DX認定を受ける5つのメリット
企業がDX認定を受ける5つのメリットを紹介します。
1.DXに取り組む企業であることを公にアピールできる
DX認定を受けた企業は、「自社がデジタル技術を活用して変革に取り組んでいる」ことを対外的に示すことができます。
具体的には、国が発行する「DX認定ロゴマーク」を以下のような場面で使用できます。
- 自社のホームページ
- 名刺や会社案内
- 採用資料や営業資料など
このロゴマークは、国(経済産業省)によってDX推進企業として公式に認められている証であり、対外的な信頼性の向上につながります。
たとえば、取引先との商談や新規の営業活動、採用活動において、「この会社は将来性がある」「デジタル化に本気で取り組んでいる」といったプラスの印象を与えることができます。
2.中小企業向け金融支援を受けられる
DX認定を受けると、中小企業を対象とした資金調達のサポートを受けることができます。
具体的には、以下の2つの制度で融資や信用保証が優遇され、事業資金を借りやすくなる仕組みです。
- 日本政策金融公庫による「金利優遇制度」
- 中小企業信用保険法の特例による「信用保証の優遇」
日本政策金融公庫による「金利優遇制度」
日本政策金融公庫(=政府系の融資機関)から設備投資などのためにお金を借りる際、通常より低い金利で融資を受けられる特例が設けられています。
- 通常の基準利率(1.50%)よりも低い
- 「特別利率②」=年0.85% での融資が可能
たとえば、新しいITシステムの導入やデジタル機器の購入など、DXに必要な投資の資金をより有利な条件で借りることができます。
中小企業信用保険法の特例による「信用保証の優遇」
民間の銀行などからお金を借りる場合にも、信用保証協会の支援により、借入のハードルを下げる仕組みが使えます。
- 通常の保証枠とは別に、追加で保証枠を確保
- 保証限度額の拡大により、より多くの資金を借りやすくなる
この特例を使えば、たとえばITインフラの保守費用や新たなデジタル施策への投資など、戦略的なDX投資に必要な資金をスムーズに確保することができます。
つまり、DX認定を取得すると、「低金利での借入」+「保証枠の拡大」というダブルの金融支援により、中小企業でも安心してDX投資に踏み出せる環境が整うのです。
3.税制の優遇が受けられる
DX認定を受けると、「DX投資促進税制」という税制優遇制度の対象になります。
これは、デジタル技術に関連する設備やシステムへの投資を行う企業に対して、税負担を軽減することで成長を後押しする制度です。
この制度を利用するためには、次のような準備が必要です。
- 社内全体でDXに取り組む計画(「全社的なDX計画」)を策定する
- デジタル人材の育成なども計画に含める
- これらの内容について、国(主務大臣)からの認定を受ける
認定されると、次のような税制上の支援を受けることができます。
- 税額控除:投資額の5%または3%を法人税などから差し引ける
- 特別償却:投資額の30%を一度に経費として計上できる
たとえば、新しいクラウドサービスやAIシステムを導入した場合、それにかかった費用の一部が節税につながるという仕組みです。
つまり、DX認定を受けることで、コストを抑えて戦略的にデジタル投資ができる環境が整うという大きなメリットがあります。
4.人材育成のための支援が受けられる
DX認定を取得すると、国の人材育成支援制度「人材開発支援助成金(人への投資促進コース)」を利用できるようになります。
これは、デジタル人材の育成に取り組む企業を支援する制度で、DX認定を受けた企業はその対象要件を満たしているとみなされ、申請の道が開かれます。
具体的には、次のようなサポートを受けることができます。
- 訓練にかかる費用の最大75%を助成
- 訓練期間中に支払う従業員の賃金を、最大960円/時間まで補助
たとえば、社員にAIやクラウドなどのITスキルを身につけてもらうための研修を行った場合、その費用や研修中の人件費が大幅に軽減されるというわけです。
つまり、DX認定を取得しておくことで、コストを抑えながら自社のDXを担う人材を育成できるという大きなメリットがあります。
人材開発支援助成金(人への投資促進コース)の公式サイト
人材開発支援助成金でいくらもらえる?制度内容をわかりやすく解説!
5.「DX銘柄」や「DXセレクション」への応募資格が得られる
DX認定を受けると、国が主催する注目のDX関連制度に応募できるようになります。
DX銘柄とは?(上場企業向け)
経済産業省と東京証券取引所が共同で選ぶ「DX銘柄」は、デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織を変革している企業を表彰する制度です。これは、投資家に向けて「この企業はデジタル化で成長している」とアピールできる絶好の機会です。ただし、このDX銘柄に応募するためには、あらかじめ「DX認定」を取得していることが条件となっています。
DXセレクションとは?(中堅・中小企業向け)
中堅・中小企業を対象に、優れたデジタル活用事例を選定・公表するのが「DXセレクション」です。こちらも、DX認定を取得している企業が対象となり、たとえば「ものづくり補助金」の申請時に加点対象となるといったメリットがあります。
つまり、DX認定を受けておくことで、企業の信頼性や成長意欲を国や支援機関にアピールしやすくなり、補助金や評価制度で有利になる可能性が広がります。
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DX認定の流れ
本制度は 経済産業省 主管のもと、独立行政法人情報処理推進機構 (以下「IPA」という。)が認定に係る審査事務及び問合せ窓口を担います。
申請は次の3ステップです。
- 「申請のガイダンス」から自社の状況が申請要件を満たしているか確認
- 申請書類のダウンロードと書類の作成
- DX推進ポータル(Web申請システム)で申請
STEP1:「申請のガイダンス」から自社の状況が申請要件を満たしているか確認
申請に必要な手順をまとめた「DX認定制度 申請要項(申請のガイダンス)」をご確認ください。
STEP2:申請書類のダウンロードと書類の作成
下記の申請書類をダウンロードし、記入してください。
DX認定制度認定申請書
申請チェックシート
STEP3:Web申請システムで申請及び、必要書類の提出
「DX推進ポータル」から申請と必要書類を提出してください。
DX推進ポータルの詳しい使い方は「DX推進ポータルの利用方法」をご確認ください。
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