【2026年】高年齢雇用継続給付金はいつまで?支給条件と期限
高年齢雇用継続給付金はいつまでもらえる?支給終了年齢や対象条件、2025年以降の給付率変更、申請方法までわかりやすく解説します。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
【知っておきたい前提】
高年齢雇用継続給付金は、原則として60歳に達した月から65歳に達する月まで(最長5年間)受給することが可能です。
ご自身の受給期間
制度自体の今後のスケジュール
など、まずは以下の結論一覧をご確認ください。
項目 | 結論(いつまで?) |
個人の受給期間 | 65歳に達する月まで (原則、60歳から最長5年間) |
現在の受給中・新規 | 途中で打ち切られず 65歳まで受給可能 |
制度自体の寿命 | 完全廃止の期日は未定 (2030年頃を目処に調整中) |
【ポイント】
2025年4月からの法改正で給付率は10%に縮小されていますが、65歳までもらえるという個人の受給期間に変更はありません。
まずはご自身が65歳になるまで、しっかり給付を受けられますのでご安心ください。
高年齢雇用継続給付金とは?
60歳以降も働く意欲のある高齢者を、国が雇用保険を通じて金銭的にサポートする制度です。
定年を迎えて再雇用(継続雇用)された際、現役時代に比べて給与が大きく下がってしまうケースはよくあることです。
その下がってしまった給与の一部を国が補填し、安心して長く働き続けられるようにすることを目的に作られました。

2026年現在の超重要トピック~制度の大幅縮小
政府の65歳までの雇用確保の義務化などが定着してきた背景から、この給付金は段階的に縮小・廃止されることが決まっています。
2025年4月より給付率の引き下げがスタートしており、2026年現在は生まれた年(60歳に達した時期)によって新旧のルールが混在する過渡期です。
制度の概要
対象期間→60歳に達した月から、65歳に達する月まで(最長5年間)。
申請先→原則として、勤務している会社を通じてハローワークへ申請する。
非課税・保険料免除→この給付金は非課税のため所得税や住民税はかからない。また、翌年の社会保険料などの計算元になる標準報酬月額にも含まれない。
参考:ハローワークインターネットサービス|高年齢雇用継続給付
受給できる人の条件

受給するためには、2026年現在、以下の条件をすべて満たしている必要があります。
年齢が60歳以上65歳未満であること。
60歳以降の各月の賃金が、60歳時点の賃金と比較して75%未満に低下していること。
雇用保険の被保険者期間(会社に勤めて保険料を払っていた期間)が、通算して5年以上あること。
雇用保険の被保険者であり、一般にいう基本手当(失業保険)を受給せずに働き続けていること(※1)。
※1
一度退職して失業保険を一部受給した後に再就職した場合は高年齢再就職給付金という別の枠組みになりますが、要件や給付率はほぼ同様です。

給付額の仕組み
給付額は、60歳時点の給与と比べて、現在の給与がどれくらい下がったか(賃金低下率)によって決定します。
2026年現在の一番の注意点は、いつ60歳になったかで最大の給付率が異なる点です。

1給付率の判定(新旧ルールの混在)
対象者(60歳到達日) | 賃金が最大に下がった時の給付率 | 支給がゼロになる基準 |
新ルール 2025年4月1日以降に60歳になった人 (1965年4月2日以降生まれ) | 現在の賃金の10% (低下率64%以下のとき) | 低下率75%以上は 支給なし |
旧ルール(経過措置) 2025年3月31日以前に60歳になった人 (1965年4月1日以前生まれ) | 現在の賃金の15% (低下率61%以下のとき) | 低下率75%以上は 支給なし |
※ここでいう賃金低下率とは、【現在の賃金÷60歳時点の賃金×100】で計算した割合のことです。
低下率75%以上(=給与が60歳時点の75%以上残っている状態)の場合は、給与があまり下がっていないとみなされ支給対象外です。
具体的な計算例(新ルール・最大支給の場合)
例えば、1966年生まれ(現在60歳・新ルール対象)の方が、以下のように給与が下がって働いているケースを見てみましょう。
60歳時点の賃金→月額 30万円
現在の賃金→月額 18万円(低下率 60%➡64%以下なので最大支給)
【18万円×10%=1万8,000円】
この場合、毎月1万8,000円がハローワークから給付されます。(※これが旧ルール対象者であれば15%の2万7,000円でしたが、新ルールのため10%に縮小されています)。
スライド式(逓減)の仕組み
低下率が64%(旧ルールは61%)超 〜 75%未満の間である場合は、一律10%(15%)ではなく、低下率がゆるやかになるにつれて給付率も10%から0%へと段階的に減っていく仕組み(スライド式)です。
上限と下限について
給付金には毎年8月に見直される
最低限度額
支給限度額(現在の賃金と給付金の合計の上限→2026年現在 370,440円)
が設定されており、それを超える場合や下回る場合は支給額が調整されます。
みんなの補助金コンシェルジュでは、高年齢者雇用に関する助成金・補助金の活用相談を無料で受け付けています。
高齢者雇用を進めたい企業担当者の方は、お気軽にご相談ください。
高年齢雇用継続給付金はいつまで受給できる?

