小規模事業者持続化補助金の加点とは?全加点項目の解説と選び方!
小規模事業者持続化補助金の加点とは、採択審査で採択率を高める評価制度です。本コラムでは、小規模事業者持続化補助金の加点項目の仕組みや選び方、注意点をわかりやすく解説します。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
加点は「重点政策加点」と「政策加点」の2種類がある
それぞれ1つずつ、合計2つまでしか選べない
条件を満たさないと加点どころか減点リスクもある
小規模事業者持続化補助金の審査方法
小規模事業者持続化補助金は、申請すれば必ずもらえるものではなく、「審査」を通過した事業者だけが採択(=補助金の対象)となります。
この審査は、大きく以下の3つの段階で構成されています。
基準審査
計画審査
加点審査
1.基礎審査:まずは書類の不備がないかチェック
最初に行われるのは、提出された申請書類に記載漏れや要件の不備がないかを確認する「基礎審査」です。
ここで形式面の不備や記載ミスがあると、その時点で不採択になる可能性もあるため、正確な書類作成が必須です。
2.計画審査:内容の実現性や効果を評価
続いて、申請内容そのものを評価する「計画審査」が行われます。
ここでは、主に以下のような観点から、計画の中身がどれだけ優れているかが審査されます。
自社の課題が的確に分析されているか
計画の実現可能性が高いか
補助金の使い道が明確かつ妥当か
販路拡大や業務効率化にどうつながるか
地域経済への貢献が期待できるか
この計画審査で高評価を得ることが、採択の土台になります。
3.加点審査:条件を満たせば評価が上乗せされる
さらに、特定の取り組みを行っている場合には、「加点審査」で審査得点が上乗せされ、採択されやすくなります。
たとえば、以下のような加点項目があります。
従業員の賃金を引き上げる予定がある
経営力向上計画の認定を受けている
創業5年以内、または事業承継の実績がある
計画の内容が良くても、ライバルと点数が並ぶことはよくあります。そんなとき、この加点が差をつける決め手になるのです。
このように、小規模事業者持続化補助金では、
基礎審査
計画審査
加点審査
の順に進み、総合的な点数によって採択が決まります。
小規模事業者持続化補助金の加点とは?
加点項目とは、補助金の審査において国の政策に沿った取り組みを行う事業者を優先的に評価するための仕組みであり、条件を満たして活用することで採択に有利に働く可能性があります。
小規模事業者持続化補助金では、採択されるかどうかを左右する重要な評価項目として「加点審査」が設けられています。
加点を適切に選ぶことで、同じ内容の事業計画でも採択率が大きく変わる可能性があります。
加点は大きく2種類あり、それぞれから1つずつ、合計2つまで選択可能です。
加点の仕組み(まず全体像を理解)
加点は、国の政策に沿った取り組みを評価する仕組みです。
たとえば「賃上げ」「地域活性化」「災害対応」などが評価対象になります。
区分 | 選択数 | 内容 |
|---|---|---|
重点政策加点 | 1つ | 国として特に重視しているテーマ |
政策加点 | 1つ | 幅広い政策に関する評価項目 |
重点政策加点(4種類)
この中から1つだけ選択します。
加点項目 | 対象となる事業者 |
|---|---|
赤字賃上げ加点 | 赤字でも賃上げに取り組む事業者 |
事業環境変化加点 | 物価高騰や関税などの影響を受けている事業者 |
東日本大震災加点 | 福島県の被災地域や水産業関連事業者 |
くるみん・えるぼし加点 | 子育て支援・女性活躍に取り組む企業 |
特に「赤字賃上げ加点」は、賃上げ特例を申請する場合に自動適用されるケースが多いため、該当するか事前に確認が必要です。
政策加点(10種類)
こちらも1つだけ選択します。
加点項目 | 対象となる事業者 |
|---|---|
賃金引上げ加点 | 最低賃金を+30円以上引き上げる計画の事業者 |
地方創生型加点 | 地域資源活用や地域課題の解決に取り組む事業者 |
経営力向上計画加点 | 事前に「経営力向上計画」の認定を取得している事業者 |
事業承継加点 | 60歳以上の代表者+後継者が事業を担う計画の事業者 |
過疎地域加点 | 過疎地域で事業を行っている事業者 |
一般事業主行動計画加点 | 女性活躍・子育て支援の計画を公表している事業者 |
後継者支援加点 | アトツギ甲子園の実績がある後継者を含む事業者 |
小規模事業者卒業加点 | 従業員を増やし規模拡大を目指す事業者 |
事業継続力強化計画加点 | BCPなどの認定を取得している事業者 |
能登半島地震等加点 | 売上20%以上減少な |
ここを間違えると不利になる!押さえておきたい注意ポイント
加点は便利な制度ですが、選び方を間違えると逆効果になるため注意が必要です。
注意点 | 内容 |
|---|---|
同じ区分から2つ選ぶと無効 | 政策加点を2つ選ぶと、加点がゼロになる |
重複は片方のみカウント | くるみん+行動計画はどちらか一方のみ加点される |
過去の受給回数が多いと減点 | 複数回採択されている場合、評価が厳しくなる |
未達成はペナルティ | 賃上げ未達の場合、今後の補助金で大幅減点の可能性がある |
どの加点を選ぶべき?
どの加点項目を選ぶか迷った場合は、「実現しやすいもの」と「事業内容に合っているもの」を選ぶのが基本です。
賃上げを予定している → 賃金引上げ加点
地域密着型ビジネス → 地方創生型加点
すでに認定を持っている → 経営力向上計画
無理に加点を取りにいくと、未達リスクが高まり逆効果になります。
加点制度の活用で差をつけるには?
