法人印鑑証明書の取得に必要なものは?事前準備が重要

法人印鑑証明書の取得に必要なものは、申請方法別によって異なるので、事前準備が何よりも重要です。 今回は法人印鑑証明書の取得に必要なものを、申請方法別で詳しく解説します。
井上 雅也

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印鑑証明書 法人 必要なもの

この記事を監修した専門家

監修専門家: 井上卓也行政書士

井上 卓也

代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。

慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

法人印鑑証明書の取得に必要なもの:郵送申請

郵送申請は、法務局に直接出向く必要がないという利便性がありますが、不備があると返送されてしまうため、事前の確認が非常に重要です。
下記で郵送申請時に必要なものを詳しく解説します。

  • 印鑑カード
  • 送付用封筒
  • 手数料分の収入印紙
  • 印鑑証明書交付請求書
  • 返信用封筒(切手貼付・返送先記載済)

印鑑カード

法人印鑑証明書を申請するには、あらかじめ法務局で発行を受けた印鑑カードが必要です。
このカードは、法人設立時に代表者印を登録した際に交付されるもので、証明書の請求時には必ず同封しなければなりません。
印鑑カードは、法人ごとに1枚発行され、再発行には所定の手続きが必要です。

送付用封筒

すべての書類と印鑑カードをまとめて、送付用封筒に封入し、管轄の法務局宛てに郵送します。
送付先は、法人の登記簿を管轄する法務局である必要があり、誤った法務局に送ってしまうと受け付けされず返送されてしまいます。

手数料分の収入印紙

郵送申請の手数料を支払うために、現金を同封することは認められていません。
代わりに、収入印紙を使って納付します。

印鑑証明書交付請求書

法務局指定の「印鑑証明書交付請求書」に必要事項を記入します。
この様式は法務局の窓口でも入手可能ですが、法務省のウェブサイトからダウンロードして印刷したものでも使用できます。
請求書には、法人名、会社法人等番号、必要通数、提出先などを正確に記入する必要があります。

返信用封筒(切手貼付・返送先記載済)

証明書を返送してもらうために、切手を貼った返信用封筒を同封します。
封筒には、法人の所在地または受け取り希望先の住所を記載し、所定の郵便料金分の切手を貼付しておく必要があります。
簡易書留などでの返送を希望する場合は、その分の郵便料金を反映した切手を使用してください。
参考:郵送による登記事項証明書,印鑑証明書等の送付の請求について

法人印鑑証明書の取得に必要なもの:法務局窓口申請

法務局の窓口で取得する際には、即日発行が可能である点が大きなメリットです。
ただし、その場で手続きを完結させるためには、必要なものをすべてそろえたうえで来庁することが前提となります。

  • 印鑑カード
  • 手数料分の収入印紙
  • 印鑑証明書交付請求書
  • 申請者本人の身分証明書(原則不要だが念のため持参)

印鑑カード

窓口で法人印鑑証明書を請求するには、法人の印鑑カードの提示が必須です。
カードがなければ、たとえ代表者本人が来庁しても証明書は発行されません。
再発行は一定の手続きが必要なため、カードは厳重に保管しておく必要があります。

手数料分の収入印紙

窓口での申請における手数料は、1通あたり600円です。
この金額分の収入印紙を購入し、請求書に貼付する必要があります。
なお、現金での支払いはできず、必ず収入印紙での納付となります。

印鑑証明書交付請求書

法務局の窓口に設置されている「印鑑証明書交付請求書」に必要事項を記入します。
法人名、会社法人等番号、必要通数、提出先の目的などを記載し、申請者欄には実際に申請に来た人物の氏名を記載します。
申請書はその場で記入することもできますが、事前に記入しておくと手続きがスムーズです。

申請者本人の身分証明書(原則不要だが念のため持参)

法人印鑑証明書の窓口申請では、印鑑カードがあれば本人確認書類は原則不要とされています。
しかし、代理人が申請する場合や申請内容に不備がある場合など、状況によっては身分証の提示を求められることがあります。
そのため、念のため運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書を持参しておくと安心です。

法人印鑑証明書の取得に必要なもの:オンライン申請

印鑑証明書 法人 必要なもの
法人印鑑証明書をオンラインで申請する場合は、「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を利用することになります。
オンライン申請は、法務局の窓口に出向くことなく申請できる利便性がある一方で、事前に用意すべき機器や書類、登録作業が多いため、しっかりと準備を整えましょう。

