目次
- 【3分でわかる】省力化補助金の実地検査・重要ポイント
- 省力化補助金における実地検査とは
- なぜ実地検査が行われるのか
- 補助金の適正利用確認
- 導入状況の確認
- 不正受給防止
- 実地検査で確認される主な内容
- 導入設備・機器の設置状況
- 支払い証憑の確認
- 稼働状況の確認
- 労働生産性向上の確認
- 実地検査で必要となる書類
- 交付決定通知書
- 見積書
- 契約書
- 請求書
- 領収書
- 振込記録
- 写真資料
- 実地検査で指摘されやすいポイント
- 設備の未導入
- 補助対象外経費の計上
- 書類不備
- 保管義務違反
- 実地検査への備え方
- 書類のファイリング(原本準備)
- 設備・機器の動作環境の整備
- 型番とシリアルナンバーの目視確認
- 実地検査後の流れ
- 是正措置・追加書類を提出する(指摘があった場合のみ)
- 検査結果の確定(事務局内での審査完了)
- 補助金の確定通知と入金
- 定期的な効果報告(フォローアップ)の開始
- 省力化補助金の実地検査に関するQ&A
- Q1. 実地検査は必ず行われますか?
- Q2. 実地検査はいつ行われますか?
- Q3. 書類を紛失した場合はどうなりますか?
- Q4. 導入設備を売却しても問題ありませんか?
- Q5. 実地検査で不備が見つかるとどうなりますか?
- 関連コラム一覧
【3分でわかる】省力化補助金の実地検査・重要ポイント
省力化補助金の実地検査は、公的資金がカタログ製品の導入に正しく使われたかを現場で厳格にチェックする手続きです。
いつ行われる?→主に製品導入後の実績報告後(入金前)、または補助金交付後のフォローアップ期間。
全員に対象となる?→全員必須ではないが、金額が大きい場合やランダム抽出などで選ばれ、拒否はできない。
最大の注意点→交付決定前の発注、原本の紛失、未稼働、無断転売は補助金取り消しや返還ペナルティになる。
何をチェックされる?→導入設備の現物(型番・シリアル)と書類の原本(見積・契約・請求・振込記録)の一致、および実際の稼働状況。
当日は、
デモ稼働の準備
書類の時系列ファイリング
を済ませ、万全の状態で臨みましょう。
省力化補助金における実地検査とは

出典:中小企業庁担当者に聞く「中小企業省力化投資補助金[カタログ注文型]
補助事業の完了後に、事務局の検査官などが現地の状況を確認する手続きのことです。
訪問先→製品を導入した現場(工場・店舗・事務所など)
確認内容→申請通りの事業が適切に行われているか(目視や書類での確認)
多くの場合、事業完了後の実績報告が提出された後や、補助金交付後のフォローアップ(効果報告)のタイミングで実施されます。
なぜ実地検査が行われるのか

実地検査が行われる主な理由は、公的資金である補助金が目的に沿って正しく使われているかを担保するためです。
具体的には以下の3つの目的があります。
補助金の適正利用確認
申請された経費が、本当に補助対象であるカタログ登録製品の購入・設置に使われたかを厳格にチェックします。
書類上だけでなく、現物を確認することで
別の安価な製品にすり替わっている
購入したはずの設備が実は存在しない
といった事態を防ぎ、税金が適正に支出されているかを確認します。
導入状況の確認
採択された計画通りに省力化製品が現場に搬入され、正しく据え付けられているかを確認します。
また、事業所内で実際に製品が稼働できる状態(セットアップ完了、ラインへの組み込みなど)になっているか、その進捗や配置状況を直接目で見て確かめるためです。
不正受給防止
製品の即時転売
相見積もりの偽造
キックバックによる購入金額の水増し
他事業との二重申請などの不正行為
を抑止・発見するためです。
実地検査があることを前提とすることで、虚偽の申請に対する強い抑止力となります。
参考:中小企業省力化投資補助金 公式資料ダウンロードページ(カタログ注文型)
実地検査で確認される主な内容

