美容室の運営に補助金が使える?
小規模事業者持続化補助金<一般型>は、美容室のようなサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で、常時使用する従業員が5人以下であれば、法人・個人事業主を問わず申請が可能です。実際に多くの美容室・サロンが、設備投資や集客のための広告費などにこの補助金を活用しています。
美容室の運営に小規模事業者持続化補助金が使えます!小規模事業者持続化補助金を活用すれば、コストダウンして設備導入やLINE導入が叶います。本コラムでは、美容室の活用事例と申請のポイントを分かりやすく解説します。
カミーユ行政書士事務所代表・行政書士
補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。
慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。 『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。 リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
小規模事業者持続化補助金<一般型>は、美容室のようなサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で、常時使用する従業員が5人以下であれば、法人・個人事業主を問わず申請が可能です。実際に多くの美容室・サロンが、設備投資や集客のための広告費などにこの補助金を活用しています。
区分 | 補助上限額 | 備考 |
通常枠 | 最大50万円 | 美容室など一般的な小規模事業者に該当する場合 |
賃金引上げ枠 | 最大200万円 | 従業員の賃金を地域最低賃金より+50円以上に引き上げた場合 |
卒業枠 | 最大200万円 | 従業員数を小規模の基準(美容室なら5人)超に増やし「卒業」する場合 |
後継者支援枠 | 最大200万円 | アトツギ甲子園のファイナリスト等が対象 |
創業枠 | 最大200万円 | 認定創業支援等事業の支援を受けた創業者 |
インボイス特例の上乗せ | +最大50万円 | 要件を満たすと上記枠に加算可(例:通常枠なら最大100万円になる) |
申請は、いずれか1つの枠のみ可能です。例えば通常枠で75万円の取り組みを行った場合、補助率2/3により最大50万円の補助が受けられます(自己負担25万円)。
区分 | 補助率 | 自己負担額の目安 | 備考 |
通常枠・特別枠(一般) | 2/3 | 例:75万円の経費→25万円負担 | 補助金上限額を超えた分はすべて自己負担 |
賃金引上げ枠(赤字事業者) | 3/4 | 例:100万円の経費→25万円負担 | 赤字事業者に限定/必要書類あり |
例えば、補助率が3/4となる「賃金引上げ枠(赤字事業者)」で申請し、事業全体の経費が100万円だった場合、そのうち最大75万円が補助金として支給されます。この場合、申請者が負担すべき金額(自己負担分)は残りの25万円です。なお、補助率3/4が適用されるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
これらの条件を満たさない場合は、通常の補助率(2/3)となり、補助額は最大66万6,667円、自己負担額は33万3,333円に増加します。
補助対象経費には細かなルールがありますので、事前に公募要領を確認し、商工会議所の支援を受けながら申請を進めましょう。
【内容の詳細】
店舗で使用する設備や備品、機器の購入費用が対象となります。
たとえば、美容室であれば以下のようなものが該当します:
【注意点】
【内容の詳細】
自社の商品・サービスの認知拡大や集客を目的とした広告・宣伝に要する費用が対象です。
たとえば、美容室であれば以下のような活動が含まれます:
【注意点】
【内容の詳細】
販路拡大を目的としたWebサイト・ECサイトの構築、更新、システム開発が補助対象です。
たとえば、美容室では以下のような費用が該当します:
【注意点】
補助対象経費には厳格なルールや制限があるため、申請前に最新の公募要領を精読することが非常に重要です。
また、申請には商工会議所の「事業支援計画書(様式4)」の発行が必須であり、事前相談や書類作成の段階から支援を受けることで、審査上も有利に働く可能性があります。
小規模事業者持続化補助金<一般型>は、美容室などの小規模事業者が販路拡大や業務効率化の取り組みを行う際に、その費用の一部を国が支援する制度です。中小企業庁が所管し、商工会議所のサポートのもと運用されています。
この補助金は、「今後の経営をどう改善するか」という経営計画を策定したうえで、
といった具体的な施策に使うことができます。
以下のような使い方が、補助対象経費として認められる可能性があります:
※これらは、すべて「販路開拓」や「業務効率化」の目的であり、かつ経営計画に基づく取組である必要があります。
日々の営業で発生する以下のような経費は、補助対象外となります。
つまり、「売上アップや効率化につながる明確な投資」であることが必要条件です。
補助金の申請には、商工会議所の支援を受けながら経営計画を策定し、「事業支援計画書(様式4)」の発行が必要です。詳細は公募要領を確認のうえ、早めの準備をおすすめします。
小規模事業者持続化補助金の概要をチェックする!