  1. 印鑑カード
  2. 電子証明書
  3. 申請用総合ソフト
  4. 登記ねっとの利用者登録
  5. 電子納付に対応した支払い手段
  6. インターネット環境とWindowsのパソコン

印鑑カード

オンライン申請でも、実際に印鑑証明書を受け取る際には法人印鑑カードが必要です。
証明書を法務局の窓口で受け取る場合には印鑑カードを提示することが求められます。
郵送受け取りの場合には印鑑カードを同封する必要はありませんが、証明書発行の根拠としてあらかじめ法務局で印鑑カードを取得しておきましょう。

電子証明書

申請内容には電子署名が必要であり、そのために電子証明書が必要です。
法人代表者のマイナンバーカードに搭載された署名用電子証明書、または法人向けの商業登記用電子証明書(民間の認証局が発行)などを準備します。
電子証明書がないと、申請データに署名を付与することができず、オンライン申請は完了しません。

申請用総合ソフト

登記ねっとで申請を行うためには、法務省が提供している「申請用総合ソフト」をパソコンにインストールする必要があります。
このソフトを使って申請書を作成し、電子署名を付与して送信します。
ソフトはWindows対応であり、利用にはJavaの動作環境(申請用総合ソフトが正常に機能するためのプログラム)も必要となるため、事前にパソコンの動作条件を確認しておくことが大切です。

登記ねっとの利用者登録

オンライン申請を行うには、まず「登記ねっと」に利用者登録を行う必要があります。
法人名義での登録となり、代表者の氏名、会社法人等番号、所在地、連絡先メールアドレスなどを入力して利用者IDを取得します。
利用者登録は無料で、初回申請の前に必ず済ませる必要があります。

電子納付に対応した支払い手段

手数料の支払いは、オンライン申請では電子納付(Pay-easy)が原則となります。
インターネットバンキング、モバイルバンキング、またはATMからの支払いが可能です。
納付番号を控えた上で、指定された期限内に支払いを完了させる必要があります。

インターネット環境とWindowsパソコン

申請用総合ソフトの動作には一定のPCスペックと環境が求められます。
インターネットに安定して接続できる環境、かつWindows OS(推奨:Windows 10または11)を搭載したパソコンが必要です。
MacOSには対応していないため、申請の前に環境を確認しておくとスムーズです。
参考:法務局

法人印鑑証明書の取得に必要なもの:専門家の申請代行

法人印鑑証明書の取得を、司法書士や行政書士などの専門家に代行依頼する場合には、申請を代行してもらうための準備が必要です。
以下に専門家による申請代行で必要となるものをまとめました。

  • 印鑑カード(原本)
  • 印鑑証明書交付請求書
  • 委任状(必要に応じて)
  • 手数料分の収入印紙(または電子納付の手段)
  • 依頼内容の明確な指示(通数・受け取り方法など)

法人印鑑カード(原本)

専門家が法務局の窓口で印鑑証明書を申請する場合、法人の印鑑カードの原本が必須です。
印鑑カードは、原則として法人1枚限りの発行となっています。
専門家に預ける際は、紛失や管理に十分注意しましょう。

印鑑証明書交付請求書

印鑑証明書交付請求書は、専門家が作成する場合でも、法人の正確な情報をもとに記入されます。
法人名、会社法人等番号、必要通数、提出先などの情報を提供する必要があります。
原則として、法人からの依頼をもとに請求書を作成し、法務局に提出します。

委任状(必要に応じて)

一部の法務局や取引先によっては、代理人による申請に対して委任状の提出を求められることがあります。
委任状には、法人の正式な代表者が記名押印し、誰に何の手続きを委任するかを明記します。
とくに、郵送での証明書受け取りや、証明書を第三者に引き渡す場面では、委任の有無が問われる場合があります。

手数料分の収入印紙(または電子納付の手段)

証明書の発行手数料は、専門家がどの申請方法を用いるかによって納付手段が異なります。
窓口申請であれば収入印紙を、オンライン申請であればPay-easyなどによる電子納付が必要です。
費用は代行報酬と合わせて法人側が支払うのが一般的です。

依頼内容の明確な指示(通数・受け取り方法など)

専門家に依頼する際には、何通必要か、どこで受け取るか、急ぎかどうかなどの依頼条件を明確に伝える必要があります。
これにより、代理申請の進行がスムーズになり、誤発行や再申請のリスクを防ぐことができます。