実地検査当日は、主に以下の4つのポイントについて、現物と書類の両面から厳格にチェックされます。
導入設備・機器の設置状況
型番・シリアルナンバーの照合→導入された製品の銘板(プレート)に記載されている型番や製造番号(シリアルナンバー)が、申請書や見積書、請求書に記載されているものと完全に一致するかを突合する。
設置場所の確認→交付申請時に指定した事業所(設置場所)に、計画通りに配置されているかを確認する。
支払い証憑の確認
原本チェック→実績報告時にデータで提出した、見積書、発注書、納品書、請求書、振込受取書(または銀行の振込明細)などの全ての証憑類について、原本の提示を求められる。
資金の流れを確認する→補助事業者から販売事業者(インテグレーターなど)へ、正しい金額が期日までに銀行振込などで支払われているか、領収書や通帳の記帳履歴などを突き合わせて確認する。
稼働状況の確認
実際の動作を確認する→設置された省力化製品の電源を入れ、実際に動作する様子を検査官の前で実演(デモンストレーション)する。
稼働ログや管理簿を確認する→すでに運用を開始している場合は、日常の運転日誌やソフトウェアの稼働ログなどを確認し、単なる飾りではなく業務で日常的に使われているかをチェックする。
労働生産性向上の確認
省力化効果の進捗確認→導入によって、申請時に計画した労働生産性の向上(目標値)や省力化(人手の削減、作業時間の短縮など)が達成されつつあるか、現場の状況や業務フローの変化を確認する。
関連書類の確認→労働生産性の算出根拠となる、従業者数や労働時間の記録(タイムカード、シフト表)、または売上や付加価値額がわかる帳簿類(決算書や試算表など)の準備状況、今後の効果報告の計画について確認を行う。
みんなの補助金コンシェルジュでは、省力化補助金の申請から実地検査対策まで専門家がサポートしています。
実地検査で必要となる書類

出典:【2026年最新】中小企業省力化投資補助金とは?カタログ注文型・一般型の各要件と採択率を上げるポイント
実地検査の当日は、補助事業に関わるすべての書類の原本をファイリングして、すぐに提示できるように準備しておく必要があります。
主に以下の書類がチェックされます。
交付決定通知書

補助金の申請が認められ、事務局から発行された正式な通知書です。ここに記載されている
承認された補助対象経費の額
補助事業の実施期間(交付決定日〜事業完了期限日)
がすべての基準となるため、最初に出せるよう準備します。
見積書
導入した
省力化製品
カタログ製品の購入・設置
にあたり、販売事業者(カタログ登録業者など)から取得した見積書です。
金額の内訳や型番が、その後の発注・請求内容と一致しているかを確認されます。
契約書
販売事業者との間で交わした製品の
売買契約書
注文書(発注書)および注文請書
です。
発注
契約
の日付が交付決定日以降になっているかが厳格にチェックされます(交付決定前に発注していると補助対象外です)。
請求書
納品後に販売事業者から発行された請求書です。
振込先の口座情報が正しいか
見積書や契約書通りの金額・内容で請求されているか
などを確認します。
領収書
代金の支払いが完了したことを証明する書類です。
販売事業者から発行された領収書がある場合は、
請求金額と一致しているか
宛名が補助事業者名(法人名や屋号)になっているか
が確認されます。
振込記録
補助金の支払いは原則として銀行振込です。そのため、
銀行が発行した振込受取書(振込明細書)
実際に資金が引き落とされた通帳の原本(またはネットバンキングの取引履歴画面・PDF)の提示
を求められます。
手渡しでの現金支払いは認められないケースが多いため、この振込記録は極めて大切です。
写真資料
実績報告時に提出した(または提出する予定の)導入製品の設置写真です。
製品全体
設置場所の遠景
製品の型番やシリアルナンバーがはっきりと読み取れる銘板(プレート)
のズーム写真を用意します。
検査官は当日、この写真と目の前にある現物を照合します。
実地検査で指摘されやすいポイント

実地検査で不備やルール違反が見つかると、補助金の減額や、最悪の場合は交付取消・返還を求められることがあります。
特に指摘されやすいのは以下の4点です。
設備の未導入
セットアップ未完了→箱に入ったまま放置されている、電源や配線が繋がっておらず動かせないという状態も未導入(事業未完了)とみなされる。
現物がない→書類上は納品・設置完了となっていても、半導体不足による物流の遅れや施工の遅れで、検査当日に対象の機器が現場に届いていない・設置されていないケース。
補助対象外経費の計上
汎用性の高いもの→パソコンや一般的なスマートフォンなど、他の業務にも使い回せる汎用的な機器の購入代金が紛れ込んでいる場合も対象外。
カタログ外の製品→省力化補助金はカタログに登録された製品のみが対象。製品本体に含まれない周辺機器や、自社が勝手に追加したオプション品、消耗品などの費用が請求書に混ざっており、それを補助対象経費として申請してしまっていると指摘・減額される。
書類不備
日付の矛盾→交付決定日よりも前に発注・契約している、あるいは事業完了期限を過ぎてから支払いを行っているなど、時系列の矛盾は一発で指摘される。
金額や宛名の不一致→見積・請求・振込の金額が1円でもズレている、領収書の宛名が社長個人の名前になっている、法人のロゴや印鑑が漏れているといった形式的なミスも指摘の対象。
保管義務違反
原本がない→コピーやPDFデータしか手元になく、契約書や領収書の原本を紛失してしまっているケース。補助事業の書類は、原則として事業完了の翌年度から5年間(補助金によってはそれ以上)、いつでも提出できるように整理・保管しておく法的義務がある。実地検査の時点で原本が紛失していると、適正な支出と認められないリスクがある。
みんなの補助金コンシェルジュでは、実地検査で指摘されやすいポイントの確認や書類準備を支援しています。
実地検査への備え方

