【業務改善助成金】飲食店の活用事例をわかりやすく解説 | みんなの補助金コンシェルジュ

【業務改善助成金】飲食店の活用事例をわかりやすく解説

業務改善助成金は飲食店でも活用できる制度です。本記事では、POSレジや券売機の導入、厨房改修、店内レイアウト変更などの具体的な活用事例をわかりやすく解説します。

【業務改善助成金】飲食店の活用事例をわかりやすく解説
目次

ポイント

  • 業務改善助成金は、最低賃金の引き上げと設備投資を支援する制度

  • 飲食店でもPOSレジや券売機などの導入に活用できる

  • 人手不足対策や業務効率化を目的とした設備投資で活用されるケースが多い

飲食店も使える!業務改善助成金とは?

業務改善助成金の概要.png

業務改善助成金は、中小企業が賃上げと設備投資を同時に行う場合に、その費用の一部を支援する制度です。

例えば、飲食店の場合、人手不足や最低賃金の上昇に対応するため、POSレジや業務効率化の設備を導入する時に活用できます。

店舗内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げることと、生産性向上につながる設備投資を行うことが主な条件です。

助成される金額は設備投資費用の一定割合で、最大600万円まで支給される可能性があります。

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令和8年度「業務改善助成金」はいつから?変更点も分かりやすく解説!

参考:業務改善助成金

項目

内容

助成率

最低賃金1,000円未満:4/5、1,000円以上:3/4

助成上限額

最大600万円

助成対象

POSレジ、機械設備、業務改善コンサルなど

助成金額は、設備投資額 × 助成率で計算されます。ただし、実際に受け取れる金額は「助成上限額」と比較して低い方になります。

例えば、POSレジの導入費用が100万円で助成率4/5の場合、最大80万円の助成を受けられる可能性があります。

ただし、実際の上限額は賃上げ額や従業員数によって細かく設定されています。

助成対象になる飲食店の条件

主に次の条件を満たす飲食店は、業務改善助成金に申請できます。

資本金または出資額

常時使用する労働者

5000万円以下

50人以下

  • 中小企業または小規模事業者であること

  • 同一の事業場からの申請は年度内1回まで

  • 解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

  • 生産性向上につながる設備投資を実施すること

  • 事業場内最低賃金を50円以上引き上げる計画を立てること

  • 賃金引き上げの対象は雇入れ後6か月以上の従業員であること

  • 店舗の事業場内最低賃金と地域別最低賃金未満あること

例えば、飲食店では次のような取り組みが対象になる場合があります。

  • POSレジの導入による注文・会計の効率化

  • 券売機やセルフオーダーシステムの導入

  • 業務フロー改善のための経営コンサルティング

これらの設備や取り組みを導入し、業務時間の削減や作業効率の向上につながる場合に助成対象となります。

なお、設備投資は必ず交付決定を受けてから実施する必要があります。

申請前に設備を購入してしまうと、助成の対象外になるため注意してください。

こんな飲食店におすすめ!

業務改善助成金は、次のような飲食店におすすめです。

  • 人手不足でレジや注文対応に時間がかかっている

  • 最低賃金の引き上げに対応しながら生産性を高めたい

  • POSレジや券売機などの設備導入を検討している

次の章では、飲食店における業務改善助成金の具体的な活用事例を紹介します。

飲食店で業務改善助成金の対象になる設備は?

飲食店では、調理時間の短縮や配膳・会計業務の効率化など、生産性を高める設備が業務改善助成金の対象になります。

ここでいう「生産性を高める設備」とは、今までよりも少ない人手・少ない時間でお店を回せるようになる設備のことです。

例えば飲食店では、次のような設備が対象になりやすいです。

設備例

生産性向上の内容

スチームコンベクションオーブン

調理を自動化・効率化し、仕込みや提供時間を短縮

セルフオーダー端末・モバイルオーダー

注文業務を自動化し、ホール業務の負担を軽減

自動釣銭機・セルフレジ

会計業務を効率化し、人手不足を補う

食器洗浄機(業務用)