美容室運営で小規模事業者持続化補助金を活用した事例を4つ紹介します。
近年、LINEを活用した集客や顧客管理が注目されており、美容室でも導入が進んでいます。ここでは、小規模事業者持続化補助金を活用してLINE公式アカウントを整備した美容室の成功事例をご紹介します。
この美容室では、これまで電話予約が中心で、キャンセルの連絡や空き状況の管理に手間がかかっていました。また、キャンペーンのお知らせなども紙のチラシ中心で、なかなかお客様に届かないという悩みもありました。
そこで補助金を活用し、LINE公式アカウントを活用した以下の取り組みを実施しました。
導入後、次のような成果が得られました。
LINE導入に関連する費用も、「ウェブサイト関連費」や「広報費」などの経費区分として補助対象になります。たとえば以下のような費用が該当します:
ただし、月々の利用料や広告配信費用(運用費)などのランニングコストは補助対象外となるケースが多いため注意が必要です。
補助金を活用してLINEを本格導入したい場合は、「何が補助対象になるか」を事前に整理し、必要な費用を明確にすることが採択のポイントになります。
今やLINEは、幅広い年齢層にとって日常的な連絡ツール。
これを予約・販促にうまく活用することで、リピーターの定着と業務効率の両立が可能になります。
今回の事例では、専門業者に構築を依頼し、システムをきちんと整えたことで、導入後すぐに効果を実感できた点が成功のカギです。
補助金を使えば、このようなITツールの導入費用もまかなえるため、「やってみたいけど費用がネック…」という方にとって、大きな後押しになります。
こちらの美容室は、私鉄の駅から徒歩5分という好立地にあるにもかかわらず、近年はお客様の高齢化により売上が少しずつ落ちてきていました。さらに、スタッフがなかなか定着しないという課題も抱えていました。
そこで補助金を活用し、以下のような新しい取り組みを実施しました。
この美容室の事例では、以下のような費用が補助対象として認められました。
こうした費目はすべて、「売上アップや集客につながる取り組み」であることが前提です。補助金を活用する際は、何のための投資かを明確にしたうえで、該当する経費区分に沿って計画を立てることが大切です。
美容室はサービス業の中でも、意外と設備投資が必要になる場面が多い業種です。炭酸ヘッドスパのような新しいサービスを導入しようとすると、それなりの費用がかかります。そうした時に、補助金を活用することで、負担を大きく軽減することができます。
今回の事例では、
この2点が、成功の大きなポイントになりました。
補助金は単なる「お金の支援」ではなく、自分たちのお店を見つめ直すチャンスにもなります。「こんなサロンにしたい」というビジョンを描き、それを形にしていく過程で、スタッフとの一体感も生まれます。
次にご紹介するのは、長年地域に愛されてきた老舗の理容サロンの事例です。
お店としての信頼はあるものの、年配のお客様が中心になってきたため、これからの集客には若い世代や家族連れの取り込みが必要だと感じていました。
この理容サロンでは、小規模事業者持続化補助金を活用して、以下のような新しいチャレンジを行いました。
取り組みの結果、次のような成果がありました。
この事例で補助金の対象となった費用は、以下のようなものです:
このように、新たなターゲット層へのアプローチやサービスの価値を高める工夫に使う費用であれば、補助対象として認められる可能性が高いです。
今回の例は理容サロンですが、美容室にも応用できるポイントがたくさんあります。
たとえば、
補助金を活用することで、こうした新しい取り組みにも思いきってチャレンジできます。長く続くお店だからこそ、新しい風を取り入れることで、次の世代にも選ばれるサロンへと成長できるのです。
地方で長年営業を続けている、地域密着型の理容室の事例です。
近隣の高齢化が進んだことで、これまで来てくれていたお客様が体調や移動の関係で来店できなくなり、客足の減少という課題を抱えていました。
また、新しいお客様に向けた宣伝手段も限られていたため、打ち手に悩んでいたそうです。
