融資の種類について完全網羅!目的に応じた融資の選び方も解説!
「融資にどんな種類があるか知りたい」「融資の種類による特徴や条件を踏まえて、最適な融資先を見つけたい」
という方はぜひご覧ください。この記事で融資の種類について理解し、事業目的に沿った融資を選べます。
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この記事を監修した専門家
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
主な融資の種類は?
はじめに融資の主な種類についての解説です。融資は大きく2つに分けられます。
民間融資
1つ目は民間融資です。民間融資では通常、銀行から融資を受けることができます。主に受けられる融資は2つです。
この2つの違いとして、金利と審査基準が挙げられます。一般事業資金は金利が低い代わりに審査が厳しい傾向があります。
一方でビジネスローンは迅速に融資を受けられる代わりに金利が高いのです。2つの民間融資の特徴を押さえておきましょう。
公的融資
2つ目は公的融資です。具体的には、以下のものがあります。
- 地方自治体の制度融資
- 信用保証協会の保証付融資
- 日本政策金融公庫の事業融資
公的融資は国や地方自治体などの公的機関が設けている融資制度で、さまざまな目的で資金調達ができます。
幅広い資金調達のニーズに対応しているので、自分の目的に沿った融資が受けやすかったり、より好条件な融資か見つかりやすかったりします。
融資の種類ごとの利用条件
ここでは融資の種類ごとの利用条件についてご紹介します。
- 一般事業資金
- ビジネスローン
- 地方自治体の融資制度
- 信用保証協会の保証付融資
- 日本政策金融公庫の事業融資
一般事業資金
一般事業資金は、事業の運転資金や設備投資に利用される融資で、事業を運営するための資金が不足している場合に活用されます。
一般事業資金は、事業実績(事業をどのくらい運営しているか)、信用情報のチェック、事業計画書の提出が条件です。
事業内容や運営年数によって違いがあるので、ご自身が条件を満たしているかを確認するようにしましょう。
信用情報や事業計画書もチェックの対象となるので、あらかじめ問題がないかを確認しておくと安心です。
利用条件 | チェック項目 |
事業実績 | 事業をどのくらい運営しているかなど |
信用情報のチェック | 過去に返済の遅延があるかなど |
事業計画書 | 返済計画 予測収益 資金の使用目的など |
ビジネスローン
ビジネスローンは、比較的早く資金調達ができる融資方法です。他の融資に比べて審査が緩やかですが、金利が高めに設定されていることがあります。
ビジネスローンを利用するには、法人または個人事業主であること、必要書類の提出が条件です。
法人の場合は代表者の個人保証が求められることがあるので、準備しておくようにしましょう。
またビジネスローンは融資額の上限が低い場合が多く、少額の資金調達に向いているといわれています。
利用条件 | チェック項目 |
個人事業主または法人であること | 法人の場合は代表者の個人補償が必要 |
必要書類の提出 | 直近の決算書 納税証明書 代表者の身分証明書など |
利用額の上限 | 上限がだいたい500〜1,000万円くらい |
地方自治体の融資制度
地方自治体の融資制度は、各地域の経済を活性化するために提供されている融資制度で、地域密着型の事業や創業者向けに特化したものが多いです。
地方自治体の融資制度を受けるために、事業を行っている場所が特定の地域内にあることが条件としてあります。
また自治体によって特定の業種に限定された融資制度(農業や観光業など)があるので、どの融資制度に当てはまるかをチェックしましょう。
さらに自治体によっては、より低い金利で融資を受けられるので、対象となる自治体を調べることをおすすめします。
利用条件 | チェック項目 |
地域限定 | 事業が特定の地域内にあること |
事業内容 | 業種限定の融資がある |
金利の優遇措置 | 自治体によって低金利で融資を受けられる |
信用保証協会の保証付融資
信用保証協会の保証付融資は、借入申請者の信用リスクを保証協会が引き受けることで、金融機関からの融資を受けやすくなる制度です。
この融資を受ける条件として、保証料が発生します。保証料は借り入れる人が負担するので、信用力を賄ってくれる代わりの手間賃と捉えましょう。
また対象となる人は個人事業主や中小企業です。特に創業して間もない企業や信用がまだ十分でない場合に利用されます。
そして保証協会が保証してくれる割合は80%〜最大100%です。保証してもらった割合以外は借り入れる人が負担します。
利用条件 | チェック項目 |
保証料の発生 | 自己負担となる |
対象者 | 中小企業や個人事業主 |
保証割合 | 融資額の80%〜100%を負担する |
日本政策金融公庫の事業融資
日本政策金融公庫の事業融資は、政府系金融機関によって提供される融資で、創業者や中小企業に対して手厚い支援が行われています。
利用条件は、事業を営んでいる、もしくは開業の予定のある方が対象です。また融資によっては用途の制限もあるのでよく確認してください。
そして審査基準においては、事業内容や経営能力の有無で判断されるので、事業計画書や経営能力を証明できるようにしておきましょう。
利用条件 | チェック項目 |
対象者 | 創業者や中小企業 |
必要なもの | 事業計画書や経営能力の証明 |
対象融資 | 融資に用途制限がある |
融資の種類ごとのメリット・デメリット(民間融資)