洗浄時間を短縮し、スタッフの作業時間を削減

例えば、スチームコンベクションオーブンを導入すると、複数の調理工程を同時に進められるため、調理時間を大幅に短縮できます。

また、セルフオーダー端末を導入すれば、注文ミスを減らしながらホールスタッフの負担を軽減できます。

このように、飲食店では調理・注文・会計・片付けの効率化につながる設備が、生産性向上の取り組みとして評価されやすい傾向があります。

なお、設備投資だけでなく、業務改善に必要な研修費用などが対象になる場合もあります。詳細は厚生労働省の公表資料をご確認ください。

原則、パソコンや車は助成対象外!ただし例外はあり

業務改善助成金では、原則、パソコン・タブレットや自動車は助成対象外です。

ただし、特例事業者に該当すると、通常は対象外となる設備も助成対象になる可能性があります。※

設備

条件

パソコン・タブレット

新規導入の場合のみ対象

自動車(貨物車など)

定員や価格などの条件あり

飲食店の場合で、特例事業者に該当すれば、店舗管理用のパソコンや業務用タブレットなども対象になる場合があります。

特例事業者とは、業務改善助成金の申請において、特定の条件を満たすことで助成上限額の引き上げや、助成対象となる設備投資の範囲が広がる事業者のことです,。

大きく分けて以下の2つのパターンがあります。

  • 賃金要件:事業場内最低賃金が1,000円未満である事業者。

  • 物価高騰等要件:原材料費の高騰などの影響により、申請前3か月間のうち任意の1か月の利益率が、前年同月と比較して3%ポイント以上低下している事業者

設備導入のタイミングに注意点!

業務改善助成金では、設備の発注・契約・支払いは、必ず交付決定後に行う必要があります。

申請して労働局から交付決定を受ける前に設備を購入すると、助成対象外になるため注意してください。

また、過去に業務改善助成金を利用したことがある事業者でも、条件を満たせば再度申請することが可能です。最新の制度内容や対象設備は、必ず厚生労働省の公式ページで確認するようにしましょう。

飲食店の業務改善助成金の活用事例

以下では、賃上げと生産性を上げるための設備を導入した飲食店の事例を紹介します。

POSレジシステムの導入事例

項目

内容

事業者

従業員6名のラーメン店(個人経営)

導入前の課題

売上集計や在庫管理を手作業で行っており、閉店後の事務作業に時間がかかっていた。売上計算や在庫確認に毎日30〜40分かかっていた。

活用内容

業務改善助成金を活用し、POSレジシステムを導入。売上管理と在庫管理をデジタル化した。

導入後の成果

売上集計と在庫管理が自動化され、閉店後の事務作業を1日約30分削減。売上データを活用して人気メニューの分析や在庫管理も効率化できた。

券売機導入の事例

項目

内容

事業者

従業員5名の定食店

導入前の課題

注文受付と会計をスタッフが対応しており、昼のピーク時間帯にはレジ待ちが発生。ホールスタッフの負担が大きく、注文ミスが起きることも課題だった。

活用内容

業務改善助成金を活用し、券売機を導入。注文と会計をセルフ化した。

導入後の成果

注文と会計を同時に処理できるようになり、ホール業務の負担を大幅に軽減。注文ミスも減り、ピークタイムでも少人数のスタッフで店舗を運営しやすくなった。

厨房の改修事例

項目

内容

事業者

従業員7名の居酒屋

導入前の課題

厨房内の動線が非効率で、調理スタッフが食器や食材を取りに移動する時間が長く、作業効率が低下していた。特に洗い場と食器保管場所が離れているため、スタッフの移動が多いことが課題だった。

活用内容

業務改善助成金を活用し、厨房のレイアウトを見直し。洗い場の近くに食器の一時保管棚を設置した。

導入後の成果

食器洗浄や片付けの際の移動距離が短縮され、作業の流れがスムーズに。厨房スタッフの移動時間が減り、調理作業に集中できる環境が整った。

店内のレイアウト変更の事例

項目

内容

事業者

従業員4名のカフェ

導入前の課題

厨房とホールの距離があり、料理の受け渡しのたびにスタッフが移動する必要があった。配膳に時間がかかり、忙しい時間帯はスタッフの動きが非効率になっていた。

活用内容

業務改善助成金を活用し、厨房とホールの間に料理を置く棚を設置。あわせて配膳カウンターを改修した。

導入後の成果

ホールスタッフが厨房に入らず料理を受け取れるようになり、配膳の動線が短縮。スタッフの移動時間が減り、接客や配膳の効率が向上した。

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業務改善助成金の申請方法は?

