農業で使える助成金一覧|農業機械の導入や外国人雇用を支援
農業で使える助成金・補助金を一覧で紹介します。農業機械の導入、新規就農、外国人雇用に活用できる制度について、支給額や補助率、申請先、主な条件をわかりやすく解説します。

目次
ポイント
農業では、農業機械の導入、新規就農、外国人雇用など、目的に応じてさまざまな助成金・支援制度を活用できます。
制度によって、対象者、支給額、補助率、申請先が異なるため、自身の経営状況に合うものを選ぶことが重要です。
助成金や補助金だけでなく、無利子で利用できる融資制度もあるため、返済の有無を確認して申請しましょう。
農業で使える助成金一覧
農業経営を始める際や、事業を拡大する際には、農業機械の導入、人材の確保、就農直後の生活基盤づくりなど、さまざまな費用がかかります。
こうした負担を軽減するため、国や自治体では、農業者や農業法人、新規就農者を対象とした助成金・補助金・融資制度を設けています。
農業経営に活用できる主な支援制度は、以下の通りです。
助成金・支援制度 | 主な目的 |
|---|---|
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース) | 外国人労働者が安心して働き続けられるよう、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を支援する制度です。 |
経営発展支援事業 | 新規就農者の経営発展に向けて、農業用機械・施設や家畜の導入、果樹・茶の新植・改植などを支援する制度です。 |
新規就農者チャレンジ事業 | 新規就農者が早期に経営を軌道に乗せられるよう、農業用機械や施設の導入などを重点的に支援する制度です。 |
農地利用効率化等支援交付金 | 地域計画に位置付けられた中心経営体などを対象に、農業用機械や設備の導入を支援する制度です。 |
就農準備資金 | 就農前に研修を受ける人の所得を確保し、農業に必要な知識や技術の習得を支援する制度です。 |
経営開始資金 | 就農直後の経営が不安定な時期に所得を確保し、早期の経営確立を支援する制度です。 |
青年等就農資金(無利子融資) | 農業経営を始める際に必要な施設・機械の取得、家畜の購入などにかかる資金を無利子で借りられる制度です。 |
このように、農業で活用できる支援制度は、農業機械の導入だけでなく、外国人労働者の雇用、新規就農前の研修、就農後の所得確保など、目的によって分かれています。
なお、制度ごとに対象者や補助額、申請時期、対象経費が異なります。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
人材確保等支援助成金の外国人労働者就労環境整備助成コースは、外国人労働者が働きやすい職場環境を整え、職場への定着を促進するための制度です。
雇用労務責任者の選任や就業規則の多言語化など、外国人労働者特有の事情に配慮した就労環境の整備に取り組む事業主が対象となります。
支給額
1つの措置を導入するごとに20万円が支給され、最大80万円まで受給できます。
申請先
本社所在地を管轄する都道府県労働局、またはハローワークへ申請します。
主な申請条件
雇用保険の被保険者となる外国人労働者を雇用している事業主が対象です。
ただし、特別永住者などは対象となる外国人労働者に含まれません。
また、計画期間終了後に外国人労働者の離職率が15%以下になっていることなど、所定の目標を達成する必要があります。
経営発展支援事業
経営発展支援事業は、新規就農者が農業経営を始める際に必要となる初期投資を支援する制度です。
農業用機械や施設の導入、家畜の購入、果樹・茶の新植や改植など、経営発展に必要な幅広い取組が支援対象となります。
補助率・補助上限額
国の補助率は、事業費の2分の1が上限です。
都道府県が支援する金額の2倍を国が支援する仕組みとなっています。
国費の補助上限額は500万円です。ただし、経営開始資金と併用する場合は、上限額が250万円となります。
申請先
営農地を管轄する市町村へ申請します。
主な申請条件
主な対象者は、独立・自営就農時の年齢が原則49歳以下の認定新規就農者です。
また、市町村が作成する地域計画の目標地図に位置付けられている、または今後位置付けられる見込みがあることなどの条件があります。
新規就農者チャレンジ事業
