事業再構築補助金の対象経費「建物費」における注意点!「構築物」は対象外?違いは?

事業再構築補助金の補助対象経費のひとつである「建物費」。 本記事では、事業再構築補助金における建物費の補助対象性や注意点について解説します。 建物を新築したり改修したりする際に必要な費用にはどのようなものが含まれるのか、補助金を受ける上での条件や制約はあるのか、詳しく掘り下げていきましょう。
中本 明日香

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建物費

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、ウィズコロナ時代の今、変化する経済社会に対応するための事業再構築を支援してもらえる補助金です。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業などが、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などを行い、事業の再構築を図る際、その事業にかかった経費を補助してもらえます。

令和5年度の事業再構築補助金について詳細は、下記の記事をご覧ください。

【変更点一覧】事業再構築補助金の第10回公募開始!令和4年度→令和5年度どう変わった?
事業再構築補助金公式サイト
事業再構築補助金【第10回】公募要領

【令和5年度】事業再構築補助金の補助対象経費

事業再構築補助金の補助の対象となる経費は、下記のようなものが該当します。

●建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)
●機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
●技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
●外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 
●広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
●研修費(教育訓練費、講座受講等)

くわしくは公募要領をご覧ください。
事業再構築補助金【第10回】公募要領

事業再構築補助金の補助対象経費「建物費」とは

補助対象経費一覧をみてわかるように、事業再構築補助金は、「建物費」が補助の対象となります。

「建物費」とは、たとえば「建物の建築・改修」、「建物の撤去」、「賃貸物件などの原状回復」、「貸し工場・賃店舗などの一時移転」などに係る費用が対象となります。

ただし、「建物」であれば、なんでも補助の対象となるというわけではありません。

公募要領を確認すると、下記のように注意点が記載されています。

  1. 「建物」に関する経費が対象であり、「構築物」に係る経費は対象になりません
  2. 建物の単なる購入や賃貸は対象外です。
  3. 建物の撤去、賃貸物件等の原状回復に要する経費のみを対象とする事業計画は対象外となります。
  4. 建物の新築に要する経費は、補助事業の実施に真に必要不可欠であることおよび代替手段が存在しない場合に限り認められます。「新築の必要性に関する説明書」を提出してください。

出典:事業再構築に向けた事業計画書作成ガイドブック(経済産業省)

事業再構築補助金の補助対象経費「建物費」においての注意点

注意点(1)「構築物」は対象外

建物費 「構築物」に係る経費は対象になりませんのでご注意ください。
出典:事業再構築補助金【第10回】公募要領

まず、上記の事業再構築補助金の公募要領(第10回)にも記載があるように、補助の対象となるのは、「建物費」であり、「構築物」は補助の対象となりません。

「建物」と「構築物」の違いは、

建物(たてもの): 建物は、人が居住や作業、商業活動などのために建てられた、固定された構造物を指します。一般的には、家屋、アパート、オフィスビル、工場、店舗、学校などが建物の例です。

建物は通常、壁、屋根、床、ドア、窓などの要素で構成され、一定の形状と機能を持ちます。

構築物(こうちくぶつ): 構築物は、建築物以外の人工的に構築されたものを指します。
具体的な例としては、橋、ダム、トンネル、道路、鉄道の線路、港湾施設、パイプラインなどがあります。構築物は、土木工学的な構造物や交通インフラなどを含みます。

注意点(2)「建物」の単なる購入は対象外

建物費 建物の単なる購入や賃貸は対象外です。
出典:事業再構築補助金【第10回】公募要領

建物や土地の単なる購入や賃貸は対象外です。

事業再構築補助金では減価償却資産の耐用年数等に関する省令における建物」「建物附属設備」の区分に該当する物件を建設・回収する費用のみ建物費として計上することを認めています

注意点(3)建物の撤去、賃貸物件等の原状回復に要する経費のみを対象とする事業計画は対象外

建物費 ②、③の経費のみの事業計画では支援対象となりません。
出典:事業再構築補助金【第10回】公募要領

建物の撤去や賃貸物件などの原状回復は補助対象経費「建物費」に含まれますが、それのみを対象とする事業計画は、対象外となります。

対象となる他の経費(事業拡大につながる投資と認められるもの)と併せて申請を行う必要があります。

注意点(4)建物の新築に要する経費は、補助事業の実施に真に必要不可欠であることおよび代替手段が存在しない場合に限り認められる

建物の新築に要する経費は、補助事業の実施に真に必要不可欠であること、ほかに代替手段がないと認めらえた場合のみ対象となります。

事業者はその理由を「新築の必要性に関する説明書」として提出する必要があります。
個々の事業者の状況に応じて「事業計画書」と「新築の必要性に関する説明書」の内容をもとに採択審査、交付審査が行われ、総合的に判断されます。

