目次
- 犯罪被害者給付金制度とは
- 対象となる人
- 対象外・制限となる主なケース
- 給付金の種類
- 遺族給付金
- 重傷病給付金
- 障害給付金
- 申請の期限(時効)について
- 申請方法
- ①事前相談
- ②申請書を提出する
- ③審査・裁定
- ④支給・振込
- 支給を待てない!生活費に困ったときの緊急対策
- 必要書類
- 共通で必要となるもの
- 各給付金ごとに個別に必要な書類
- 申請期限
- 例外措置
- 給付されないケース(支給制限)
- 親族間の犯罪である場合
- 被害者側にも落ち度・原因がある場合
- 不法行為に関与していた場合
- その他の公的補償や賠償との二重受け取り
- その他、社会通念上適切でないと認められる場合
- 支給された給付金の使い道と税金の扱い
- 警察以外にも!精神的・実務的な負担を減らす相談先
- 犯罪被害者給付金制度についてよくある質問 Q&A
- 犯罪被害者給付金は誰が申請できますか?
- 家族でも申請できますか?
- 申請期限はありますか?
- 加害者から賠償金を受けた場合はどうなりますか?
- 支給までどれくらいかかりますか?
- 警察への届出は必要ですか?
- 関連コラム一覧
※表記に関するご注意
本記事のタイトルおよび本文では一般的な呼称として犯罪被害者給付金と表記していますが、法律上の正確な制度名は犯罪被害者等給付金支給制度、支給される一時金の正式名称は犯罪被害者等給付金です。
殺人や傷害などの故意の犯罪行為によって、不意に生命を絶たれた遺族や、重大な負傷・障害を負った被害者に対して、国が社会の連帯共助の精神に基づき、一時金として犯罪被害者等給付金を支給する制度です。
犯罪被害者給付金制度とは

加害者に賠償能力がない場合でも、
被害者
被害者の遺族
が経済的に困窮するのを防ぎ、精神的・経済的支援を行うことを目的としています。
対象となる人

日本国内(または日本船舶・航空機内)において、故意の犯罪行為により死亡した人の遺族、または重傷病・障害を負った被害者本人が対象です。
重傷病給付金・障害給付金→犯罪被害に遭った本人。
遺族給付金→亡くなった被害者の遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順。生計を維持していた人が優先されます)。

出典:傷病手当金の特徴について・障害年金との違いとは | さがみ障害年金申請代行
対象外・制限となる主なケース
被害者側にも犯罪を誘発したなどの落ち度がある場合。
医療過失、自動車事故などの過失犯による被害(自賠責保険等の対象となるため)。
被害者と加害者の間に親族関係がある場合(親族間の犯罪は原則として不支給または減額)。
給付金の種類
給付金は、被害の状況に応じて以下の3種類に分かれています。
遺族給付金

犯罪行為により死亡した被害者の遺族に対して支給されます。
かつては被害者の生前の収入をベースに算出していたため、収入のない子どもや高齢者、主婦が亡くなった場合の給付額が低く抑えられてしまう課題がありました。
しかし、現在の新基準では最低額が大幅に引き上げられ、
子
父母
配偶者
がいる場合には加算措置が新設されています。
重傷病給付金

出典:傷病手当金等とは?|わかりやすくFP解説 - FP(ファイナンシャルプランナー)の通信教育・通信講座ならフォーサイト
犯罪行為により重傷病(負傷または疾病)を負った被害者本人に支給されます。
◆支給要件
加療(療養)期間が1か月以上、かつ通算3日以上の入院(精神疾患の場合は、1か月以上かつ通算3日以上労務に服することができない状態)を要すると医師に診断された場合。
負傷や病気から3年を経過するまでの、保険診療による医療費の自己負担分や休業損害が考慮されます。
障害給付金