新規就農者チャレンジ事業は、地域農業の構造転換を進めるため、新規就農者が早期に経営を発展させるための取組を重点的に支援する制度です。
農業用機械や施設の購入、リースなどが主な支援対象となります。
補助率・補助上限額
農業用機械や施設を購入する場合の補助率は、事業費の10分の3以内です。
リースの場合は、取得額相当額の7分の3が定額で支援されます。
国費の補助上限額は、個人が1,500万円、法人が3,000万円です。
申請先
営農地を管轄する市町村へ申請します。
主な申請条件
独立・自営就農時の年齢が64歳以下の認定新規就農者であり、青年等就農計画の認定期間内であることが必要です。
認定期間は原則として5年間です。
そのほか、営農地の地域計画において、農地の目標集積率が一定の基準を満たしていることなどの要件があります。
農地利用効率化等支援交付金
農地利用効率化等支援交付金は、農業用機械や施設の導入を支援し、農地利用の効率化や集約化を促進する制度です。
地域の農業を担う経営体が、生産性向上や経営改善に必要な機械・設備を導入する際に活用できます。
補助率・補助上限額
補助率や補助上限額は、募集される事業類型や年度、地域によって異なる場合があります。
申請を検討する際は、営農地を管轄する市町村や農業振興担当課へ最新の条件を確認しましょう。
申請先
一般的には、市町村や地域の農業振興担当課が申請窓口となります。
主な申請条件
地域計画に位置付けられた中心経営体であることが主な条件です。
中心経営体には、認定農業者や認定新規就農者など、地域の農業を継続的に担うことが見込まれる農業者が該当します。
就農準備資金
就農準備資金は、就農に向けた研修を受ける人に対して、研修期間中の所得を支援する制度です。
研修中の生活費負担を軽減することで、農業に必要な技術や経営知識の習得に集中できる環境を整えます。
交付額
月額13万7,500円、年間最大165万円が交付されます。
交付期間は最長2年間です。
申請先
都道府県や青年農業者等育成センターなど、地域ごとに定められた交付主体へ申請します。
主な申請条件
就農予定時の年齢が原則49歳以下で、次世代を担う農業者になる強い意欲を持っていることが必要です。
また、都道府県が認める農業大学校や先進農家、農業法人などの研修機関で、原則1年以上の研修を受けることが条件となります。
経営開始資金
経営開始資金は、独立して農業経営を始めた直後の所得を支援する制度です。
就農直後は収入が安定しにくいため、一定期間の生活基盤を支えることで、早期の経営確立を後押しします。
交付額
月額13万7,500円、年間最大165万円が交付されます。
交付期間は最長3年間です。
申請先
営農地を管轄する市町村へ申請します。
主な申請条件
独立・自営就農時の年齢が原則49歳以下の認定新規就農者であることが必要です。
また、市町村が作成する地域計画の目標地図に位置付けられている、または今後位置付けられる見込みがあることなどの条件があります。
青年等就農資金
青年等就農資金は、新たに農業経営を始める人を対象とした無利子の融資制度です。
農業用機械や施設の取得、家畜の購入、果樹の植栽、長期運転資金など、農業経営の開始に必要な幅広い費用に活用できます。
助成金や補助金とは異なり、受け取った資金は返済する必要があります。
融資限度額
融資限度額は3,700万円です。
一定の条件を満たし、特別な認定を受けた場合は、最大1億円まで融資を受けられることがあります。
申請先
日本政策金融公庫の各支店にある農林水産事業の窓口へ申し込みます。
実際の申込みにあたっては、市町村や農業協同組合などを通じて手続きを進める場合もあります。
主な申請条件
市町村から青年等就農計画の認定を受けた、認定新規就農者が対象です。
個人だけでなく、一定の条件を満たす法人も利用できます。
認定新規就農者になるには、原則として18歳以上45歳未満であることが必要です。
ただし、農業に関する一定の知識や技能を持つ人については、65歳未満まで対象となる場合があります。
農業者のお役立ちコラム

監修者からのワンポイントアドバイス
農業用助成金は機械導入から外国人雇用まで目的に応じた制度が揃っています。最大の鉄則は地域の「地域計画」への位置付けや認定新規就農者などの事前取得です。返済不要の補助金と無利子融資の違いを理解し、計画的に手続を進めることが成功の鍵です。

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
