フリーランス新法をわかりやすく徹底解説!3分で解説
フリーランス必見!2024年11月施行のフリーランス新法で「契約内容の明確化」や「報酬遅延防止」など、働き方がどう変わるのかくわしく解説。 イラスト付きで初めての方にもわかりやすい内容です!


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
フリーランス新法は「フリーランスと発注者の取引を適正化する法律」
対象はフリーランスだけでなく発注する企業側にも義務がある
支払期限・書面交付・禁止行為など、守るべきルールが明確化された
フリーランス新法とは?わかりやすく解説
フリーランス新法とは、フリーランスが安心して安定的に働ける環境を整えるための法律です。
正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といい、2024年11月1日から施行されています。
近年は、働き方の多様化によりフリーランスが増えています。その一方で、次のようなトラブルも増えていました。
報酬が支払われない
一方的に契約をキャンセルされる
ハラスメントを受ける
こうした問題の背景には、「フリーランスと企業の立場の差」があります。
その差を埋めるために、この法律は大きく以下2つの柱で作られています。
取引の適正化
就業環境の整備
取引の適正化(未払い・トラブル防止)
フリーランスと発注者の取引に、明確なルールが設けられました。これにより、曖昧な契約や不当な対応を防ぐことができます。
主なルール
契約内容は書面やメールで明示する必要がある
報酬は60日以内に支払う必要がある
不当な行為(減額・返品など)が禁止される
以下が具体的に変わります。
項目 | 内容 |
|---|---|
契約の明示 | 業務内容・報酬・支払日などをすぐに提示 |
支払いルール | 納品から60日以内に支払い |
禁止行為 | 減額・受領拒否・買いたたきなどを禁止 |
たとえば、これまでありがちだった「後から報酬を下げられる」といったトラブルは、法律で防げるようになります。
就業環境の整備(安心して働ける環境づくり)
フリーランスが不当な扱いを受けないよう、働く環境の整備も義務化されました。
主なルール
ハラスメント対策が義務化
育児・介護との両立への配慮
契約解除の事前予告ルール
以下、具体的な内容です。
項目 | 内容 |
|---|---|
ハラスメント対策 | 相談窓口の設置などが必要 |
両立支援 | 育児・介護に応じた納期調整 |
契約解除 | 30日前までの予告が必要 |
たとえば、長期契約中に突然契約を切られるといったケースも、一定のルールで制限されます。
フリーランス新法の開始はいつから?
フリーランス新法は、2024年11月1日に施行されます。
この法律は、2023年4月28日に可決され、同年5月12日に正式に公布されました。
フリーランス新法の対象者は?
フリーランス新法の対象となるのは、以下の条件を満たす「特定受託事業者」と呼ばれる事業者です。
個人事業者であること
従業員を雇用していないこと
特定業務委託を受けていること
※物品の製造、情報成果物の作成、または役務の提供といった業務を、他の事業者から委託を受けて行っていること。
つまり、フリーランス新法は、個人で事業を行い、他の企業から仕事を請け負っている人たちを対象としています。
また、フリーランス新法で発注者となる事業者として、以下の企業がこの法律の対象となります。
企業の条件
【特定業務委託事業者】
フリーランスに業務委託を行う従業員を使用する個人
フリーランスに業務委託を行う役員がいる、または従業員を使用する法人
【業務委託事業者】
フリーランスに業務委託をする事業者(フリーランスも含まれます)
フリーランス新法の対象外となる事業者
以下のような事業者も「フリーランス」と呼ばれることがありますが、フリーランス新法においては対象外となります。
従業員を雇用している
一般の消費者がお客さん(取引をしている)
フリーランスとは?個人事業主との違いは?
一般的に「フリーランス」と呼ばれる人は、さまざまな形態で働く人々を含みますが、フリーランス新法でいう「フリーランス」は、上記で説明した「特定受託事業者」に該当する人を指します。
この法律でいうフリーランスの特徴としては、実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者のことを指します。
個人事業主: 事業を行っている個人の総称
フリーランス新法の対象となるフリーランス: 個人事業主のうち、従業員を雇用せず、特定の業務を委託を受けて行っている人
フリーランス新法に適用にならない仕事(取引)
フリーランス新法は、事業者同士の業務委託を対象とした法律のため、すべての取引が対象になるわけではありません。
以下のケースでは、法律の対象外となります。
1.一般の消費者との取引(BtoC)
この法律は「事業者間の取引」を前提としているため、相手が一般の個人の場合は対象外です。
具体例
個人から家族写真の撮影を依頼される
自作の作品をネットで個人に販売する
2.実態が「労働者」と見なされる働き方
契約が業務委託でも、働き方が会社員と同じ場合は対象外です。
その場合は、フリーランス新法ではなく労働基準法などが適用されます。
判断のポイント
勤務時間や場所が細かく指定されている
仕事の進め方を強く指示されている
3.既製品の購入やレンタル
「業務委託」とは、何かを作る・提供する仕事を依頼することです。
そのため、以下は対象外となります。
対象外の例
既製品の購入(カスタマイズなしのソフトや商品)
単純なレンタル(車・スペースなどを借りるだけ)
4.ボランティアや助け合い活動
事業として行われていない活動は対象外です。
具体例
地域の助け合いによる農作業
無償のボランティア活動
※ただし、有償で業務として依頼する場合は対象になります。
5.法人内部の契約
会社の内部関係は対象外です。
具体例
会社と取締役・監査役との契約
6.法律施行前の契約
フリーランス新法は、2024年11月1日以降の業務委託が対象です。
施行前の契約でも、施行後に更新された場合は、新しい契約とみなされ、法律が適用されます。
フリーランス新法のメリット・デメリットは?