高年齢雇用継続給付金がいつまで受給できるかには、個人の年齢による期限と、制度自体の廃止(国のスケジュール)による期限の2つの側面があります。
2026年6月現在の最新状況に基づいて解説します。
個人が受給できる期間(年齢の期限)
原則として、60歳に達した月から65歳に達する(誕生日の前日がある)月までの最長5年間です。
ただし、以下の細かいルールと注意点があります。
60歳時点で加入期間が足りない場合→60歳になった時点で雇用保険の加入期間が5年に満たない場合は、働き続けて通算5年を満たした月から65歳に達する月まで受給できる。
高年齢再就職給付金の場合→一度退職して失業保険(基本手当)をもらってから再就職した場合は、失業保険の残り日数によって受給期間が最長1年または2年に制限される(どちらにせよ65歳に達する月が上限)。
月途中の退職に注意→給付金をもらうには、その月の初日から末日まで継続して雇用保険の被保険者であることが条件。そのため、65歳になる月に退職する場合、月末ではなく月途中で退職してしまうと、その最後の月は1円も支給されない。
制度そのものはいつまで続く?(廃止の期限)
現在、この制度は将来的な完全廃止に向けて段階的に縮小している移行期にあります。
疑問・トピック | 今後の見通しと最新情報 |
途中で打ち切られる? | いいえ、打ち切られません。 2025年4月から給付率の引き下げ(15%➔10%)が始まっていますが、 すでに受給中の方も、新ルールで受給が始まった方も、原則通りご自身が65歳に達する月までは受給が可能です。 |
完全廃止はいつ? | 2026年6月現在、具体的な期日は未定です。 政府は2030年頃を目処に完全廃止する方向ですが、まずは現在の縮小状況や高齢者の 雇用動向を見極めた上で、今後スケジュールが具体化される見込みです。 |
雇用保険の通算5年以上とは?満たしているかの確認方法まで解説

出典:【図解】これだけでOK!雇用保険の被保険者資格取得届の記入例と書き方
高年齢雇用継続給付金を受給するための最も重要な鍵のひとつが、雇用保険の被保険者期間です。
2026年現在の最新ルールに基づき、何がどうカウントされるのか、わかりやすく解説します。