この理容室では、小規模事業者持続化補助金を使って、次のような新しい取り組みを始めました。
このチャレンジにより、次のような成果が出ました。
この訪問美容の取り組みでは、以下のような費用が補助対象として認められました。
サービス紹介用の簡易Webページ作成やQRコード付きチラシなどを制作した場合も、「ウェブサイト関連費」として認められることがあります。
訪問美容のように新しいサービスにチャレンジする場合、「何のための設備・PRなのか」をしっかりと明記することで、補助対象として採択されやすくなります。
この事例は理容室のものですが、美容室でも訪問サービスは十分に展開可能です。
特に地方や住宅街では、「髪を切ってほしいけど外出が難しい」というニーズが高まっています。
美容師として、そうした方々のもとへ自ら訪問しサービスを提供することで、これまで出会えなかったお客様との新しい接点が生まれるかもしれません。
また、今回のように補助金を使えば、高額な訪問用設備の購入も現実的になります。
単にビジネスのためだけでなく、地域への貢献としても非常に価値のある取り組みです。
最後に、美容室が小規模事業者持続化補助金を申請する際に、必ず押さえておきたい注意点をまとめました。「知らなかった…」では済まされないポイントもありますので、事前にしっかり確認しておきましょう。
小規模事業者かどうかの判断は、店舗単位ではなく会社全体の従業員数で見られます。
たとえば、法人として2〜3店舗を運営している場合でも、全店舗のスタッフ(アルバイト含む)を合計した人数が「5人以下」であることが条件になります。
1店舗しかない個人経営のサロンであれば問題ありませんが、複数店舗を運営している方は、まず従業員数の合計を確認しておきましょう。
補助金は「新たな販路を開拓する」または「業務を効率化して経営を改善する」ことを目的に支給されます。
よくあるNG例として、
といった申請があります。これだけでは“投資の理由”が不明確で、採択されにくくなってしまいます。
申請にあたっては、以下のような構成で経営課題と補助事業のつながりを明確にすることが大切です。
補助金で認められている経費にはルールがあります。以下のようなものが対象です。
これらはすべて、「売上アップや効率化につながる投資」であることが前提です。
注意したいのは、日常的にかかるお金は対象外という点です。
たとえば、
これらは補助の対象になりません。経費区分を誤ると、不採択の原因になるので要注意です。
申請が採択されたからといって、すぐに使えるわけではありません。
実際に補助金が使えるのは、「交付決定日(正式な通知が出た日)」以降の支出です。
交付決定前に設備を発注したり、広告を出したりすると、その費用はすべて対象外になってしまいます。
そのため、必ずスケジュールには余裕をもって、交付決定を受けた後に発注・契約するようにしましょう。
個人事業主が小規模事業者持続化補助金を使うメリットは?
小規模事業者持続化補助金申請の申請代行ってできるの?
美容室もリフォームに小規模事業者持続化補助金が使える!活用条件と申請方法は?
実は、「補助金は申請すれば受給できる」わけではありません。
厳しい審査をクリアする必要があり、4社に1社しか通過できない難関補助金も多いのです。
審査通過率を飛躍的に上げるには、申請サポート会社の力を借りるのが鉄則!
提出書類の抜け・漏れがないように、弊社が万全のサポートで審査通過を目指します。
弊社は補助金申請のサポートを行っており、これまでに90億円以上の申請総額、3,000件以上の申請実績があります。
専門家による的確なアドバイスとサポートで、御社を採択へ導きます!
サポートさせていただき見事採択された方々のお喜びの声をご紹介します。
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美容室を経営されていらっしゃる方が本補助金を活用している場面は多く、上手に活用することで集客アップに寄与させることができます。記事の事例を参考にして頂き、ご自身の美容室でも活用できないか検討されると良いでしょう。