公式サイトで具体的に対象となる例、ならない例が公開されています。

■新築の必要性が認められる例
○生鮮魚介類の加工業を手がけている事業者が、新たに冷凍加工食品事業に進出するため、新たに冷凍倉庫が必要となる。加工工場から最も近い冷凍倉庫の空きスペースまでは車でも一定の時間を要するため、その場合冷凍輸送費が発生し補助事業の採算がとれない。このため、既存の加工工場に隣接する場所に冷凍倉庫を新築することが最も経済効率的である。
○山間部の農家が、畑から採れたての野菜を用いて新たにレストラン運営を行うため、新たに店舗が必要となる。当該農家は現在所有している事業用の建物がない上、事業の実施を計画している地域に購入が可能な既存の建物がない。加えて、ブランド構築の観点からは、畑に隣接する場所でレストラン運営を行うことが最も望ましいため、新たにレストラン用の建物を新築することが必要不可欠である。
■新築の必要性が認められない例
○温泉旅館を営む事業者がワーケーション需要に応える新事業を行うため、温泉客向けの既存の宿泊設備では対応できないため、ワーケーション向けの離れの新築を検討。しかし、既存事業がコロナによる需要減少で客室の稼働率が下がっているため、既存事業を縮小し、空いている客室を改修することでワーケーション需要を受け入れる態勢を整えることができるため、ワーケーション向けの宿泊施設を新築する必要はない。
○本社建物と工場を別にする金属製品製造事業者が、新たに金属製品販売業に進出するため、人員を増強して新たな営業部門を設置。老朽化した本社建物が手狭になるため、既存の本社建物を取り壊して建て替えることを検討。しかし、新たな営業部門用のオフィススペースは、既存の貸しオフィスの賃貸やリモートワークで代替可能であり、本社建物の老朽化は補助事業と無関係であるため、本社建物の建て替えは必要ない。

参考:事業再構築補助金公式サイトより「建物の新築について」

【令和5年度】事業再構築補助金の補助対象経費についてのQ&A

Q.建築費を補助対象とするには、応募申請の際に設計図が必要?

A.申請時には不要ですが、採択後の交付申請時に提出する必要があります。

Q.車両の購入費は補助対象になる?

A.自動車やその他の車両(自動車登録番号のない、公道を走行できないものを除く)の購入費、修理費、リース費、および車検費用は補助の対象外です。

ただし、車両に搭載する設備やそれを設置するために必要な費用は補助の対象となります。
また、省令による減価償却資産の耐用年数などで「機械および装置」に分類されるもの(例: トラッククレーン、ブルドーザー、ロードローラーなど)は補助の対象となります。

Q.資格の取得にかかる講座受講や資格試験受験料は対象となる?

A.本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費は研修費として補助対象となります。ただし資格試験に係る受験料は補助対象外です。

Q.求人広告にかかる費用も広告宣伝・販売促進費に含まれる?

A.広告宣伝・販売促進費は本事業で開発または提供する製品・サービスに係る広告の作成や市場調査等に対して補助するものであり、求人広告は対象外です。

Q.リース費用は対象になりますか?

A.補助事業実施期間に要した経費に限り、機械装置やシステムの構築費に関連する設備のリース費用は補助の対象となります。

ただし、第6回公募以降については、中小企業などがリース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されます。

また、中小企業などとリース会社が共同申請を行う場合には、リース会社に対して機械装置またはシステムの購入費用に関して補助金を交付することが可能です。

まとめ

事業再構築補助金を活用する際の建物費に関する注意点をまとめました。

建物費の補助対象性や条件、制約について理解することは、補助金の効果的な活用につながります!

事業再構築を検討している企業や事業者は、「対象経費」について十分に理解する必要があります。

補助対象経費について「これも対象なの?」など疑問点があれば、お気軽にお問い合わせください。

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