必須となる期間は通算5年以上
給付金を受け取るためには、60歳に達した日(またはその後受給を満たす日)の時点で、雇用保険の被保険者であった期間が通算して5年以上(60か月以上)あることが必須条件です。
ここでいう通算してというのがポイントで、必ずしも同じ会社にずっと5年以上勤めている必要はありません。
期間のカウント方法(通算ルールの詳細)
転職を経験している方でも、以下のルールに当てはまっていれば期間を合算(通算)することができます。
◆転職していても、空白が1年以内なら合算できる
前職を辞めてから、次の会社で雇用保険に加入するまでのブランク(離職期間)が1年以内であれば、前職の期間と現職の期間を足すことができます。
【例】A社で3年勤務➔半年間のブランク)➔ B社で2年勤務
この場合、ブランクが1年以内なので、3年+2年=通算5年となり、条件をクリアできます。
ただし、失業保険をがっつりもらうとリセットされる
前職を辞めたあとのブランク期間に、ハローワークでいわゆる失業保険(基本手当)を1日でも受給してしまうと、それ以前の被保険者期間はすべてリセット(ゼロ)されてしまいます
失業保険を受け取らずに次の会社に入社した場合は、そのまま期間を引き継ぐことが可能です。
60歳時点で5年に満たない場合はどうなる?
もし60歳になった時点で、
転職のブランクが長かった
中途で雇用保険に入った
などで加入期間が4年しかないという場合でも、諦める必要はありません。
5年に達した時点からスタートできる 60歳を過ぎてもそのまま雇用保険に入って働き続け、通算で5年を満たした月(=あと1年働いて5年になった月)から、65歳に達する月まで給付金を受け取ることが可能です。 (※ただし、もらえる期間はその分短くなります)。
被保険者期間の確認方法
自分が本当に通算5年以上あるか怪しい…という場合は、以下の方法で正確な期間を確認できます。
会社から雇用保険被保険者証を預かる→そこに記載されている資格取得日を確認する。
ハローワークで雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票を提出する→これを行うと、自身のこれまでの正確な加入履歴(職歴)をハローワークが調べて回答してくれる。
みんなの補助金コンシェルジュでは、人材確保や継続雇用に活用できる補助金・助成金情報をわかりやすくご案内しています。
制度選びで迷ったらぜひご相談ください。
高年齢雇用継続給付金の計算とルール
項目 | 内容・詳細 |
基本の計算式 | 支給額=現在の各月の賃金✕支給率 |
対象となる賃金 | 基本給+各種手当(残業代や通勤手当を含む) ※賞与(ボーナス)は含まれません。 ※毎月の総支給額(額面)をベースにします。 |
支給限度額 | 月額370,440円 現在の賃金と給付金の合計がこの額を超える場合、超えた分が減額されます。 |
最低限度額 | 月額2,411円 計算された給付金の額がこの額を下回る場合は、その月は支給されません。 |
賃金低下率ごとの支給率
給付金をもらうには、現在の賃金が60歳時点の75%未満に下がっている必要があります。
2026年現在、2025年4月1日以降に60歳になった人(新ルール)と、2025年3月31日以前に60歳になった人(旧ルール)で、以下のように支給率が変わります。
※賃金低下率は【現在の賃金÷60歳時点の賃金】で計算します。
【新ルール】2025年4月1日以降に60歳になった人
低下率が64%以下(大きく下がった場合)→一律で現在の賃金の10%が支給される(最大値)。
低下率が75%以上(給与が60歳時点の75%以上であまり下がらなかった場合)→不支給(0円)。
低下率が64%超〜75%未満(なだらかに下がった場合)→10%〜0% の間で、低下率に応じて段階的に支給率が減る(スライド式)。
【旧ルール(経過措置)】2025年3月31日以前に60歳になった人
低下率が61%以下→一律で現在の賃金の15%(最大値)。
低下率が61%超〜75%未満→15%〜0%の間でスライド支給。
支給額シミュレーション(新ルール・最大支給の場合)
