【注意】履歴事項全部証明書は「コンビニで取得」できません
履歴事項全部証明書はセキュリティなどの観点から、コンビニで取得できません。
履歴事項全部証明書を取得するには、法務局で申請しなければいけません。
今回は履歴事項全部証明書の正しい取得方法を解説します。
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この記事を監修した専門家

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
履歴事項全部証明書はコンビニでの取得ができない
履歴事項全部証明書は、会社の基本情報や役員の変更履歴などを証明する重要な書類ですが、コンビニでの取得はできません。
コンビニでは住民票や印鑑証明書など一部の公的書類が取得できますが、履歴事項全部証明書は対象外となっています。
その理由は、履歴事項全部証明書の管理が法務局で厳格に行われているためです。
履歴事項全部証明書には法人の登記事項が詳細に記載されており、第三者が容易に取得できないように法的な制約があります。
そのため、取得には法務局への申請が必要であり、本人確認や手続きの厳格な管理が求められるのです。
住民票や印鑑証明書と、履歴事項全部証明書は情報を取り扱う仕組みが異なるため、同じ方法では取得できないようになっています。
法人の証明書類はプライバシーや不正取得防止の観点から、より厳格な管理が行われています。
履歴事項全部証明書を取得する際は、コンビニではなく、法務局やオンライン申請などの正式な手続きを利用しましょう。
コンビニで取得可能な証明書
コンビニで取得可能な証明書をまとめました。
- 各種税証明書
- 印鑑登録証明書
- 戸籍の附票の写し
- 住民票記載事項証明書
- 戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
- 住民票の写し(住民票コードは記載されていない)
これらの証明書は、基本的にコンビニで取得できますが、取得できる証明書は地域によって異なります。
コンビニで証明書を取得する予定の方は、事前によく確認したうえで取得するようにしましょう。
履歴事項全部証明書を取得するには?

履歴事項全部証明書の取得方法を2つご紹介します。
法務局で申請する
履歴事項全部証明書を取得する方法の一つとして、法務局での申請があります。
法務局での申請には、窓口申請、郵送申請、オンライン申請の3つの方法があり、それぞれの手続き方法や特徴を理解しておくとスムーズに取得できます。
1.窓口申請
法務局の窓口で直接申請する方法は、最も確実で即日発行が可能である点が特徴です。
申請書に必要事項を記入し、収入印紙を貼付して提出すれば、その場で履歴事項全部証明書を受け取れます。
ただし、法人の本店所在地を管轄する法務局でのみ発行されるため、事前にどの法務局に行けばよいかを確認しておきましょう。
窓口申請のメリットは、即日で取得できるため急ぎの際に便利な点です。
しかし、平日のみの受付であり、混雑している場合は待ち時間が発生する可能性があるので注意しましょう。
また、申請に必要な手数料は収入印紙で支払う必要があります。
参考:法務局
2.郵送申請
法務局に行く時間が取れない場合、郵送での申請も可能です。
申請書に必要事項を記入し、手数料分の収入印紙を貼付した上で、返信用封筒(切手を貼付)を同封して法人の本店所在地を管轄する法務局へ送付します。
郵送申請のメリットは、窓口へ行く手間が省けることですが、書類が届いてから処理が行われるため、受け取るまでに数日かかることがデメリットとして挙げられます。
特に、急ぎの場合には不向きな方法といえるでしょう。
参考: 会社・法人の登記事項証明書の郵送請求PDF
3.オンライン申請
履歴事項全部証明書は、法務省が提供する「登記ねっと」を利用してオンラインで申請できます。
申請方法は、まず法務省の公式サイトにある「登記ねっと」にアクセスし、申請を行います。
初めて利用する場合は、専用ソフトのインストールが必要です。
次に申請者の情報(氏名・住所・連絡先など)を入力し、「履歴事項全部証明書」を選択します。
このとき、取得したい法人の商号や本店所在地を正確に入力しましょう。
その後、手数料を電子納付で支払います。
インターネットバンキングやペイジー対応のATMを利用して手続きを行いましょう。
最後に受け取り方法を選択して完了です。
法務局窓口で受け取る場合は、申請完了後、指定した法務局の窓口に出向き、証明書を受け取ります。