出典:中小企業庁担当者に聞く「中小企業省力化投資補助金の活用状況とポイント
実地検査をスムーズにクリアするためには、事前の
書類の整理
現物の動作確認
の2点がすべてです。
書類のファイリング(原本準備)
交付決定通知書から、
見積
契約
請求
振込記録(通帳原本など)
にいたるまで、時系列順にファイリングしておきます。
検査官に〇〇の書類を見せてくださいと言われた際、すぐに原本を提示できるように配置しておきます。
設備・機器の動作環境の整備
導入した省力化製品がいつでも動かせるよう、電源や通信環境を整えておきます。
当日は実際に動かすデモンストレーションを求められるため、操作できる担当者のスケジュールも確保しておきます。

型番とシリアルナンバーの目視確認
製品についている銘板(プレート)の型番や製造番号が、申請書類や写真資料と完全に一致しているか、事前に自分たちの目で文字を確認しておきましょう。
実地検査後の流れ

実地検査が終わったあとの一般的な手続きの流れは以下の通りです。
是正措置・追加書類を提出する(指摘があった場合のみ)
確認できない事項
検査当日に書類の軽微な不備
があった場合、事務局から〇日以内に修正書類や追加の写真を提出してくださいと指示が入るため、速やかに対応しましょう。
検査結果の確定(事務局内での審査完了)
実地検査の報告書が事務局内で承認され、すべての不備がクリアされると、補助金の最終的な支給額が確定します。
補助金の確定通知と入金
事務局から補助金確定通知書が届き、その後、指定した口座に補助金が振り込まれます。
定期的な効果報告(フォローアップ)の開始
入金後も事業は終わりません。
定められた期間(例:製品導入後から数年間)、労働生産性がどれだけ向上したかなどの効果報告を定期的にシステムから提出する義務がスタートします。

出典:トップページ(カタログ注文型)|中小企業省力化について
参考:【公式】独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構) HP
省力化補助金の実地検査に関するQ&A
Q1. 実地検査は必ず行われますか?
A. 必ず行われるわけではありませんが、誰にでも選ばれる可能性はあります。
すべての事業者を対象に実施されるわけではなく、補助金額が大きい場合や、
事務局が現地確認が必要と判断した事業者
ランダムな抽出(サンプリング)によって選ばれた事業者
を対象に行われます。
選ばれた場合は拒否できません。
Q2. 実地検査はいつ行われますか?
A. 一般的には、製品を導入して実績報告を提出したあと、補助金が振り込まれる前に行われます。
実績報告書の書類審査と並行、あるいはその直後に日程調整の連絡が入ります。
ただし、補助金が支給されたあとの効果報告期間(数年間のフォローアップ期)に、
抜き打ち
事後確認
として行われるケースもあります。
Q3. 書類を紛失した場合はどうなりますか?
A. 補助金が全額(または一部)受け取れなくなる、あるいは返還を求められるリスクがあります。特に
発注書
請求書
振込明細
などの原本がないと、お金のやり取りが証明できず、対象経費として認められなくなります。
万が一紛失した場合は、速やかに販売事業者に再発行を依頼するなど、検査日までに打てる手を尽くしてください。
Q4. 導入設備を売却しても問題ありませんか?
A. 問題あります。
一定期間(原則5年間)は処分制限が設けられているため、事前の許可なく
売却
廃棄
担保設定
をしてはいけません。
無断で売却や転売を行ったことが発覚した場合、補助金の全額返還を求められるだけでなく、悪質な場合は事業者名が公表されるなどのペナルティが科されます。
どうしても処分が必要な場合は、事前に必ず事務局へ相談し、承認を得てください。
Q5. 実地検査で不備が見つかるとどうなりますか?
A. 軽微なものであれば再提出・修正で済みますが、重大なルール違反は補助金取り消しになります。
日付のズレ
書類の軽微なミス
であれば、指示に従って修正すれば問題ありません。しかし、
虚偽の報告をしていた
カタログ外の製品だった
設備がまだ設置されていない
といった重大な不備・不正が発覚した場合は、
補助金の減額
交付決定そのものの取り消し(不交付・返還)
などがあります。
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監修者からのワンポイントアドバイス
省力化補助金の実地検査は、公的資金が適正に使用され、対象の製品が現場で確実に稼働しているかを検証する重要な最終関門です。検査当日は、導入設備の現物(型番・シリアルナンバー)の確認や実演デモが求められるほか、見積書から振込記録に至るすべての証憑の原本提示が必須となります。

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