業務改善助成金の申請は、事業計画作成→交付申請→設備導入→ 実績報告という流れです。

特に重要なのは、設備を購入する前に必ず申請して交付決定を受けることです。交付決定前に発注や支払いを行うと助成対象外になるため注意が必要です。

申請は、事業場所在地を管轄する都道府県労働局へ行います。制度の詳細や申請書類は厚生労働省の公式サイトで確認できます。

1. 事業計画作成

まず、事業場内最低賃金の引き上げ計画と設備投資の計画を作成します。

例えば、飲食店ではPOSレジの導入や厨房改修など、生産性向上につながる取り組みを計画します。

2. 交付申請

作成した事業計画書や交付申請書を、管轄の労働局に提出します。

労働局による審査が行われ、問題がなければ交付決定通知が届きます。

3. 設備導入

交付決定を受けた後、設備の発注・契約・支払いを行います。

POSレジや券売機などの設備導入と、計画した賃金引き上げを実施します。

4. 実績報告

設備導入と賃金引き上げが完了した後、事業実績報告書と助成金支給申請書を提出します。

労働局が内容を確認し、問題がなければ助成金額が確定し、指定口座に振り込まれます。

なお、令和7年度の制度では、事業の完了期限は原則2026年1月31日までとされています。やむを得ない事情がある場合は、理由書を提出することで2026年3月31日まで延長できる場合があります。

令和7年度の制度における事業完了期限のパターンを令和8年度に当てはめると、以下の期限設定になると考えられます。

  • 事業の完了期限(原則):2027(令和9)年1月31日まで

  • やむを得ない事情がある場合(理由書の提出により延長):2027(令和9)年3月31日まで

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よくある質問

Q:作業場の無駄な動きを減らすレイアウト変更は助成対象になりますか?

作業効率が改善される場合は、助成対象になる可能性があります。

例えば、飲食店では次のような改善が該当することがあります。

  • 調理場の改修による作業動線の短縮

  • 調理した料理を一時的に置く棚の設置

  • ホールから直接料理を取れる配膳カウンターの設置

  • 洗い場の近くに食器の一時保管棚を設置

このように、従業員の移動時間や作業時間を削減できる店舗改善は、生産性向上につながる取り組みとして認められる場合があります。

Q:業務改善助成金では、資格取得の費用は助成対象になりますか?

業務効率化や労働能率の向上に役立つ資格の場合は、対象になる可能性があります。

例として、タクシー業の二種免許や建設業の重機運転資格などが挙げられています。

一方で、業務改善助成金では、事業を行うために必須となる資格の取得費用は対象外とされています。

例えば、飲食店の「食品衛生責任者」の資格取得費用は助成対象外です。

Q:業務改善助成金で車両購入はできますか?

業務改善助成金では、原則として車両購入は助成対象外です。

業務改善助成金は、生産性向上につながる設備投資を対象とする制度のためです。

ただし、原材料費の高騰などの影響を受けた特例事業者に該当する場合は、一定の条件を満たす車両が対象になることがあります。

車両の条件

内容

乗車定員

7人以上

車両価格

本体価格200万円以下

このような条件を満たし、生産性向上に資すると認められた場合のみ対象となる可能性があります。

Q:業務改善助成金でパソコンは購入できますか?

原則としてパソコンやタブレットの購入は対象外です。

ただし、物価高騰などで利益率が低下している特例事業者に該当する場合は、対象になる可能性があります。

対象となる場合の例は次のとおりです。

  • パソコン

  • タブレット端末

  • スマートフォン

  • 周辺機器

これらは新規導入に限り助成対象となる場合があります。導入目的や業務改善との関係が明確であることが重要です。

最新の対象設備や制度内容は変更される可能性があるため、申請前に厚生労働省の公式情報を確認することが大切です。

業務改善助成金でパソコンを導入できる条件は?

参考:厚生労働省「業務改善助成金Q&A」

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監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

賃上げと設備投資を同時に支援する本助成金は、人手不足に悩む飲食店の強い味方です。POSレジ導入のみならず、作業動線を改善する店舗改修も広く対象となります。交付決定前の契約・発注は対象外となるため、手順の遵守が不可欠。特例要件も確認し、賢く経営改善に役立てましょう。

井上 卓也
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。