窓口では、本人確認書類の提示が求められる場合があるので準備しておきましょう。
郵送で受け取る場合は、指定した住所に証明書が送付されます。
ただし、郵送の場合は数日かかることがあるので注意が必要です。
参考:登記ねっと
専門家に依頼する
履歴事項全部証明書の取得を専門家に依頼する方法もあります。
司法書士や行政書士などの専門家に依頼すれば、手続きを代行してもらえるため、自分で申請する手間を省けます。
専門家に依頼する最大のメリットは、手続きを正確に行って取得できる点です。
特に、法人の登記手続きに不慣れな場合や、遠方にいて法務局に行くのが難しい場合には有効な選択肢です。
司法書士や行政書士は登記関連の業務に精通しており、必要な書類の準備から申請まで一括で対応してくれるため、安心して任せられるでしょう。
たとえば、会社設立時に登記手続きを司法書士に依頼した場合、履歴事項全部証明書の取得も併せて依頼できることが多いです。
また、顧問契約を結んでいる場合は、定期的な証明書取得の代行サービスを提供している専門家もいます。
ただし、専門家に依頼する場合は手数料が発生し、法務局での直接申請よりも費用が高くなる点に注意が必要です。
専門家への依頼は、時間や手間をかけずに確実に履歴事項全部証明書を取得したい場合に適しています。
特に、他の登記手続きと併せて対応してもらいたい場合や、急ぎで取得する必要がある場合には有力な選択肢です。
法人証明書請求を利用すると手続きが楽になります
法人証明書請求を利用することも、選択肢のひとつとしてあります。
法人証明書請求とは、企業が運営している法人証明書請求のツールを使って、証明書類を取得する方法です。
必要事項の記入から申し込みの手続きまで1分程度で行えて、24時間いつでも対応しているところが多いです。
このようなツールを利用する場合、請求には電子証明書が必要となるので、しっかりと準備しましょう。
しかし、面倒な手続きを簡略化する代わりに、自分で直接申請・取得するよりも費用が少しかかる場合が多いです。
できるだけ面倒な手続きはしたくない!という方は、法人証明書請求の利用がおすすめです。
Rakulia法人証明書請求
履歴事項全部証明書を取得する場合の各種費用について
履歴事項全部証明書の取得方法によって、かかる費用が異なります。
ここでは各取得方法ごとの費用や手数料について解説します。
法務局で申請する場合の費用
法務局で履歴事項全部証明書を取得する場合、手数料は申請方法によって異なります。
窓口申請と郵送申請では、証明書1通あたりの費用が決まっており、収入印紙で支払う仕組みです。
窓口で直接申請する場合、1通あたり600円です。その場で収入印紙を購入して支払います。
即日発行が可能なため、急ぎで証明書が必要な場合に適しています。ただし、窓口の受付時間が平日のみである点には注意が必要です。
郵送申請の場合、窓口申請と同額の手数料がかかりますが、これに加えて返信用の封筒と郵送料が必要になります。
たとえば、証明書を速達で受け取りたい場合は、通常の郵便料金に加えて速達料金を負担しなければなりません。
証明書が届くまでに数日かかるため、余裕を持って申請することが重要です。
オンライン申請の場合、手数料が少し安くなります。
オンライン申請をして法務局の窓口で受け取る場合、手数料は480円で、郵送の場合は500円に変わります。
履歴事項全部証明書がいつまでに必要なのか、どのくらい時間に余裕があるのかなどを考慮してご自身で最適な取得方法を選択してください。
専門家に依頼する場合の費用
履歴事項全部証明書を専門家に依頼して取得する場合、法務局での申請手数料に加えて、司法書士や行政書士への報酬が発生します。
依頼する事務所やサービス内容によって費用は異なりますが、一般的には代行手数料として一定額が設定されているのです。
報酬の相場は約2,000円〜2,700円で、郵送や複数枚証明書を取得する場合は追加で費用がかかります。
依頼先によって料金設定が異なるため、事前に見積もりを確認することが重要です。
この方法は、登記に詳しい専門家が対応するため、手続きのミスがなく、スムーズに証明書を受け取れます。
専門家に依頼すると費用は高くなりますが、手続きの負担を軽減し、確実に履歴事項全部証明書を取得できる点が大きなメリットです。
特に、ほかの登記手続きと併せて依頼する場合には、専門家のサポートを活用することでスムーズに進められるでしょう。
履歴事項全部証明書とは?
