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【専門家が徹底解説】事業再構築補助金2023・令和5年度版

令和5年度初回、事業再構築補助金の第10回公募がスタートしました。 事業再構築とは?の疑問にお答えします!

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【専門家が徹底解説】事業再構築補助金2023・令和5年度版

CONTENTS

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症拡大により、業状が厳しい事業者を支援するために創設された補助金で、変化する経済社会に対応するための事業再構築を行う事業者が対象です。
中小企業などが、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などを行い、事業の再構築を図る際、その事業にかかった経費を補助してもらえます。
新分野展開: 新しい分野や市場に進出し、事業の拡大を図ること。
業態転換: 既存の事業の形態や仕組みを変えて、新たなビジネスモデルやサービスに取り組むこと。
事業・業種転換: 既存の事業や業種から異なる事業や業種に転換すること。
事業再編: 事業の組織や構造を再編成し、効率性や競争力の向上を図ること。

『全枠共通必須要件』

A事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
・補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。)
B付加価値額を向上させること
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。

【2023年度】事業再構築補助金の申請類型

事業再構築補助金には、「成長枠」、「グリーン成長枠」、「卒業促進枠」、「大規模賃金引上促進枠」、
「産業構造転換枠」、「サプライチェーン強靱化枠」、「最低賃金枠」、「物価高騰対策・回復再生応援枠」の8つの事業類型があります。

成長枠

「成長枠」では、市場規模が拡大する業種・業態への転換をする場合、最大7,000万円支援してもらえます。
令和4年度までコロナの影響で業状が厳しい事業者を支援する枠として募集された「通常枠」が終了し「成長枠」に変更されました。
通常枠からの大きな変更点は、「1.売上高等減少要件の撤廃」と「2.成長分野への転換を支援」するという点です。

■1.売上高等減少要件の撤廃

これまで、事業再構築補助金には、事業の継続が困難となっていることを証明する「売上高等現象要件」が全枠共通の「必須要件」として含まれていました。
令和5年度からは、「売上高等減少要件」が必須要件から撤廃され、売上高が減少していない事業者でも申請が可能になりました。
※ただし、各申請枠ごとに、「必須要件」に加えて要件が設けられており、「最低賃金枠」および「物価高騰対策・回復再生応援枠」の対象要件には、「売上高等減少要件」が含まれています。

■2.成長分野への転換を支援

「成長分野の転換を支援」というのは、具体的には、取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していることが要件となります。(市場拡大要件)
対象となる業種については、事業再構築補助金の事務局より「成長枠の対象となる業種・業態の一覧」が掲載されています。
また、上記一覧に掲載されていない業種であっても、応募時に要件を満たす業種・業態であることを証するデータを提出し、認められた場合には対象となります。
対象事業者
必須要件(については、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める)に加え、以下の要件をいずれも満たすこと
(1)取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
(2)事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

項目要件
概要成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業等を支援
補助金額■従業員数20人以下:100万円~2,000万円
■従業員数21~50人:100万円~4,000万円
■従業員数51~100人:100万円~5,000万円
■従業員数101人以上:100万円~7,000万円
補助率中小企業者等: 1/2 (大規模な賃上げを行う場合は 2/3)
中堅企業等 :1/3 (大規模な賃上げを行う場合は 1/2)

グリーン成長枠

温暖化への対応を、経済成長の制約やコストとする時代は終わり、今後は「成長の機会」と捉える時代に突入しているとし、グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象に、補助上限額を最大1.5億円まで引き上げる特別枠です。
「グリーン成長枠」では、2050年に向けて成長が期待される以下のグリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に役立つ取組を行う中小企業などが対象となります。
また、グリーン成長枠は「スタンダード」、「エントリー」の2つの類型が設けられ、通常の「スタンダード」よりも、要件が緩和された類型が「エントリー」となります。
■スタンダード

項目要件
概要成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業等を支援
補助金額■従業員数20人以下:100万円~2,000万円
■従業員数21~50人:100万円~4,000万円
■従業員数51~100人:100万円~5,000万円
■従業員数101人以上:100万円~7,000万円
補助率中小企業者等: 1/2 (大規模な賃上げを行う場合は 2/3)
中堅企業等 :1/3 (大規模な賃上げを行う場合は 1/2)

■エントリー

項目要件
概要成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業等を支援
補助金額中小企業者等
■従業員数20人以下::100万円~4,000万円
■従業員数21~50人:100万円~6,000万円
■従業員数51人以上:100万円~8,000万円
中堅企業等 :100万円~1億円
補助率中小企業者等: 1/2 (大規模な賃上げを行う場合は 2/3)
中堅企業等 :1/3 (大規模な賃上げを行う場合は 1/2)

対象事業者
【エントリー】
必須要件に加え、(必須要件Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める)以下の(1)および(2)を満たすこと
(1)グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当しその取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の5%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
(2)事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

【スタンダード】

必須要件に加え(必須要件Bについては、付加価値額の年率平均5.0%以上増加を求める。)以下の(1)および(2)を満たすこと
(1)グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の10%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
(2)事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