1966年(昭和41年)生まれ・現在60歳で、2025年4月以降に60歳を迎えた新ルール対象者のシミュレーションをします。
項目 | ケースA(元・30万円) | ケースB(元・40万円) |
60歳時点の給与 | 月額 30万円 | 月額 40万円 |
現在の給与 | 月額 18万円 | 月額 24万円 |
賃金の低下率 | 60%(最大支給) | 60%(最大支給) |
毎月の支給額 | 18,000円 (18万円 × 10%) | 24,000円 (24万円 × 10%) |
年間の合計額 | 216,000円 | 288,000円 |
最新の補助金情報を確認!2025年4月からの制度改正とは?
高年齢雇用継続給付金は、高年齢者の雇用が社会的に定着してきた(企業に65歳までの雇用確保が義務付けられた)ことを理由に、将来的な完全廃止に向けて2025年4月から段階的な縮小がスタートしました。
2026年6月現在は、まさにその縮小の第1段階の真っ最中です。
給付率が15%から10%へ変更
改正の目玉は、最大給付率の引き下げです。
これまでガクッと給与が下がったら現在の給与の15%を補助することになっていたものが、10%に引き下げられることになりました。
これにより、毎月の手取りサポート額が実質的に3分の2へと減額されています。
対象となる人(新旧ルールの境目)
この15%から10%への減額が適用されるかどうかは、60歳に達した日で完全に線引きされています。
10%(新ルール)になる人→2025年4月1日以降に60歳になった人(生年月日でいうと、1965年(昭和40年)4月2日以降生まれの人)。
15%(旧ルール)のままの人→2025年3月31日以前にすでに60歳になっていた人(1965年4月1日以前生まれの人)。この方々は、65歳に達するまで従来の最大15%のままで据え置かれる。
企業・従業員への影響
従業員(シニア世代)への影響
同じように定年後再雇用でがんばって働いても、生まれた年が少し違うだけで国からのサポート額が減ってしまうため、可処分所得(手取り収入)が減少しています。
そのため、給付金だけに頼るのではなく、60歳以降の給与条件そのものをしっかり確認してマネープランを立てる必要性が高まっています。
企業(人事・労務)への影響
これまで定年後は給料が下がるけれど、国の給付金(15%)があるから従業員も納得してくれるだろうと考えていた企業は、前提が変わりました。従業員の手取りが減る分、
モチベーションの低下
より条件の良い他社への人材流出
を防ぐため、
60歳以降の基本給の見直し
新たな人事評価制度・賃金体系の構築
を迫られています。
高年齢雇用継続給付金の申請方法
この給付金は、一度申請すれば終わりではなく、定期的な手続きが必要になります。
申請手続きの流れとタイミング
手続きは、従業員本人が自ら行うことも可能ですが、実務上は会社(事業主)を経由してハローワークへ提出するのが一般的です。
ステップ・時期 | 手続きの内容 |
1. 初回申請 (60歳到達後、速やかに) | 受給資格の確認と最初の申請 給与が75%未満に下がったら、会社を通じてハローワークへ受給資格確認と初回の支給申請を 同時に行います。 |
2. 通知書の受取 (申請から約1〜2週間後) | 決定通知書の受け取り ハローワークから会社経由で受給資格確認通知書と支給決定通知書が届き、無事に 受給資格が認められます。 |
3. 2回目以降 (指定された支給申請月中) | 2か月に一度の定期申請 原則2か月に一度、指定された月に支給申請書を提出し続けます。会社がその都度、 賃金台帳などを添えて手続きします。 |
必要書類
初めて申請する(初回)場合、会社が用意する書類と、あなたが会社に提出(提示)する書類があります。
◆会社(ハローワーク)が発行・作成する書類
雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書
高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書

