受けながらも、最終的には申請者自身が責任を持って手続きを進める姿勢を維持してください。

こうしたサポートをうまく活用すれば、申請がスムーズになるでしょう。

IT導入補助金の申請手続きは複雑に感じるでしょうが、適切なサポートを受けることで安心して進められます。もしこれから申請を検討しているなら、信頼できるIT導入支援事業者に相談し、サポートを受けながら申請手続きを進めましょう。

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人物

監修者からのワンポイントアドバイス

IT導入補助金などの補助金申請では補助金ごとに必要書類が異なります。また審査されるポイントも異なり、これらを網羅した申請書を作成する事は困難を極めます。採択される申請書の作成が重要となって来ますので専門家の支援を受けながら申請される事をお薦めさせて頂きます。