「事業再構築補助金」の事業化状況報告を分かりやすく解説!

このコラムの要点 ・「事業再構築補助金」の事業化状況報告は、補助金受給後に行う事業状況の報告義務のこと ・事業化状況報告は、システム上で作成する ・事業化状況報告では、事業化状況と知的財産権を報告する
梅沢 博香

公開日:

更新日:

事業化状況報告は「事業再構築補助金」採択された事業者が受給後に事業化状況と知的財産権等を報告するものです。
事業化状況報告では2つのパートで構成されており、添付書類も必要です。
本コラムでは、事業化状況報告の提出期限や内容等を解説します。

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事業化状況報告とは?

「事業再構築補助金」の事業化状況報告とは、補助金受給後に行う事業状況の報告義務のことです。
事業化状況報告では、最初に事業化状況と知的財産権を報告します。
報告書の作成は、事業化状況報告システム上で行います。
事業化状況報告システム

事業化状況報告の内容

事業者が作成する報告書は以下2点です。これらに加え添付書類も提出します。

  • 「事業化状況・知的財産権報告書」
  • 「事業化状況等の実態把握調査票」

「事業化状況・知的財産権報告書」

事業化状況には「補助事業に要した経費」「売上額」を記載し、知的財産権報告書には「種類」「出願番号」「技術内容」等を記載します。

「事業化状況等の実態把握調査票」

「事業化状況・知的財産権報告書」作成後、に「事業化状況等の実態把握調査票」を作成します。
ここでは、現在の取組状況と製品情報を報告します。
「事業化状況等の実態把握調査票」は、損益計算書等をもとに項目に入力していきます。

現在の取組状況の報告

「資本金」「従業員数」「総売上高」「経常利益および付加価値額の算出」を入力します。
今後の事業化の見通しや補助事業にかかる諸経費など補助事業について詳細に入力する必要があります。

製品情報の報告

製品、商品、サービスごとに「製品等情報登録」「原価算出表」を入力します。
製品等情報として「製品、商品、サービスの名称」、当該事業における「販売金額(売上額)」「販売数量(売上数量)」「原価算出表」等を入力します。
損益決算書等をもとに算出してください。

添付書類

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳(大規模賃金引上枠の補助事業者のみ)
  • 製造原価報告書
  • 販売費および一般管理費明細表(内訳)
  • 事業化状況・知的財産権報告に必要な追加報告用 エクセル

事業化状況報告の流れ

システムの利用にはGビズID(プライム、メンバー)のアカウントが必要なので事前にご準備をお願いします。

  1. GビズIDアカウント取得以後の事業化状況報告の流れ
  2. 報告開始の案内が事務局からメールが送られる
  3. 入力期間中にシステムに事業化状況報告を登録する
  4. 事務局が報告内容をチェックする
  5. 報告内容に問題があれば差し戻されるので、再度修正して報告する
  6. 事務局が収益納付や目標未達による補助金返還の有無をチェックする
  7. 収益納付や目標未達による補助金返還があれば、事務局が指定する口座に納付する。なければ報告完了

収益納付とは?

収益納付とは、補助金を利用した事業を実施した結果、収益(収入-経費)が発生した場合に、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を国庫へ返納する制度です。
「事業再構築補助金」以外にもこの制度が設けられている補助金はあります。
※収益納付については後述します。

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事業化報告の提出期限

事業化報告は補助事業の完了の日の属する年度の終了後を初回として、以降5年間行います。
報告期間については、事務局から案内のメールが届きます。

初回の提出期限:原則補助事業終了年度の決算日の3か月後
2回目以降の提出期限:その翌年度から毎年の決算日の3か月後まで

事業年度:4月から3月
補助事業完了:2024年12月の場合
初回の提出期限:決算日は2025年3月末なので2025年6月末まで

「収益納付」に注意!

「事業再構築補助金」では、補助事業で利益が出たら返金する制度があります。
該当する事業者には事務局からのお知らせが来るので、速やかに事務局が指定した口座に納付します。

収益納付の対象は?

収益納付の対象になるのは、補助金を使って実施した事業が「直接利益に繋がっている利益」です。
そのため、「補助事業により直接利益が生じたと言えない利益」は対象外になります。

収益納付の対象になる利益

  • 補助金で制作したネットショップの利益
  • 補助金で購入した機械で生産した商品の利益 等

収益納付の対象外にならない利益

  • 補助金で店舗の改装を行ったのちに出た利益 
  • 補助金でチラシの作成や配布を行ったのちに出た利益 
  • 補助金でホームページ(ネットショップ以外)を作成し出た利益 等

上記の例はどれも「補助金を活用して出た利益」に見えますが「営業努力があってこそ出た利益」とも言え、「補助事業と直接の因果関係がある」とは断定できません。
そのため対象外になります。

「収益納付」にしない方法は?

補助事業で利益が出た場合は収益納付をする必要がありますが、工夫をすれば収益納付にならない方法もあります。

収益納付にしない方法

  1. 新規事業の人件費を高く計上する
  2. 販売管理費を見直して新規事業に計上できるものはする

1.新規事業の人件費を高く計上する

既存事業と新規事業と2つの事業を行っている事業者の場合、「原価算出表」で新規事業の人件費を高く計上すると利益を少なくできます。

2.販売管理費を見直して新規事業に計上できるものはする

本来は新規事業の販売管理費の計上できるものが、既存事業に計上されている場合があります。
新規事業に計上できる販売管理費のチェックをおすすめします。
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この記事を監修した専門家


井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。