事業展開等リスキリング支援コースはいつまで?事例や対象講座を解説 | みんなの補助金コンシェルジュ

事業展開等リスキリング支援コースはいつまで?事例や対象講座を解説

事業展開等リスキリング支援コースはいつまで利用できるのか、制度の概要や対象講座、助成率、申請期限、申請の流れを解説します。ドローン測量を活用したDX事例や設備投資加算についても紹介します。

事業展開等リスキリング支援コースはいつまで?事例や対象講座を解説
目次

ポイント

  • 事業展開等リスキリング支援コースは、2027年3月31日までの期間限定制度

  • 新規事業やDX・GXに必要な10時間以上のOFF-JTが助成対象

  • 申請には、訓練開始日の1か月前までに計画届を提出する必要がある

事業展開等リスキリング支援コースはいつまで?

事業展開等リスキリング支援コースは、2027年(令和9年)3月31日までの期間限定措置です。

令和4年度から令和8年度までの5年間にわたり実施される予定となっています。

主な実施期間は、以下のとおりです。

  • 制度の終了予定日:2027年3月31日

  • 実施期間:令和4年度~令和8年度

ただし、2027年3月31日までに申請すればよいわけではありません

助成金を受給するためには、原則として訓練開始日の1か月前までに、管轄の労働局へ「職業訓練実施計画届」を提出する必要があります。

例えば、2027年3月に訓練を開始する場合、遅くとも2027年2月までには計画届を提出しなければなりません。

さらに、申請前には研修機関の選定や社内の能力開発計画の策定、必要書類の準備なども必要です。

そのため、年度末の直前に準備を始めると、申請期限に間に合わない可能性があります。

また、対象となる訓練は、以下のいずれかに該当する事業展開に関連している必要があります。

  • 訓練開始日から3年以内に実施する予定の事業展開

  • 訓練開始日前6か月以内に実施した事業展開

事業展開等リスキリング支援コースの活用を検討している事業者にとって、令和8年度(2026年度)が実質的なラストチャンスとなります。

制度終了間際の申請を避けるためにも、早めに研修内容やスケジュールを決め、準備を進めましょう。

事業展開等リスキリング支援コースの概要

事業展開等リスキリング支援コースは、新規事業の立ち上げやDX・GXの推進などに必要な知識・技能を、従業員に習得させる企業を支援する制度です。

一定の要件を満たす訓練を実施した場合、研修の受講料などに対する「経費助成」と、訓練期間中に支払った賃金に対する「賃金助成」を受けられます。

令和8年度からは、中小企業が訓練に関連する設備を導入した場合に利用できる「設備投資加算」も新設されました。

主な助成率・助成額は、以下のとおりです。

項目

中小企業

大企業

経費助成率

75%

60%

賃金助成額

1人1時間あたり1,000円

1人1時間あたり500円

設備投資加算

導入費用の50%

対象外

受講者1人あたりの経費助成限度額は、訓練時間に応じて次のように定められています。

訓練時間

中小企業

大企業

10時間以上100時間未満

30万円

20万円

100時間以上200時間未満

40万円

25万円

200時間以上

50万円

30万円

設備投資加算の上限額は、対象労働者1人につき15万円です。

対象労働者が10人以上の場合は、人数にかかわらず最大150万円となります。

事業展開等リスキリング支援コースの対象講座

対象となるのは、原則として訓練時間が10時間以上で、通常業務と区別して実施する「OFF-JT」です。

さらに、従業員の現在または今後の職務に関連し、次のいずれかに該当する訓練である必要があります。

新たな事業展開に必要な訓練

新商品・新サービスの提供や新たな業種への進出など、既存事業とは異なる事業展開に必要な専門知識・技能を習得する訓練です。

例えば、次のような講座が考えられます。

  • ECサイトの自社運営に向けたWeb制作講座

  • テイクアウト事業の開始に向けたアプリ開発講座

  • リフォーム事業への進出に向けた内装施工研修

  • 農業分野への参入に向けた農業用ドローン講座

DX・GXの推進に必要な訓練

社内のデジタル化やDX、脱炭素化・カーボンニュートラル化を進めるために必要な専門知識・技能を習得する訓練です。

具体例として、次のような講座が挙げられます。

  • AIやデータ分析の活用講座

  • 業務システムやアプリの開発講座

  • ドローン測量研修

  • 3次元CADを使用した設計研修

  • 省エネルギー設備の運用・管理研修

将来の職務転換に必要な訓練

