会社のプログラミング研修に人材開発支援助成金を活用する方法は? | みんなの補助金コンシェルジュ

会社のプログラミング研修に人材開発支援助成金を活用する方法は?

会社のプログラミング研修には、人材開発支援助成金を活用できます。対象コースや助成率、申請条件、手続きの流れ、活用事例を分かりやすく解説します。

会社のプログラミング研修に人材開発支援助成金を活用する方法は?
目次

ポイント

  • 会社のプログラミング研修には、人材開発支援助成金を活用できる

  • 新規事業やDX推進が目的なら、事業展開等リスキリング支援コースが適している

  • 研修費用だけでなく、研修中に支払う従業員の賃金も助成対象になる

会社のプログラミング研修に人材開発支援助成金は使える?

会社が実施するプログラミング研修には、人材開発支援助成金を活用できます。

厚生労働省の資料でも、プログラミング言語やプロジェクト管理手法、情報セキュリティなどの知識を習得する訓練が、職務に関連する訓練の例として挙げられています。

ただし、すべての研修が対象になるわけではありません。従業員の業務に関連する内容であることや、対象となる訓練時間・実施方法などの要件を満たす必要があります。

助成金に対応したプログラミングスクールや研修サービスもあるため、自社の育成目的と助成対象の要件を確認したうえで研修を選びましょう。

適切なコースを活用すれば、費用負担を抑えながらエンジニアやDX人材を育成できます。

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どのコースがプログラミング研修に最適?

プログラミング研修に活用できる主なコースは、「事業展開等リスキリング支援コース」と「人材育成支援コース」の2つです。研修の目的に応じて選びましょう。

項目

事業展開等リスキリング支援コース

人材育成支援コース

向いているケース

新規事業への進出や、社内のDX化に必要なプログラミングスキルを習得させる場合

現在の業務に必要なプログラミングスキルを向上させる場合

研修の目的

DX推進や新規分野への進出に必要な専門知識・技能の習得

現在の職務に関連する専門知識・技能の習得

経費助成率(中小企業)

75%

45%

要件を満たした場合の経費助成率

60%

経費助成の上限額

1人あたり30万~50万円

訓練時間に応じて設定

賃金助成額

1人1時間あたり1,000円

1人1時間あたり800円

要件を満たした場合の賃金助成額

1人1時間あたり1,000円

活用例

予約システムやアプリ開発、Web集客、データ活用などを学ぶ研修

システム開発担当者が新しいプログラミング言語や開発手法を学ぶ研修

新規事業やDX推進を目的とする場合は「事業展開等リスキリング支援コース」、既存業務のスキルアップを目的とする場合は「人材育成支援コース」が適しています。

助成金を受けるための主な条件

プログラミング研修で人材開発支援助成金を受けるには、原則として次の要件を満たす必要があります。

主な要件

内容

訓練時間

実訓練時間数が10時間以上であること

訓練方法

通常業務と区別して実施するOFF-JTであること

対象者

事業主に雇用されている雇用保険の被保険者が受講すること

研修内容

対象者の職務や、今後担当する業務に関連する訓練であること

訓練形式

通学制、同時双方向型のオンライン研修、eラーニングなど

単なるデータ入力やソフトウェアの基本操作など、通常の業務で容易に習得できる内容は、原則として助成対象になりません。

また、eラーニングや通信制の訓練は経費助成の対象になる場合がありますが、受講時間に応じた賃金助成は対象外です。

研修形式によって助成内容が異なるため、事前に確認しましょう。

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申請から受給までの具体的な流れ

人材開発支援助成金を受給するには、研修を開始する前から計画的に手続きを進める必要があります。

1.社内体制を整える

社内で「職業能力開発推進者」を選任し、自社の人材育成方針をまとめた「事業内職業能力開発計画」を策定します。策定した計画は、従業員にも周知します。

2.職業訓練実施計画届を提出する

原則として、研修開始日の1か月前までに「職業訓練実施計画届」や訓練カリキュラムなどを、事業所を管轄する労働局へ提出します。

事業展開等リスキリング支援コースを利用する場合は、新規事業やDX化の内容を記載した「事業展開等実施計画」も必要です。提出期限を過ぎてから申請することはできないため、早めに準備しましょう。