出典:障害給付とは?|わかりやすくFP解説 - FP(ファイナンシャルプランナー)の通信教育・通信講座ならフォーサイト
犯罪行為により、身体または精神に一定以上の重い障害(障害等級1級〜14級)が残った被害者本人に支給されます。
こちらも2024年の改正により、算出のベースとなる基礎額の最低ラインが底上げされています。
◆給付額
被害者の
年齢
勤労収入
障害の程度
生計維持関係
などによって算出されますが、近年の改正により最低保障額が大幅に増額されました。
給付金の種類 | 改正後の支給額目安・上限など(2026年現在) |
遺族給付金 | 最低約1,000万円〜最高約3,000万円超 ※2024年改正前は最低32万円というケースがありましたが、 現在は遺族が配偶者・子・父母などの場合、最低額が一律で 1,000万円を超えるように底上げされました。 |
重傷病給付金 | 上限 120万円 ※治療にかかった保険診療の自己負担分+休業加算(最低日額が2,200円から3,200円へ引き上げ)の合計。 |
障害給付金 | 約18万円 〜 最高約4,000万円 ※障害等級(1級〜14級)に応じて支給。重度の障害(1〜3級)の場合は、 約1,056万円〜3,974.4万円。基礎額の最低ラインも日額3,600円から 5,900円へ引き上げられています。 |
※給付金はすべて非課税であり、差押えも禁止されています。
※労災保険や損害賠償などを既に受け取っている場合は、その額の限度内で給付金が調整(減額)されることがあります。
申請の期限(時効)について
犯罪行為があったことを知った日から2年、または犯罪行為が行われた日から7年を過ぎると申請できなくなりますので注意が必要です。申請の手続きや相談は、
住民票のある自治体の窓口
各都道府県の警察本部の犯罪被害者支援室
で行うことが可能です。
みんなの補助金コンシェルジュでは、犯罪被害者給付金以外にも利用できる公的支援制度を無料でご案内しています。
ご状況に応じて活用できる制度がないか、専門家へお気軽にご相談ください。
申請方法
申請は、原則として申請者の住居地(住民票がある場所)を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署の警務課や、警察本部の犯罪被害者支援室)に対して行います。
①事前相談
被害状況の確認や、必要書類の漏れを防ぐため、まずは最寄りの警察署か警察本部の犯罪被害者支援窓口へ電話等で相談しましょう。
②申請書を提出する
各給付金に応じた支給裁定申請書に必要事項を記入し、添付書類(後述)と一緒に窓口へ提出します。
③審査・裁定
都道府県公安委員会が、
被害の程度
犯罪の事実関係
不支給事由に該当しないか
などを審査します。
④支給・振込
支給が決定(裁定)されると通知書が届き、指定した金融機関の口座に給付金が一括で振り込まれます。
支給を待てない!生活費に困ったときの緊急対策
犯罪被害者給付金は、申請から実際に口座に振り込まれるまでに数か月から1年程度かかるケースがよくあります。
しかし、重大な事件に巻き込まれた場合、当面の
家賃
治療費
生活費
の支払いにすぐに行き詰まってしまう可能性があります。
そうした急を要する事態に備え、国や自治体ではいくつかの緊急支援策を用意しています。
まず検討したいのが、犯罪被害者等給付金制度そのものに含まれる仮給付金制度です。
これは、最終的な支給決定(裁定)を待っていては被害者等の生活が著しく困窮すると認められる場合に、審査の途中であっても国から一時金が前払いされる仕組みです。また、
自身での申請
警察からの紹介
により、各都道府県や自治体が独自に実施している見舞金制度(犯罪被害者等見舞金)を利用できる場合もあります。
こちらは国の給付金よりも比較的スピーディに数万〜数十万円が支給されることが多く、当座の生活費として非常に心強い存在です。
さらに、社会福祉協議会が窓口となっている緊急小口資金などの公的貸付制度を活用して、無利子または低利子で一時的な生活資金を借り入れる方法もあります。
直近の資金繰りに不安がある場合は、
警察の担当者
自治体の福祉窓口
へ今すぐ使える制度はないかを迅速に相談しましょう。
必要書類
給付金の種類に応じて、主に以下の書類が必要です。
共通で必要となるもの
支給裁定申請書(警察窓口で配布)
戸籍謄本または抄本(被害者との関係を証明するもの)
申請者の住民票の写し(世帯全員が記載されているもの)

