既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業とは?設備や補助額は?

「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」というのはどのようなものなのでしょうか。実は我々の非常に身近な場所で活躍するあの「給湯器」にまつわる補助金なのです。
h.hatsuzawa

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既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業

既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業とは

さて今回紹介する補助金「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」とはいったいどのようなものなのでしょうか。
我々が生活する上で欠かせない「住宅」。その上で利用する電気ガスなどの「ライフライン」。
しかし近年価格高騰が続き燃料費も高等しております。
そこで、国は省エネ化をめざす取り組みをする家庭に対しいくらか補助金を出すことを決定。
いったいどのような「製品」が対象となり、具体的な「補助額」はどのようなものなのでしょうか。
今回はそんな「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」の概要と詳細を紹介します。
既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業

既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業の事業目的

公開された資料によると以下のように記載されております。

設置スペース等の都合から、ヒートポンプ給湯機等の導入が難しい既存賃貸集合住宅向けに、小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ等)の導入を促進することにより、第6次エネルギー基本計画における家庭部門の計画省エネ量の達成に向けた取組を加速 させるとともに、エネルギーコストの上昇に強い社会の構築につなげ ることを目的とする。

とのことです。つまり「給湯器」等今後導入を行う過程に対し、省エネタイプのものであれば、補助金を出すというもののようです。
結果、エネルギーコスト上昇にともない、生活に疲弊する国民負担の拍車に歯止めをかける狙いです。

既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業の事業概要

では本事業の概要についてはどのようなものでしょうか。

既存賃貸集合住宅における小型の省エネ型給湯器(エコジョー ズ等)の導入に係る費用を補助(定額)する。
また、業界団体やメーカー等と連携して全国のオーナー・消費者向けに給湯器を省エネ型に変えることの重要性を周知・広報し、 省エネ型給湯器への更新を促す。
さらに、消費者が省エネ型の賃貸集合住宅を選ぶような行動変容を促す環境を整備する。

結果的に業者の売上促進と、エコ住宅への利用促進を狙いがありそうです。

既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業の成果目標

最後に具体的な目標についてです。

2030年度におけるエネルギー需給の見通しにおける家庭部門の 省エネ対策(1,200万kl)中、家庭部門への小型の省エネ型 給湯器(エコジョーズ等)の導入を促進し、本事業による効果も含めて、省エネ量264.9万klの達成を目指す。

264.9万Klの達成目標があるようで、その狙いを達成すべく今回の事業があります。

具体的な補助金額と対象モデル

では具体的にどれほどの補助されるのでしょうか。また、対象の設備はどのようなものがあるのでしょうか。
経済産業省の公式サイトには以下のような記載があります。
(1)ヒートポンプ給湯機
基本額:8万円/台

A要件:10万円/台
インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するもの。
B要件:12万円/台
補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものとして、a又はbに該当するもの。(a.2025年度の目標基準値(JIS C 9220 年間給湯保温効率又は年間給湯効率(寒冷地含む))+0.2以上の性能値を有するもの、又は、b.おひさまエコキュート)
A要件及びB要件を満たすもの:13万円/台
(2)ハイブリット給湯機
基本額:10万円/台
A要件:13万円/台
インターネットに接続可能な機種で、昼間の再エネ電気を積極的に自家消費する機能を有するも。
B要件:13万円/台
補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものとして、以下の要件に該当するもの。(一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)に基づく年間給湯効率が116.2%以上のものであること。)
A要件及びB要件を満たすもの:15万円/台
(3)家庭用燃料電池
基本額:18万円/台
C要件:20万円/台
ネットワークに接続可能な機種で、気象情報と連動することで、停電が予想される場合に、稼働を停止しない機能を有するもの。
基本的に、CO2削減やインターネット接続を行えるものと言う前提で、8万円〜20万円まで補助されます。
金額は企業の補助金に比べると少なく感じるかもしれませんが、家庭用の設備も決して安くはないので、ありがたいことではないでしょうか。

まとめ

今後家を購入する目的がある方や、給湯器を買い替えたいと願う家庭の方は、今回の「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業の成果目標」という事業はマッチしてくるかと思います。
給湯器や燃料電池も決して安くはない設備ですので、このような取り組みで補助金が活用できるのであれば積極的に利用していきたいものですね。
それにより、国の目標を達成できてかつ、エネルギーの利用を抑え、省エネにつながるということであれば一石二鳥です。
なお、個人事業主などの事業者の方はこちらの小規模事業者補助金」の活用も合わせて行うと効果的です。
是非とも導入を検討してみてはいかがでしょうか。