企業内の人事・人材育成計画に基づき、従業員が訓練開始日から3年以内に就く予定の職務に必要な専門知識・技能を習得する訓練です。

この区分を利用する場合、中小企業は人事・人材育成計画について、あらかじめ認定経営革新等支援機関の確認を受ける必要があります。

なお、eラーニングや通信制、定額制の研修サービスも一定の条件で対象になりますが、原則として賃金助成は受けられず、経費助成のみとなります。

事業展開等リスキリング支援コースの申請期限

申請手続きでは、訓練前の「計画届」と訓練後の「支給申請」の両方に期限が設けられています。

手続き

提出期限

職業訓練実施計画届

訓練開始日の6か月前から1か月前まで

通常分の支給申請

訓練終了日の翌日から2か月以内

設備投資加算の支給申請

賃金要件または資格等手当要件を満たす賃金を3か月継続して支払った日の翌日から5か月以内

計画届の提出期限を過ぎてから訓練を開始した場合、原則として助成対象になりません。研修の申込みや受講料の支払いを行う前に、管轄の労働局へ確認しておくことが重要です。

事業展開等リスキリング支援コースの申請の流れ

事業展開等リスキリング支援コースは、以下の流れで申請します。

1.社内の人材育成体制を整える

社内で「職業能力開発推進者」を選任し、従業員の人材育成方針をまとめた「事業内職業能力開発計画」を策定します。

策定した計画は、従業員へ周知する必要があります。

2.研修内容と事業展開の計画を作成する

新規事業やDX・GXの内容を整理し、事業展開に必要な研修を選定します。

あわせて、研修内容と事業展開との関連性を説明する「事業展開等実施計画」を作成します。

3.訓練開始前に計画届を提出する

「職業訓練実施計画届」と「事業展開等実施計画」を、訓練開始日の6か月前から1か月前までに管轄の労働局へ提出します。

設備投資加算を利用する場合は、設備投資に関する計画も作成します。

4.計画に沿って訓練を実施する

提出した計画に沿って研修を実施し、事業主が受講料などの訓練経費を負担します。

計画内容や訓練日程を変更する場合は、変更届の提出が必要になることがあります。

5.訓練終了後に支給申請を行う

訓練終了日の翌日から2か月以内に、支給申請書や受講を証明する書類、受講料の支払いを証明する書類などを提出します。

6.審査後に助成金を受け取る

労働局による審査が行われ、支給が認められると指定口座へ助成金が振り込まれます。

事業展開等リスキリング支援コースの活用事例

建設会社がドローン測量を導入するケース

建設会社が、人手中心で行っていた測量作業をドローン測量へ切り替え、業務のDXを進めるケースです。

従業員3人に「ドローン測量プロフェッショナル育成コース」を受講させ、研修終了後に測量用ドローンを導入します。

訓練と設備の内容は、以下のとおりです。

  • 訓練内容:ドローン測量に必要な知識の習得、測量飛行の演習

  • 訓練時間:1人30時間

  • 受講者数:3人

  • 訓練経費:1人30万円、合計90万円

  • 導入設備:測量用ドローン

  • 導入費用:80万円

要件を満たした場合の助成額は、次のように計算できます。

助成項目

計算方法

助成額

経費助成

90万円×75%

67万5,000円

賃金助成

30時間×3人×1,000円

9万円

設備投資加算

80万円×50%

40万円

合計

116万5,000円

設備投資加算を受けるには、中小企業であることに加え、対象労働者の賃金を5%以上引き上げる「賃金要件」または、資格等手当の支給によって賃金を3%以上引き上げる「資格等手当要件」などを満たす必要があります。

このように、事業展開等リスキリング支援コースでは、研修費用や訓練中の賃金だけでなく、一定の要件を満たせば、訓練に関連する設備の導入費用についても助成を受けられます。

参考:人材開発支援助成金

参考:人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)

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監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

リスキリング支援コースは2027年3月末までの限定制度で、研修費最大75%助成や設備投資加算が魅力です。最大の鉄則は訓練開始1か月前までの計画届提出であり、実質的なラストチャンスとなる2026年度中に早めの事前準備を進めることが成功の鍵となります。

井上 卓也
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。