◆従業員が用意して会社に提出する書類
振込先口座が確認できる書類(通帳やキャッシュカードのコピー)
年齢が確認できる書類の写し(運転免許証や住民票のコピーなど)※マイナンバーをすでに会社に紐付けている場合は省略できる場合がある。
◆会社が用意する添付書類
出勤簿またはタイムカードのコピー
賃金台帳(60歳到達前後のもの、および支給対象月のもの)
申請期限
初回の申請期限→最初に給付金の対象となった月(基本的には60歳に達した月、または賃金が75%未満に下がった月)の初日から起算して4か月以内。
2回目以降の期限→ハローワークから指定される支給申請月の期間中(通常は対象月の翌月など、数週間〜1か月程度のタイトな期間)に提出する必要がある。
【時効について】
万が一、会社の担当者が申請を忘れていたなどの理由で期限を過ぎてしまっても、2年の時効を迎える前であれば遡って申請が可能です。
ただし、支給が大幅に遅れるため期限内の手続きが鉄則です。
高年齢雇用継続給付金と老齢厚生年金の関係
60歳以降、働きながら老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金など)を受け取る場合、この給付金をもらうことで年金側が一部カット(支給停止)される仕組みがあります。

【給付金受給による年金支給停止のルール】
項目 | 内容・詳細 |
対象となる月 | 給付金が実際に支給された月のみ ※給付金が0円の月は、年金は全額支給されます。 |
カットされる額 | 最高で標準報酬月額(給与)の6%相当 ※給付金を最大でもらっている場合です。 ※給付金の支給率が低い場合は、年金のカット率も連動して低くなります。 |
損得の目安 | トータルの手取り収入は確実に多くなる 年金が引かれる分よりも国から入る給付金の方が大きいため、併用した方が総収入は増える設計です。 |
注意点 | 在職老齢年金のカットとは別枠 給与と年金の合計額による調整(2026年基準:月65万円)とは全く別の基準で差し引かれます。 |
在職老齢年金との違い

どちらも高齢期の働き方や年金に関わる仕組みですが、
目的
お金を出す主体(元手)
がまったく異なります。
項目 | 在職老齢年金 | 高年齢雇用継続給付金 |
お金の元手 | 年金(日本年金機構) | 雇用保険(ハローワーク) |
仕組みの目的 | 給与が高い人の 年金をカット(減額)する仕組み | 給与が大幅に下がった人の 収入を補填(支給)する仕組み |
2026年現在の基準 | 給与+厚生年金の合計が月65万円 (※1)を超えると年金がカットされる。 | 60歳時点と比べて、現在の各月の給与が 75%未満に下がると支給される。 |
【※1 2026年の法改正ポイント】
在職老齢年金の支給停止調整額は、近年の賃金変動を反映し、2026年4月より従来の51万円から月額65万円へと大幅に引き上げられました。
併給時(同時に受けるとき)の注意点
高年齢雇用継続給付金(プラス)をもらいながら、老齢厚生年金(プラス)も同時に受け取る場合、以下のような独自の調整(マイナス)が入るため注意が必要です。
①年金の追加カットが発生する
在職老齢年金の基準(月65万円)をクリアしていて、本来なら年金が満額もらえる状態であっても、高年齢雇用継続給付金を受給した時点で、年金側がさらに別枠で一部支給停止(カット)されます。
新ルール(2025年4月以降に60歳になった人)の場合→給付金は最大10%支給されるが、年金は最高で標準報酬月額の4%相当がカットされる。
旧ルール(2025年3月以前に60歳になった人)の場合→給付金は最大15%支給されるが、年金は最高で標準報酬月額の6%相当がカットされる。
②それでも併給したほうがトータルで得になる
年金が数%カットされると聞くと損に感じられますが、国から入る給付金(10%または15%)の方が金額が大きいため、調整が入ったとしても給与+給付金+調整後の年金のトータル合計額は、併給した方が確実に多くなるように設計されています。
高年齢雇用継続給付金を受給する際の注意点
制度の申請や実務において、特につまずきやすいポイントを3つにまとめました。
注意点①給与と給付金の合計額には上限(減額ルール)がある
現在の給与と給付金の合計額が、60歳時点の給与の75%を超えてはいけないというルール(超えた分はカットされる)があります。
また、毎月の給料と給付金の合計が支給限度額(2025年8月改定実績で370,440円 ※毎年8月に見直されます)を超える場合、給付金はその分減額、または一切支給されなくなります。
注意点②2か月に一度の定期申請の縛り
最初の1回申請すれば5年間もらい続けられるわけではありません。
原則として2か月に一度、指定された申請期間内にハローワークへ書類を出し続ける必要があります。
多くは勤務先の総務や労務担当者が代行してくれますが、会社の担当者が手続きを失念していると支給が止まってしまうため、自身の給与明細や通知書で定期的に進捗を確認しましょう。
注意点③退職手当(失業保険)などとの重複不可

出典:【転職希望の公務員必見】公務員でも失業保険がもらえる!?公務員の退職手当について
この給付金は、
再就職手当
基本手当(一般の失業保険)
など、他の雇用保険の給付と同時に両方をもらうことはできません。
一度退職して失業保険をもらうのか、それとも今の会社で給与が下がっても雇用継続給付をもらいながら働くのか、どちらが自身のライフプランにおいて有利かを事前にシミュレーションしておきましょう。
賃金変動時の取扱い

