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美容室も業務改善助成金を使える!対象設備や活用事例を分かりやすく解説

業務改善助成金は、スタッフの賃金(事業場内最低賃金)の引上げと生産性を向上させる設備投資を行いたい事業者が使える制度です。本コラムでは、美容室が業務改善助成金を活用する場合の条件や事例などを紹介します。

執筆: 梅沢 博香公開日: 2026-03-02
美容室も業務改善助成金を使える!対象設備や活用事例を分かりやすく解説
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

ポイント

  • 業務改善助成金は、最低賃金の引き上げと設備投資を支援する制度

  • 助成対象となる設備は生産性アップを目的としたもの

  • 美容室ではPOSレジや業務用洗濯乾燥機などの導入に活用できる

美容室も使える!業務改善助成金とは?

業務改善助成金の概要.png

業務改善助成金は、中小企業が賃上げと設備投資を同時に行う場合に、その費用の一部を支援する制度です。

店舗内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げることと、生産性向上につながる設備投資を行うことが主な条件です。

例えば、美容室の場合、最低賃金を引き上げたうえで、POSレジや業務用洗濯乾燥機などの業務効率化につながる設備を導入する時に活用できます。

助成される金額は設備投資費用の一定割合で、最大600万円まで支給される可能性があります。

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参考:業務改善助成金

業務改善助成金に申請できる美容室の主な条件

美容室が業務改善助成金に申請するためには、賃上げと生産性向上の取り組みを行うなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

主な条件は次の5つです。

1.        中小企業・小規模事業者であること

2.        雇入れから6か月以上の労働者がいること

3.        地域の最低賃金未満であること

4.        賃上げと設備投資の計画があること

5.        解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

1.中小企業・小規模事業者であること

美容室を運営する事業者が、中小企業または小規模事業者である必要があります。

ただし、大企業の子会社など「みなし大企業」に該当する場合は対象外となります。

2.雇入れから6か月以上の労働者がいること

事業場内最低賃金の引き上げ対象となる従業員が、申請時点で雇入れから6か月以上経過していることが必要です。

  • 地域の最低賃金未満であること

  • 美容室で最も低い時給(事業場内最低賃金)と、都道府県ごとの地域別最低賃金との差が50円以内であること

が、条件です。

3.賃上げと設備投資の計画があること

業務改善助成金では、

  • 事業場内最低賃金を50円以上引き上げること

  • 生産性向上につながる設備投資を行うこと

の両方を計画して申請する必要があります。

4.解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

過去に、解雇や不当な賃金引き下げなどの問題がある場合は、助成金が支給されない可能性があります。

なお、業務改善助成金は美容室の店舗(事業場)単位で申請します。

同じ年度に同じ店舗で申請できる回数は原則1回までです。

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美容室で業務改善助成金の対象になる設備は?

美容室では、施術時間の短縮や事務作業の効率化など、生産性を高める設備が業務改善助成金の対象になります。

ここでいう「生産性を高める設備」とは、今までよりも少ない時間・少ない手間で仕事ができるようになる設備のことです。

例えば美容室では、次のような設備が対象になりやすいです。

設備例

生産性向上の内容

シャンプーユニット

高さや角度調整がしやすくなり、施術時間や待ち時間を短縮

美容器具(デジタルパーマ機など)

施術のムラを減らし、短時間で安定したサービスを提供

業務用洗濯乾燥機

タオル洗濯を自動化し、スタッフの作業時間を削減

POSレジ・顧客管理システム

会計・予約・顧客管理などの事務作業を効率化

例えば、最新のシャンプーユニットに更新すると、体勢調整がスムーズになり、スタッフの負担軽減と施術時間の短縮につながります。

また、デジタルパーマ機を導入すれば、施術の再現性が高まり、1人当たりの対応時間を短縮できます。

このように、美容室では施術・受付・事務の効率化につながる設備が、生産性向上の取り組みとして評価されやすい傾向があります。

なお、設備投資だけでなく、業務改善に必要な研修費用などが対象になる場合もあります。詳細は厚生労働省の公表資料をご確認ください。

参考:厚生労働省「業務改善助成金」

参考:業務改善助成金業種別事例集(生活関連サービス業・娯楽業編)

パソコンや車は原則対象外

業務改善助成金では、パソコン・タブレット・スマートフォン、自動車などは原則として助成対象外とされています。

ただし、一定の条件を満たす特例事業者に該当する場合、通常は対象外の設備でも助成対象になる可能性があります。

設備

対象となる条件

パソコン・タブレット

新規導入であり、業務改善に直接必要な場合

自動車(貨物車など)

