【物価高騰】物価高騰により、交際費の経費上限「5千円」から「1万円」へ変更方針

企業を経営している方であれば、誰もが意識する「接待交際費」。年間800万円まで使えるのですが その中で「5000円」の上限があるというところを意識している企業も多いかと思います。しかし今回その上限が変更される可能性があります。いったいどのような流れなのでしょうか。
h.hatsuzawa

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交際費の経費上限「5千円」→「1万円」へ

接待交際費の経費上限「5,000円」とは

事業者であれば意識する、交際費の経費上限「5,000円」。これはいったいどのような意味合いなのでしょうか。
国税局のホームページにはイカのような記載があります。

国税局「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」より

飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用


出典:国税局:交際費等の範囲から除かれるもの

つまり、飲食費等で5,000円以下のものである経費は「全額損金」扱いとなるというわけです。

例えば以下のような飲食を会社で行ったとします。

社員4人、合計16,000円(税込)で飲食した場合→1人あたり4000円で5000円以下なので全額損金。

全額損金となれば、会社としては税金からその分引けるので嬉しいわけです。

しかし以下の場合は事情が変わってきます。

社員4人、合計20,000円(税込)で飲食した場合→1人あたり5000円で5000円以上なので50%損金

5,000円を超えた飲食は「接待交際費」という扱いになり、損金はなんと半分となってしまいます。そのため、会社側としては極力5,000円以下に抑えるようにと通達が出るわけです。

しかし物価高騰等、世の中の価格高騰が叫ばれるなか、なかなか5000円に抑えるのは厳しいのではないか、というのが現状です。

接待交際費の経費上限「5,000円」が「1万円」に


現状、交際費は損金に不算入が原則でしたが、2006年度の税制改正で1人5,000円以下の飲食費は、損金に参入できるようになりました。
しかし世の中の事情が変わり、価格高騰・物価高騰により、飲食費も高騰。会費も当然上昇してしまい、5,000円以下に抑えるというのも厳しい状況となっております。

そんな中、政府・与党は上限を1万円に引き上げる方針を固めたと、朝日新聞が報じております。今月中旬にも策定する税制改正大綱に反映させ、5,000円から1万円に引き上げる方針です。

また、日本商工会議所は、2万円以下への引き上げを求めているという。将来的に上限が徐々に開放され、より交際費の範囲が広がっていく可能性があります。


出典:朝日新聞「経費扱いの交際費、上限「5千円」→「1万円」へ 政府・与党方針」

まとめ


企業側が今まで意識していた5,000円という上限がなくなれば、必然的に社員は交際費として多くの飲食を伴うことが可能となります。物価高騰が今後続いていけば更にその上限は開放されていくのかもしれませんが、いっぽうで、そのぶん「税収」としても減っていくことが予想されるため、何らかの「補填」が必要になってくる可能性があります。

交際費の上限が上がるというのは嬉しいことではありますが、そのリスクも発生するということも念頭に置いて置かなければなりません。

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