加点は希望制です。該当する加点を申請時に明示し、必要な証明書類を添付する必要があります。
単に「当てはまる」だけでなく、根拠資料と記載内容が一致しているかが審査上非常に重要です。どの加点を選ぶか、そして選んだ加点を、いかに説得力をもって書類に反映させるかが、採択への分かれ道になります。
持続化補助金の加点を利用する際のポイント
小規模事業者持続化補助金の加点制度は、単に条件に当てはまれば良いというわけではありません。
実際に加点を審査で反映させるには、選び方・準備・アピール方法の工夫が必要です。その際、特に以下5点が大切です。
証拠資料を必ず添付する
加点の有無で採択率に差が出る
加点項目は、該当したら必ず申請する
採択事例を参考に「選ばれる加点」を選ぶ
加点を前提に計画書の内容にも一貫性をもたせる
証拠資料を必ず添付する
加点の申請には、必ず根拠となる資料の提出が求められます。
加点項目 | 必要書類の一例 |
経営力向上計画加点 | 経営力向上計画の認定通知書 |
賃金引上げ加点 | 賃金台帳、就業規則、誓約書など |
事業継続力強化計画加点 | 認定通知書の写し |
書類の記載漏れや不備があると加点対象から外れる可能性もあるため、申請前にしっかり確認しましょう。
加点の有無で採択率に差が出る
検索上位のコラムでも共通して紹介されている通り、加点項目を1つでも取得している事業者の方が採択率は高い傾向にあります。
なかでも「赤字賃上げ加点」や「経営力向上計画加点」は、採択事例の中でも比較的多く活用されており、採択者の戦略的な選択であることがうかがえます。
加点項目は、該当したら必ず申請する
第19回公募では、加点は【重点政策加点】【政策加点】からそれぞれ1つずつ、合計最大2項目まで選択できます。
該当する条件があるのに申請しないのは非常にもったいないため、事前に要件を洗い出し、自社が申請できる加点を見極めましょう。
採択事例を参考に「選ばれる加点」を選ぶ
実際の採択事例を調べると、加点を活用した企業がどのようにアピールしたかがわかります。
たとえば、事業承継加点を使って採択された企業は、事業計画書の中で「なぜ今、承継が必要か」「承継後のビジョン」を丁寧に記載しているケースが多く見られます。
公募要領の加点要件だけでなく、過去の採択傾向や審査員に響くポイントも参考にすることで、加点の効果を最大限に引き出せます。
加点を前提に計画書の内容にも一貫性をもたせる
加点項目は、単なる“オマケ”ではなく、計画全体との整合性が求められます。
たとえば、賃金引上げ加点を希望する場合は、計画書内でも「賃上げの財源や理由」を明記しておくことで、加点と計画の整合性が増し、審査員への説得力が高まります。
小規模事業者持続化補助金の加点に関する注意点
加点制度は、補助金の採択率を上げるうえで非常に有効ですが、誤解や不備によって加点が反映されないケースも多いです。
以下3点の注意点を押さえておきましょう。
書類の不備や記載漏れは無効の原因に
毎年、加点要件が変更される可能性がある
すべての加点が自動的に反映されるわけではない
書類の不備や記載漏れは無効の原因に
公募要領に明記された必要書類が欠けていたり、様式2(申請書)に記載ミスがあると、条件を満たしていても審査で加点されない可能性があります。
選択ミス(例:同一カテゴリから2つの加点を選んでしまう)も無効の原因です。
毎年、加点要件が変更される可能性がある
加点制度の内容や条件は、年度や公募回によって変更されることがあります。
たとえば過去には「創業加点」が存在した時期もありましたが、現在の17回公募では明記されていません。
そのため、必ず最新版の公募要領を確認してから申請内容を決定するようにしましょう。
すべての加点が自動的に反映されるわけではない
加点対象となる条件を満たしていても、申請書内での明記と、必要書類の提出がなければ加点は適用されません。
例えば「経営力向上計画加点」では、「認定通知書」の写しがなければ加点対象外となります。
また、「賃上げ加点」は、就業規則や雇用契約書など、所定の書類提出が必要です。
小規模事業者持続化補助金の加点を活用する際の準備
加点制度は、申請直前に「間に合わせる」ものではなく、事前に計画的な準備が必要です。
ここでは、よく利用される加点項目に対して、今からできる以下4つの準備を紹介します。
賃上げ加点の準備
事業承継加点の準備
経営力向上計画加点の準備
地域資源・地方創生加点の準備
賃上げ加点の準備
賃金引上げの計画を立てる(最低50円以上が目安)
就業規則、雇用契約書、賃金台帳を整備しておく
賃金の変更が反映された証拠を確実に残すこと(例:就業規則の改定日など)
事業承継加点の準備
現経営者が60歳以上であることが条件
後継者の存在が明確で、実際に補助事業の中心的役割を担う計画を立てる
事業承継診断票(様式10)や、後継者の実在証明書類を取得
経営力向上計画加点の準備
中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の作成と提出
認定には数週間以上かかることがあるため、早めの申請が必須
認定通知書の写しを忘れず取得
地域資源・地方創生加点の準備
地域資源や地域の課題解決に関連する事業計画を検討
地元自治体や連携先との協議記録や合意書があると計画の説得力が増す
加点制度は、要件を満たすだけでなく、「証明できるか」「書類を期限までに用意できるか」がカギです。時間的に余裕を持って取り組むことが、採択の可能性を高める大きなポイントです。
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監修者からのワンポイントアドバイス
今回の17回公募の加点項目は多く設定されています。必要に応じて加点申請できそうなものは加点を取得されることが採択へ近づくこととなります。加点の内容によっては事前に準備が必要なものもありますので準備をしっかり進めて行かれると良いでしょう。