用途や価格などの条件を満たす場合

例えば美容室では、特例事業者に該当すれば、予約管理用タブレットや店舗管理用パソコンなどが対象となるケースがあります。

特例事業者の要件には、次のような条件があります。

  • 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以内

  • 原材料費や光熱費の高騰などの影響を受けている

設備導入のタイミングの注意点

業務改善助成金では、設備の導入は申請し、採択された後に行います。

助成対象となる設備は、次の流れで導入する必要があります。

  1. 労働局へ助成金を申請

  2. 交付決定を受ける

  3. 設備の発注・契約・支払い

  4. 設備導入と賃上げの実施

交付決定を受ける前に設備を購入した場合、原則として助成対象にはなりません。

また、業務改善助成金は過去に利用した事業者でも、条件を満たせば再度申請できる制度です。

設備更新や新しいシステム導入を検討している美容室は、制度を活用できる可能性があります。

制度の詳細や最新の公募内容については、各都道府県の労働局の案内を確認してください。

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美容室の業務改善助成金の活用事例

以下では、賃上げと生産性を上げるための設備を導入した飲食店の事例を紹介します。

事例1:シャンプーユニットの導入事例

項目

内容

事業者

美容室(理容業・美容業での導入実績:10事業場)

導入前の課題

利用者の体勢に合わせた高さ・角度の調節作業が非効率だった。また、ユニット台数が少なく待ち時間が発生し、全体の施術時間が長くなっていた。

活用内容

業務改善助成金を活用し、高さや角度が容易に調節可能な最新のシャンプーユニットを導入・増設した。

導入後の成果

スムーズな調節が可能になり、待ち時間も解消されたことで、施術時間の短縮につながった。

事例2:最新美容器具(デジタルパーマ機等)の導入事例

項目

内容

事業者

美容室(脱毛器・デジタルパーマ等の導入実績:7事業場)

導入前の課題

既存の機械では仕上がりにムラが出やすく、納得のいく仕上がりにするために施術時間が長引く傾向にあった。

活用内容

助成金を活用して、最新のデジタルパーマ機や脱毛器などの施術器具を導入した。

導入後の成果

施術時間の短縮に加え、ムラのない高品質なサービス提供が実現。顧客の回転率も向上し、生産性が高まった。

事例3:業務用洗濯乾燥機の導入事例

項目

内容

事業者

美容室(業務用乾燥機等の導入実績:4事業場)

導入前の課題

洗濯物(タオル等)によって乾燥に要する時間が異なり、スタッフが何度も確認や入れ替えを行うなど、作業時間が長くなっていた。

活用内容

業務改善助成金を活用し、大量の洗濯物を効率よく処理できる業務用洗濯乾燥機を導入した。

導入後の成果

乾燥後の仕上がりが向上し、洗濯・乾燥にかかる付随業務の時間が短縮。サロン全体の作業効率が大幅に改善された。

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よくある質問

Q:業務改善助成金は、美容室の個人事業主でも申請できますか?

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者に該当すれば、個人事業主の方でも申請可能です。

ただし、この助成金は「事業場(店舗)」を単位として申請する制度であるため、従業員(雇入れ後6か月を経過した労働者)を雇用していることが前提となります。

Q:業務改善助成金は、美容室ではどのような設備が対象になりますか?

業務改善助成金は、 「生産性向上(業務効率化)」に直結する設備や機器が広く対象となります。

美容室の事例では、施術時間を短縮するための最新美容器具(デジタルパーマ機など)シャンプーユニット、付随業務を効率化する業務用洗濯乾燥機、事務作業を削減するPOSレジや顧客管理システムなどが挙げられます。

また、物価高騰等の影響で利益率が低下しているなどの要件を満たす「特例事業者」に該当すれば、本来は対象外であるパソコンやタブレットの新規導入貨物自動車の導入なども助成対象に含まれる場合があります。

Q:業務改善助成金は自分で申請できますか?

業務改善助成金は、 事業主ご自身でも申請できます。

申請は管轄の都道府県労働局へ必要書類を提出して行い、厚生労働省のサイトには様式やマニュアルも用意されています。

ただし、賃上げ計画と設備投資計画の整合性、最低賃金の確認、見積書や賃金台帳などの書類準備など、確認すべき項目が多く、条件も複雑です。不備があると不支給になる可能性もあります。

そのため、確実に進めたい場合は、助成金に詳しい専門家へ相談するのも一つの方法です。

弊社では、業務改善助成金などの制度活用のご相談を承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

業務改善助成金は、最低賃金の引き上げと設備投資を支援する制度です。美容室の場合、最低賃金を引き上げたうえで、POSレジや業務用洗濯乾燥機などの業務効率化につながる設備を導入する時に活用できます。労働者の雇い入れ期間や最低賃金との差額など一定の要件があります。