【上乗せ枠】卒業促進枠

「卒業促進枠」は、成長枠またはグリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対し、補助上限額を2倍に引き上げし、支援されます。
例:成長枠及び卒業促進枠に採択された従業員数120人の中小企業(成長枠の補助上限7,000万)が、中堅企業への卒業に成功した場合、追加で7,000万円を上限に上乗せする(合計1.4億円)。
対象事業者
以下の(1)および(2)を満たすこと
(1)成長枠またはグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること
2)成長枠またはグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること
※以下のいずれかを達成する必要があります。
・応募時点で中小企業 → 特定事業者、中堅企業または大企業に成長
・応募時点で特定事業者 → 中堅企業または大企業に成長
・応募時点で中堅企業 → 大企業に成長

項目要件
概要成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等 に成長する事業者に対する上乗せ支援
補助金額成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限を2倍に引き上げ
補助率中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

【上乗せ枠】大規模賃金引上促進枠

おなじく上乗せ枠として新設された「大規模賃金引上げ促進枠」。
成長枠またはグリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対し、補助金額を3,000万円上乗せして支援されます。
対象事業者
以下の要件をいずれも満たすこと
(1)成長枠またはグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること
(2)成長枠またはグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること
(3)成長枠またはグリーン成長枠の補助事業の終了後 3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上(最低事業計画期間×1人の増員が必要)増員させること

項目要件
概要成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等 に成長する事業者に対する上乗せ支援
補助金額成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限を2倍に引き上げ
補助率中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

産業構造転換枠

「産業構造転換枠」は、国内市場の縮小等の産業構造の変化などにより、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者に対し、補助率を引上げる等により重点的に支援されます。
また、 対象経費に廃業費をが追加され、廃業費がある場合は補助上限額が最大2,000万円上乗せされます。
対象事業者
必須要件(付加価値額については、 年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下のいずれかを満たすこと
1.現在の主たる事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態から別の業種・業態に転換すること
2.地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること

項目要件
概要国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業等が取り組む事業再構築を支援
補助金額■従業員数 20 人以下:100 万円 ~ 2,000 万円
■従業員数 21~50 人: 100 万円 ~ 4,000 万円
■従業員数 51~100 人: 100 万円 ~ 5,000 万円
■従業員数 101 人以上: 100 万円 ~ 7,000 万円
※廃業を伴う場合には、廃業費を最大 2,000 万円上乗せ
補助率中小企業者等:2/3
中堅企業等 :1/2

※上乗せ枠とは

「成長枠」または「グリーン成長枠」の申請者は、「上乗せ枠」として新設された「卒業促進枠」または「大規模賃金引上促進枠」に追加で申請することが可能です。
追加で申請することにより、補助額の上乗せ可能となります。

サプライチェーン強靭化枠(新設)

おなじく新設された「サプライチェーン強靭化枠」は、海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化および地域産業の活性化に取り組む事業者を対象として「サプライチェーン強靱化枠」を新設し、補助上限額を最大5億円まで引き上げて支援されます。
対象事業者
必須要件(付加価値額については、年率平均5.0%以上増加を求める。)に加え、以下の要件を満たす、生産拠点を国内回帰する事業であること。
1.取引先から国内での生産(増産)要請があること(事業完了後、具体的な商談が進む予定があるもの)
2.取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
※ 対象となる業種・業態
3.下記の要件をいずれも満たしていること
⑴経済産業省が公開するDX推進指標を活用し、自己診断を実施し、結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
⑵IPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★★ 二つ星」の宣言を行っていること。
4.下記の要件をいずれも満たしていること
⑴交付決定時点で、設備投資する事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高いこと。ただし、新規立地の場合は、当該新事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高くなる雇用計画を示すこと。
⑵事業終了後、事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間に給与支給総額を年率平均2%以上増加させる取組であること
5.「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにて、宣言を公表していること。

項目要件
概要海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化および地域産業の活性化に資する取組を行う中堅・中小企業者等に対する支援
補助金額1,000 万円 ~ 5億円以内 ※建物費がない場合は3億円以内
補助率中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

全枠の補助額・補助率

申請類型補助上限額補助率
成長枠最大 7,000万円中小企業者等1/2 (大規模な賃上げを行う場合2/3)
中堅企業等 1/3(大規模な賃上げを行う場合1/2)
最低賃金枠最大 1,500万円中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
物価高騰対策・ 回復再生応援枠最大3,000万円中小企業等 2/3
中堅企業等 1/2
産業構造転換枠最大 7,000万円中小企業者等 2/3
中堅企業等 1/2
グリーン成長枠【エントリー】
8,000万円
(中堅1億円)
中小企業者等 1/2(大規模な賃上げを行う場合2/3)
中堅企業等 1/3(大規模な賃上げ)を行う場合1/2)
【スタンダード】
1億円
(中堅1.5億円)
中小企業者等 1/2(大規模な賃上げを行う場合2/3)
中堅企業等 1/3(大規模な賃上げ)を行う場合1/2)
サプライチェーン強靭化枠5億円中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

まとめ

「事業再構築補助金」とは、新型コロナウイルス感染症の流行によって影響を受けた事業者を支援するために創設された制度です。
これまでにも、要件や申請条件などが何度も見直されてきました。令和5年度に入っても、経済状況に合わせて改訂が行われ、支援策が引き続き提供されます。
補助金コンシェルでは、令和5年度も引き続き事業再構築補助金に関する情報をご紹介していきます。

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