フリーランス新法により、取引ルールが明確になり、トラブルは減る一方で、手続きの負担は増えるという変化があります。
フリーランスと発注者、それぞれの立場で見ていきましょう。
フリーランス側
メリット
取引内容が明確になり、トラブルを防げる:業務内容・報酬・支払期日などが最初に提示されるため、安心して仕事を進められる
報酬の支払いが安定する:原則「納品から60日以内」に支払いが行われるため、資金計画が立てやすい
不当な扱いから守られる:一方的な報酬減額や返品などが禁止され、ハラスメント対策も義務化されている
働き方の柔軟性が高まる:育児・介護などに応じて納期調整の相談が可能
デメリット(注意点)
従業員の有無などの確認対応が必要:法律の対象かどうか確認されるため、回答の手間が増える
自分が発注者になる場合は義務が発生:他のフリーランスに外注する場合、条件明示などの義務を負う
発注者側
メリット
トラブルやクレームを防ぎやすくなる:契約内容を事前に明確化するため、認識のズレが起きにくい
フリーランスとの信頼関係が築きやすい:適切な環境整備により、優秀な人材と継続的に仕事しやすくなる
デメリット(負担や制約)
事務作業や管理コストが増える:条件通知や社内ルール整備、相談窓口の設置などが必要
支払い期限の制約がある:「60日以内」の支払いを守る必要があり、従来の運用変更が必要な場合もある
契約解除の自由度が下がる:継続契約は30日前予告や理由説明が必要
フリーランス新法は、取引の安心感を高める一方で、双方に一定の対応が求められる制度です。
特に発注者は対応項目が多いため、事前に整理しておくことが重要です。
フリーランス新法の気になる質問に回答します!
Q:フリーランス新法とは何ですか?
フリーランス新法とは、フリーランスが安心して働ける環境を整えるための法律です。正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といいます。
この法律の目的は、
フリーランスと発注者の取引を公正にする
フリーランスの働く環境を守る
の2点です。
たとえば、契約内容を明確にする、報酬の支払いを守るといったルールが定められています。
Q:フリーランス新法の対象になるのは誰ですか?
この法律は「フリーランス」と「発注事業者」の両方が対象です。
対象者のイメージ
区分 | 内容 |
フリーランス | 従業員を使っていない個人事業主や一人会社 |
発注事業者 | フリーランスに仕事を依頼する企業や事業者 |
フリーランスは、基本的に「一人で仕事をしている人」が対象です。
一方、発注者はフリーランスに業務委託をするすべての事業者が該当します。
なお、発注者の状況(従業員の有無や契約期間)によって、守るべきルールの内容が変わる点も特徴です。
Q:フリーランス新法で禁止されていることは何ですか?
発注事業者が従業員を使用し、1か月以上の業務委託を行う場合、以下の行為は禁止されています。
主な禁止行為
納品された成果物を理由なく受け取らない
契約後に報酬を一方的に減額する
納品後に不当に返品する
相場より著しく低い報酬を設定する
特定の商品やサービスの購入を強制する
協賛金などの名目で金銭や労力を要求する
内容を一方的に変更し、追加費用なしでやり直しさせる
たとえば、「あとで内容を変えたのに追加報酬を払わない」といった行為は違反になります。
フリーランスの立場の弱さにつけ込む取引を防ぐためのルールです。
Q:業務委託なのに社員のように扱われるのは違法ですか?
実態によっては違法になる可能性があります。
契約上は業務委託でも、働き方が社員と同じであれば「労働者」と判断される場合があります。
その場合はフリーランス新法ではなく、労働基準法などが適用されます。
判断のポイントは以下のとおりです。
勤務時間や場所を厳しく指定されている
指揮命令を受けて働いている
自由に仕事を断れない
このような状態であれば、「実質的に雇用」とみなされる可能性があります。
Q:フリーランス新法はいつから始まりましたか?
2024年11月1日から施行されています。
Q:フリーランスが一時的に従業員を雇う場合は対象外になりますか?
短期間の雇用であれば対象外にはなりません。
一時的なアルバイトなどは「従業員を使用している」とは見なされないため、引き続きフリーランス新法の対象になります。
ただし、31日以上の継続的な雇用がある場合は対象外となる可能性があります。
Q:契約上は労働者でなくても適用されますか?
はい、適用されます。雇用契約ではなく、業務委託契約で働いている場合は、基本的にフリーランス新法の対象です。
ただし、実態が労働者と判断される場合は、労働法が優先されます。
Q:家族を手伝わせている場合はどうなりますか?
同居の家族のみで運営している場合は、対象になります。
家族は「従業員」とは見なされないため、一人で事業を行っている場合と同じ扱いになります。
Q:副業でもフリーランス新法は適用されますか?
フリーランス新法は、副業者も適用されます。開業届を出していない副業でも、業務委託契約で仕事をしていれば対象です。
Q:報酬を現金以外で支払うことはできますか?
可能です。ただし、現金以外で支払う場合は、事前に支払い方法を明示する必要があります。
Q:ハラスメントを受けた場合はどうすればいいですか?
発注者からハラスメントを受けた場合、以下に相談できます。
公正取引委員会
中小企業庁
一人で抱え込まず、外部機関に相談することが重要です。
Q:報酬の支払いが遅れた場合はどうすればいいですか?
発注者に対して支払いを求めることができます。
フリーランス新法では、報酬は「納品から60日以内」に支払うことが義務付けられています。
もし支払いが遅れている場合は、まずは発注者へ確認し、それでも解決しない場合は行政機関への相談も検討しましょう。