法人印鑑証明書の取得に必要なもの:証明書発行請求機

法務局の一部には証明書発行請求機が設置されており、これを利用することで法人印鑑証明書を窓口に並ばずに取得することが可能です。
ここでは証明書発行請求機を利用する際に必要なものを解説します。

  • 印鑑カード
  • 証明書交付手数料(収入印紙)
  • 操作に必要な基本情報(会社名・法人番号など)

印鑑カード(法人印鑑カード)

証明書発行請求機を利用するうえで最も重要なものが印鑑カードです。
印鑑カードを機械に挿入することで、登録された法人情報に基づき証明書が発行されます。カードがない場合、請求機を利用することはできません。

証明書交付手数料(収入印紙)

証明書発行請求機で印鑑証明書を取得する場合の手数料は1通あたり500円で、窓口申請やオンライン申請よりも若干安いことが一般的です。
ただし、機械での支払いは現金ではなく収入印紙で行います。
利用者は、所定の金額分の収入印紙をあらかじめ購入し、機械で印紙を貼付・投入して支払う仕組みになっています。
収入印紙は、多くの場合、法務局内の売店や近隣の郵便局などで購入することができます。

操作に必要な基本情報(会社名・法人番号など)

証明書発行請求機では、印鑑カードによって法人情報が読み取られますが、必要に応じて会社名や法人番号などの確認が求められることがあります。
画面の案内に従って入力する形式のため、事前に正確な情報を把握しておくとスムーズに操作が進みます。
参考:証明書発行請求機

法人印鑑証明書の取得に必要なもの:法人証明書請求

法人証明書請求は、請求における手間や時間を省くことができる便利なサービスです。
弊社では法人証明書請求サービス(Rakulia法人証明書請求)を提供しているので、弊社のサービスにおいて取得に必要なものをご紹介します。
必要なもの

  • スマートフォン
  • クレジットカード(支払い手段)

Rakulia法人証明書請求は、24時間365日申請が可能です。
最短1分で簡単に申請できる点も魅力で、申請にかかる手間や労力を大幅に軽減できます。
便利で手軽な反面、料金は自身で申請する場合と比べ、やや高いです。
印鑑証明書を手軽に申請・取得したい方は、下記リンクからチェックしてみてください。
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電子証明書の取得方法は?

オンライン申請で必要となる電子証明書の取得方法を詳しく解説します。

  1. 電子証明書を選定する
  2. 必要書類を準備する
  3. 申請書を提出する
  4. 本人確認と審査を受ける
  5. 電子証明書を受け取る
  6. 登記ねっとで証明書を設定する

1.電子証明書を選定する

法人が利用できる電子証明書には主に以下の2つの種類があります。

  • 商業登記に基づく電子証明書(法務局発行)
  • 民間認証局が発行する電子証明書(GMO、セコム、NTTデータなど)

オンラインでの登記申請や印鑑証明書の交付請求には、法務局が発行する「商業登記に基づく電子証明書」がよく使用されます。
認証局の選択は、利用目的や社内のセキュリティポリシーに応じて決定してください。

2.必要書類を準備する

電子証明書を取得するには、以下のような書類や情報が必要です。

  • 会社の印鑑登録証明書
  • 登記簿謄本(履歴事項証明書)
  • 委任状(代理人が申請する場合)
  • 電子証明書の申請書(各認証局の様式に従う)
  • 代表者本人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)

発行元によって提出書類が異なる場合があるため、申請先の認証局または法務局の案内を事前に確認しましょう。

3.申請書を提出する

取得先として選んだ認証局の申請ページまたは書面で、申請手続きを行います。
オンライン申請が可能な場合もありますが、法務局発行の電子証明書については、申請書を印刷し、必要書類を添付して登記所に郵送または持参する必要があります。
民間認証局を利用する場合には、ウェブフォームへの入力や本人確認資料のアップロードが求められるケースもあります。

4.本人確認と審査を受ける

提出された情報に基づいて、発行元である法務局や認証局が審査と本人確認を行います。
必要に応じて、電話での確認や追加資料の提出が求められることもあります。

5.電子証明書を受け取る

審査が完了すると、電子証明書が発行されます。証明書は以下のいずれかの形式で提供されるのが一般的です。

  • USBトークン形式
  • ICカード形式(専用リーダーが必要)
  • PCへのダウンロード形式(セキュリティソフトで保護)