履歴事項全部証明書とは、法人の登記事項を証明する公式な書類であり、会社の基本情報や変更履歴が詳細に記載されています。
会社の信用調査や契約手続き、融資申請などで必要になることが多く、法人の正式な証明書として広く利用されているのです。
この証明書には、会社名、本店所在地、設立年月日、代表者氏名、資本金、事業目的、役員の変更履歴などが記載されています。
特に、役員変更や増資などの登記事項が過去の履歴も含めて記録されている点が特徴であり、会社の沿革を確認する資料として重要視されます。
たとえば、新規取引先が会社の信用力を確認する際や、銀行が融資審査を行う際には、履歴事項全部証明書の提出を求められます。
また、許認可の申請や登記変更手続きなど、官公庁への提出が必要なケースも多いです。
このため、法人にとっては定期的に取得することが欠かせない書類のひとつとなっています。
履歴事項全部証明書は、会社の証明書としてさまざまな場面で活用されるため、必要な際に迅速に取得できるよう、取得方法を把握しておくことが重要です。
履歴事項全部証明書の概要についてのコラムも参考にしてください。
履歴事項全部証明書とは?取得方法や手数料について分かりやすく解説!
履歴事項全部証明書が必要となる場面

履歴事項全部証明書は、法人の登記事項を証明する公的書類であり、さまざまな場面で求められます。
特に、会社の信用性を確認する必要がある取引や手続きでは、この証明書の提出が必須となるケースが多いです。
企業間の取引では、契約の相手方の法人情報を確認する目的で求められます。
たとえば、新規取引を開始する際、取引先の登記内容を確認することで、法人が正式に登記されていることや、代表者が誰であるかを把握できるのです。
金融機関との取引では、法人名義で銀行口座を開設する際や、融資を受ける際に提出を求められることが一般的です。
銀行は、融資先が正式に法人登記されているかを確認するため、この証明書を使用します。
また、各種許認可の申請時には、会社の実態を証明する書類のひとつとして求められることがあります。
建設業や宅建業などの許認可を取得する際には、登記情報を明確にするために提出が求められます。
会社の合併や分割、組織変更などを行う際にも、登記内容を証明する書類として利用されます。
このように、履歴事項全部証明書は、法人が契約や公的手続きを進めるうえで重要な書類であり、求められる場面が多いです。
必要となるケースを把握し、適切なタイミングで取得できるよう準備しておくことが重要です。
履歴事項全部証明書に関する相談ができる場所は?
履歴事項全部証明書に関する相談ができる場所はいくつかあり、相談内容によって適切な窓口を選ぶことが重要です。
特に、取得方法や必要な手続きに関する疑問を解決したい場合、専門的な知識を持つ機関に問い合わせることで、スムーズに手続きを進められます。
法務局は、履歴事項全部証明書に関する最も信頼性の高い相談窓口です。
全国の各法務局や支局では、取得方法や必要な書類、手数料に関する説明を受けられます。
また、オンラインでの申請方法や法人証明書請求サービスについても案内を行っています。
直接訪問するだけでなく、電話や法務局の公式サイトを活用することで、最新の情報を確認できます。
行政書士や司法書士も、履歴事項全部証明書に関する相談先として有効です。
特に、会社の登記事項に変更がある場合や、複雑な申請手続きを代行してほしい場合には、専門家のサポートを受けるのが効果的です。
行政書士や司法書士は、法人の登記に関する実務経験が豊富であり、適切なアドバイスを提供できます。
相談費用が発生するケースもあるため、事前に費用の目安を確認しておくとよいでしょう。
また、商工会議所や中小企業支援センターでも、法人の手続きに関する相談を受け付けています。
特に、中小企業や個人事業主向けのサポートが充実しており、履歴事項全部証明書の取得方法についても基本的なアドバイスを受けられます。
無料で相談できるケースが多いため、まずはこうした機関を活用するのも一つの方法です。
履歴事項全部証明書の取得に関して疑問がある場合は、適切な相談先を選ぶことで、手続きを円滑に進めることができます。
必要に応じて法務局、専門家、商工会議所などを活用し、正確な情報をもとに準備を進めることが大切です。
参考:法務局(よくある質問)
監修者からのひとこと
履歴事項全部証明書は一般の方にはなかなか馴染みのない書類かもしれません。
法務局で厳格に管理をされており、法務局で所定の手続きを踏んで発行依頼を行うこととなります。
住民票や印鑑証明書等とは取得方法が異なりますので注意しましょう。