次は融資の種類ごとのメリット・デメリットを見ていきましょう。民間融資から解説します。
一般事業資金
一般事業資金についてのメリットは、柔軟性や幅広い利用目的を設けている点です。事業の規模や目的に合わせて、さまざまな用途で利用できます。
デメリットは金利が高いケースがあること、審査が厳しいことが挙げられます。ご利用の際は、審査通過のためにしっかりと準備をしておくと安心です。
ビジネスローン
ビジネスローンのメリットは、審査を受けてから融資を実行するまでの期間が早く迅速に資金調達が行える点です。
また金融機関によっては、申し込みから融資の実行まで全てオンラインで完結するところもあり、便利な点もあります。
デメリットは金利が高く、短期的な融資に向いているため、適した目的・用途で融資を受けるのが良いといえます。
融資の種類ごとのメリット・デメリット(公的融資)
公的融資のメリット・デメリットもご紹介します。
- 地方自治体の制度融資
- 信用保証協会の保証付融資
- 日本政策金融公庫の事業融資
地方自治体の融資制度
地方自治体の融資制度のメリットは、金利の低さです。地方自治体が資金を提供しているため、比較的金利が低くなります。
また地域経済の活性化に貢献できる点もメリットとしてあり、地域経済が活性化することでその分融資の金利や審査条件にも良い影響が出ます。
デメリットとして、制度が複雑であること、利用できる事業者が限られることがあります。
地方自治体の融資制度を受ける際はご自身の自治体の融資制度をよく確認するようにしましょう。
信用保証協会の保証付融資
信用保証協会の保証付融資のメリットは、審査が通りやすい点です。信用保証協会が保証してくれるため、融資が受けやすくなります。
また審査が通りやすいため、長期の借入がしやすいメリットがあるのです。
デメリットは保証料がかかる、手続きが他の融資に比べると複雑になる場合が多いところです。
審査に通りやすい反面、手続きが複雑であることを覚えておきましょう。
日本政策金融公庫の事業融資
日本政策金融公庫の事業融資のメリットは、比較的低金利で長期融資に適しているのに加え、専門的な相談ができる点です。
やはり自分の事業に沿って融資を選びたいと思うので、専門的な相談ができるのは嬉しいですね。
デメリットは審査が厳しいこと、融資を受けれる金額に上限があることです。審査が厳しいので、慎重に融資の申請を行うようにしましょう。
融資の種類を踏まえて最適な融資先を選ぶ方法
- 専門家に相談する
- 事業計画書を作成する
- 事業のフェーズに応じて決める
専門家に相談する
1つ目は専門家に相談することです。融資を受ける際には、金融の専門家や税理士、経営コンサルタントなどの意見を参考にしましょう。
専門家の意見を参考にすることで、最適な融資の種類や条件を選定する上でのリスクを大幅に軽減できます。
初めから専門家に相談するのも良いですが、前もって自分で調べた上で専門家に相談をすると、より具体的なアドバイスが受けられますよ。
事業計画書を作成する
2つ目は事業計画を作成することです。融資を受けるための最も重要な書類となります。
事業の目的、目標、戦略、収益計画などを詳細に記述した事業計画書があることで、金融機関に対して事業の信頼性を示すことができます。
事業計画書をもとに経営能力や返済計画などを決めていく指標にもなるので、必ず作成するようにしましょう。
事業のフェーズに応じて決める
3つ目は事業のフェーズに応じて決める方法です。融資を選ぶ際には、あなたの事業が現在どのフェーズにあるのかを考慮しましょう。
創業期においては、日本政策金融公庫の創業融資や地方自治体の創業支援融資など、創業者向けの支援制度を活用するのが効果的です。
事業が成長し、さらなる拡大を目指す段階は一般事業資金やビジネスローンが適しています。
このように事業のフェーズによって最適な融資も変わってくるので、事業計画と同時に融資の計画も立てておくと、より現実的なものとなるでしょう。
融資以外の資金調達方法
融資以外にも資金調達ができる方法があるので今回は2つご紹介します。
補助金または助成金
1つ目は補助金や助成金です。補助金や助成金は、政府や自治体、民間団体などから提供される返済不要の資金です。
条件を満たすと資金が提供されるため、財務負担を減らすことができ、特定の分野や活動に特化した支援が受けられるので事業展開の計画がしやすいです。
注意点としては申請がやや複雑であること、募集期間が限定されていることです。このことから、適切なタイミングで申請をする必要があります。
エクイティファイナンス
2つ目はエクイティファイナンスです。エクイティファイナンスは、株式を発行して投資家から資金を調達する方法です。
借入ではないため、返済義務がないのが特徴。資金調達が成功すれば大規模な資金を獲得できる反面、株式を発行することで経営権の一部を手放すこととなります。
また投資家たちの期待に応えるプレッシャーや、事業の価値を正確にプレゼンする能力が求められます。
【まとめ】融資の種類を覚えて自分の目的に沿った融資先を選ぼう!
今回は融資の種類について詳しく解説しました。融資には種類によって特徴が異なり、目的に沿って融資を利用することが大切です。
また事業のフェーズによってもどの融資を受けた方が良いのかが変わってくるので、ご自身で調べる、専門家に相談することを意識しましょう。
今回の記事を参考に、自分に合った融資先を探してみてくださいね。
融資以外の資金調達もご検討ください!
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