受領後は、登記・供託オンライン申請システムや申請用総合ソフトに設定し、電子署名に使用できるよう準備します。

6.登記ねっとで証明書を設定する

取得した電子証明書を、登記・供託オンライン申請システムで利用するためには、利用者情報に電子証明書を登録する必要があります。
申請用総合ソフトの設定画面から、証明書ファイルやトークンの情報を読み込み、正しく署名ができるかを確認します。
設定後は、オンラインでの印鑑証明書申請や登記申請が可能になります。
参考:法務省

収入印紙が購入できる場所

収入印紙が購入できる場所は、主に下記の場所です。

  • 郵便局
  • 法務局
  • コンビニ
  • 市役所や区役所

ちなみに、コンビニや市役所・区役所では収入印紙の購入は可能ですが、印鑑証明書の申請はできないので注意しましょう。
郵便局においても、郵送に関する業務のみ対応しているので、印鑑証明書についての具体的な相談はできません。

印鑑カードはどこで手に入る?

印鑑証明書 法人 必要なもの

  • 印鑑カード(法人印鑑カード)は、法務局で発行されます。
  • 印鑑カードを入手できるタイミング
  • 印鑑カードの交付申請方法
  • 再発行について
  • 印鑑カードが取得できる場所について

印鑑カードを入手できるタイミング

印鑑カードは、法人設立時に行う「印鑑届出」と同時に申請することで交付されます。
会社設立登記を完了させる際に、代表者印(実印)を登録する手続きと併せて申請するのが一般的な流れです。
設立登記が完了し、印鑑届出書が受理された後に、印鑑カードが交付されます。

印鑑カードの交付申請方法

印鑑カードを取得するには、次のような書類を法務局に提出します。

  • 印鑑届出書(設立時または変更時に提出)
  • 印鑑カード交付申請書(法務局備え付けまたは法務局サイトから入手可能)

申請は、登記を担当する管轄の法務局で行います。
カードの交付は原則として即日または数日以内に行われます。

再発行について

印鑑カードを紛失した場合には、再発行が可能ですが、所定の手続きが必要です。
再発行の際には「印鑑カード亡失届」および「再交付申請書」を提出し、代表者本人または正当な代理人による手続きが求められます。
紛失時の不正利用防止のため、身分証明書や委任状の提示が必要になるケースもあります。

印鑑カードが取得できる場所について

印鑑カードは、法人の登記簿を保管している場所(法務局)でのみ交付されます。
たとえば、本店所在地が東京23区であれば東京法務局、それ以外の地域であれば所在地を管轄する地方法務局が窓口になります。

法人印鑑証明書に関して相談できる場所は?

法人印鑑証明書に関して相談可能な場所をご紹介します。

  • 法務局
  • 司法書士・行政書士
  • 法務局の登記相談窓口
  • 商工会議所・中小企業支援機関

法務局

法人印鑑証明書の発行を実際に担当しているのが法務局です。
法人の所在地を管轄する登記所に問い合わせれば、最新の申請方法や必要書類印鑑カードに関する手続きなどを丁寧に教えてもらうことができます。
電話や窓口での相談が可能であり、特に手続きに不安がある場合には最も確実な相談先です。
法務局の所在地や連絡先は、法務省の公式サイトで確認することができます。
参考:法務局

司法書士・行政書士

法人手続きの専門家である司法書士や行政書士も、印鑑証明書に関する相談や手続きの代行を依頼できる相談先です。
特に法人設立、役員変更、印鑑登録などの経験が豊富で、実務に即した具体的なアドバイスを受けられるのが特徴です。
相談は事務所に直接依頼するほか、オンライン相談に対応している事務所も増えています。

法務局の登記相談窓口

一部の法務局では、登記手続き専門の相談窓口が設けられており、予約制で担当官による個別相談を受けることが可能です。
相談内容は法人の登記に関するもの全般が対象となっており、印鑑証明書に関する手続きも含まれます。
事前予約が必要な場合があるため、利用を希望する際は事前にウェブサイトや電話で確認しておくと安心です。
参考:東京法務局

商工会議所・中小企業支援機関

地域の商工会議所や中小企業支援センターでも、法人手続きに関する一般的な相談を受け付けている場合があります。
法務局のような具体的な手続き指導は行っていませんが、手続きの全体像や必要書類の確認方法など、基本的な情報提供を受けるには適しています。

まとめ

今回は法人印鑑証明書の取得に必要なものについて解説しました。
申請方法によって必要なものが異なるので、自分が申請する方法はどんなものが必要なのかを事前によく確認するようにしてください。
今回のコラムを参考に、申請に必要なものをスムーズに準備できるようにしましょう。

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