補助金受給時に圧縮記帳で税金を先延ばしをする方法は?
補助金を受給際に一時的に税金が増えますが、圧縮記帳という制度を活用すればの納付の先延ばしができます。本コラムでは圧縮記帳について分かりやすく解説します。
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圧縮記帳とは?初めてでもわかる基本知識
圧縮記帳とは、補助金等臨時的に発生する一定の収入にかかる税金を、補助金を受け取った時に一度に課税するのではなく、次年度以降に遅らせる制度のことです。
簡単に言えば、補助金を受け取った年度の税金を抑えるための手続きです。
例えば、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の補助金を受け取った場合にも圧縮記帳が使えます。
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圧縮記帳は補助金を受け取った場合以外にも活用できます。
圧縮記帳が使えるケース
- 特定資産の買換え
- 土地や建物を交換したとき
- 国庫補助金等で取得した資産
- 工事負担金で取得した資産
- 保険金等で取得した固定資産等
補助金受給時に圧縮記帳を活用すべき理由
補助金受給時に圧縮記帳を活用すべき理由は、受給により一時的に増えた税金を、分割して計上(先延ばし)できるからです。
ただし、圧縮記帳は、税金の免除ではなく、支払い時期を遅らせるための制度という点にご注意ください。
圧縮記帳のメリットとデメリット
メリットとデメリットと踏まえた上で圧縮記帳を行いましょう。
メリット
- 税金の負担を軽減:一度に多額の税金を支払う必要がなく、経営の安定性が向上します。
- 資金繰りの改善:税金の支払いを期をまたいで分散することで、資金繰りが楽になります。
デメリット
- 課税額増加の可能性:対象資産を途中で売却すると、取得価額が圧縮されているため、売却益が大きくなり、課税額が増える可能性があります。
- 管理作業の複雑化:多くの圧縮記帳資産を持つと、資産管理が複雑になり、管理作業が増えます。
圧縮記帳の具体的な仕訳方法
圧縮記帳の具体的な仕訳方法について具体例を用いて分かりやすく解説します。
事例:
500万円の機械(耐用年数8年)を手元資金200万円と補助金300万円で購入する場合
圧縮記帳を行わないで会計処理をする場合
【補助金の受取り】
現預金:300万円
雑収入:300万円
【機械の購入】
機械:800万円
現預金:800万円
【決算時の減価償却費の計上(定率法償却率0.200)】
減価償却費:160万円
機械:160万円
※800万円×0.200=160万円
【結果】
補助金300万円 - 減価償却費160万円 = 利益140万円
支払う税金(税率40%):140万円×40%=56万円
実質受取額:244万円(300万円 - 56万円)
この事例の場合、圧縮記帳を行わないと補助金の受取額が約81%減少してしまいました。
圧縮記帳を活用して会計処理をする場合
【補助金の受取り】
現預金:300万円
雑収入:300万円
【機械の購入】
機械:800万円
現預金:800万円
【圧縮損の計上】
圧縮損:300万円
機械:300万円
【決算時の減価償却費の計上(定率法償却率0.200)】
減価償却費:100万円
機械:100万円
※(800万円 - 300万円)×0.200 = 100万円
圧縮記帳では、補助金と同額の損失を計上して機械の取得価額を減少させるため、利益は赤字となり税金は発生しません。
その結果、補助金の全額を受け取れることができます。
圧縮記帳を適用できるケースとその限度額
圧縮記帳は、補助金受給の他、土地や建物を交換したとき等さまざまな場合に活用できますが、適用期限はそれぞれ異なります。
国庫補助金を使って固定資産を取得した場合は、その補助金の額が圧縮限度額となります。
参考:国税庁
補助金を受給して圧縮記帳を行う際の注意点
補助金を受給して圧縮記帳を行う際の主な注意点は次の3点です。
適用期限
特定の圧縮記帳制度には適用期限があり、期限内に手続きを行う必要があります。
税務上の影響
圧縮記帳により、税金の支払いを一時的に抑えることができますが、将来的な売却時などには逆に税負担が増える可能性があります。
適用要件の確認
圧縮記帳は特定の要件を満たす必要があり、適用できる資産や補助金が限られています。
圧縮記帳の申請方法
圧縮記帳の適用をうけるには、法人税の申告時に、申告書の別表として「国庫補助金等、工事負担金及び賦課金で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書」を添付する必要があります。
明細書には受けた補助金の名称等や圧縮記帳の内容を記載します。
添付資料はこちら!
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補助金などは金額も大きく、何も対策をしないでいると期末に想定以上の納税が発生して経営を圧迫してしまう可能性があります。
圧縮記帳によって、より計画的な経営がしやすくなりますので制度の活用をぜひご検討ください。
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