出典:資格手当支給申請書 | 電子稟議に強いワークフローシステムStreamline
各給付金ごとに個別に必要な書類
給付金の種類 | 主な必要書類 |
遺族給付金 | * 被害者の死亡年月日を証明する書類 (死亡診断書、死体検案書など) * 生計維持関係を証明する書類 (生前の収入証明書、確定申告書の写しなど) |
重傷病給付金 | * 重傷病を負ったことを証明する書類 (医師の診断書。加療期間や入院日数が明記されたもの) * 健康保険証の写し * 医療費の自己負担額を証明する書類 (領収書や診療明細書)
(休業証明書、給与明細など) |
障害給付金 | * 身体・精神の障害の部位や状態を証明する書類 (障害診断書、診断書に添付するエックス線写真等) * 収入を証明できる書類(賞与や給与の証明書、確定申告書の写しなど) |
申請期限
申請には法的な期限(時効)があり、以下のいずれか早い方の期間を経過すると申請できなくなります。
その犯罪被害が発生した日から7年
犯罪被害(死亡、重傷病、障害の発生)を知った日から2年
例外措置
加害者によって身体の自由を不当に拘束されていたなど、やむを得ない理由で期間内に申請できなかった場合は、その理由がなくなった日から6か月以内であれば申請が認められる場合があります。
給付されないケース(支給制限)
犯罪被害に遭った場合でも、社会通念上、国が給付金を支給することが適切でないと判断される以下のケース(不支給事由)では、給付金がまったく支給されない(不支給)、または一部が減額されます。
親族間の犯罪である場合
被害者と加害者の間に、夫婦、直系血族(親子など)、三親等内の親族関係、または同居の親族関係があるとき(ただし、実質的に生計が別で、関係が破綻していたなどの事情があれば特例で支給されることもあります)。
被害者側にも落ち度・原因がある場合
犯罪行為を容認していた、または不適切な場所に故意に出向いた場合。
被害者が加害者を激しく挑発したり、自ら暴行を仕掛けたりした場合(喧嘩など)。
不法行為に関与していた場合
被害者が暴力団員同士の抗争に巻き込まれた場合や、自身も何らかの犯罪行為(麻薬取引など)に関わっていた場合。
その他の公的補償や賠償との二重受け取り
労災保険(労働者災害補償保険)の給付や、加害者側からすでに十分な損害賠償金を受け取っている場合は、その金額の限度内で給付金が減額、または支給されません。
その他、社会通念上適切でないと認められる場合
警察への通報や捜査協力を正当な理由なく拒否し続けた場合などが該当します。
みんなの補助金コンシェルジュでは、犯罪被害者給付金の対象になるか不安な方や、ほかに利用できる給付金・支援制度を知りたい方へ無料相談を実施しています。
専門家が状況に応じてご案内します。
支給された給付金の使い道と税金の扱い
犯罪被害者給付金は、被害に遭われた方やご遺族の生活再建を後押しするための重要な資金です。
国から支給されるこの給付金は、法律によって非課税と定められているため、
所得税
住民税
などの税金がかかることはありません。また、翌年の
住民税
国民健康保険料
の計算の基礎となる所得にも含まれないため、安心して生活費や医療費に充てることが可能です。
さらに、給付金を受け取る権利は法律で守られており、第三者から差し押さえられることも禁止されています。
被害によって生じた未払いの医療費の精算、今後の生活基盤を整えるための転居費用、カウンセリング費用など、当面の生活維持のために柔軟に活用することができます。
警察以外にも!精神的・実務的な負担を減らす相談先
給付金の申請手続きは、心身に大きな負担を抱える中で多くの書類を揃えなければならず、
被害者
ご遺族
にとって大きなプレッシャーとなります。
警察の窓口だけでなく、各都道府県に設置されている民間犯罪被害者支援団体(被害者サポートセンター)に相談するのもひとつの手です。
ここでは、専門の相談員による精神的なカウンセリングが受けられるほか、
病院
警察
裁判所
への付き添い、申請書類の作成補助といった実務的なサポートを原則無料で受けることが可能です。
ひとりで抱え込まず、こうした外部の支援機関も積極的に頼りながら手続きを進めていきましょう。
犯罪被害者給付金制度についてよくある質問 Q&A
犯罪被害者給付金は誰が申請できますか?
犯罪被害に遭った本人、または亡くなった被害者の遺族が申請できます。
本人が生存している場合(重傷病・障害)は被害者本人が、亡くなっている場合(死亡)は第一順位の遺族(配偶者、子、父母など)が申請者となります。
家族でも申請できますか?
被害者が亡くなっている場合は遺族として申請できますが、本人が生存している場合は原則として家族による申請はできません。対象となる
障害給付金
重傷病給付金
は被害者本人が申請する必要があり、家族が代わりに受け取ることはできません。
申請期限はありますか?
被害を知った日から2年、または被害が発生した日から7年という明確な期限があります。
いずれか早い方の期間を過ぎると、いかなる場合も申請を受け付けてもらえなくなるため注意が必要です。
加害者から賠償金を受けた場合はどうなりますか?
受け取った賠償金の額に応じて、給付金が減額されるか支給されなくなります。
すでに十分な損害賠償を受けた場合はその分が差し引かれます。
なお、給付金を先に受け取った場合は、国が被害者に代わって加害者へその分の賠償を請求する仕組みです。
支給までどれくらいかかりますか?
申請から支給(裁定)までは、通常数か月から1年程度かかります。
警察
公安委員会
による事件の事実確認、医師による
障害
怪我
の程度についての審査を慎重に行うため、ある程度の期間が必要です。
警察への届出は必要ですか?
警察への
事件の立件
被害届の提出
が、給付の前提条件です。
故意の犯罪行為があったことを客観的に証明する必要があるため、警察への届出や捜査への協力をしていない場合は、原則として支給されません。
関連コラム一覧
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監修者からのワンポイントアドバイス
犯罪被害者等給付金は、故意の犯罪による死亡や重傷病に対し国が一時金を支給する制度です。近年の改正で最低保障額が底上げされましたが、知った日から2年の申請期限があります。受給まで時間を要するため、仮給付金や自治体の見舞金制度の早期活用も視野に入れましょう。

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