各月の給料が変動した場合、その都度その月の給料を基準に支給額が自動計算(再判定)されます。
翌月また給与が減った月→再び低下率が下がれば(75%未満)、自動的に給付金の支給が復活する。
残業代などで給与が増えた月→60歳時点と比べた賃金低下率がゆるやかになるため、その月だけ支給額が減る、または低下率75%以上になって不支給(0円)になる。
毎月の給料のブレに合わせて、ハローワーク側が2か月に一度の申請時にその都度金額を調整する仕組みです。
離職した場合
受給期間中(60歳〜65歳未満)に会社を辞めた場合、その時点で高年齢雇用継続給付金の受給資格は失われます。
失業保険との関係→退職後にハローワークで失業保険(基本手当)を受け取ると、それまでに貯まっていた雇用保険の加入期間はリセットされる。
月途中の退職に注意→給付金は、その月の初日から末日まで継続して雇用保険に加入していることが条件。そのため、15日や20日など月の途中で退職すると、その最後の月は1円も支給されない。
再就職した場合
会社を辞めた後、65歳未満の期間内に再就職した場合は、失業保険をもらっていたかどうかで扱いが変わります。
失業保険をもらわずに再就職した場合→前の会社を辞めてから1年以内の再就職であれば、雇用保険の期間が引き継がれる。再就職先での給与が60歳時点の75%未満であれば、引き続き高年齢雇用継続給付金を(通算65歳まで)再開できる。
失業保険をもらってから再就職した場合→失業保険を一定日数以上残して再就職した場合、名前が高年齢再就職給付金に変わる。中身や給付率はほぼ同じだが、受給できる期間が最長1年または2年(65歳に達するまで)に制限される。
高年齢雇用継続給付に関するQ&A
Q1. 高年齢雇用継続給付金は65歳を過ぎてももらえますか?
A1. もらえません。
支給期間は法律で65歳に達する月までと厳格に決まっています。
65歳以降も働き続ける場合は、給付金ではなく、全額支給されるようになる老齢基礎年金・老齢厚生年金が主な収入の支えです。
Q2. 高年齢雇用継続給付金と年金は同時にもらえますか?
A2. 同時にもらえますが、年金側が少しカットされます。
働きながら年金(特別支給の老齢厚生年金など)を受け取る場合、この給付金が支給されている月だけ、独自のルールによって年金額が最高で給与の4%(旧ルール対象者は6%)分減額されます。
ただし、トータルの手取り収入(給与+給付金+年金)は、同時にもらった方が確実に多くなります。
Q3. パートや契約社員でも受給できますか?
A3. 雇用保険に加入していれば、雇用形態に関わらず受給できます。
週の労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあり、雇用保険の被保険者期間が通算5年以上あれば、
パート
アルバイト
契約社員
嘱託社員
でもすべて対象になります。
Q4. 給与が上がった場合はどうなりますか?
A4. 給付金が減るか、一時的に0円(不支給)になります。
昇給
手当
の増加によって、その月の給与が60歳時点の75%以上になった場合、その月は不支給となります。
ただし、完全に打ち切られるわけではないため、再び給与が75%未満に下がれば支給は再開されます。
Q5. 途中で転職した場合は受給できますか?
A5. 退職から再就職までのブランクが1年以内で、失業保険をもらっていなければ受給可能です。
1年以内に次の会社で雇用保険に入り、そこで支給要件(給与が60歳時点の75%未満)を満たしていれば、ハローワークで手続きを行うことで引き続き受給できます。
Q6. 高年齢雇用継続給付金は廃止される予定がありますか?
A6. はい、将来的に完全廃止されることが決まっています。
国による高齢者雇用の義務化が定着したため、2025年4月から給付率が15%から10%へ引き下げられるなど、段階的な縮小が始まっています。
2030年前後を目処に完全廃止される方針ですが、2026年6月現在、具体的な最終廃止日はまだ正式発表されていません。
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監修者からのワンポイントアドバイス
高年齢雇用継続給付金は、定年後の再雇用等で賃金が大きく下がったシニア世代の就労を支えるための重要な雇用保険制度です。定年後のライフプランや社内の賃金体系を構築する際は、早めにハローワークや専門家へ相談して正確な見通しを立てておきましょう。