3.プログラミング研修を実施する

提出した計画に沿って研修を実施します。出席状況や受講時間を記録し、研修機関へ受講料を支払います。

計画内容や研修日程を変更する場合は、変更内容に応じて事前に「職業訓練実施計画変更届」の提出が必要になることがあります。

4.支給申請を行う

研修終了日の翌日から2か月以内に、管轄の労働局へ支給申請を行います。

主な提出書類には、次のようなものがあります。

  • 支給申請書

  • 研修の修了証や受講証明書

  • 出席状況や受講時間を確認できる書類

  • 受講料の請求書・領収書

  • 賃金台帳

  • 出勤簿やタイムカード

  • 受講料等の価格設定に関する疎明書

申請期限を過ぎると助成金を受けられないため、研修終了後は速やかに書類を準備しましょう。

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活用する際の注意点

助成金は研修終了後に支給される

人材開発支援助成金は、原則として研修終了後に支給される後払いの制度です。

会社が研修機関へ受講料を支払い、研修終了後に支給申請を行うため、受講料を一時的に全額負担できる資金を準備しておく必要があります。

「助成金で実質無料」という勧誘に注意する

研修機関などから「助成金を利用すれば実質無料で受講できる」と案内されることがありますが、助成金の受給を前提とした不適切な返金や値引きには注意が必要です。

会社が受講料を実質的に負担していない場合や、実際の支払額と異なる金額を申請した場合は、不支給や不正受給と判断される可能性があります。

受講料の妥当性を説明する書類が必要

令和8年5月14日の制度改正により、経費助成を申請する場合は、支給申請時に「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出が必要となりました。

この書類では、研修の受講料がどのように設定されているかや、助成金を利用しない一般の受講者との価格差などを説明します。

研修を申し込む前に、研修機関が必要な情報や書類を提供できるか確認しておきましょう。

プログラミング研修は、社内のDX推進やIT人材の育成につながる重要な取り組みです。

研修開始前の申請期限や対象要件を確認し、人材開発支援助成金を活用して費用負担を抑えながら人材育成を進めましょう。

会社のプログラミング研修に助成金を活用した事例

人材開発支援助成金を活用してプログラミング研修を実施する場合の具体的なイメージを、2つの事例で紹介します。

【事例1】飲食店がテイクアウト事業を新たに始めるケース

飲食店が既存の店内営業に加えて、テイクアウトや弁当の製造・販売を始めるため、従業員に予約システムやアプリ開発の知識を習得させた事例です。

項目

内容

活用コース

事業展開等リスキリング支援コース

研修内容

予約システムの構築・アプリ開発講座

研修の目的

新規事業に必要なITスキルの習得

期待できる効果

外部へシステム開発を任せるだけでなく、社内に開発や運用のノウハウを蓄積できる

事業展開等リスキリング支援コースを活用すれば、中小企業の場合は研修経費の75%が助成されるため、費用負担を抑えながら新規事業に必要な人材を育成できます。

【事例2】Java研修で未経験者をITエンジニアに育成するケース

プログラミングスクールが提供するJava研修を受講し、未経験の従業員をITエンジニアとして育成する場合のシミュレーションです。

中小企業が事業展開等リスキリング支援コースを活用するケースを想定しています。

項目

金額・内容

訓練時間

130時間

訓練経費(受講料)

310,750円

経費助成

約233,000円

賃金助成

130,000円

助成金の合計

約363,000円

※経費助成は受講料の75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円として計算しています。

実際の支給額は、助成対象経費や訓練時間、支給要件などによって異なります。

このケースでは、経費助成と賃金助成の合計額が受講料を上回ります。

ただし、賃金助成は研修中に企業が従業員へ支払った賃金に対する助成であり、受講料そのものが無料になるわけではありません。

人材開発支援助成金は、研修の受講料だけでなく、研修時間中に支払う従業員の賃金も助成対象となる点が大きなメリットです。

制度を活用することで、企業の負担を抑えながらプログラミング人材を育成し、DX化や新規事業の推進につなげられます。

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監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

人材開発支援助成金を活用すれば、プログラミング研修の費用を最大75%助成され、受講中の賃金も補填されます。1か月前までの計画届提出に加え、最新改正による価格疎明書の提出が必須要件となったため、スクール選定と事前準備を迅速に行うことが成功の鍵です。

井上 卓也
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。